エピローグ
数日後、クロエは眉を顰めた。
「なーんか、話が違うっぽくね?」
あの地下闘技大会での勝利で、クロエとナーファは二人して、男に対する命令権を手に入れた。それを行使して望むのは、クロエだけではなく、そしてナーファだけでもなく、二人分のチャンネル停止である。
辱めの日々を送る運命からの解放を望み、それは叶ったものとばかり思っていた。
しかし、数日後に発覚したのは、チャンネルが停止していない事実であった。
「あーあ、なんでこうなるのかな」
リーダーが不満そうな顔をしている。
彼女の持って来た書類によって、その事実は判明したのだが、どうやら一連の件は、全て何もかも円満解決というわけではないらしい。
書類の内容はこうだった。
*
クロエ様及びナーファ様
お二人のご要望を叶えるべく、当スポンサーとしましては尽力を果たしたものの、両者どちらの収益も高く、そのまま停止しては所定の不都合が生じるものと予想されました。
つきましては、チャンネルの持ち主からチャンネルの所有権を買い取ることで、それをお二人に譲渡する形式を取らせていただきました。
なお、その際に生じた予算は、お二人の負債となりますことをご了承下さい。
「いやいやいやいやいやいやいやいや」
クロエはとにかく連呼した。
「ありえん……ありえんって…………」
なるほど、リーダーは不満なわけだ。チャンネルを剥奪され、もうそれを使った配信が出来ないのだ。だから彼女はふて腐れているわけなのだが、しかしクロエもクロエでこれには納得していない。
「あんな頑張って? それでこれっすか。世の中甘くないっつーけど、こりゃもう容赦がないわ」
要するに借金ではないか。
しかも、その額は目の眩むようなものであり、そうそう支払えるようなものではなく、ではどうやって返しきるかといえば、方法はただ一つ。
アダルト配信そのものは継続する。
さもなくば、こんな額は稼ぎようがない。
はぁぁぁーーーーーーーー…………………………。
と、クロエは本当に、本当に本当に、深い深いため息をついているのであった。