夜、梓川夢音は外を出歩く。
両親共働きの一軒家住まいの夢音は、いつも帰りが遅い父親と、今日は友達と飲みに行くという母が理由で、晩御飯のお金を渡され、自分で買って食べるようにと言われたのだ。
コンビニで済ませるか、スーパーに行くか。
特に食べたいものも決まらず、行き先もあやふやにフラつく夢音は、夕暮れの道で物思いにふけっていた。
一体、どうしたらいいのだろう?
夢音がここまで恋に悩むようになったのは、少しばかり読書趣味があり、かつて何冊もの恋愛小説を読んだからだった。
ミイラ症などなかった当時に書かれた古い作品だ。そこには制度によって妊娠させられる不安はなく、何も気にせず恋ができる。美由の主義に倣って制度実施が済んでからなど、最初から考える必要すらないのだ。
……憧れた。
好きでもない相手と交わらなくていい。初恋の相手と付き合って、生涯その人だけに操を立てることもありえる。自分もそんな時代に生まれ、心に決めた相手だけに体を許してみたかった。
だが、どんなに憧れても、今この時代にはミイラ症があり、制度がある。
だったら、せめて……。
性交も妊娠も知らない体のままで、清らかなうちに恋愛をしてみたい。心がときめいたり、胸がドキドキとする感覚は、きっとその方が純粋で甘美なものだ。
好きでもない男とセックスして、妊娠までした後で行う恋愛と、そうでない恋愛では、デートやキスで生まれる感情が違ってくる気がするのだ。
それこそが夢音のジレンマだ。
本当に心がときめいていなければ、願望を叶えることにはならない。かといって時間がないのも事実である。
「はぁ……」
何となく、ため息。
美由も夢音の考えはわかっていて、その上で夢音のことを思って言ってくる。元も子もなくなっては仕方がない、誰でもいいから告白しろと言ってくる。男の当たり外れは、付き合ってみてから決め、駄目なら別れればいいとまで言っていた。
気持ち六割で付き合うのも、合理的ではある。
男子にとっても、自分の彼女が他の男とセックスする未来が決まっているのだ。ならばお互いに気持ち六割程度の方が、後から背負う傷も浅く済む。
制度があるのに告白して、その後で制度に従い妊娠する。
嫌がられても、仕方がないといえは仕方がない。
「きっと、私は都合のいい相手が欲しいんだ」
制度を承知で彼氏になってくれて、たくさん胸をときめかせてくれる。自分のことを、とてもとても大切にしてくれる。そんな王子様を求めているのだ。
「いると、いいんだけどな」
そういったことに、延々と頭を悩ませていた。
美由の考え方が、本当は一番楽な考え方で、自分は古い時代の価値観に憧れすぎているのかもしれない。
などと、ぼんやりと思っていたその時だった。
――え?
突如、背後から抱きつかれた。
な、何!?
夢音は瞬く間に恐怖染まった。
「動くな」
喉元に触れた固く鋭い感触に、戦慄しきった夢音は指先すら動かせない。動けば殺される予感に全身が硬直しきった。
「車がある。乗ってもらう」
自分が一体どんな目に遭わされようとしているのか。この先の運命を悟った夢音は、顔面蒼白になっていた。
なんで? なんでなの!?
誰か……!
誰か、助けて!
「なにやってる!」
一人の男の子の声が聞こえた。
その瞬間に、夢音に抱きついていた体が離れ、カエルが呻くような低い悲鳴がした。一体何が起こり、どうなったのか。
恐る恐る、夢音は振り向く。
少年の前に、男がうずくまっていた。
腹を抱えた男は、片手にナイフをぶら下げながら立ち上がるが、しかし凶器を持っていながら、慌てふためきながら逃げ出していた。
「たすかった……?」
気づけば夢音は、腰を抜かしてへたり込んでいた。
「くだらねーやつがいたもんだな」
沈みゆく夕陽を背に、その逆光が少年の姿をシルエットに変えている。影となった少年とは対称的に、夢音は頭上の外灯に照らし出された光の中心にいた。
「大丈夫かよ」
少年が光の中に踏み込むと、シルエットは晴らされて、端正な顔立ちが明らかとなる。
夢音は衝撃を受けた。
手を差し伸べてくる彼の瞳に魂を吸い込まれ、魅入られたかのような眼差しを向ける夢音は、無意識のうちにその名を口にしていた。
「……俊樹、くん?」
「お前、なんで俺の名前知ってんだ?」
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二者面談は催眠セックスの場
あー、面倒臭い。 三船彩花がだるそうに頬杖をつき、さっさと終わって欲しいとばかりに思っているのは、目の前で振り子のように揺れる五円玉を見てのことだった。 催眠? 暗示? ほーんっと、馬っ鹿馬鹿しい! いかにもベタな五円玉の振り子を眺め、正直にいってうんざりしていた。 高校二年生、二者面談。 それは担任と生徒が一対一のちょっとした話を行う場で、いくらかの話をしているおり、どうにも担任は催眠術に興味があると言い出した。その手の話は信じない態度を取ったのに、せっかくだから試してみないかとまで言ってきたのだ。 彩花はそうしたものを頭から馬鹿にしていた。 催眠、自己暗示、幽霊、占い、全て幼稚で笑えてくる。 そんなものを信じるのは小学生までで十分だろうに、五円玉を取り出した担任は、極めて真剣な顔つきで「あなたはだんだん眠くなる。眠くなーる」などと言うのである。あまりにも馬鹿らしい。 「あのー。もういいですか?」 無意味に揺れる五円玉と、悲しいほど一生懸命に「眠くなる眠くなる」と唱える担任に、いい加減に辟易していた。 ちょっとした話題というか、話の種ぐらいになら、一分程度は付き合っても構わなかったが、ここまでじっくり時間をかけ、本当にかけてこようとする滑稽な大人の姿は、ここまでみっともないと残念ながら笑えない。 漫画に出て来る魔法の呪文を必死で唱え、漫画と同じ出来事を起こそうと頑張る幼稚園児がいたら、それは微笑ましいだろう。いい大人が似たようなことをしていたら、痛々しいというべきか、えげつない光景というべきか。 残念過ぎて、本当に笑えない。 かかるわけがない。 本気で人に催眠をかけ、眠らせようとしてくる担任の姿など、彩花にはそんな笑えない存在にしか見えやしないのだった。 「ああ、そうだな。すまない、この辺にしよう」 さすがの担任自身も、申し訳なさそうな苦笑を浮かべて、二者面談もここで切り上げという空気になっていた。 大した話もしていない。 最近調子はどうか、友達と上手くいっているか、勉強はどうか――特に差し迫った相談も、進路についての悩みもなく、だから彩花の面談など、せいぜい無駄なやり取りで終わっていた。 二者面談自体が無駄な時間だった。 無駄の上に無駄を重ねて、さして会話が楽しいわけですらない。 いまこの瞬間を大切に、時間を無駄にせずコツコツと、などと大人は言うが、だったら二者面談という無駄も削減するべきように思えてくる。 「んじゃっ、さっさと帰らせてもらいまーす」 と、椅子を立ち上がった時である。 「まあ、しかしせっかくだ。パンツでも見せてくれないか?」 その瞬間、彩花は深々とため息をついた。 何を馬鹿馬鹿しいことを。 「はあ? しょうがないなぁー……」 心の底から面倒だが、これも『教師の頼み』である。 生徒としては、あまり逆らうものではない。 いかにも仕方がなさそうに、ぶっきらぼうにスカート丈を掴む彩花は、少しばかり頬を染めていきながら、しだいにたくし上げていく。 「お? パープルか」 まったく、恥ずかしいのを我慢しているのに。 担任は色など声に出してくる。 「ん。セクシーだと思って」 ショーツの色を指摘され、さらに赤らむ彩花の下着は、ナイロン生地で表面が光沢を帯びた大人っぽさを重視のデザインである。光を反射しやすい布地のパープルをベースに、その上から黒の刺繍を施すことで、黒と紫の二色が組み合わさった作りは、背伸びしたい女子高生にはもってこいのものだった。 「そうだね。とってもセクシーだ。せっかくだし、上も脱いでくれないか? 下着は全部見せて欲しいなぁ?」 「あーもう、わかったから」 残念ながら『教師の頼み』だ。 彩花はブレザーのボタンを外し、ワイシャツもさっさと脱いでみせながら、その表情はより一層の羞恥心を帯びていく。脱いだ衣服が椅子の上に積み重なり、スカートまで脱いでしまった彩花の下着姿は、ブラジャーも同じパープルに輝いて、黒い刺繍による飾り付けが大人の女性を演出していた。 「いいね。目が幸せになるよ」 「で、もういいですか」 「ははっ、まあ気持ちはわかるけど、せっかくの『教師の頼み』だ。先生のことはもっと楽しませるべきだろう?」 担任の言葉を聞くや否やだ。 「――うっ」 頭が揺れた。 脳がぐらりと内側から振動したように、見えない力に揺らされたかのように、妙にくらりときた頭は、その通りだという答えを導き出す。 そう、そうなのだ。 先生のことは楽しませるべきなのだ。 「なあ、もし先生にセックスを頼まれたらどうする?」 素朴な疑問について尋ねるように、担任はそんなことを口にする。 「そりゃ、面倒だけど。『教師の頼み』なんだし、生徒は逆らうものじゃないでしょ? 本当に面倒だけど、応じるしかなくない? 面倒だけど」 「わかってるじゃないか。ってことで、『教師の頼み』として奉仕を引き受けてくれないか?」 「えー……」 露骨なまでに嫌そうな顔。 面倒くさいといったらない。 だいたい、ロクに経験もないというのに、どうして初めて奉仕する相手が先生なのか。それからして嫌だったが、これも目上の頼みである。 「ほら、頼むよ」 「いや、やったことないし……」 断るものではないといっても、やはり断る理由を探したい。 やったことがない、だから上手にできない。気持ち良くはできないだろうから、先生としても、「だったらいいか」と、気を変えてくれないものかと期待した。 「なんだ。彼氏とかいないのか?」 「ん? ああ、そのうち? 今はまだって感じ」 「だったら、予習にもなっていいんじゃないか?」 どうも気を変えてはくれないらしい。 早くしてくれと言わんばかりに、先生は椅子で足を左右に広げ、こうなれば仕方がないのでV字に開いた股のあいだに彩花は座る。 「うー……ならやるけど…………」 床に膝をつく彩花は、既に膨らみきったズボンのところへ手を運ぶ。生まれて初めて触れることになる男性器に、緊張を帯びたたどたどしい右手を広げ、手始めに手の平に包み込む。その硬さを感じ取り、少しばかり上下に撫でて、いよいよベルトの金具を外す。 チャックを下げれば、左右に開けたズボンの隙間から、トランクスの柄が見えていた。 「マジで触るの?」 改めて彩花は担任を見上げ、やっぱり勘弁してくれないかと目で訴えた。 「大丈夫、こんなの『普通』だから」 先生の口から放たれた単語を聞くなり、何故だか再び、眩暈のように頭が揺れた。くらりと重力に煽られたかのように、身体もろとも左右に動く彩花の頭は、ぐるりと円を成しつつぴたりと止まる。 「……まあ、これくらい『普通』か」 「そうそう。ごく『普通』の指導だよ」 教師が行う指導として当たり前のことなのに、あまり騒いだり文句を言っても仕方がない。勘弁してくれる気もなさそうで、だったら初経験であろうと何であろうと、早いところしてしまおうと、思い切ってトランクスに手を突っ込む。 固い勃起を直接触り、つまみ出し、目の前に飛び出る巨根にぎょっとした。 「うわっ」 思わず、感動さえしていた。 インターネットでなら見たことのある男性器の、実物が目の前に立っている。いや、突きつけられているというべきか。逞しく血管を浮かべたそれは、亀頭まで膨らませ、切っ先を彩花の顔に突きつけていた。 恐る恐ると手を伸ばし、ものは試しのように握ってみる。 「ホントに固っ、なにこれっ」 世にも不思議なものに触ってみる気持ちで、勃起さえしていなければフニャリとして柔らかいはずの、今は石の硬度を保つ逸物を右手でしごく。 「どうかな」 「どうって、これ絶対デカいよ。彼氏とかできて、こんなサイズだったら、入るかどうか凄い不安なんだけど」 「だったら、事前に済ませておくのはどうかな」 「えぇ…………」 いかにも嫌そうな、嫌悪感に満ちた表情を浮かべてみせる。 しかし、実際のところ、入らなくては困るのは彩花の方だ。それに彼氏ができるか否かの問題は、そう遠い未来の話とは限らない。さすがに明日や明後日はないにせよ、ここ数ヶ月以内、はたまた一年以内にできたところでおかしくない。 高校生のうちに経験する可能性はある。 ただの可能性だが、あるとは思う。 予習して損はない。 「先生はプロだから、そう怖がるほどの痛みは与えないよ。一度僕のが入っちゃえば、未来の彼氏が太くても問題なくなるし、痛そうにしてるところより、気持ちよさそうにしてる顔の方が男は喜ぶんじゃないかな」 「うーん」 「大丈夫。本当に『プロ』だから」 また頭の中身が揺れた気がする。 眩暈だろうか。 体調不良を訴えようと思いつつ、あまりにも一瞬で脳の揺れは過ぎ去るので、だから彩花は何も言わずに済ませてしまう。 「まあ? プロっていうなら」 プロならば、痛いとしても最小限の痛みになるのだろう。 いつできるかもわからない、しかし遠い将来の話でもないであろう、いつかできる彼氏のことを考えると、相手は高確率で童貞である。経験豊富な方が珍しい年代での恋なのだから、自動的に童貞率が高い。 つまり、プロではないのだから、相手はどうしても彩花に痛みを与えかねない。 細ければまだいいが、太ければ激痛になるかもしれない。 備えあれば憂いなし、という気がしてくる。 「じゃあ、やってみるってことで、まずはフェラからいってみようか」 「下手でも文句言わないでね」 これを口に入れるのかと、排泄器官を咥えることへの感情を抱きつつ、男を悦ばせることへの好奇心も彩花には大いにある。好きな人が自分に対して興奮して、射精をしてくれればそれは嬉しい。 まあ、やってみるか。 彩花は唇を近づけて、初めてのフェラチオに挑戦した。 *** 何の疑問もなく逸物を頬張って、まるで経験のない拙さで頭を前後に動かしている。 (やっぱ素人ってのはいい) 担任はほくそ笑む。 自分が受け持つクラスの生徒が、こうして下手なフェラチオを行っている。いかにもたどたどしく慎重に、不慣れな行為をどうにかやってみている彩花の奉仕は、本当にただ口に含めて動いているだけだった。 「んっ、んぅ……んぅぅ…………」 テクニックも何もない。 しかし、自分の股に向かって女の子の頭が動き、その頭頂部を上から眺め、快楽に浸るのは至福である。 「んじゅぅ……ふじゅっ、ずぅ…………」 何とか舌を蠢かせ、水音を立てようとしてみているが、いまいちコツが掴めていない。苦戦している表情で、上手くやろうと励んでいる。 「ふじゅっ、じゅぅ…………これ……疲れる…………」 「ま、これも慣れだ。玉にフェラしながら手コキしてくれないか?」 「なにその注文」 いかにも面倒臭そうな顔をしながら、彩花は睾丸の方に口をやり、頬張りながら右手で竿をしごき始める。 「ちゅば……ちゅばっ、ちゅぷっ、にゅぱ…………」 唇に睾丸が出入りして、藁かな手の刺激も受ける担任の性器は、徐々に悦びを高めていき、精巣の中では精子も元気に活発に泳いでいる。頬張ろうとする口内の温度に包まれ、快感に震える肉茎は、しだいにカウパーを吐き出していた。 「ちゅぱっ、じゅばっ、ちゅばっ、ちゅばっ」 右の玉も左の玉も、唾液が浸透するまで彩花の口内に出入りした。 「れろっ、れちゅっ、ぺろっ、ぺろっ」 そして、亀頭への刺激に戻る彩花は、先端をペロペロと舐めたくる。ちゅっ、と吸いつくこともやりつつ、舐めるために舌を上下にやり続け、再び竿を深く咥えた頭の前後運動を開始していた。 「じゅるぅ……ずるっ、じゅりゅぅ…………じゅりゅぅ…………」 「ブラも外そうか」 「じゅむっ、ふじゅぅ――じゅっ、ずむっ、ずりゅぅぅぅ………………」 頭の動きは止めることなく、彩花は背中に両手を回し、自らのホックを外す。なんの疑問もなくブラジャーを外すなり、お椀ほどある乳房をぷるりと揺らす。 「着けてみろ」 担任はコンドームを手渡した。 「これって……」 口を離し、受け取る彩花は、知識ではわかっていても、きっと初めて手にしたであろう避妊具に戸惑いながら、どこかたどたどしく袋を破く。袋自体にオモテとウラの印字があり、どちらをペニスに被せればいいのか、素人の彩花にも伝わりやすい。そんなコンドームを彩花は担任の亀頭に被せ、不慣れな手つきで装着を行った。 あとは最後までするだけだ。 ショーツを脱ぐように命じた担任は、丸裸となった彩花をテーブルに横たわらせ、そこで股を開かせる。テーブルの縁に尻を置き、担任としては立ったまま挿入できる。そんな正常位のポジションを作り上げ、性器の割れ目に竿を乗せ、肉塊の温度を押しつける。 「いいな?」 担任は尋ねる。 「よくはないけど、しょうがないし……」 本当は不本意なのが、ありありと伝わって来る。 「先生にはちょっと変わった性癖があって、合意の言葉を言わせたい。セックスを了承する宣言をしてくれないか?」 「めんど……」 露骨な表情と共に瞳を背け、気怠い感情をひしひしと担任に伝えていくが、ほどなくして彩花は宣言する。 「えーっと、この私? 三船彩花は先生とのセックスに同意します――で、いい?」 それ以上は勘弁して欲しそうな、面倒はこれで終わりにして欲しいとばかりの顔で、彩花は担任に尋ねていた。 「いいだろう。じゃあ、入れさせてもらおう」 「あーあ、初めてなのに……」 こんな形で失うなんて、最悪。 それを彩花は、にわか雨に降られて最悪という程度の、ちょっとした不幸でしかない認識で、担任の挿入を受け入れる。 まだ一度も男を迎えたことがない、新品の性器を亀頭が割り裂く。 処女を手に入れる幸福感に満ち溢れ、肉棒よりもまず先に、心が気持ち良くなってくる。 ぬかるみを纏う肉壁の、締めの強い熱気に根元まで覆い尽くされ、担任の肉棒は快楽に震えていた。 「おおっ、いいぞ」 担任はじっくりと味わうため、肉棒に意識を集中する。 両手で乳房を弄び、指先に乳首を絡め取る。体中をまさぐりまわし、少しずつ腰を動かす。軽やかに小刻みに、激しすぎないピストンで快楽を貪る担任は、ニタニタと乳を揉み、乳首への悪戯の手も休めない。 「ところで、ここで催眠解いてみよっか」 担任は思いついたように言い出した。 「はっ、別にかかってるわけ…………」 こんな時に、初めてしている最中だというのに、一体何を面倒なことを言い出すのかと言わんばかりに、呆れたような辟易した表情を彩花は浮かべる。 「けど、セックスには同意したよね?」 「したけど、関係あるの?」 「ま、解いてみればわかる」 担任はそう言うなり、彩花の目の前で手を叩いた。 楽しいワクワクを前にした緊張で、心臓の音が止まらなかった。 パンッ、 と、両手を合わせる拍手の音を一発だけ、彩花のまさに眼前で鳴らしていた。 その瞬間だ。 「……………………え?」 彩花は固まっていた。 理解できないものを目撃して、感情も何もかもが停止してしまったように、小さな声の「え?」と共に、瞳に疑問符を浮かべた彩花は、しばらくは硬直したままだった。時間でも止めてあるように、表情に揺らぎのない、本当に固まったままの時間がしばし流れた。 「あ、あの! 抜いて!」 急に自分の言うべき言葉を悟ったかのように、彩花は唐突に声を荒げた。 たった今、彩花は正気になったのだ。 『教師の頼み』だからセックスの応じるのはおかしい。いくら『プロ』でも、こんな形でするなど『普通』でも何でもない。今の今までの異常を悟り、彩花の中に吹き荒れる感情は、衝撃や困惑でいっぱいに違いなかった。 「けど同意したよね」 担任はニヤニヤと真実を突きつける。 玩具のスイッチを切り替えて遊んでみるような、そんな楽しみが担任にはあるのだった。 「…………っ!」 自分自身の言葉を思い返して、彩花は絶句していた。 何故、どうして同意したのか。何があったら受け入れようと思えるのか。自分で言ったはずの言葉を自分で理解できない困惑が滲み上がって、それが凄まじく吹き荒れている。困惑、混乱の嵐が彩花の胸を内側から削り取り、そして動揺させていた。 「それ、動くぞ」 担任は容赦なくピストンを続けた。 「……えっ、いや! やめて!」 再開されたピストンにみるみる焦り、表情を強張りに染め上げる彩花は、急に抵抗を激しく身も捩り始めていた。 「なに言ってんだ! 自分で体を許したじゃないか!」 「撤回します! 撤回! 違うっ、取り消す! だから! だからぁ!」 担任のことを押しのけようと、必死になって両手で押す。叩きもする。嫌だ嫌だと言わんばかりに、必死の拒絶を示すために首を振る。か弱い力で押されても、叩かれても、担任にとって大した打撃になりはしない。 それどころか、いいエッセンスだ。 担任はそんな彩花の両手を掴み、叩きつけんばかりにテーブルに押しつけて、腕力と体重によって固定する。 これで抵抗に意味はない。 黙って性器を使われているしかなくなってしまった彩花は、絶望を瞳に浮かべて、今にも泣き出しかねない表情で、それでも首を振り続ける。意味などなさない、届くことのない拒絶の意志を、それでも彩花は示し続ける。 楽しかった。面白かった。 「残念だな。お前はこのまま性処理道具になるしかないんだ」 腕力一つでねじ伏せて、自由に肉棒を出し入れする。抵抗を無力化しながら、わざわざ道具などという言葉まで使って、自分は楽しく快楽を味わっているのだとアピールする。そんな風に腰を動かし、貪ることは精神的にも快感だった。 「うーん。なかなか。いい使い心地だぞ? 彩花ァ」 担任は腰を振る。 叩きつけんばかりの腰使いで、大胆に打ちつけながら、破瓜の血や分泌液の混じった水音がニチャニチャと鳴り響く。 ――ドクッ! 射精した。 力強く押しつけて、コンドームが阻んでいようと子宮に注ぎ込むつもりになりきって、最奥へ突き刺しながら肉棒を脈打たせる。 ――ドクゥ! ドクッ! ビュクン! ゴムの中身を白濁に満たし、ひとしきり楽しんだ担任は、余韻に浸らんばかりにチュクチュクと、ちょっとした水音を立てて腰を振る。肉棒を抜く前にもうしばらくだけ、あと少しだけ膣壁の感触を味わうために、担任は突き刺したままにしているのだった。 彩花は全身でだらけていた。 担任が両手を離しても、もう押し返したり叩いたり、何も抵抗はしてこない。するべき抵抗の時間は過ぎ去って、あとは疲弊感に浸る以外は何もなくなってしまった彩花には、どことない虚無が浮かんでいた。 射精まで済まされてしまった以上、彩花には抵抗も何も残っていないわけだろう。 そんな彩花の顔の手前、再び両手を打ち鳴らす。 パンッ! と、その瞬間だ。 「……ん、あれ?」 そうする前まで、魂の抜けたうつろな瞳だったのが、まるでスイッチを入れたかのように光を取り戻していた。 「なあ、彩花。どうして、急にあんな騒いだんだ?」 ひとしきり肉棒を余韻に浸らせ、もうそろそろと思った担任は、このあたりで肉棒を引き抜いた。そのまま性器の割れ目に竿を置き、下腹部の上でコンドームを取り外し、こぼさぬように固結びを行った。 「うーん。なんでだろ。よくわかんないけど、急にレイプされてる気分になった」 白濁の詰まったゴムをヘソのあたりに置いておき、担任は彩花の身体を両手でまさぐり、今一度胸を揉む。 「ははっ、なんだそりゃ」 「なんだろ。ってか、痛いし疲れた」 抵抗はない。 いや、抵抗をするしない、できるできないなのではなく、初めから逆らう発想そのものが存在していない。 教師の言うことは聞くものだからだ。 今の彩花は、先生の指示であればセックスに応じることも普通であり、決して大問題などではないと思っている。 「ところで、まだ催眠は信じないか?」 「いや、ないでしょ。そんなの」 「そうか。まあ、セフレにはなってくれるだろ?」 「うーん。別に先生がフレンドとかないけど、月一回とかで済むなら……」 気乗りしているわけではない、心の底から合意しているわけではない彩花だが、せいぜい宿題を増やされて最悪なようにしか思っていない。 自分が嫌がる気持ちより、『教師の頼み』であることが上回る。 担任の意のままの奴隷であった。 「またセックスしてくれな」 「ん、まあ」 ところで、解放する前にお掃除フェラでもさせようか。 そんなことを考える担任であった。
催眠マナー教室における社会奉仕 最終話
校長室の奥にある扉から、そのままベッドルームへと通じている。 そこに舞歌を寝かせた校長は、さっそくのように服を脱ぎ、美しい肉体を味わう作業に取りかかる。寝そべる舞歌は、生まれて初めての本番に明らかに緊張して、全身を強ばらせている様子だが、そんな初々しさにこそ校長は燃えた。 「さて、こういう時にもマナーがあるね」 「そ、そうですね……その……私の肉体を……ど、どうぞ、ごゆっくりお召し上がり下さい…………」 教えてはいない作法だが、これから肉体を召し上がる男に対し、気持ち良く貪ることができるようにと言葉を選ぶ。 「召し上がるのは当然だけど、ここでもフェラを頼むかもしれないし、体位を変えたり、上で動いてもらうこともありえるわけだ。君はただ寝そべって過ごすだけとは限らない。もう少し言い方を変えるか、言葉を加えるかしてみようか」 「では、そうですね。私の肉体をごゆっくりお楽しみの上、ご希望のプレイがありましたら、遠慮なくお申し付け下さい。それではどうぞ、ご自由にお召し上がり下さい」 もはやサービス業の店員がマニュアル通りの台詞を唱えるようでもあるが、まあこんなところだろうと、ひとまず校長は納得する。 「では頂きます」 校長はにこやかに両手を合わせ、舞歌の肉体を撫で回した。 胸を揉み、腰を撫で、乳首に吸いつきながら性器に触れる。膣に指を出し入れして、感じた舞歌のアソコから、いやらしい蜜が糸を引き、校長はまるで大きな手柄を立てたような微笑みを浮かべていた。 唇を近づけると、舞歌は静かに目を瞑り、キスに応じて舌まで受け入れる。校長は好きなように唇を貪り尽くし、満足ゆくまで唾液を送り込んだところで、今度は乳房に吸いつき、ベロベロと舐め回す。 「んっ、んぁ……!」 緊張しきった面持ちで、初めての体験に耐える舞歌は、それでも股を蜜に濡らして、官能的な悩ましげな表情を浮かべている。さながら頬に化粧を付けたかのように、桃色がくっきりと浮かんでもいた。 「挿入するからな?」 「ど、どうぞ……」 緊張の気配が濃くなった。 肉棒を近づければ、舞歌の顔はさらに強張り引き締まり、これから始まる行為に対する感情で満ち溢れる。マナーや礼節のために処女を捧げる心境が、果たしてどのようなものなのか、校長には想像もついてはいない。 ただ、決してケロっとした気持ちなどではない。 もう始まるのだという緊張と、しなくてはならないという覚悟が、顔や肩ばかりか、心の中まで固めていることだけは見て取れた。 ぴたりと、先端を当てる。 「…………」 言葉はなく、舞歌はただただ緊張の色を強めた。 「ではでは頂きますかねぇ」 校長は腰を押し込む。 「んっ、ぐぅ……うっ、うぁ…………」 苦し気な声を上げ、舞歌は額に脂汗を浮かべていた。 まだ誰にも使われたことのない、過去に出入りしたのはせいぜい舞歌自身の指だけの、処女の膣穴に校長の肉棒が入り込む。剛直が根元まで埋まっていき、完全に一つとなって、校長は両手に舞歌の頬を掴んだ。 手と手のあいだに、舞歌の顔を挟んで捉え、さらには自分の顔も近づけ見つめあう。見つめ合うように促して、お前の処女を奪ったのは私だと目で教え、その証拠のように少しばかり腰を動かす。 「ふっ、ふはぁ……あうっ、ど、どうでしょうか…………」 初めての感覚に苦しみながら、自分を美味しく食べてくれているだろうかと、舞歌は気にかけて来るのだった。 「もちろん、気に入ったよ」 「それはっ、よかった……です…………」 「このまま楽しませてもらうよ」 「どうぞ、ごゆっくり…………」 校長は深いグラインドで抉り抜き、叩きつけるたびにヒクっと反応する膣が、出迎えのように締め付ける。引いていく時には、逃がしたくないようにして、締め付けのままに蠢くが、数センチも動けば脱力して、肉棒を穴の中から解放する。 ずんっ、と、突けばそのたび、ぎゅっ、とした締め付けが返ってきた。 「んっ、んぁっ、あっ、あぅぅ……! んぅぅ……!」 苦しげに喘ぐ舞歌は、痛みなのか苦しみなのか、よがる両手でベッドシーツを掴んだり離したり、顔を左右に振り乱す。白いシーツに髪が広がり、額や頬にべったりと浮かんだ皮膚の上にも髪はくっついているのだった。 「んんっ、ん! んぁっ、くぅ……んっ、あぁ…………!」 初めてで気持ち良くなるのは難しいか。 しかし、どうあれ出ている膣分泌液がまとわりつき、滑りをよくした肉棒は、校長の腰振りに合わせてスムーズに出入りしていく。 なるべく長く遊んでやろう。 そう思った校長は、そこでぴたりと腰を止め、手慰みに乳房を揉む。 「はぁ…………はぁっ、はぁ…………………………」 舞歌は安心したように息を落ち着かせ、胸を大きく上下させていた。乳房を揉むために置いた両手が、呼吸に合わせて押し返され、揉みしだくための手も一緒になって上下する。もしも両手に体重をかけたなら、呼吸で肺が膨らむことを妨害して、どれだけ苦しめることになるだろうか。 射精欲を鎮めるための休憩を挟みつつ、また動き、しばらくすればまた休む。 「どうかね。初めてセックスしている気分は」 乳を揉みながら尋ねてみる。 「はい。とても貴重な体験をしています。最初は緊張しましたが、しだいに馴染んできている気がします」 「ほう。馴染むかね」 「――その……お、おチンチンの、味わいといいますか……覚えていきますことで、私自身も気持ち良くなることが出来そうですし、そうすれば、感じた姿を披露して、男性も視覚的に頼めるのではないでしょうか」 「じゃあ、ここで気持ち良くなることを覚えないとな」 「はいっ」 ピストンを再開した。 「あっ、んぅ……んぁっ、んっ、んぅ……んぅぅ…………!」 といっても、今日中に感じやすい肉体になるわけではないだろう。 じっくりと仕込めば良い。 雪乃城舞歌は何度でも抱ける。 「さぁて、出すよ?」 射精感を蓄えた校長は、このあたりで満足しようと、白濁の放出に向けたペースで舞歌の子宮を突き回す。 「んっ、んぁっ、ど、どうぞ……!」 そして、コンドームをいいことに、根元まで差し込んだまま吐き出した。ドクンと弾ける射精の快感に、校長はうっとりと目を細め、ぐったりとした舞歌から引き抜いていく。足をだらしなく投げ出し、放心じみた顔で天井を眺める舞歌は、ここまで長く続けた疲弊感に浸っているようだった。 「少し休んだら掃除をしてもらうよ」 「……はい」 数分後には、コンドームを外したばかりの肉棒を頬張って、舞歌はまたしてもお掃除を開始していた。 胡座をかいた校長の隣に座り、横から身体を倒している舞歌は、横合いからのフェラチオで精液を拭い取り、吸い上げて、舐め取っている。手を伸ばせば尻に手が届き、丸くふっくらとした部分を撫でていられる体勢は、とても気持ちのいいものだった。 さらに数日後には、セックスにおけるマナーも考えた。 ベッドの上で全裸土下座、服は女の手で脱がしてやる、シャワーを一緒に浴びつつ乳房をスポンジ代わりに使う。どんな作法を考え出し、講習の内容にしてやろうか。あらゆる作法を学んだ舞歌のことは、オナホールとして活用しつつ、外部から来る顧客の接待用にも使って、まさしく社会の役に立って貰う。 まあ、政治的な機嫌を取り、校長にとって都合の良い話を上手く取り付けるといったものなのだが、それとて社会を回す行為の一つだ。 社会の役に立てて、お嬢様も本望だろう。
催眠マナー教室における社会奉仕 第3話
【完成具合の確認(校長による味見)】 聖ローズマリー女学院の校長を務める男は、そのために用意した部屋に雪乃城舞歌を呼び出していた。 ここは『社会奉仕』の実演テストを行う場で、大富豪や政治家の娘といった人間が通うお嬢様学校なら、当然のように設備や調度品も高級なものが揃っている。洋式なこの部屋など、四隅の部分はギリシャ神殿を模した柱を取り付けてあり、壁には数千万円の絵画が並べられ、西洋の鎧までもが置かれている。 大理石の床に赤い絨毯を敷いている。 絨毯が続いて行く先の、中世の王様が座るためにあるような、金銀の装飾を施した高級なソファに校長はいた。 「さて、君を呼び出した要件だが」 校長は目の前の肢体にニヤけ、今から行う楽しみを想像するに、既にズボンの内側では勃起していた。 舞歌は美しい。 皺一つなく、埃もつかないブレザーやスカートを着こなして、艶やかできめの細かい美白肌は、剥きたてのゆで卵を彷彿させる光沢に輝いている。 「さっそく、全裸になってくれたまえ」 校長は命じた。 「はい?」 そして、急な命令にむしろ舞歌はきょとんとしていた。 「どうした? 早くしたまえ」 それが当然であるように振る舞う校長は、従う様子のない舞歌に少しばかりムっとしている。対する舞歌は、校長の常識を疑って、眉間に眉を寄せながら、何かおかしなものを見つめる視線を送っていた。 一体、どちらが正常な反応か。 事情を知らない一般人を呼び出して、今の一連のやり取りを切り抜いた上で尋ねれば、間違いなく舞歌が正常であると答えるだろう。 「……あの、いくらご冗談だとしても、教員が生徒に手を出したという事件は実際に起きています。先生がそうだとは言いませんが、そうした発言は、たとえ本気ではなくとも、いらぬ誤解やトラブルを招くと思います」 全裸発言がジョークで済まされるような、よほど砕けた仲の男女なら、まだしも許されるところだろう。そうでなければ、発言一つでセクハラと罵られ、あまつさえ訴えると言い出す女性が現れてもおかしくはない。 「おっと、そうだそうだ」 校長はふと思い出したようにポケットの中身を探り、スマートフォンによく似たタッチ画面式の端末を取り出していた。 電源を入れ、画面を起こし、指によるタッチとスライドを行った途端である。 「っ!」 ツバでも詰まらせたような、妙な呻き声を舞歌は上げた。 そして、次の瞬間だった。 「し、失礼致しました! 今のはとんだ失言でございます!」 舞歌は急に謝り始めた。 「校長先生が私を呼び出した要件は、先日から学んでいる社会奉仕のマナーについて、きちんと身につけられているかの実演をするためですよね。そんなことも忘れていただなんて、本当にうっかりしていました。言い訳のしようもありません」 「ははっ、いいよいいよ? その代わり、きちんと奉仕してもらうからな?」 「はい! 懸命なる奉仕をさせて頂くつもりです!」 舞歌は校長のすぐ目の前まで、校長にとっては触ろうと思えばすぐにでも触ることが出来る距離感まで一気に歩む。校長の目を少しでも楽しませるように、よく見えるようにブレザーのボタンを外し、ブラウンの厚い生地が左右に開けていく光景を披露した。 ワイシャツが覗けて見え、白い生地の露出面積が広がっていく。 舞歌は非常に恥ずかしそうにしていた。 当然だ。 【設定>羞恥心】 校長はタッチ画面をトントンと、モールス信号でも打たんばかりに叩いている。 それにより、画面上の数値が変化していた。 【羞恥心――LV10――LV20――LV50――LV70――】 ……LV100――。 最大値まで引き上げた場合の羞恥心は、パンツを見せるだけでも顔が赤らみ、頭から蒸気が吹き上がらんばかりとなる。ここまで上げて、ようやく端末をポケットに押し戻した校長は、まるで生まれて初めて脱ぐように初々しく、可愛らしく躊躇う舞歌の、どことなくいじらしい仕草を鑑賞した。 美白肌の顔だったのが、トマトか茹で蛸のようになっている。 スカートのホックを外そうとする指は、ホックの位置を探して彷徨い、探り当てても外すことに苦戦する。ようやく外れ、チャックを下げれば、まるで何百メートルの高さから飛び降りる覚悟でもするように、恐怖と緊張に息を呑み、スカートを脱ぎ去った。 「うぅ……!? ど、どうしてでしょうか……慣れてきたはずなのですが……!」 自分の羞恥心を操作されているとは、さしもの舞歌も思いはするまい。 必死になってワイシャツを下へと伸ばし、下着を隠そう隠そうとしているが、剥き出しの太ももはどうにもならない。しゃがみ込み、スカートを折り畳み、そうしているあいだは安全とばかりに丁寧にしていたが、衣服を畳む行為に時間をかけるのは、社会奉仕で相手を楽しませる上では立派なマナー違反である。 それをわかっている舞歌は、そう長々と座り込んでもいられずに、たった数秒しか安全を保つことなく立ち上がる。 ワイシャツのボタンに指をかけ、外し始めた。 ボタンが外れるごとに覗ける素肌を隠そうと、前が左右に開けないように押さえている。肩を内側に丸めつつ、一つ一つ外しきり、ついにはワイシャツも脱いだ下着姿は、大人の官能美を強調したセクシャルなものだった。 黒いブラジャーから、内側の素肌と乳首が透けている。 穿いているショーツも、前の部分さえT字に近いまでに布は少なく、上手くすれば肉貝がはみ出て来るだろう。 いずれも、経験豊富な女が挑発的にほくそ笑み、男の興奮を誘うのなら、それほどよく似合う下着はない。セクシーな女にこそ着せたいものだったが、それを生真面目なお嬢様が着ているとなると、ギャップはとてつもないものだ。 卑猥な下着を着ることなど、考えつくことすらない真面目な少女が、罰ゲームで無理に着せられたようにさえ見えて来る。 必死になって目をつむり、拳を震わせている舞歌の様子は、実にそそるものがあった。 「とてもエッチだ。見ているだけでチンチンが苦しくなるよ」 「あ、ありがとう……ございます……」 「お尻も見せてね?」 「……はい」 舞歌の背中が校長を向く。 腰まで長い髪の毛先が、尻たぶの上端にかかりそうでかかっていない。Tバックの紐は大きな尻肉に埋没して、見えているのは腰をぐるりと一周する部分のゴムと、それから尾てい骨のあたりにある非常に小さな三角形だけだった。 「可愛いお尻だ」 校長は手の平をべったりと貼り付けて、可愛がらんばかりに撫でてやる。 「ど、どうぞ……ご自由に、お触り下さい…………」 張りの良い感触で、表面を滑らせるように撫でていると、サラサラとした肌触りが手の平に心地よい。揉んでみても指が沈んで、急に手を離せばプルっと、元の形に戻ろうとする反動で小さく揺れる。 両手で尻たぶを掴み、親指で割れ目を左右に広げる。 埋もれていた紐が見え、さらには肛門の色合いも、左右に伸びた皺でさえもあらわとなり、わざと手を離してみる。プルっと揺れる。また掴み、左右に開き、尻の穴を紐越しながらも覗き込む。 「お尻の穴が見えてるよ?」 「い、嫌っ! そんなところ!」 舞歌の手が後ろ側にやって来て、視線を阻止したがっていた。自分の尻を手で守ろうとしかけていたが、隠すことはマナー違反である事実が、ただ尻の近くで手を彷徨わせるだけに留めていた。 「自分で開いて、よーく見せてごらん?」 「そ、そんな……」 舞歌はどんな思いでか、腰をくの字に突き出して、自らの尻たぶを両手に掴む。恥ずかしさで沸騰しているに違いない頭で、それでも握力を込めて広げていき、黒い紐だけが唯一の遮蔽物となって、尻の穴は丸見えとなった。 「綺麗だねぇ? 桃色で黒ずみがなくて、生まれたての赤ん坊なんかは、こういう感じなんだろうねぇ?」 「肛門の感想なんて……恥ずかしいです……」 だから許して欲しいような気持ちが、声の震えに存分に籠もっていた。 「記念に写真を撮ろうねぇ?」 校長はスマートフォンを取り出すなり、まずは紐越しの肛門にピントを合わせる。薄桃色の皺の窄まりの、その皺が左右に伸びているせいで、紐の太さから存分にはみ出たものにシャッター音声を鳴らしてやる。 さらには紐を指でどけ、またシャッターを押す。 こんな恥部を記録に残され続ける心境を思うと、それだけで股間の膨らみは限界以上に、このまま肉棒のサイズには収まりきらない血流が詰め込まれ、竿の血管が破裂するような予感さえしていた。 「はい、いいよ?」 すぐに正面に向き直る舞歌は、顔が赤いどころか、発熱によって周囲の温度を変えそうなほどになっていた。 「下着も脱ごうか」 「…………はい」 腕で乳房が見えないように、隠しながらブラジャーを外していくが、そうしたところで舞歌は両手をだらりと落とす。ショーツも脱ぎ去り、畳んだ征服の上に丁寧に、二つの下着がよく見えるように置いていた。 もちろん、クロッチの少しだけおりものの痕跡を残した面が上向きだった。 そして、舞歌は正座をする。 「それでは、これより日頃お勤め頂いている校長先生への感謝の気持ちを込め、私なりの奉仕を致したいと思います」 綺麗な土下座を行っていた。 ソファに脚を広げた内側に、舞歌の額はくっついている。頭を踏もうと思えば踏めるばかりか、足の親指を舐めさせることも簡単だ。腰まで長い黒髪は、姿勢のために左右に広がり、胴体からいくらかがずり落ちていた。 折り畳まれた身体が持ち上がり、舞歌は校長のベルトに手をかける。 ズボンとトランクスを脱がせての、飛び出んばかりにそそり立つ肉棒に、舞歌は少し驚いた顔をしながら、やがて恐る恐ると手を伸ばす。根元を握り、玉袋に触れ、まずは手による奉仕を始めた。 右手の柔らかい感触が、校長の肉竿を包んでいる。左手は玉袋を優しく包み、五指をくにくにと動かしながら、軽い軽いマッサージで癒やしている。 「ちゅっ」 キスもしてきた。 「それでは失礼致します」 今度は玉を口に含んで、アメ玉のように口内で舐め転がし、もう片方の玉を左手で揉みしだく。右手は手コキに使ったまま、ちゅば、ちゅぶっ、と、睾丸を口から出し入れもしていた。「ちゅむっ、じゅれろっ、レロレロ――れじゅっ、じゅぅ…………」 玉袋が口腔の生温かさに包まれて、舌のねっとりとしたザラつきが這い回る。唇の力で噛まれもしながら、時折フェラチオの前後運動のようにして睾丸を出入りさせている。そんな唇の外に出た瞬間の睾丸は、唾液を纏った上から大気に触れ、少しばかりひやりとした。 「ぢゅぶぅっ、ふじゅっ、ふっ……じゅぅぅ…………」 もう片方の睾丸にしゃぶりつき、右手と左手が入れ替わる。 どちらの睾丸も唾液に濡れ、袋がまんべんなくぬかるみを帯びていた。 そして、両手で袋を包みつつ、さらには根元から先っぽにかけて舐め上げる。 「はむぅっ」 ここで咥え、頭を前後に動かし始めた。 「はぢゅっ、ぶるぅ……ちゅっ、ちゅぱっ、ちゅりゅぅ……すじゅぅぅ…………」 気づいてみれば、耳が赤いままである。 まだまだ肛門を視姦された余韻が深いのだろうが、恥部をまじまじと見られた上、その相手に奉仕している気分はどんなものだろう。 射精感が込み上げる。 舞歌の顔が前後すればする分だけ、むずむずとした快感が肉棒の中に膨らんで、やがては暴発しそうになっている。 「射精なさいますか?」 その時、尋ねてきた。 口を利くためにフェラチオを中断して、ものを尋ねる際も、手は肉棒から離さないことを作法として学んでおり、舞歌はそれをきちんと守っている。右手で軽い手コキをやり、左手では玉袋を揉んでいた。 「ああ、そうしたいけどね。まだまだ楽しみたいというか」 「わかりました。少しでも長く楽しみたい場合は、できるだけ加減なども致しますので、なんなりとお申し付け下さい」 「そうだね。そうさせてもらうよ」 「では続けます――……ちゅっ、ちゅぱっ、ちゅりゅぅ……じゅずぅぅ…………」 少々、ゆっくりになったか。 舞歌はフェラチオをじっくりと、時間をかけてこなしていた。射精感を引き出しすぎないようにペロペロと、先端を舐めるだけの刺激に留め、また咥える。少しばかり激しくして、また緩める。 しかし、いつかは射精の時が来て、校長は突如として放出した。 ドクン! 出ることを予告はしなかったが、舞歌はすぐさま反応して、顔を前に押し出し少しでも奥まで咥える。唇に力を込め、吐き出さないようにしっかりと締め付けながら、精液を喉の奥で受け止めていた。 ドクゥッ、ドクドク――ピュル――……。 脈打つ肉棒から全てを吐き出し、もう一滴も出ない段階に至った時、舞歌はこぼさないように気をつけながら頭を引く。 「ちゅぅぅぅぅぅ………………!」 吸った。 中に少しでも残っていれば、その全てを吸い出すため、まるでストローの先端に吸いつくように音を立て、舞歌はキスの唇から吸い上げる。 「ちゅぱ」 唇が離れ、唾液と精液の混ざった糸が引く。 そして、口を大きく開いて中を見せてきた。 ただ見せるのでなく、乳房を使ってぎゅっと肉棒を抱き締めて、心地良い乳圧に挟みつつ、上半身を少し持ち上げて開いた口には、唾液と混ざった白濁がたっぷりと溜まっていた。舌の根が精液に浸り、下顎の歯も沈んでいる。 それから、唇を引き締める。 喉を鳴らして嚥下して、そのあいだには軽いパイズリで刺激を与える。 「私の奉仕によって気持ち良くなって頂き、本当にありがとうございます」 飲み干した後は掃除を始め、舌を使ってペロペロと拭き取っていく。 「それでは清掃を致します」 竿を持ち上げ覗き込み、汚れの残った場所を探して、見つけるたびに舌を使い、キスで吸い上げることもある。 「ぺろっ、れちゅぅ……ちゅろっ、ねろぉ……」 肉棒の角度を手で変えて、いたる部分に吸いつきながら、あるいはペロペロと舐めながら、校長の股間に付着していた白い汚れは消えていく。もはや表面にまとわりつくのは、お掃除フェラのためについた舞歌の唾液だけである。 「綺麗にさせて頂きましたが、二度目の奉仕はなさいますか?」 「奉仕どころか、君をベッドに連れていくよ」 舞歌にかけた改変の内容では、社会奉仕の際、相手が女性をベッドに連れて行きたいかのような発言をした場合、奉仕側はそれを光栄に思い、受け入れることがマナーとなっている。 さて、舞歌の反応はどうか。 「ありがとうございます。喜んでベッドを共にしたいと思います」 出来るだけ笑顔を浮かべていた。 入試や就職の面接マニュアルには、できるだけにこやかに、爽やかな笑顔を浮かべるように書いているものがあるが、舞歌はそれを守っているようだった。
催眠マナー教室における社会奉仕 第2話
【催眠実験記録 マナー教育2】 前回の後、よく復習をしておくようにと、極めて本物に近い感触の、実にリアルなオチンポ様を託している。さらに演習として、どこまでマナーを会得できたかのテストとして、政治家に元に赴き奉仕するというシチュエーションの設定を説明した上、雪乃城舞歌にそれをやらせた。 このように演習を数回やり、より完璧に仕上げた上で、今回はマナー教室を開催する。 他ならぬ雪乃城舞歌を講師として、聖ローズマリー女学院の校長が集めた『お気に入り』を出席させ、社会奉仕の作法を身につけさせる。 * 【『宿題』の様子】 自分が宿題に取り組む様子をビデオカメラに撮影するよう指示したため、机に立てたペニスに向け、習った通りの奉仕を行う姿は映像で確認できる。 「では宿題として、今日のマナー講習でお教え頂いた作法の復習を致します」 画面に映るのは、上半身裸の、椅子に座った舞歌である。おそらく、マナーとして教えたパンツ一枚の姿であり、机の下が映ればTバックが確認できるだろう。映り込んでいる木目と、高級な家具を置いた部屋の様子から、やりやすいテーブルを使用していると判別できた。 「入室の際のマナーは受験面接などで習う基礎的なものと同一のため、ここでは割愛していきますが、入室後はオチンポ様への土下座を行います。これから奉仕を行う相手に、自分はあなたに従う召使いであることを伝えるのです。その場限りの上下関係ではありますが、きちんとした動作によって形にすることで、相手を安心させ、お互いの立場をより明確化することにも繋がります」 講義のように述べていた。 もっとも、出題側はそういえば奉仕の部分の復習しか言い渡していないので、改めて土下座の練習をすることにはなっていない。 ところが、自主的にやっていたのだ。 「一度カメラを移動致します」 映像を見ている相手に向かっての礼を行い、カメラを動かす。 そうして、舞歌が行ったのは、椅子にペニスを立て、奉仕の相手が椅子に座っている仮定の上で、自らの土下座を映していた。椅子と自分が映せるような、部屋のどこかの位置にカメラをセットし直したようだった。 あとは咥えるのみである。 「改めて移動致します」 しかし、土下座を映せるアングルと拡大率では、口元の様子がわかりにくい。口を奉仕に使っている細かな舌使いがわからない。映像を見る人にも、唇や舌遣いがわかりやすいようにと、先ほどよりもカメラを近づけた状態で奉仕に移った。 きっと、もう一つ椅子があり、それをカメラ台代わりにしたのだろう。 横合いから覗き込むフェラチオの様子がよく映っていた。 キスを行い、ペロペロ舐める。竿を咥える。玉袋にもフェラチオして、裏筋を舐め上げ続ける方法も、ハーモニカの真似事をする方法も、何もかもの姿を披露した上で、最後のオチンポ様のお礼を述べて、キスをしてから別れる瞬間までをこなしていた。 * 【マナー教室の様子】 女子生徒が十人は並んでいた。 ブラウンカラーのブレザーを着た横並びの十人は、それぞれスカート丈の長さが違う。膝の近くまで伸ばしているのが五人ほど、もう少し短いのが二人ほど、きっちりとミニにして、太ももの露出度を上げているのが三人ほど。 この三人にとっては、脚を長く見せたいためのミニスカートだが、そんな視覚効果のことなど知らない男にすれば、ただ露出度が高いだけだろう。 それぞれの髪型の後ろ姿で、ポニーテールが背中にかかっていた。金髪の毛先が肩甲骨の下まで届き、ショートヘアーの子もいれば、ウェーブカットの姿もある。 この十人の前に、雪乃城舞歌はいた。 「皆さん。おはようございます」 正しい角度に腰を折り曲げ、清らかな挨拶を行う舞歌は、これから自分が学んだマナーを他の生徒達にも教えていく。 「今日は社会奉仕のマナーを学ぶため、こうしてお集まり頂き、誠にありがとうございます」 舞歌は謝辞を開始した。 「今日の日差しも心地よい中、日々の勉学に励み、部活動に励み、今しかない大切な日常を謳歌していることでしょうが、そうした中でも、今回学んで頂く社会奉仕のマナーは大変に意義のあるものであり、必ずや皆様の将来を支えるものとなるでしょう」 舞歌が背筋を伸ばす姿勢の良さと、清純な声の質感は、もっと大きな会場の、各界の大物が集まる現場に出しても恥ずかしくはない。さほど経験を積んではいないにも関わらず、もう何百回もこうした挨拶を繰り返してきた洗練さがそこにはあった。 さらにいくらか言葉を紡ぎ、しだいにマナー教室の内容へ移っていく。 「では、こちらが今回の相手役となる――――」 と、先生を紹介すれば、先生もまた自己紹介を始めとして、今日初めてこの学校を訪れた感想として、挨拶がとてもしっかりとしていて気持ちがいいこと、綺麗で可愛い子が多く、さすがは聖ローズマリー女学院であることなどを明るく述べた。 「さて、皆さん。ここで学ぶべきマナーは、女性が男性に行う奉仕であることは、事前に聞いていらっしゃるかと思います。その意義についても存じているものとして割愛し、さっそくですが、この私が披露致しますお手本と共に、学んで頂きたいと思います」 舞歌はマナーにまつわる説明を開始した。 入退室の作法については、今回は省略すること。裸になる意味、土下座にどんな意義があるかまでを克明に語り、それらの話に耳を傾ける十名の女子は、誰もが真剣に受け止める。 「なお、見学なさっている男性方が、皆様に手を触れることがございます。多少のことは軽く受け止めるのもマナーの一つですので、どうか過剰な反応はなさらないようにお願いします」 舞歌が言うなり、一人の後ろ姿へ迫ってみる。 金髪を背中にかけた少女に近づくと、どことなく肩が強張っているのがわかる。これから触られるのだと気づきつつ、何も知らないフリをしながら、前だけに集中している。そんな金髪少女のスカートに手を乗せて、尻を撫でてみた。 ぴくりと反応するが、何を言うでもなく、手を払いのけることもしない。 ただただ、何もされてなどいない風を装って、正面だけに集中していた。 「では始めます」 舞歌が脱衣を開始する。 「まずは服を脱ぐ行為ですが、男性は基本的に恥じらいを好みます。経験豊富でセクシーな女性が好みという男性もいらっしゃいますが、私達は相手の好みを必ずしも把握しているわけではありません。よって、基本的な作法として、羞恥心を大切にしましょう」 まるで生まれて初めて男に裸を見せるようにして、舞歌はたっぷりと顔を赤らめ、たどたどしくブレザーのボタンを外している。 「裸を見せることは単純に恥ずかしいことなのですが、慣れてしまうと、ケロっとした顔で脱ぐことも可能になってしまいます。できるだけ、過去に裸を晒した経験などないように自分を騙して下さい。あるいは周りに何十人何百人もの男性がいらっしゃり、衆人環視の中で脱ぐのだと想像するのも有効です」 ワイシャツを脱ぎ、躊躇いをたっぷりと宿した手つきでスカートのホックも外す。 脱いだ衣服は折り畳み、ブラジャーを取り去る際には、片腕で胸を隠していた。乳房を見せまいとガードを固め、腕と胸の隙間から引き抜く形でブラジャーを脱いだ後、舞歌は両腕のクロスでより強く固めてしまう。 しかし、椅子に座った男性の前で、やがて諦めたように力を抜き、両手を下ろしていた。 形の良い乳房を晒し、男は思う存分のそれを眺めて楽しんでいた。 「ご覧ください」 舞歌はTバックの尻を向け、尻で女子達に視線を集める。 「男性によって下着の好みは様々で、シンプルな無地の好みや、アニメキャラのプリントが入ったマニアックなものなど、実に多岐にわたっています。相手の好みを把握している場合、それに合わせた下着選びは大切ですが、やはり私達は必ず把握しているわけではありません」 だから、基礎的な作法としては、できるだけいやらしい下着を選ぶ。Tバックを持っていればTバックを、持っていなくとも、所持している中でもっともセクシャルなものを身に着け、何もなければ事前に購入しておく。 そういった説明を舞歌が行う一方で、十人の女子生徒達は次々とお尻を触られていた。 一人ずつ順番にスカートを捲っていき、下着を確認するなり撫でまわす。ひとしきり揉みしだけば次へ行き、また次へ行き、十人が横並びになった端から端まで楽しむと、そのまま往復に入っている。 「最後の一枚は穿いておくのがマナーですが、実は脱いでも構いません。ただし、脱ぐ場合の作法がありまして、クロッチの部分が必ず見えるようにする必要があります」 舞歌はTバックも脱いでいき、靴下だけを残しつつ、全ての衣服を床の上に畳んでいた。 「お気づきでしょうか。衣服を畳む際、ブラジャーとショーツは必ず上に、そしてショーツはクロッチが見えるようにしておきます」 舞歌は椅子の男を向く。 「いよいよ土下座を行います」 全裸の舞歌が膝を付き、背筋をピンと伸ばした正座となり、上半身を前へ前へと倒していき、床に指を置いての土下座を行う。垂れた前髪が床に触れ、額もおそらくついている。きっちりとした土下座を数秒保ち、顔を上げると、すぐさま舞歌は男のベルトに手を伸ばす。 「土下座によって、相手が上、自分は下という、お互いの立場の明確化を行った後は、きちんとした断りを入れながら男性器を取り出します」 椅子に座った相手からズボンを脱がせ、トランクスも下げるには、一瞬だけ尻を浮かせてもらう必要がある。舞歌の説明はそれにも入れ、相手にお手間をかけさせる際の言葉遣いについても語りつつ、勃起したペニスへと取り掛かる。 ぱくりと咥え、フェラチオを開始した。 ただ顔を前後に動かすばかりでなく、先端をペロペロとくすぐっている。玉袋を手に包んで揉んでいる。竿の根元から亀頭にかけて舐め上げている。お手本を見つめる女子十人は、果たしてどんな心境か。 あれと同じことを自分もするのだと、そのことに対する感情はそれぞれあるはずだ。 フェラチオを前にして、金髪少女は瞳だけを横に背ける。二つ結びの少女が、少しだけ首を下に傾けている。生真面目そうな眼鏡の娘は、同じく下に傾きつつ、瞳まで床に落としている。 「では皆さんも、実際に服を脱ぎ、目の前に相手の男性がいると思いながら予行演習をやってみて下さい」 舞歌の言葉に、すぐには誰も動かなかった。 二秒、三秒、四秒と、沈黙が続くあまりに、舞歌の言葉が無視されてしまっていそうに思えたところで、一人の少女がブレザーのボタンを外す。するとまた一人、さらに一人と、全員が脱衣を始め、ワイシャツの白い姿が数秒後には十人分並んでいた。 それぞれの足下に折り畳んだブレザーが置かれていき、さらに十秒、十五秒と経つ頃には、ワイシャツが折り畳まれる。スカートも畳んで置かれ、下着姿となった生徒達が、今度はブラジャーを外している。 「今回はショーツも脱いで下さい」 舞歌の一声で、最後の一枚も畳んで置かれ、それらはきちんと、クロッチを上にしてあるのだった。 全裸の女子高生が十人、並んでいる。 そして、それぞれが目の前の相手を頭に浮かべ、膝を折り畳むように正座をしていく。背筋を伸ばした正しい姿勢で土下座に映り、額を床につけている光景は素晴らしかった。 「では最後に、一人ずつ順番にこちらに来て、実際にフェラチオを体験して頂きます」 十人もいれば、全員が体験を済ませるには時間がかかる。 一人あたりはせいぜい一分、そう時間はかけないが、十人が一列に並んでの、正座と土下座をこなしてからのフェラチオを、講師の男は味わっていく。一人が済めば、舞歌がウェットティッシュで肉棒から唾液を拭き取り、また次の一人がそれを咥える。 最後の十人目が済んでも、生徒達は服を着ない。 勝手に服を着るのは失礼とされており、だから許可が出るまで全裸なのだ。 舞歌が射精まで奉仕に励み、精液を飲んだところで、ようやくのところで服を着ても構わない許可が出る。マナー教室は解散となり、しかし舞歌だけは、二度目のフェラチオに応じて教室に残っていた。