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  • クソガキに支配され・・・2

     前作に続く続編。
     まだなお健太に支配され、デート中の辱めを受ける唯華は、やがてバドミントンでの試合を申し込まれる。まともに戦えば唯華が勝つに決まっているが、そのためローター入りというハンデを背負う。
     もしこの勝負に負けてしまったら・・・・。
     

    第1話 久々の再会
    第2話 視聴とお仕置き
    第3話 ローターデート
    第4話 レンタルショップで
    第5話 イキたい唯華、健太の提案
    第6話 敗北
    第7話 奴隷の運命


  • クソガキに支配され・・・

     高校を卒業し、大学への進学を果たしたその後の志波姫唯華だが、彼女は一人の少年によって人生を狂わされ、尊厳を踏みにじられていた。とあるきっかけで弱みを握られ、従わされる一方の生活を続けるうちに、年下の少年相手にすっかり主従関係が出来上がっていたのだ。
     計算高かったはずの唯華が、しかしそれでも貶められる。
     もはや主将時代の輝きを持たない姿がそこにはあった。

    序章 全てのきっかけ
    第1話 奴隷の唯華
    第2話 玩具にされて
    第3話 寸止めゲーム
    第4話 連続絶頂
    第5話 健太の陰謀
    第6話 ストリップと土下座
    第7話 芸録
    第8話 アダルトコーナー
    最終話 もう主将などではない


  • 最終話 競技を穢されて

    前の話 目次

    
    
    
    
     日曜日――。
     守られる気のしない口約束では、今日で最後ということになっている。
     この日もユニフォームで練習場へ向かって行った。
    
    「どういう頭をしていたら、こういうことを思いつくの?」
    
     そして、早速言い渡されたプレイを前に、まず先に冷え切った声で唯華は副顧問を軽蔑していた。
    「いいじゃないか。楽しそうで」
    「楽しいのはそちらだけでは?」
    「なに、今日が終われば、少なくとも万引きの件は全て忘れてやる。志波姫としても、最初の目的は果たされるだろう?」
     嘘を言っては見えないが、唯華に対してニヤニヤしている。
     きっと、それが答えなのだ。
    「さあ、早くしろ」
    「心の中では、先生が地獄に落ちるように祈っておくので」
     恨み言の一つも言ってから、唯華はそれを受け取り装着した。
     副顧問が言い渡してきたプレイ内容は、犬のお散歩ごっこである。女の子に首輪を付け、四つん這いで歩かせようというのである。
     しかも、リード付きの首輪を巻いた途端だ。
    「飲め、全部だ」
    「水分なら入らないけど」
    「いいから飲め」
     有無を言わさず、ペットボトルの飲料水を押しつけられた。
     犬の散歩、水分の強要、まさかとは思うが……。
    「さあ、始めるぞ」
     水を飲み干すと、唯華は四つん這いを強要された。
    (ああもう! 本当になんなの!? こんなのありえない!)
     犬の首輪があることで、単にポーズを変える以上の屈辱で精神が蝕まれる。
     しかも、この男はバドミントン選手、フレ女のエース、部活の主将――そういった看板に対して興奮している。部内ではトップの唯華を好きに扱い、屈辱的なプレイを強いることで、支配感に酔い痴れているのだ。
     床に両手と両膝を突き、唯華は四つん這い歩行を開始する。
     当然、そんな唯華の背中や尻を視姦して、後ろからニヤニヤと楽しんでいるのだろう。
    「名前でも付けてやろうか? ポチって呼んでやろうか?」
    「いい加減にして欲しいね」
     唯華は本気で苛立っている。
    「なに怒ってるんだ?」
    「怒らない方がおかしいから」
     人の処女まで奪った男に、どうして気を許すことがあるだろう。
     強要でもされない限り、決してすることのなかったプレイによって、唯華は両手を前足として使っている。右手を前に、左手を前に、膝を床に擦り付けた歩行で進んでいく。進めば進むだけ、屈辱感に自然と拳が固まって、爪が手の平に食い込んでいた。
    「なあポチ」
    「ポチじゃない!」
    「はははっ、しょうがないなぁ? 志波姫ぇ、コートの周りを歩いてみて、どういう気分だ?」
    「こんなことをさせて気分はどうだって、なかなかのご身分だね」
    「まあまあ、言ってみろよ。今の気分を」
     副顧問は唯華の傍らにしゃがみ込み、気軽に尻を触ってくる。ペットを撫でて可愛がる手つきによって、ユニフォーム越しの尻は撫で回された。
    「そうだね。飼い主の首を食い千切りたいかも」
     と、半ば本気で口にする。
    「怖いことを言うなぁ?」
    「もう一つ、今すぐ副顧問をやめてもらいたい気分もするかな」
    「生意気め、その口は後で塞がないとな」
     ニヤっと笑う表情で、何を考えているかなど明白だった。
     フェラチオでもさせるつもりに違いない。
     ぐるりと一周させられると、副顧問は案の定ズボンのチャックを下げ始める。まるでお散歩中のエサであるように、ベンチに座って膝を広げて、唯華を股のあいだに招くのだ。
    「どこまで犬扱いすれば気が済むの」
    「ほーら、ビーフジャーキーだぞ?」
    「この……」
     目の前に出て来た肉棒を咥えずにいると、副顧問はポケットからスマートフォンを取り出して、我が物顔で裸の謝罪動画を再生してくる。
    「やればいいんでしょ」
     四つん這いの姿勢で咥え、手を使わずに行うフェラチオに初めて励んだ。
    「あむっ、じゅっ、じゅず……ずっ、ずぅ……」
     上半身を前後に揺することにより、頭も前後に動いていく。
     口内に出し入れさせ、少しでも早く終わって欲しい思いから、こんな男のためにも舌を蠢かせ、竿中を舐め回した。
    「はじゅぅ……じゅむっ、ぢゅるぅぅ…………」
     亀頭をしゃぶり、玉さえ舐める。
     おぞましいものに対する奉仕に心を削り、やっとの思いで口内に青臭い味が広がる瞬間こそ、フェラチオという名の地獄から解放される瞬間だった。
     もちろん、いつものように飲まされる。
     ペロペロと綺麗に舐め取り、精液の汚れをひとしきり取り除き、唾液まみれに輝く状態にしてやって、やっとのことで本当の終了を迎えるのだ。
    「満足したなら、帰らせて欲しいんだけど」
    「何言ってるんだ。犬といったら小便だろう?」
    「……は?」
    「小便しろ」
     本当は予感していた。
     何故だか水を飲まされて、無理にでも水分を補給させられた時から、唯華の中にはそういう予感はあった。
     だが、思い違いであって欲しかった。
    「な、何を言ってるの! だいたい、どこで!?」
    「ここでいいだろ?」
    「ありえないよ! どうしてここでするのさ!」
    「それもそうだ。だから、小便をするための入れ物を用意してある」
     ベンチには副顧問の荷物が置かれている。
     大きめのバッグから取り出される黄金のカップを見た瞬間、唯華はかつてないほど大きく目を丸め、今までで最も信じられないものを見る眼差しで副顧問を見上げていた。
     団体戦の優勝カップだ。
     みんなで勝ち取ったものを、このためだけに持って来て、それを小便で汚させようとしているのだ。
    「それだけはやめて! 昨日みたいに――さ、最後まで……していいから!」
     身を切る思いで、本番と引き換えにしてでも、それだけは避けようとした。
    「いいや、やれ」
    「ふざけないで! だったら、せめて別のところに――」
    「これにしろ」
    「なんで! バドミントンに恨みでもあるの!? そんなに競技が嫌いなの!?」
     もはや競技への憎悪でもなければ、こんなことを思いつく神経が理解できない。
    「いいや? 特に恨みなんてないな」
    「は……?」
     なんの恨みもなく、ただ単に性癖の一貫でこれを思いついていることが、唯華にはますます理解できない。
    「特に恨みはないけど、他ならぬ主将が競技に小便を引っかけるって、興奮するじゃないか。僕はそれが見たいんだよ」
    「あ、ありえない……なんで、そんなことを私が……」
     人の好きなものを、本人の排泄物で穢させるなど、だったら唯華に恨みがあるのだろうか。
    「ほら、ワンちゃんのオシッコは片足を挙げてやるものだ」
    「それだけはできない! もう一週間相手するから!」
     団体戦のカップとなれば、それは唯華一人のものではない。
     それに、敗退していった学校とて、このカップを手にするために汗を流して努力してきた。それら全ての頂点に立った証を小便で穢すほど、競技を侮辱する行為はない。それを主将にやらせようとする悪趣味さには戦慄しかなかった。
    「仕方ないなぁ? なら、今からアソコを刺激しまくる。十分以上経ってもオシッコが出そうになかったら、尿意がないということで諦めよう」
     散々に拒絶の意思を声に出し、あまつさえ体を売る発言までした上で、ようやく引き出した譲歩がそれだった。
    「だ、だから……何があっても、絶対……」
    「うん。最後まで耐えきればいいだけだろう? 絶対にできないっていうなら、見事に耐え抜いてみせて欲しいな? 主将ならできるんじゃない?」
     副顧問はこれ以上は決して譲ろうとはしない。
    (……もう……やるしかないの?)
     今のところ、申し訳程度にしか尿意はない。
     トイレに行けば、出ないことはないだろうが、まだまだ数時間以上は行かなくても良さそうな感覚だ。
    「こればっかりは、何が何でも約束は守ってもらうから」
     怨念さえ宿った眼差しで睨みつけ、本当に心の底から不本意ながらに、唯華は副顧問の条件を受け入れる。
     しかし、こんな条件付きの遊びを受け入れること自体、心理的な拒否反応は強かった。
    
         *
    
    「んっ、んぅ……んぁぁ……あぁぁ…………!」
     唯華は四つん這いのまま、尻だけを高くした体勢で、頭や胸は床に付け、後ろからの愛撫を受けていた。
    「どうした? あんな条件が出ているのに、君はそれでも感じちゃうのか?」
    「うっ、うるさい……んっ、んぁ……!」
     綿棒が使われていた。
     ユニフォームの布をずらし、尻たぶの片方が丸出しに、性器と肛門が丸見えとなった状態で、肛門の皺がなぞられている。先端でくすぐってくる感触に、皺がヒクヒクと窄まって、いつの間に肛門で感じやすくなってか、声まで出てしまっている。
    「いい声だよ。ほら、こっちもやってやろう」
     肛門に綿棒を差し込むと、次はもう一本の綿棒がワレメを擦る。
     だんだんと分泌される愛液は、綿棒の綿に吸い込まれ、ワレメとのあいだに徐々に糸が引きやすくなっていた。
    「んっ、んっ、んっ、んぅ……んぅぅ…………」
    「よし、次は指を入れてあげよう」
     綿棒が遠ざかる。
     しかし、尻には刺さったまま、膣口にも指が突き刺さり、そのピストンが始まるなり唯華は快楽に襲われる。
    「おっ、あっ、あぁ……! あっ、くぅっ、うぅぅ……!」
    「ほらほら、肛門まで反応してるよ? 前みたいに、綿棒が上下してるよ?」
    「やっ、あっ、言わないで――そんなことぉ……うぅ……!」
    「志波姫ぇ、君は負けられないゲームをしてるんだよ?」
    「んっ、んぁぁ……!」
     指の出入りが快感を生み出して、床に頬を押しつける唯華は、そのまま床に熱く乱れた息を吐き出していた。
    「いいのかな? そんな感じちゃってる様子で。負けたらカップにオシッコするのに、みんなで勝ち取った優勝を穢す羽目になって、本当にいいのかな?」
     煽ってくる言葉が屈辱感を高めてくる。
     歯をきつく食い縛り、歯茎がどうにかなりそうなほどに顎に力が籠もっていく。握り締めた拳の内側で、爪がとっくに食い込んでいた。
    「しかし、もう五分か。早いもんだねぇ? じゃあ、そろそろ本格的に責めてあげよう」
     すると、指が抜かれる。
     本格的と言いながら、指のピストンをやめる理由はわからない。
     だが、何か丸いプラスチックを膣の中に埋め込まれ、そのスイッチが入った瞬間、ピンクローターの刺激に腰全体が震えるのだった。
    「んぅぅぅぅ……! なっ、それって……! あぁぁぁ……!」
    「ああ、ローターくらい知ってるんだね? そうだよ? ローターだよ?」
    「んっ、あっ! そんな……道具まで……!」
    「道具禁止なんてルールは作ってないもんね」
     膣に埋め込まれた卵形から、ブィィィィィ……と、無機質な振動によって膣壁が振るわされ、みるみるうちに愛液が分泌される。唯華自身の愛液がローターを包み込み、あっという間にアソコに馴染んで、ますます快感は高まっていた。
    「あぁぁ……! あぁぁ……!」
     副顧問からすれば、ワレメからコードの生えた光景を楽しみつつも、さらに指で中身を開いて、綿棒によっても刺激する。
     狙いは尿道口だった。
    「そっ、そこは……! あぁぁ……!」
     尿道口を直接突かれ、ローターで膣も振動させられて、肛門がピクピクと反応していることを示さんばかりに、尻の綿棒は上下している。
     尿意を煽られ続けた唯華は、やがて危機を悟っていた。
     副顧問から渡されたペットボトルは、フタを既に一度開けられていた。初めて開ける際の感じがなかったのだ。
     もし利尿剤でも入っていたら、そんな考えが浮かんだ時にはもう遅い。
    「も、もう……! トイレに! トイレに行かせて!」
    「片足を上げろ」
    「そんなこと……!」
    「カップにはしなくていい。片足を上げて、僕の見ている前でしろ!」
    「うぅ……くぅぅぅ…………!」
    「やらなきゃ許さないよ! ゴム無しで犯してやろうか!」
    「うっ、くぅ……うぅぅ……!」
     唯華は涙ながらに右足を持ち上げて、犬が電柱に放尿する際のポーズそのままに、もう抑えきれない尿意を解放した。
    
     チョロロロロロロ…………。
    
     練習場でオシッコを出してしまっている。
     そんな自分の状況に耐えきれず、唯華は床に額を押しつけ、手の甲を噛み締めながら、まぶたの筋力が許す限り全力で目を閉じていた。
    「はははっ! ワンちゃんだワンちゃん!」
     屈辱的な言葉が胸を抉り、心が切り刻まれていく。
     そして、唯華は気づいていない。
     口先ではカップにはしなくて良いと言った副顧問が、黄金水のアーチに合わせて物を置き、さらには動画まで撮っていることに、さしもの唯華も気づく余裕がなかった。放尿を見られている羞恥に耐えることだけで精一杯で、パニックにも似た状態では周りの状況になど気づくことはできなかった。
     尿のアーチは十秒、二十秒とかけて勢いを保ち、優勝カップの器に降りかかる。最初は器の中に尿が溜まって、勢いが緩むにつれてアーチが縮むことにより、外側が濡らされる。
     やっとのことで尿は収まり、しかし地獄は終わらない。
    「よーし、そのままそのまま」
     副顧問はティッシュを用意して、唯華のアソコを拭き始めたのだ。
     後ろ側からアソコを覗き、滴の残ったワレメにティッシュ越しの指が押しつけられ、赤ん坊の頃にしかされないようなトイレの世話をされる恥辱に打ちのめされる。
    「……私に恨みでもあったの? そんなに私が嫌いだった?」
     涙ぐんだ声で、唯華は本気で尋ねていた。
    「いいや、別に?」
     恨みを買ったわけですらなく、本当にただの個人的な性癖だけで屈辱的な真似をさせられた事実を痛感して、唯華はますます打ちのめされる。
     挙げていた足を下ろし、そして気づいてしまった。
    「そんな……! 話が違う!」
     顔面蒼白だった。
     肩越しに振り向いた先にある濡れたカップに、壮絶なまでのショックを受け、眼球が飛び出てもおかしくないほど目が丸まり、唯華は心に追い打ちを受けていた。
    「私が……そんな……私が…………」
     無論、トイレに行く暇もないような尿意を利用して、口先では唯華を騙し、目論見通りに小便をかけさせたのは、副顧問の行動だ。
     しかし、まるで自分こそがとてつもない罪を犯したような心理に陥り、いくら唯華でも目尻に涙を溜め込んでいた。
    「ほら」
     そんな唯華に動画を見せ、カップにかけている瞬間を突きつけるほど、残酷な仕打ちはないだろう。
    「雑巾だ。綺麗にしようか」
     こんなことをさせた副顧問の方こそ、本当なら掃除をするべきだろう。
     だが、性暴力に走って生徒を意のままに従わせ、身勝手な欲求を満たす人物が、自分で掃除をするはずがない。
     唯華自身も罪悪感に陥って、脱力しきった力ない手で雑巾を受け取ると、無言で淡々と床を拭き始めるのだった。
    「あーあー。他の部員に見せてみたいねぇ?」
     副顧問は床を拭いている唯華に追い打ちの言葉をかける。
    「主将がこんなことをしたと知ったら、どんな顔をする? どんな失望の表情が並ぶかな? 今の掃除している姿だって、見たらショックを受けるだろうなー」
     動画撮影の状態となったスマートフォンを向けながら、副顧問は唯華を煽り続けていた。
     唯華はひたすら打ちのめされ、心を細かく刻まれて、いくら何でもこれでメンタルが傷つかないわけがない。
     心の死んだ唯華へと、それでも拭き掃除が終わると同時に性交を強要する。副顧問の行いはまさしく死体蹴りそのものだった。
     それから、唯華は下を向いたまま帰っていく。
     この日は誰とも口を利かずに布団に潜り、一人塞ぎ込むのも無理はなかった。
    
         *
    
     しかし、唯華は強かった。
    「ごめんねー。昨日はちょっと、重くてさ……」
     腹に手を当てながら、ルームメイトにはそんな風に誤魔化して、部活にも今まで通りに顔を出す。裏で起きている出来事など、何一つ起こっていないかのように唯華は振る舞った。
     そして……。
     部活が終わった後のスマートフォンには、副顧問からの連絡が入っている。
    
    『次は水曜日に来い』
    
     行かなければ、誰かに唯華の動画を見せつけると言っていた。
     狙い目の女子を呼び出し、性格の弱さに付け込んで、無理を言って押し通す作戦らしい。大人相手にもきっぱりと言える強さがなければ、抗いきれずに強引に同意させられ、体を許す羽目になるだろう。
    (いいよ。私がそうはさせない)
     望み通り、今だけは相手になってやろう。
     だが、頭の中では算段を組み立てている。
     一体どうやって訴えれば、話が過度に表に出ず、副顧問の不祥事で大会出場停止といった事態を避けながら、転勤なり退職なりで学校から消えてもらえるか。
    (……今のうちだけだよ)
     その気持ちを胸に、唯華は副顧問との関係を継続することになるのだった。
    
    
    


     
     
     


  • 第7話 奪われる処女

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     とうとう六回目を迎え、月曜日から数えて今日は土曜だ。
     休日の練習を終え、ひとしきり勉強もこなした夕方には、いつものように副顧問からの呼び出しに応じることになっている。
     よほどユニフォームが好きらしく、必ず厳重に指定してきた。
    「明日で最後ですね」
     今回も練習場を使うらしい。
     コートの中で顔を合わせて、ロクな挨拶もせずに開口一番、約束の期限が迫ったことを口にしていた。
    「ここまで来て、本当に一週間で済むと思っているのか?」
    「所詮は口約束ですか。それは残念です」
    「始めろ」
     副顧問は淡々とチャックを下げ、逸物を取り出した。
     唯華はその前に膝を突き、咥え込み、頭を前後に振りたくる。こんなものを口内に収めなくてはいけない屈辱を抱え、胸には恨めしさを広めながら、数分にもわたる奉仕の末に精液を飲まされる。
     そして、お掃除フェラへと移っていく。
    「ちゅむっ、ちゅるぅ…………」
     唇を当て、吸い上げた。
    「れろっ、れろぉ……」
     ぬかるみに舌をやり、舐め取った。
     舌を使って拭き取る作業で、根元から先端にかけ、れろぉぉぉ……と。先端には吸いついて、ストローからの吸引のようにチュゥチュゥと音を立て、副顧問がひとしきり満足する頃には、肉棒全体が唾液を纏って輝いていた。
    「さあ、今度は僕が志波姫を可愛がる番だ」
     副顧問が愛撫を始める。
     床に寝かされ、まずはユニフォームの上から体中をまさぐられ、乳房に両手が乗ってくる。揉まれるうちに乳首が立ち、指先の探りによって突起は暴かれ、衣服越しに擦り抜かれる。爪ですりすりとされるうち、乳房の中に刺激が溜まって、しだいに感度は上がっていた。
    (本当に時間の無駄。こんなことをしていないで、他にいくらでもやるべきことがあるのに……)
     奪われているのは貞操だけではない。
     勉強、自主練、友達との時間――他の事柄に当てるべき時間でさえ、こんなことで搾取されている。
     やがて、アソコに手が来ると、最初はユニフォームの上から愛撫が始まり、やがて布をずらして直接触る。ワレメから滲み出る愛液で、皮膚と指との摩擦はすぐに滑りが良くなって、甘い痺れも走り始めた。
    「んっ、んぅ……! んっ、んぅぅっ、んぅ……!」
     感度は上がり、指の挿入が始まった。
     膣口が掻き回され、中身をなぞる指先によって快感を引きずり出され、唯華の息遣いは乱れ始める。
    「んっ、んっ、んっ、んっ、んっ」
     人の感じた顔を覗き込みながら、副顧問はピストンを行っていた。
    (感じた顔なんて、見せないよ……)
     どうにか表情を取り繕い、無感情な人形になりきりながら、顔を背けて耳だけを副顧問に向けていた。
    (早く終わって欲しい。それ以外にない)
     地獄の時間が過ぎ去るまで、ただひたすら苦行に耐える。
     いくら快感があったとしても、唯華にとっては望まぬ時間だ。
    「立ちなさい。それから、構えて」
     何故だか、ラケットを持たされる。
    「構えてどうするんですか」
    「いいから、試合のつもりで構えなさい」
    「またおかしな思いつきでもしたんですか」
     唯華はグリップを右手で握り、足を肩幅よりも広く開いた。腰を少しばかりくの字にして、膝も軽く折り曲げた構え方は、もっとも基本的な姿勢である。
     尻に手が当たってきた。
    (構えたところに悪戯したいってわけ)
     冷え切った感情が胸に広がる。
     いつもユニフォームで来るように言ってくるのも、昨日の屈辱的な芸も、全てはスポーツをそういう目で見ているからだ。バドミントン選手というラベルの付いた女子に興奮し、とうとうラケットまで持たせた状態で楽しみ始めた。
     部員をそういう目で見ていればこそ、この男は副顧問などやっているのだろうかと、そんな見下した感情さえも湧いてくる。
     尻を撫で回す手は、ひとしきり活発に動き回った。
     何分もかけて、飽きることなく楽しみ尽くし、最後に指を食い込ませて揉みしだく。
     ようやく手が離れていった時、これで満足したのだろうかと、唯華は軽くため息をつくが、次の瞬間にはおかしな気配を感じていた。
     物音のない、静寂な空間である。
     だからこそ、静けさの中では小さな音さえ目立って聞こえ、副顧問がポケットに手を忍ばせる際の、手と布が擦り合う音でさえ気配でわかる。
    「どうしたんですか? もう帰っていいんですか?」
     肩越しに振り向いて、唯華はそのまま目を丸めた。
     副顧問はコンドームの装着をしていたのだ。
    「動くな」
     低く、冷たい声が放たれて、唯華は本能的に悟っていた。
    
     今この瞬間、処女を失うしかなくなった。
    
     獲物を逃がす意思が欠片もない、もうそうするのだと決定しきった瞳から、抵抗すれば暴力も辞さない危険性を本気で感じた。下手に逃げたり抵抗すれば、殴られかねない危機を感じた結果、身動きを取れなくなった。
     ヘビに睨まれたカエルということわざの通りだ。
     恐怖で身体が固まり、ラケットを握る基本姿勢から唯華は動けない。
    「コートの上での初体験なら、本望だろう? フレ女のエースさん」
     布をずらしたことで剥き出しの、尻の少し突き出た性器へと、ゴムを被った亀頭が当たってきた。
    「……さすがに警察に行くとは思わないんですか?」
     こうやって、唯華の立場でやりうる数少ない脅しを試すのが、挿入を免れる最後の希望であった。
    「悪いな。たとえ後で捕まるとしても、今はやらせてもらう」
     リスクを飲み込み、捕まることさえ承知だと言われては、もはや止めようがない。
     あとはこのまま、当たってきた肉棒が唯華に入り込むだけだった。
    「んっ! んぐぅぅ……!」
    「ははっ、やったぞ……!」
     穴を強引に拡張され、広げられている苦しさに呻く唯華に対し、副顧問は部活の主将を犯してやった歓喜に酔い痴れていた。
    「んっ! んぅ! んっ! んっ! んぅ! んっ! んっ! んんっ、うっ、ううっ!」
     すぐに腰は動き始める。
     唯華の構えた姿勢に合わせ、下から上へと挿入しての、上向きの角度でピストンは行われ、バドミントンにおける形そのままに犯されている。
     相手の打球を待ち構え、そのコースによってフォアかバックに切り替える待機姿勢が、今だけはセックスの体位として扱われていた。
    「どうだ! 気分は! フレ女のエース! 主将! 志波姫唯華!」
    「うっ、ん! んっ! んっ、んっ! んっ! んっ!」
     幸か不幸か、唯華の股は柔軟性が良い上に、激しい運動の中で未経験のままに処女膜が損傷している。実のところ、指を入れたオナニーもしたことがあり、意図せずして前準備の整っている穴は、必要以上の痛みを感じていない。
     出血もなく、穴は少しずつ副顧問の長大さに順応している。
    「んあぁぁ! あっ、あぁっ!」
     穴幅に対して太いものが出入りする苦しさは、最初こそ痛みがあった。
     その痛みは消えていき、快感へと移り変わって、唯華は初めての挿入で感じ始めていた。
    「んあっ、あん! あっ、やっ、あぁっ、あぁぁ……!」
    「気持ちよさそうだな! ええ!? 初めてだろう!? そうだよねぇ!? なら、初めてなのに気持ち良くて幸せだなぁ! 痛くなくて良かったなぁ!」
    「あっ、いっ! いいわけ――んっ、んぁ! あぁぁ……! あっ、あぁぁ……!」
     こんな男に、こんな形で感じさせられ、そこに幸せなどありはしない。
     激痛や出血がなくて済んでいるのが、本当に良かったことかどうかも、唯華にはまったくわからない。
    「んっ、んっ! んぅ……! は、早くっ、んぅ……! こんなの――苦しいっ、だけぇ……!」
    「そうか苦しいか。なら主将らしく、我慢強いところを見せてもらわないとな!」
    「んあ! あん! あん! あん! あぁん!」
    「なんだ! 感じてるじゃないか!」
    「あっ、あぁ……! あっ、あうっ、んぁぁ……!」
     腰を両手に掴まれて、激しく貫かれることで、尻にぶつかる衝撃に身体が揺らされる。
     やがて姿勢は崩れていき、両手は膝の上に落とされて、唯華はより深く腰を突き出してしまっていた。無論、好きで股を差し出したはずもなく、快楽に翻弄されて、最初の姿勢が維持できなくなっただけの話だ。
    「気持ちいい! 僕は最高に気持ちいいぞ!」
    「あっ、あっ! あん! あん! あん! あん!」
    「なあ、みんなにも見てもらいたいなぁ! そうだ! 試合に負けたら犯されるルールとか面白そうじゃないか? ええっ、おい!」
    「んっ、んっ! んあっ、あん! あん! あん!」
    「憧れの先輩が犯されるところを見たら、後輩どもはどんな顔するかなぁ! 見てみたいもんだよなぁ!」
    「んっ、んあ! やっ、やめて……そんなこと……んっ、しない、で……!」
    「はははっ、もうすぐ出るぞ!」
    「んんん! んっ! んんぅ! ん! ん!」
     明らかにピストンのペースが上がり、スピードに翻弄されて唯華の喘ぎも高まった。
    「ほら、出る!」
     その瞬間、膣内でゴムが膨らみ、一ミリもない薄さを介した白濁の熱気を内部で感じた。こんな男に挿入され、あまつさえ満足までさせてしまった無念に泣きたくなり、さしもの唯華にも涙が浮かびかけるのだった。
    「初めてだったのに……!」
     肩越しに振り向いて、いかにも満足そうにしている副顧問に対し、怨嗟の言葉を吐いていた。
    「ああ、本当に初めてだったのか。良かった良かった。なら僕が初体験の相手だねぇ?」
    「このっ……!」
     本気でどうにかしてやりたかった。
     このラケットで殴りつけたい衝動に駆られ、寸前で思い留まったのは、バドミントンの道具を暴力には使えないせいだった。
    「明日で最後だ。ま、僕がこんな口約束を守るとしたらの話だけどね」
    「最低! 本当に最低!」
    「なんとでも言えばいい。おかげで僕は大満足だ」
    「くっ! これで……! これで約束を破ったら、本当に警察に……!」
     勢いに駆られ、睨みながら詰め寄る唯華へと、副顧問はスマートフォンを突きつける。その中に収まっているのは、たった今のセックスを後ろから撮影したものだった。
    「あーあー。弱みが増えた」
    「だったら! せめてあの子の動画は消して! もう必要ないはずだよ!」
    「ここで消したって、他のパソコンにコピーしてあるかもしれないだろう? まったく、ゲームIQがあれだけ高いのに、志波姫唯華にしては冷静じゃないなぁ?」
     勝ち誇った顔でニヤニヤ笑い、好きに扱える玩具でしかないものを見下す視線で、唯華のことを改めて舐め回す。
    「今日はもう帰っていいぞ? 明日また楽しもう」
    「私はちっとも楽しくないから!」
     唯華はそう吐き捨て、アソコの布を整えるなり、怒りに任せて練習場を出て行った。
    (最低! 本当に最低!)
     このままでは帰れない。
     こんなにも怒りを、悲しみを溜め込んだままでは、ルームメイトと顔を合わせることなど出来なかった。
    
    
    


     
     
     


  • 第6話 おかしな素振り

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     五回目、素振りをやらされた。
     今日は練習場に呼び出され、いつものように服装はユニフォームで、ネットの前で屈辱的な芸を強要された。
    
     幼児用のラケットを尻に挟んだ素振りである。
    
     ユニフォームの股布をずらし、グリップを差し込んで、布の力で押さえながらも、尻の割れ目にも力を入れて、どうにかラケットを支えている。安定性などあったものではなく、尻を左右に振るたびに、必要以上に揺れてしまう。
    「いち! に! さん! し!」
     副顧問はいっぱしのコーチを気取り、唯華に尻を振らせていた。
     前屈みに、腰を低めて、後ろに尻を突き出した姿勢により、尻から生やしたラケットを振り抜いている。
    「もっと綺麗なフォームでできるだろう!」
    (どうしろっていうの)
    「志波姫らしい技のフォームを見せてみろ!」
    (こんな振り方、あるわけないでしょ……)
     屈辱もさることながら、ありもしないフォームの綺麗さを求められ、気持ちの問題を差し引いても、どんな素振りを見せればいいかが本当にわからない。
     そもそも、どんな発想をしていれば、こうも珍妙なプレイを思いつくのか。
    「なあ、君ならシャトルも打てるんじゃないか?」
     思いつきにより、球打ちまでやらされた。
     軽い力で投げられたシャトルに向け、こんなふざけた形では、すぐに打ち返すことはできない。ラケットの面がどの高さの、どんな角度にあるのか、頭の中に思い描いて、イメージを手がかりに位置を合わせるのは困難だった。
    (なんなの……本当になんなの……!)
     最初のうちは空振って、副顧問は拾い直したシャトルを繰り返し投げてくる。
    「ほら、志波姫ならできる。できないはずがないんだ」
     打てるまでやらせる気か、球出しをやめることなく繰り返し、そのうち本当に打てるようになってしまった。
    「さすがじゃないか」
     初めて打ち返したシャトルは、綺麗なまでに副顧問の手元に返り、キャッチボールさえ成立していた。
    (こんなものを覚えたって……意味なんて……)
     トレーニングとしての意義も、決してあるとは思えない。
     ただただ、屈辱を味わうための時間に過ぎない。
    「ほら、もう一球」
     球出しに対して、唯華は膝をくっつける。両膝を合わせた軸で腰を振り、どうにかシャトルにラケット面を合わせるのだ。打ち返す際の音により、球の勢いはイメージできる。副顧問の手元に戻すのに丁度良い威力になっていた。
    「さすがはフレ女のエースだな」
     言いながら、球出しを続けてくる。
     それを唯華は返球する。
    「今の志波姫を見たら、他の子達はどんな顔をするだろうなぁ? 見てみたいもんじゃないか」
    「やらせておいて……」
    「こんなこと、他の子ならできないんじゃないか?」
    「できる意味がないけど」
    「そう言うな。打てたご褒美だ。遠慮なく咥えたまえ」
     ペットに餌を与える飼い主の気分にでもなりきってか、副顧問はチャックを下ろし、トランクスの内側から肉棒を取り出した。
    「そんなご褒美は聞いたことないね」
    「いいから、やれ」
    「…………」
     有無を言わせぬ命令に、唯華は仁王立ちする副顧問の下にしゃがみ込み、長大な逸物に手を触れた。
     だが、すぐには咥えない。
     睨め上げることで無言の要求を行って、除菌ペーパーを取り出させた。せめて不衛生なものは咥えない、やって欲しければ綺麗にしろ、抵抗の意思からそれだけは譲らなかった。
     表面を一通り拭き取って、まずは先端を舐め始める。
     少し舐めたところで咥え始めて、唯華は頭を前後に動かした。
    「いいグリップの握り方だ」
     頭に声が降りかかる。
    「体の使い方も、かなり上達したんじゃないか? 見るからに素人だったのが、もう既に経験豊富な女で通るくらいだ」
    (こんなものを褒めないで)
     フェラチオなど褒められても、褒められている気はしない。
     だが、唯華自身の気持ちはどうあれ、上達は確かであった。
     根元に添えた右手で握り、自分の口に対して角度を合わせて、唇や舌を駆使して刺激を与える。この頭を前後する動作は、足腰が軸となっていた。頭部を動かすためには、その下にある背骨ごと前後させ、そのさらに下にある骨盤も、日頃からのトレーニングでかなりの安定感を保っている。
    「んずぅ……じゅぅ……じゅぢゅぅ……ぢゅるっ、ちゅるぅぅ…………」
     足腰の土台が強い上、スポーツによって磨き抜かれた感覚は、効率の良いフォームを身につけやすい。こうした前後運動でさえ、口内に肉棒を保った状態で行うことに対して磨かれて、唯華のフェラチオはいわば見栄えが整っていた。
    「本当にさすがだな。主将をやるだけあって、体の使い方は本当に覚えがいい。見違えるような奉仕だぞ?」
     強要されて行う性技を褒められて、それを純粋な気持ちで受け止めることはありえない。
    「んっ、んずぅ………ずぅ……ずじゅっ、じゅぢゅっ、ぢゅっ、ずぅ…………」
     口内の唾液を舌に乗せ、舌圧を意識しながら蠢かせ、唇の筋肉も駆使している。手コキも交え、左手では玉袋さえ触っていた。
     少しでも早く満足してもらうためである。
     もはや、この地獄の時間そのものは回避できなくなった以上、一秒でも早く射精させ、満足してもらうことこそが、地獄を縮める唯一の方法と化していた。
    (早く……寮に戻りたい…………)
     唯華が活発に頭を動かし、少しでも良い快楽を与えようとしているのは、そういった心理によるものだ。
     そこに愛情は欠片もない。
     好きだから感じて欲しい気持ちなど、間違っても湧くはずはなく、できることなら噛み切って地獄の苦痛でも与えたい。
    (いっそ、そうするべき?)
     生徒にフェラチオをさせ、噛まれて怪我をしました――とは、さすがに言えないだろう。
     実行するかどうかはともかくとして、性暴力に逆らい暴れ、怪我をさせたとして、この副顧問は原因を口外できないはずだ。
     問題は男女の筋力差。
     だいたい喧嘩自体、唯華は考えたことすらない。
    (本当に現実的な手なのか……とにかく、今は射精を…………)
     浮かんだ案をその場で実行することはなく、唯華はひたすらに奉仕に励む。
     やがて出て来た精液は、いつものように飲まされて、その後はお掃除フェラが待っている。肉棒の表面に残った精液のヌルヌルを舐め取って、唇で吸い取ることをひとしきり済ませることで、唯華はようやく解放されるのだった。