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  美奈子が俺の耳を食む。
「ま、アレだ。付き合うってんだから、イチャイチャしようぜ」
 べったりと背中にしがみつき、胸を押し当ててくる美奈子は、俺の横顔に自分の顔を近づけ、耳をかじるようにしてきている。舌先でペロリとされると、非常にくすぐったくて、だけど心地良いような気もして、とっても困ってしまうのだった。
「どうして太郎は……。もうっ」
 月子は俺の胸板を掴んで、前からしがみついてくる。
 つまり、両側からサンドイッチ状態だ。
 神崎美奈子をお持ち帰りした俺は、月子もセットで二人を同時にベッドに連れ込み、二人の彼女を同時に味わうことを思いついていた。
 して、連れ込んだ結果。
 美奈子は見事に俺にベタベタとしがみつき、月子も負けじと俺にくっつく。
「堂々と二股ってなぁ、気の多い男だなぁ」
「本当だよ。私の目の前であんなにして……」
 ああ、美奈子のストリップショーとかね。
 セックスもみんなに見てもらっていたっけ?
 きっと今頃、みーんな美奈子をオカズにシコシコやってるところだろうな。
 ま、俺は本人を直接抱けるわけだけど。
「おいよー。私と月子と、どっちがいいんだ?」
「私も知りたいな。それ」
 アプリによって植えつけた恋愛感情は絶対。
 俺に従うことも絶対。
 されども、俺が二股をかけている事実については、二人して気に入らないらしく、できることなら自分だけを見て欲しいようだった。
「決められないなー」
 と、俺は言う。
 そもそも、俺が本命として見ているのは妹で、俺がセックスをしたのも、俺自身を羞恥プレイに慣らすことが目的だった。もちろんヤりたいからヤったわけでもあるが、経験を積んで我慢をしやすい体になっておかなければ、ストリップを強要したり、相手の体を視姦しているうちに肉棒をシゴきたくて仕方なくなる。
 そう、乙女の羞恥心を煽ってやろうという時に、勃起したチンポがあまり自己主張してくるようでは、途中でチンポを出す形になってしまう。
 羞恥プレイに本番行為は無い方がいいのだ。
 例えば露出少女が主人公である某同人とかも、本番行為無しのまま巻数を進めて、やがてようやくフェラチオ描写が入っていた。きちんと羞恥心を持っている姿を見せてくれて、そちらに十分な尺を割いた上で、終盤辺りでやっと本番有りになる。
 例えば健康診断をテーマにした某エロ動画では、聴診器を当てるためにおっぱいを出す。ギョウチュウ検査のためにお尻を出す。しかも多くの男性がそれを見ていて、女は人前で恥ずかしい目に遭うことを余儀なくされる。そういう内容を最後まで終わらせた上で、セックスは本編終了後のオマケ扱いで収録されていたりする。
 つまり、仮にヤるにしても、それはラストステージでなくてはならない。
 同人せよネット小説にせよ、羞恥作品を名乗る以上は、いっそ完全にセックス無しでもいいほどだ。
 その方が理想ですらある。
 ただ、俺はあくまで催眠アプリを利用して好き放題やりたいだけで、そういう創作活動をしようってわけではない。美奈子や月子とシたように、セックス自体はガンガンやるつもりでいるのだが、羞恥プレイを試みる際は、一定のプレイを終えるまでは本番無しで進めたい。
 妹を――晴香を大いに恥じらわせたい。
 しかし、俺の妹好きが恋愛的なあれかというと違う気もするな。
 生意気な妹という属性にマッチした実物だから、好きなように扱いたい。
 俺にとっての妹はそういうものかもしれない。
 催眠アプリと出会う前から、頭の中では色んな目に遭わせていたからな。縛り上げてスカートを捲ってやったり、弱みを握ってフェラチオさせる妄想とか。そういうのをいっぱいしてきた兄なんだし、よく考えたら日頃から晴香が俺に嫌味を言うのは仕方が無いのか?
 ま、なんにせよ。
 今は月子と美奈子か。
「二人とも仲良くしなよ」
 と、命令。
 例えば少女漫画の陰湿展開やそういう昼ドラみたいに、俺のために争って、ドロドロとした愛憎劇を繰り広げられ立って困るわけだ。
「――チッ、まあいいけど?」
 美奈子は仕方が無さそうにそう言った。
「そうだね。太郎はどうせハーレムがいいんだろうし」
 月子も頬を膨らませつつ、俺の胸元を握る手を強めた。
 よし、いいぞ?
「それでは二人仲良くフェラチオしてくれ」
 俺はそう言って立ち上がり、チャックを下げてペニスを取り出す。そそり立つ肉棒の太さを見るなり、
「おお……!」
 と、美奈子はサイズ感を見て関心する。
「……ま、まだ勃つんだ。すごいね」
 月子は恥ずかしそうに目を背け、けれど興味はあるかのようにチラチラと様子を伺う。
 二人の反応の違いはなかなか面白い。
「――ちゅっ」
 まずは美奈子が、亀頭の口にキスをした。チュゥゥゥ、と吸い付くように先端を口に含めて、舌先でペロペロと慰める。
「――れろっ、レロォォォ」
 月子は根元に顔を埋め、下から上へ舐めていく方法で舌を使う。
 素晴らしい光景だった。
 美人とも美少女ともいえる二人の顔が、俺の股へと向かっている。上目遣いで俺を見ながら舌や唇を駆使していき、美奈子は亀頭を、月子は肉竿を担当していた。二人は途中で持ち場を入れ替え、月子の方が亀頭を吸うと、美奈子はベロベロと根元を舐める。
 良いぞ? とても良い。
 ペニスが根元からジンジンと痺れてきて、しだいに射精感が込み上げる。
「出るぞ! 二人とも!」
 俺は射精を告げる。
 すると、二人はすぐに顔を引く。亀頭の前で顔で身構え、出てくるものを受け止めるような体勢で、俺の射精を一心に受け止めた。

 ――ドクドク! ドクッ、ドクン!

 噴射する俺の白濁は二人の顔面を大いに汚し、ツンとした精液の香りを漂わせた。
「いっぱい出たね」
 月子は儚く笑う。
「おい、ティッシュどこだ?」
 美奈子といえば、さっさと顔を拭きたそうにしているのだった。




 
 
 

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