◆もしも付き合っていたのなら

 男女二人、同じ屋根の下。
 思えば長らく何の間違いも起きずにいたが、いつまでも間違いが起きないはずはなく、俺とシエスタは肉体関係になっていた。
「で、そろそろ入れてくれないかな」
「ああ、そろそろ欲しくなったか」
「いかにも挿入したがっている顔だ。いつでも構わないよ」
「別に訂正しなくていいだろ」
「いかにも挿入したがっている顔だ。いつでも構わないよ」
「まったく同じトーンでリピートするな」
 とある事件を追うため、某国のホテルに泊まった俺とシエスタは、当然のように同室で、さらに事件も片付いて、つまり遊んでいる余裕が出来たその晩だった。
 人をいかにも性欲の溜まっていそうな顔呼ばわりして、バスタオル一枚の姿で誘ってくるので、俺は遠慮なくその体を頂くことにした。
 ベッドの上に押し倒し、たくさんの愛撫をしてやると、それなりに気持ちよさそうな顔をしたり、乳首がだんだんと大きくなったり、アソコも濡れてきたりと、性感帯がよく働いている証拠が溢れている。
 汁気も含めて、まさに溢れている。
 最初に間違いを犯した時は、それはもう頭を悩ませた気がしたが、シエスタはこう言ったのだ。
 お互いを理解し合っているパートナー同士で仲を深めるのは、実に合理的な話だと。
 まあ、そうだろう。
 本音も建前も知り尽くした上で、それでも一緒にいられる男女で添い遂げるに越したことはないのだが、俺はひょっとして、このままこいつと結婚するのか?
 先の話はともかく、俺は付けるべきゴムを股間に纏わせ、シエスタの十分に濡れたアソコに突き刺した。
「んぁっ、あぁ……」
 シエスタが気持ちよさそうに表情を緩めてる。
「お、おおぉ……!」
 俺もシエスタの膣内を感じ取り、幸福感の飲み込まれた。肉体の快楽だけでなく、気分まで高揚するとは、変な薬でもやっている気分だ。
「妙な声を出さないで欲しいね」
「お前だって出してただろう」
「私のは可愛くて色気のある声だよ。一緒にしないでもらいたい」
「そうか。動くぞ」
「んっ! あっあぁ――あっんっ、あぁん……!」
 ピストンを開始した時、股間に満ち溢れる快楽は言うまでもないものだった。愛液の分泌でぬるぬるして、熱っぽい膣壁に締められながら、出し入れによって心地良い摩擦感を味わうと、たちまち射精感が込み上げる。
「あっあっあっあっ」
 だが、俺はシエスタの表情とか、揺れている胸とかに注目していた。
「あぁっ、あぁ――!」
 貫くと、可愛げのある表情で鳴くばかりか、大きな胸がぷるっと上下に揺れ動く。それを見ることで、射精感はより大きく膨らむのだ。
「あっ! んぅっあぁ!」
「いい声だ。シエスタ」
「あっあっ……いい声って、部活動じゃ……あっ、んぅ……!」
「出ちゃっているものはしょうがない。もっと聞かせてくれ」
「んあっ、あ! ま、まったく、この助手は――あっ、あっ、あ、あぁ……!」
 乱れるシエスタの姿をもっと見ようと、俺は腰振りのペースを上げる。
 無我夢中だった。
 俺は食い入るようにシエスタを見つめ、そしてシエスタは悩ましげな顔でシーツを掴み、髪を振り乱して――。
 たった一度の射精で満足することはなく、出したと思った次の瞬間には、もう次のコンドームに手が伸びていた。
 この時間がようやく終わりを迎える頃には、我ながら随分と盛んだったものだと関心するほど、使用済みのゴムがベッド上には散乱していた。