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  • 催眠アプリで女にギョウチュウ検査をしてやりたい 第4話

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     俺が中三の頃に貰った保健便りでは、確かギョウチュウ検査は二日分を提出する事になっていた。ネットで自分の高校を調べてみても、やはり二日分となっていたので、チャンスは二回あることになる。これを上手く活用すれば、もしかしたら複数人の恥じらい顔を観察できるかもしれない。
     まず本命は、妹の泉野晴香。
     二人目は井上月子と決定している。
     三人目以降は探すかも未定。
     妹については処女がまだなので、それも貰っておかなくてはならない。
     しかし、生意気な晴香だ。
     月子のようにただ催眠でいいように寝かしつけ、美味しく頂くのではつまらない。別に晴香のことは嫌っちゃいないが、キモいだの童貞だのとストレートに言われては一応傷つく。あのツンケンした態度の女を犯すとしたら、前座として最高級の羞恥心を与えてから、その上で挿入するのが理想である。
     俺を相手に恥じらう姿を想像するだけでも、今のうちからワクワクが止まらない。
    
    「なんかさー。お兄ちゃん? いいことでもあったの?」
    
     それは夜。
     月子の処女を貰ったその日の夜。
     俺の部屋へとずかずかと上がり込んできた晴香は、目の前にいる俺本人の許可を確認すらせずに本棚を漁り始めて、床でライトノベルを読み始めた。
    『さーて、読むか』
     と、まるで自分の部屋を出入りするような気持ちで、さも当然のように俺の金で買った本を棚から取り出しやがったわけだ。
    『読むのはいいけど、一言ないの?』
    『ん。貸して』
    『いいけど……』
    『ほーら、返事なんてわかってるんだし、兄妹なんだから手続きなんて省こうよ』
    『俺が晴香の本を借りた時は、その一言を要求された覚えがあるよ?』
    『そうだっけ? 知らなーい』
     なんとまあ、酷い子である。
     俺が同じことをしたら怒った過去があるのに、自分はこれというわけなのだ。もちろん貸し借りそのものは良いのだけれど、そこだけがムっとせざるを得ないところである。
     ともかく、こういう経緯の元。
     現在、晴香は俺の部屋にいるというわけだ。
     俺もしばらくは図書室で月子に借りた本を読み、お互いに読書に集中して、数時間ほどで俺達の読書への集中力が切れ始める。
     で、本を読み疲れたおかげか。
     今日の童貞卒業体験の記憶がぶり返し、つい何時間か前まではこのベッドの上に井上月子はいたのだという事実に改めて心揺らされ、あの気持ち良さを思い出してついニヤけていた最中にだ。
    「いいことあった?」
     本を閉じた晴香が、俺の表情に気づいて尋ねてきた。
    「い、いや?」
    「ふーん? 何もないなら、そのキモい顔やめた方がいいよ? ただでさえブサメンに分類されるヤバい顔なのにみっともない」
    「またストレートに……」
     傷つくだろうに。
     どうして、わざわざ口に出すのか。
     普通にいつも言いすぎなんだよね、この子。
    「まあ、さ。言っておくけど、仮にお兄ちゃんが今の人格のままイケメンに生まれ変わったとしても、絶対にモテないと思うよ?」
    「え、そうなの?」
    「だって、他人に話しかけるの苦手でしょ? じゃあ無理じゃん。人間関係そのものが苦手なんて言い出したら、女の子と接する機会そのものが丸々無くなるでしょ? だから、その人格のまま顔だけイケメンに変えても、無意味だって思うのよね。掃除機みたいに回りを引き寄せるほどの規格外の魅力でもあれば話はまた変わるんだけど」
     これは説教だろうか。
     いや、確かに人と喋れもしないのでは、なるほどフラグが立つわけがない。
     ラノベとか読むと、女の子の方から何やかんやで転がり込んでくるけど、リアルにそういうのはないしなー。
     言わんとする意味合いはわかるけど、どうして俺が妹に説教されてるんだろうなー。しかも何の前触れもなく、理由もなく、ただただ突然のように心を傷つけられるなど、悲しいやら腹立たしいやら、わからない。
    「まっ、彼女もいらなければ友達も必要ないんだったら、そこら辺は人の自由だとは思うんだけどねー」
    「じゃあ、いいじゃないか」
    「良かったよね。アンタみたいなお兄ちゃんに妹がいて。おかげで、一応、女の子と喋るだけなら自由でしょ?」
    「うーむ……」
     まるでそれでは、晴香にしてみれば、自分の存在そのものが感謝の対象ということか。それを晴香の方から口にして、晴香自身が偉そうにするって、どうなんだ。
    「ぶひーぶひー」
     俺が萌え豚だから、豚の鳴き真似で俺をからかおうってわけだ。
     いいだろう。
     ならば俺にも考えがある。
    「ベッドに上がって来い」
    「はあ? 何よ急に」
     いかにも文句のありそうな表情で、まるで仕方がないかのように俺の隣へ座り込む。
    「下着の色は?」
    「――うっ」
     晴香は顔を引き攣らせ、言葉を詰まらせた。
     恥ずかしいのだ。
     胸やアソコの恥部を覆ったものに関する情報を口にするなんて、きっと乙女の秘密を抉られるようで恥じらい深いに違いない。
    「色は?」
     俺は強く尋ねる。
     晴香は頬を朱色に染め、深く俯き、躊躇うような指遊びで下ばかりを眺め始める。言いたくないけど言わなくちゃいけなくて、どうしようという気持ちが、指遊びをする仕草として現れているのだ。
     羞恥心から出る仕草!
     これはたまらん。
    
    「…………………………………………ピンク」
    
     小さな小さな細い声で、震えながら晴香は答えた。
    「どんなピンクかな? 濃いの? 薄いの?」
     俺は勝ち誇った表情で、セクハラオヤジがいやらしく言い寄るようなねっとり声で、耳元へと迫ってやる。
     すると、晴香の赤面領域はみるみる広がり、顔の赤みは耳にまで侵攻して首から上をまんべんなく染め尽くす。恥じらいきった自分の表情を、まるで見せたくないかのように、晴香は俺から顔を背けた。
     いいぞ?
     晴香はとっても恥ずかしがってる!
    「別に濃いとか薄いとかなくて、普通のピンクだけど……」
    「だけど?」
     何か続く言葉がありそうに聞こえたので、俺は追及した。
    「……白との、縞々」
     それはとても躊躇いの篭った言葉であった。
     例えるなら照れくさいあまりに素直にお礼が言えないツンデレのような、ぶつくさとした感じの篭った今の口調は、まさしく胸の内側に膨らんでいる羞恥心からに違いない。
     いいぞ? 素晴らしいぞ?
     羞恥ってこういうのがいいんだよ。
     セックスとかフェラチオが見たい時は、普通に純愛とかチートとかハーレムとか別のジャンルから探すから、羞恥を名乗る作品はぶっちゃけ延々とこういう描写だけやってくれているかどうかがミソなんだよね。
     恥ずかしい気持ち、恥ずかしい体験。
    『……こんな大勢の前で脱ぐなんて、恥ずかしい!』
     とか。
    『あ、アソコを人に見られるなんて……! 恥ずかしくて死んじゃう!』
     とか。
     そんな心理状態に陥る少女こそが素晴らしい。
     それこそが志向のエロス。
     残念ながら、この感覚は一定のマニアでなければ共感できないものらしいが、女の恥じらい尽くした表情とかって面白いじゃん。
    「へえ? ピンクの縞パンかあ!」
     俺は大いにテンションを高めた。
     口にした情報を確かに頂いたことをアピールするため、わざと大きな声を出し、このたまらない嬉しさを表に出して、俺は明るく笑顔になったのだ。
    「そ、そういうの言わなくていいでしょ?」
     声が裏返っている。震えている。
     喉に振動でも起こしたような震え声だ。
    「昨日は白! 今日はピンクの縞パン! 明日は何だろうねぇ?」
    「~~~~~~~~~~~~~~~っっっ!」
     この見ているだけで『恥ずかしい!』って声が聞こえてきそうな晴香の表情!
     いいよ? 最高だよ!
     いっそ、この表情の動き全てを録画して永久保存したいくらいだ。
    「本当にピンクの縞々おパンツかどうか。確認して上げるよ」
     俺は晴香の肩を掴んで、ゆっくりと押し倒す。
     ベッドに寝かせ、すると晴香は顔を背けた。
    「………………っ!」
     歯を噛み締め、顔を限界まで横に向けることでシーツに顔半分を埋め込んで、横顔だけが俺の視界に残っている。
     髪から覗く耳は当然真っ赤。
    「ブラジャーから確認してあげるね?」
     俺は晴香のパジャマボタンに手を触れて、下から順番に外し始める。たった一つ外すたびに白い腹の素肌が面積を広げていき、すぐにヘソが丸見えになる。
    「…………ばかっ」
     晴香は恨めしそうな目で俺を睨んだ。
     赤面しきった睨み顔だ。たまらない。
    「もうすぐ見えちゃうねぇ?」
     俺は胸元のボタンへ触れた。これを外せば、とうとうブラジャーのかかった乳房の領域が見え始める。
    「か、勝手にしなさいよ! バカ! ううぅっ!」
     さぞかし悔しそうな目つきで、晴香は唇を丸め込んだ表情を披露する。いかにも恥じらいに耐え忍んで見えるその顔は、胸元のボタンを一つ外すとますます歪む。まぶたさえ強く閉じられ、堪えている以外の何者でもない表情になりきった。
    「ブラカップの下の方が、ちょこっと見え始めたよ?」
     俺は実況してあげる。
    「~~~~~~~~~~~っっっ!」
     ただの言葉がまるで責め苦であるかのように、晴香は表情を悶えさせた。
    「ほら、だんだん縞々が見えてきた。このままカップのお山を登っていこう」
    「言わないでぇ…………!」
    「あーあ、ブラジャーが丸見えだねぇ?」
    「やめて………………!」
    「縞々のラインがあるから、綺麗なカーブがわかりやすいねぇ? サイズもすごくフィットしているみたいだし、このブラジャーを外すと同じ形のおっぱいがあるんだろうねぇ?」
    「くうぅっ……!」
    「ほら、これでボタンがぜーんぶ取れた」
     ボタンを外し終わった俺は、パジャマの前を両側にはだけてやる。ブラジャー付きの乳房は全て丸晒しとなり、肩紐をかけたスベスベそうな肩も、ヘソの可愛い白いお腹も、全て俺の視姦対象だ。
    「………………っっっ!」
     俺の視姦を一心に耐え忍ぶ晴香の表情を見て、俺は大いに興奮した。今日のうちに童貞卒業を体験したにも関わらず、それでも肉棒が限界勃起をしてしまうほど、俺は晴香の『表情』を見て息を荒げた。
     すごい、恥ずかしがってる! 可愛い!
     晴香の表情を堪能する俺は、これ以上ないほどに勝ち誇り、そんな俺のニヤけを見た晴香は余計に恨めしそうな目つきを強める。
     これだけの羞恥心の現れを拝めるのは、やっぱり催眠アプリのおかげだろうか。
     女の子は恥ずかしい体験に決して慣れることはない。経験を積めば積むほど、その後の恥じらいは逆に強まり、最終的にはパンツを見られることが全裸を鑑賞される恥ずかしさにも匹敵してしまう。
     今の晴香はどうだろう。
     昨日はスカートをたくし上げさせ、お尻も触った。あれはどれほどの経験値となり、今はどれほど恥ずかしいのか。
    
     ズボンがパンパンに膨らんでいる。
    
     晴香の恥じらいを堪能したい気持ちとは裏腹に、勃起したペニスを使って色んなことを試したいという、羞恥とはかけ離れてしまう行為にも欲望が沸いてきた。
     早く、これを鎮めたい。
     肉棒を慰めたい……。
     ど、どうする?
     なんだか俺の腰は晴香の下半身へ当て擦られ、ペニスに太ももの触感が伝わっている。肉棒が晴香の膣内を探検したがっていることは、俺自身が一番よく理解した。
     我慢だ我慢!
     耐え抜け俺!
     ここでセックスを我慢できないようでは、楽しみにしている肛門視姦からのアナルグリグリをやる前に、丸出しの尻やアソコを見てチンコが爆発してしまう。そして、あまりにも早く本番へ移行するせいで、羞恥プレイの時間は目減りするのだ。
     今の俺はどうか?
     完全にセックスをしたがっている。
     とはいえ、ここまでおっぱいを揉まずにやり抜いているのも、また事実であろう。
     よし、ここで訓練を積んでやる。
    
     今から小一時間以上、上半身限定でベタベタと触りまくる!
    
     ペニスは出さず、アソコやお尻にも今回は触らない。
     目茶苦茶に撫で回すことにより、俺が女に慣れてやるのだ。
    
    
    


     
     
     


  • 催眠アプリで女にギョウチュウ検査をしてやりたい 第3話

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     朦朧とした月子に向かって、俺は言う。
    「……き、君は僕の言う事を聞く」
    「私は……太郎君の……言う事……聞く…………」
    「命令、絶対……」
    「絶対………………」
    「あとで、その……。校門の先にあるコンビニで待ち合わせ。来てね」
    「……うん。行く」
     全て、ボソボソした小さな声だった。
     俺自身、あまり声量のない方なので、おそらく周りには会話は聞こえない。あ、何かこいつら話しているなーぐらいにしか見えないだろう。
     ここが教室だったら、俺なんかが美人と会話してたら驚かれるかもしれないか。
     しかし、図書室のカウンターで本を借りる姿を怪しむ者など、どこにもいない。
     いやしない。
     何も恐れる必要はない。
    「じゃあ、あとで」
    「うん」
     俺は一旦、借りた本をバッグに入れて図書室を出る。
     校舎を出た先、待ち合わせのコンビニで待機する。
     十分以上ほどは待ち続け、図書委員の仕事を終えた月子がようやくやって来たのを連れ、俺はこの子を家に持ち帰ることにした。
     どうせ、両親は今日もいない。
     晴香は友達と遊ぶと言っていたので、妹もしばらくいない。
     女を連れ込めば二人きりになれる。
     しかし、俺なんかが月子と一緒に歩いたりして、学校でどう思われるかも不安なので、待ち合わせ場所はわざわざ校門以外の場所にした。しばらくは離れて歩き、クラスメイトに見つかる恐れの無さそうな住宅地までやって来てから、俺達はやっと並んで歩くのだ。
     瞳のぼやけた人形のような月子を家まで招き、玄関を通して部屋まで上げる。
     ドキドキした。
     妹か母親以外の女が、初めてこの俺の部屋に来ているのだ。
     そして、俺はこれから……。
     考えれば考えるほど、素晴らしいご馳走を前にした緊張感で胸が高まり、嬉しくて嬉しくてたまらない気持ちが沸いてくる。
     女の子とイチャイチャできるんだ!
    
     ――パン!
    
     と、両手を叩いた。
     その一瞬で月子は目覚め、瞳に焦点を取り戻し、頭のぼんやりした人形の状態から、元の井上月子としての状態へ立ち戻る。
    「あ、あれ? 私どうして……」
    「あ、あのね。俺の家だよ?」
    「太郎君の?」
     驚くでもなく、連れ込まれている事実に怯えるでもなく、月子はただ不思議そうに首をかしげた。
    「月子さんは、ね。お、俺の……俺の言うことを聞くんだよ?」
    「そっか。そういえば私って、太郎君の命令は聞かなきゃいけないんだ」
     ルール意識の芽生え。
     これで月子の心の中では、俺の命令を聞くのは憲法にも等しい絶対法規となる。
     本人からすれば、冷静に考えれば「何でコイツの命令は絶対なんだ?」と不思議な気分もするのだろうが、それでも相手は言う事を聞いてしまう。
    「こ、こっち! 来て?」
    「うん」
     俺は月子をベッドに上げ、隣同士で一緒に座る。
     肩がくっつき、脚がくっつく。
     月子は緊張したかのように、白かった顔をほんの少しだけ染め上げて、なんだか照れくさそうに下を向いていた。
    「あのね? 太郎君。なんか私、自分がどうなっちゃうかわかる」
    「……え?」
    「だって、私って太郎君の言う事は聞かなきゃいけないし。あれ? そいうえば、どうして聞くんだろうね。わかんないけど、とにかく聞かなきゃだし」
    「そ、そうだよっ」
     恐る恐る腰へ手を回す。
     すると月子は、なんと俺の肩に頭を寄りかけるのだ。
    「運命かなぁ」
    「へ?」
    「だって、わからないんだもん。自分がどうして太郎君に従うのか。こんなにも逆らっちゃいけない気がするのは、もしかして私、好きになったのかなぁ? たぶん」
     ドキン!
     俺は胸が高まった。
     し、してないぞ?
     確かに催眠アプリのオプションに恋愛感情を植える力はあるようだが、俺は今回その操作はしていない。
     俺が使用した機能は意識をぼんやしさせるものだけだ。
     ルール意識を与えた結果、どうして自分が俺に従うのか。
     それは運命の人の言葉だからに違いないと、月子が個人的に解釈しているのだろう。冷静に考えれば、俺の命令が絶対である意味が理解できないはず。何故って思うはず。そんな疑問を解消するために、本人が勝手に解釈を付けてしまったのだ。
     と、ということは……。
     井上月子は俺の彼女になっちゃったのか?
    「太郎君っ」
     月子はうっとりと細められた目で俺を見る。
     いてもたってもいられなくなり、俺は月子の頬に手を当てて、ゆっくりと顔を接近させていく。ゆっくりゆっくり、鼻腔にシャンプーの香りを感じながら、この唇を月子の唇へと近づけていった。
     プルっと柔らかい月子の唇と、俺の唇が重なり合った。
     すると月子は、俺の背中を、後頭部を鷲掴み。まるで俺を逃がしたくないかのように、強い抱き締めで俺を捕らえ、キスを一秒でも長引かせようとしてくるのだ。腕力はかよわいが、月子の抱擁に抗う気などまさか沸かずに、俺は囚われのまま唇を接着させ続けた。
     息が苦しくなっても離してもらえず、せいぜい息継ぎしかできやしない。少しでも隙間を開ければ力を入れ、密着を維持しようとしてくる。数秒以上は続く唇同士の密着は、たった一瞬の息継ぎを挟みながら、あまりにも執拗に繰り返された。
     月子の唾液が癒着して、俺の唇に浸透する。粘液の味に俺は酔いかけ、俺は唇の肉を駆使して月子の唇を啄ばんだ。すると月子も同じように、俺の唇を食べるかのように頬張って、やがて深いキスに突入して舌が触れ合う。
     月子の口腔の味がすっかりわかった。
    「……ねえ、太郎君」
     やっとのことで、月子は腕を緩めてくれる。
    「うん。なに?」
    「するのかなーって。えっちとか」
    「すっ、すすっ、するよ?」
     相手の口から単語を出され、俺はぎょっとして上ずった。
     そんな俺の反応を細められた瞳で見つめ、まるで恥ずかしくて照れるような顔をしながら、されるがままになろうと俺のベッドに横たわる。
    「……いいよ? して?」
     乱れた髪をシーツに広げ、官能的に見える瞳で俺を待つ。
     肌の真っ白な美少女が成すその姿は、まるで美術家がセンスをもって手がけたワンシーンのように思えて、誘ってくる月子の姿がただエロいでだけでなく美しい。
     きっと、露骨な誘い方ではないからだ。
     ビッチがするような見え透いて淫らな誘いと違って、ただ何も知らない無垢な少女が横たわり、それが結果的に隙だらけのお姫様に映るような、恐ろしい演出力だ。
     本人は何も意識してすらいないだろう。俺を受け入れる気になったから、単純に俺がやりやすいために横になっただけなのだ。
     もうたまらない。
     我慢できない!
    「つ、つ、月子さん!」
     既にギンギンにないっていた俺は、がっつくように胸を揉む。衣服を介した柔らかさが手に広がり、すぐに生の感触を知りたくなり、急いだようにボタンを外す。ワイシャツをはだけた中から出て来た薄色のブラジャーをずり上げ、美乳を存分に揉みしだいた。
     興奮たまらずスカートへ手を伸ばし、おパンツを脱がせてやる。
     アソコをしばし愛撫して、すぐに勃起したものを押し当てた。
    「……来るんだね」
    「うん」
    「いいよ? いれて?」
    「うん!」
     腰を押し込め、月子の膣を貫いた。
     感激が広がった。
     これが肉棒を女の子の中へ入れた感覚なのかと、あまりの気持ち良さに感動して、俺はしばらく腰を振るのも忘れていた。
     温かいのだ。
     ちょうど熱気を帯びたコンニャクにトロトロのオイルを塗り、それでペニスを包み込んだらこれとよく似た感じになるだろうか。温かな膣壁が俺の肉棒をしっかりと握り込み、下腹部の筋肉によって締めたり緩めたりがキュウキュウと繰り返される。心臓の鼓動にも似た圧迫による鼓動が、秒刻みで俺のペニスを締め付け刺激していた。
     月子は脂汗をかき、表情を悩ましげにして深い呼吸で乳房を上下に揺らしていた。
     やっぱり綺麗だ。
     俺自身の手でボタンを全開にしたワイシャツが左右に広がり、ブラジャーのずり上がって丸出しとなった乳房。秘所に俺の棒を受け入れ、全てを曝け出した月子は、乱れた髪をシーツ全体に広げて柔らかそうな頬で息をする。
     性欲の獣によって喰い散らかされて見える姿も、何故だか神々しいような気がして、こんな月子の姿さえも官能芸術になりうるのではと思えてならない。
     月子のエロさは、もはや単なるいやらしさとは方向性が違っていた。
     まるでその姿を絵に変えて、価値ある作品として美術館にでも飾っても良さそうな、美感の意識されたエロスに見える。
     俺はただがっついただけなのに、月子のどことない雰囲気が、不思議なまでにそうした芸術性を滲ませていた。
    「月子さん……」
     そんな姿に感激しながら、俺はようやく腰を振る。
     目を瞑り、静かに受け入れ、ピストン運動からなる振動で乳房を上下にプルリと動かす。
     大げさな例えになるが、天使だとか女神だとか、そういった眩しい存在との交わりが実現した夢の気分で俺はいる。光り輝く存在の膣を味わい、まさに腰を振っている途方もない満足感が俺の精神を大いに満たした。
    「た、太郎君……!」
     その悩ましい声に、俺は気づいた。
     月子は今、重大な目に遭っているのだ。
     肉棒を受け取る女の子の気持ちは預かり知らぬところだが、少なくとも月子にとっては重要な出来事で間違いない。月子はまるで自分が大事件にでも遭遇したような気持ちとなり、衝撃で心がいっぱいいっぱいになっているのだ。
     そこに羞恥心はない。
     衝撃、動揺。
     別の感情で要領がいっぱいになってしまっているので、今の月子に恥じらっている余裕などありはしない。
     羞恥と挿入の相性は悪い。
     ただ気持ちいいだけだ。
     いや、今はそれでいい。
     井上月子のおマンコは気持ちがいい。
     今はただ、それだけが大切なのだ。
    
    
    


     
     
     


  • 催眠アプリで女にギョウチュウ検査をしてやりたい 第2話

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     ――ギョウチュウ検査。
    
     2015年度に廃止となった検査だが、自治体の判断によっては、今後も地域や学校しだいでは継続という話である。
     故にこの検査は減りこそすれ絶滅したわけではない。
     ギョウチュウとは腸に寄生する虫であり、寝ている際にお尻の穴から出てきて卵を産む。専用のセロファンを肛門に押し当てるのは、産み付けられた卵が取れるかどうかで、寄生の有無を確かめるためだ。
     そう、セロファンを肛門に押し当てる。
     普通は自分でやることだが――。
    
     もしも他人にギョウチュウ検査をやられたら、人はどんな気持ちになるか。
    
     俺がこうしたマニアックな想像をしているのは、実際にそういうマニア性癖が存在して、それをAVにした動画まであるからだ。登場する女の子のお尻にセロファンが当てられ、男の指で肛門をグリグリされる。女の子はいかにも恥ずかしそうに顔を歪めて、その屈辱にひたすら耐え続ける。
     いわゆる少女の羞恥心というものを前面に押し出した作品群。
    『見ないで!』
    『恥ずかしい!』
     そんな心の叫びを表情にありありと浮かべ、屈辱に耐え忍ぶ姿は、羞恥作品のマニアにとっては非常にそそるものが強い。
     健康診断をテーマにしたAVなら、四つん這いのお尻に対するギョウチュウ検査で肛門をグリグリして、目茶苦茶に恥じらう女の子の表情はまず欠かせない。
     露出をテーマにしたエロ漫画も、いかに恥ずかしい部分を晒して外を出歩き、人に見つかる見つからないを味わうか。それとも、本当はノーパンで出歩いて、いつ中身を見られるともしらない不安な気持ちを味わうか。
     衆人環視の前で裸を観察されてしまったり、オナニーや犬のお散歩をやらされるというのも捨てがたい。
     恥ずかしさ!
     あらゆるシチュエーションによって、恥ずかしさこそを味合わせる。赤面しまくっている女の子の顔を見て、恥じらいっぷりを多いに楽しむ。
     それこそが羞恥の醍醐味。
     いかに恥じらいにかられた女の子を楽しむかが問題であり、そういったジャンルの作品では挿入行為は求められない。
     セックスは無くてもいいという羞恥ファンは多い。
     ただひたすら、恥ずかしがる女性の姿が――赤面っぷりをからだ。
     で、俺もまたその一人だ。
     無論、セックスやフェラチオだって大好きだし、是非とも体験したいのは大前提だ。晴香には色々としてもらいたいが、その一方で、そういうマニアプレイにも興味がある。いずれ挿入はするのだが、羞恥プレイもやってみたい。
     まずは恥ずかしがらせたい。
     やってやる。
     セックスも羞恥プレイも、何もかも!
     本物の催眠アプリなんてものを手に入れておいて、女をどうこうしてやる事を想像すらしないのは男じゃない。
     羞恥心!
     恥ずかしいあまりに死にそうになっているような、晴香の赤面しきった顔が見たい!
     さて、ここで問題がある。
     羞恥プレイを望むにあたって、ではどういう女こそ恥じらいが強いのか。
     セックス未経験!
     催眠アプリには羞恥心が減らない効能こそあるのだが、俺の気分という問題がある。肉棒を受け入れたことがあるし、もう誰かにオッパイ見せたことある女より、全く何一つ経験の無い女の方が恥じらいは強そうだっていうのは、これはもう考えるまでもない。
     となると、だ。
     妹を――晴香を美味しく頂くに当たって、、先にセックスをしてしまうのは順序が違う。
    
     羞恥の世界にペニスは邪魔っけなのだ。
    
     いかに恥ずかしい思いをさせ、羞恥に歪む表情や仕草を楽しむかが、羞恥におけるテーマといえる。世の中には羞恥ジャンルを謳いながら何故か普通にセックスをしている作品などが溢れているが、挿入している時点で羞恥じゃない。
     挿入って、こうだろう。
    『ああぁぁん! らめええええぇぇ!』
    『イっちゃう! イっちゃうのぉぉぉ!』
    『あっ、いやぁ! あん! ああん! ひああああん!』
     みたいな。
     要は喘ぎ声が聞こえてくる。
     愛撫をしたり、肉棒を入れてしまっては、それは陵辱とか輪姦とか強制絶頂のような別のエロジャンルに変わってしまう。フェラチオとか手コキだって、相手に奉仕を求める行為なのだから、相手の羞恥心を煽る行為とはちょっと違う。
     視姦、露出、衆人環視。
     極上の恥ずかしさを呼び込む舞台仕立てはその辺りか。
     さて、問題だ。
     セックスも羞恥プレイも両方やりたい。
     しかし、挿入はしない方がいい。
     もちろん、それぞれのプレイは別々に楽しめばいい話で、好きなだけ恥じらいを味合わせたその後で挿入すればいい。催眠アプリの力があれば、羞恥心は薄らぐどころか蓄積していくことになっているのだから、晴香にセックスを体験させたとて慣れられてしまう恐れはない。
     だが、そのためには肝心なことを忘れちゃいけない。
    
     羞恥プレイの最中はペニスを出さない我慢が必要なのだ。
    
     無論、例えば本人の目の前で、そいつの裸をオカズにしてやる。ニヤニヤと視姦しながらオナニーのネタにしてやれば、なんだか恥ずかしい思いをさせてやれるには違いないが、少なくとも挿入だの手コキだの尻コキだのは決してできない。やっちゃいけない。
     それをやったら、羞恥プレイじゃなくて普通の性行為になっちまう。
     だから、羞恥プレイには我慢の必要が出てくるわけだ。
     できるのだろうか?
     催眠アプリなんてチートを持って、やろうと思えば晴香とセックスが出来る条件を手にしながら、生のおっぱいやマンコを前にいつまで我慢をしていられるか。童貞である俺は飢えた狼のように暴走して、自分自身で羞恥プレイを台無しにしないか心配だ。
     ああ、心配だ……。
     心配なので、今のうちに俺がセックスに慣れなくてはなるまい。どんなにムスコがギンギンに膨らんでも、肝心な楽しみを終えるまでは出さない我慢を身に付けたいのだ。
     そこで、俺は心に決めた。
    
     まずは他の女に催眠をかけてやろうと!
    
    
         *
    
    
     高校、放課後。
     俺はスマートフォンを片手に図書室へ向かった。
     催眠アプリの機能には、ただルール意識を植え付け命令を絶対化する以外にも、恋愛感情を与えたり意識をぼんやしさせるといったオプションがついている。
     さて、俺はこのオプションを利用するべく、いざ目的の女へ向かった。
    「あっ、これ……。そのっ、お願いします」
     借りようと思っていた本を手にして、カウンターの図書委員にそれを手渡す。
    「……え? あ! はい! ただいま!」
     その子はまるで、自分に声をかけられていたことに時間差で気づいたかのように、慌てふためきながら手続きを開始する。お互い同じクラスの子なので学年は確かめるまでもなく、ただ出席番号だけは伝えて、俺はライトノベルを借りるのだった。
     俺にもあるぞ……。
     自分が話しかけられているのに気づかない。
     二秒か三秒くらいしてから――あっ、俺? と気づいたりする。
     冷静に考えたら、どうして目の前の人間が自分に向かって声を放っているのに、それしきのことに気づかないのか。自分でもわからない。わからないんだけど、人と喋り慣れていないとそういうことが起きたりする。
     この子もそれと同じなのだと、俺は前々から悟っていた。
     同族の匂いとでもいうべきか。なんとなくわかったのだ。
     彼女は井上月子。
     外見上は儚く見える月子を例えるなら、まるで寿命の短い散り際の花だろうか。病的にも見えるほど白い肌は、白いあまりに一週周って透き通った肌として輝いていて、しかし色合いのせいで確実に病弱そうに見えてしまう。実際に持病で入院したことがあったり、入学式のあとにあったこの前の自己紹介でも、病気がちだと語っていた。
     俺は思い出す。
    『小さい頃はずっと病院で暮らしていて、当時は外で走り回ったりとかは出来なかったので、ほとんど本を読んで過ごしていました』
     緊張しきったか細い声で、恥ずかしそうに喋っていたのが印象的で覚えていた。
     話によれば、ドクターストップでプールはNG。
     体育の授業でも、激しい運動はまだまだ様子見だというので、普通の子と比べて見学の回数も多くなる。
     妹に言わせればキモい俺だ。
     積極的に他人に話しかけられない性格もあって、病弱そうな儚い美人になどとても近づくことは出来なかったが、さっきのように会話で反応が遅かったり、ぼんやりと考え事をしているのを何度か見たことがあってわかっていた。その点に関してだけは、同類だなーと常々思っていたのだ。
     ま、外見の悪い俺とルックスの良い月子が、ほんの一面だけ似ていたところで、学力やらもろもろの面まで含めてそいつが俺と同格になるとは限らないわけだが。
     見れば彼女は、いつの間にか一人で過ごしている。
     入学後数日の頃は、名前順の問題で廊下側の席にいたが、席替えで窓際になった月子は、それから窓の外を眺める回数が増えていた。長い髪をふわりとなびかせ、青空を眺めるその姿は、まるで画家が絵画で描いた芸術的一瞬のように思えて、美しかった。
     そんな可憐な花。
     病弱な儚い命に見える美白の少女。
     雰囲気もどこか幸薄そうで、もし家が貧乏だったり家庭環境が悪いと言われても、なるほどそんな感じするよねーと、納得してしまいそうな気がする。
     なんかこう、過去にドラマチックな悲劇に見舞われていそう雰囲気がある。
     人慣れしない様子なので、ただクラスメイトに囲まれているだけで、なんだか困ったように苦笑いを浮かべ始める。
     一人で過ごしている時の顔の方が、なんだかうっとりして見える。
     そんな人だ。
     さて、俺はその月子の顔へスマートフォンをかざす。
    「……ん? ええと、どうしたの? 太郎君」
    「あ、うん。その……」
     俺は言いたいことが言えずに口ごもり、月子は俺の様子でそれを察する。
    「……えっ、うん」
     と、俺の言おうとする言葉を待ち始める。
     なんとなーく俺達は意思疎通が通じたからいいものの、今の台詞を文面にして冷静に読み返したら、これ絶対に会話になっていない。
    「俺さ……」
     君とシたいんだ。
     そんなことをいきなり口にする勇気はなく、ただ俺はタッチ操作で催眠機能を起動した。
    
    「……っ!」
    
     月子は一瞬だけ目を丸めて、あとはくらーっと脱力。
     この一瞬にして、月子は虚空を見つめていた。
     あまりにもぼんやりと、意識を朦朧とさせた瞳で、ぼーっと……。
    
     催眠成功だ。
    
    
    
    
    
    


     
     
     


  • 催眠アプリで女にギョウチュウ検査をしてやりたい 第1話

    目次 次の話

    
    
    
     催眠アプリ。
     スマートフォンのネットで発見し、悪戯半分にダウンロードしてはみたが、まさか本当に効果があるとは思わない。
     俺がこいつを試したのは、ほぼ冷やかしからだった。
     本物だったらなーって期待も、本心からいえばありはした。
     けれど、信じるかどうかは別の話で、ただ妄想が現実になればいいのにという夢とロマンを思って実験したのだ。
     結論からいえば、効果はあった。
    
    「……しょうがないわね。お兄ちゃん」
    
     俺の部屋を訪れた妹が、俺の目の前でスカートをたくし上げている。肌触りの良さそうな純白の生地があらわとなり、汚れ一つない真新しさに目を奪われ、俺は時間も忘れて妹のパンツを眺め続けた。
     妹の名は泉野晴香。
     特に仲が悪いというわけでもなく、普通に話もするし本の貸し借りもする。特別に嫌われるということもなく、険悪というわけでもなく、兄妹としてはいたって一般的な仲の良さなのだろうと思う。
     ただ、妹はたまーに俺をコキ使う。
    『ちょっと新刊買ってきてくれる?』
    『あっ、シャンプー切れてるんだけど!』
    『おつかい頼まれちゃったから行ってきてー』
     などなど、俺をパシリに使いたがる。
     しかも、一方的な頼みのくせに断れば文句を言う。
     それに晴香的には、俺は一応キモいらしい。
    『お兄ちゃんって顔キモいし、彼女いないでしょ』
    『たぶんね。三十過ぎてもお兄ちゃんは童貞だよ?』
     考えてみれば普通に口は悪いし、嫌味は多いか。
     しかし、こんな妹でも言えば漫画を貸してくれたり、話しかけても無視はされない。オタク趣味が通じているので、見たいアニメさえ一致すれば、一緒にテレビを見ることさえあった。
     一応、だ。
     本当に一応のところ、普通の仲を維持できている。
     晴香に言わせれば、それは家族として生まれた頃から同じ屋根の下で育ったせいで、感覚が麻痺しているという理屈らしい。俺に本来備わっているキモさが気にもならないから、とりあえず普通の兄妹をやっている。もし自分の感覚に麻痺がなければ、絶対に自分は兄を嫌いだったと語っていた。
     さらに言えば、こういうことだ。
    『私の心が広いから、お兄ちゃんみたいのでも相手できるっていうかね』
     学校では友達というべき友達がおらず、教室の女子グループが俺の方向を見ながらクスクスと笑っていたりするあたり、ひょっとしたらこの理不尽な言葉が真実なのかもと、ちょっとくらいは思ってしまう。
     エロゲーで遊んだり、休日は二次元エロ画像を漁るのが仕事と化しているのを思えば、冷静に考えると俺は確かに擁護できない存在なのだろう。
    『家の中ではお喋りくらい別に全然してあげるんだけど、もし外で私を見かけても、絶対に話しかけたりしないでよね。お兄ちゃんって、キモ男のオーラが出てるから』
     何にせよ、こういう言葉をストレートに言ってくる妹だ。
     もしかしたら、これで怒らない俺だって十分に心が広いのではという気が少しはする。
    『何がキモいか教えてあげようか?』
    『飾る気ゼロだから服装がダサい。意味もなくオドオドしてる。他人と目を合わせようとしないし、声が小さいからボソボソしてて何言ってるか全く聞き取れない。自分を堂々とアピールできなさそうだし、人の輪には入れない。入らないんじゃなくて、入れない』
     フルボッコだ。
     しかも、返す言葉が無いから辛い。
     せめて少しは優しい言い回しに変えてくれてもいいだろうに、全てを直球な言葉で伝えてくるのが晴香という妹だ。
     今、俺の目の前にあるパンツは、そんな妹のものなのだ。
    「す、すごい……!」
     俺は興奮していた。
     濃厚で生々しいエロスなら、俺はネットでいくらでも見てきたが、人格ある生の女性が相手だと、俺の気持ちも変わってくる。散々セックスの動画や好みのエロ漫画を見てきているにも関わらず、たかがパンツがあまりにも素晴らしいものに感じた。
    「なに興奮してんのよ……!」
     晴香の顔は赤い。
     頬を朱色に染めながら、キツめの表情で顔を固めて表情を隠している。
     ――こっ、こんなの恥ずかしくもなんともないけど?
     ――別に全然平気ですけど? 何か?
     とでも言いたげな顔をしていた。
    「い、いや……。白なんだね?」
    「ちょっ、ちょっと! そういうのは言わなくていい!」
    「……すみません」
    「まあ、許すけど……」
     本当に真っ赤な顔で、目を合わせるのが気まずいかのように顔を背け、じーっと横を向いてしまう。
     そんな恥じらいからなる挙動。
     とっても可愛い。
    「あ、あの……。その……」
    「なに? はっきり言ってよ」
    「ふっ、ふっ、太もも! 触っていい?」
    「うっ、うう……。いいけど……」
     晴香はやたら仕方がなさそうに許可を出す。
     俺は早速手を伸ばし、すべすべの左右の太ももに両手を這わせ、もっちりしたような柔らかさを手の平全体で味わった。
     す、すごい!
     これが太もも!
     びっくりするほど本当にふんわりしていて、俺は夢中になって揉みまくる。揉んだり、撫でたり、まんべんなく手を這わせまくったりして味わい尽くした。
    「で、まだ? そろそろ部屋に戻りたいんだけど」
    「お願い! もうちょっと」
    「うん。もうちょっとね。はぁ……」
     ため息をつく妹の気持ちは、『はあ、もう。一体いつまで我慢してればいいんだか』といったところだろうか。我慢して我慢して、きっと晴香は辛抱強くキモい男の視姦と手の動きに耐えているのだ。
     何故なら、晴香は俺に惚れているわけではない。
     洗脳操作とも少し違う。
     俺の手に入れてしまった催眠アプリは、他人に対して命令権を得るものなのだ。
     この人の言うことは聞かなければ、彼の指示は絶対だ。相手は目上の人だから、言われたことはきちんと守らなくては――。
     といった風に、ルール意識を与えてしまう。
     言われたことは全てやり切るのが自分の義務だと思い込む。
     それこそ、まるで部下が上司の指示に従う時とよく似た気持ちで、今の晴香は兄の頼みは聞くのが普通だと思っている。パンツを見せるのも、太ももを触らせるのも、仕方がない。従うのが義務であり、ルールなのだから、言われた以上はやるしかない。
     ひょっとしたら、ブラック企業を経営するのにも使えるであろう性能だ。
     泉野晴香の頭の中では、『私は妹なのだから、お兄ちゃんの命令は全て聞くのがこの世のルール』ということになっているのだ。
     そういった力により、スカートをたくし上げることさえも、本人の中では人間社会で生きる上での大切な決まりの一環と化している。
    「や、柔らかいね?」
    「……そりゃあ、ね。うん」
    「お尻触っていい?」
    「うぅぅぅっ、揉めばいいじゃない!」
    「ありがとう晴香!」
     俺は太ももを揉んでいた手をべったりとスライドして、お尻へと移動する。綿菓子のようにふんわりとした尻肉へ到達して、あまりの柔らかさに指がめり込むかのようで、俺は本当に夢中で揉みしだいた。
    「あーもう! キモいキモいキモいキモいキモい!」
     早口で連呼されても、俺の手は決して止まらない。
     肌触りの良いパンツの布地と、それを介したお尻の柔軟性は、俺の股間をギンギンに勃起させて指を暴走させていく。
    「だいたい、お兄ちゃんは一生童貞だもんね。今のうちに楽しめばいいじゃん!」
     まるで逆ギレだ。
    「うん。楽しむ」
    「ああキモい! 本っ当によかったね! 私みたいな妹がいてさ!」
    「うん。良かった!」
     俺は太ももに頬ずりして、すりすりと顔で味わう。
    「お兄ちゃんさー。あとで風呂掃除やってくれる?」
    「へ?」
    「あと食器洗いも洗濯物の片付けも、それと私の部屋に掃除機かけといて欲しいなー」
    「あ、あの……」
    「だって当然でしょ? こんな事させてあげてるんだから、料金の代わりとして私が当番になってる仕事を全部やりなさい!」
    「当番って、それじゃあ掃除機は含まれない――」
    「――うるさい! つべこべ言わない!」
    
     俺の妹にはルール意識が刷り込まれ、俺の命令を聞くのは法律も同じと思っている。
     それに加え、もう一点。
     恥ずかしい経験をすればするほど、羞恥心は加算され続けていく。脱ぎ続ければ慣れていくのが本来だが、俺の催眠アプリでは脱げば脱ぐほど、次にもう一度脱ぐのが恥ずかしくなり、いつかはパンツ一枚が全裸に匹敵するとのことだ。
     これで一生、晴香は羞恥心を失わない。
     花も恥じらう乙女のように、永久に肌を出すのが恥ずかしいのだ。
     だからこそ、俺は思った。
    
     もし、お尻の穴を視姦されたら?
    
     乙女心を持つ少女にとっては、下着だって恥ずかしい。
     胸やアソコだけでも十分な恥じらいに陥るだろうに、男だって恥ずかしいようなあの場所をジロジロ眺め、観察したら、思春期真っ盛りの晴香はどうなるのだろう?
     お嫁に行けなくなるだろうか。
     いや、彼氏すら作れなくなるだろうか。
     どんなに大きな恥じらいに悶えて、顔をどれくらい赤くするのか。
     羞恥心の塊みたいな年頃にとって、それこそ恥ずかしさが死因になりうるくらいの激しい赤面ぶりを披露してくれるはずなのだ。
     考えるだけでワクワクした。
    
     もうじきギョウチュウ検査の時期が来ることを思い出したのは、そうした変態欲求を膨らませていた矢先のことであった。
    
    
    
    


     
     
     


  • 催眠アプリで女にギョウチュウ検査をしてやりたい