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  • 星杯の兄妹イチャイチャH

    
    
    
     星杯を戴く巫女の秘めたる神通力は、森の守護竜が懐く程のものであるが、普段は兄と幼馴染を大切に想う、心優しい少女の顔を見せる。
    「お帰りなさい。お兄様」
     温かいスープで兄の帰りを迎えてやり、同じテーブルで食事を共にすることが、星杯巫女には何よりの楽しみだ。
     ではその兄。
     星杯に誘われし者は、機怪との戦いに明け暮れる青年。森の周辺に生息する機怪蟲が突然凶暴化した際にも、一歩も引かずに結界への侵入を防ぎ続けた。常に先陣を駆けるその雄姿は森の民を奮い立たせるが、本人はたった一人の妹を守る為だけにその槍を振るっている。
     妹を守りたい兄、星杯誘者。
     兄を大切に想う星杯巫女。
     二人はいつしか両思いの男女でもあった。
    「食べ終わったら、俺の部屋に来てくれ」
     と、兄の言葉。
     何のために呼び出すのかはわかっている。
    「はい。先に体を洗ってきますね。お兄様」
    「待ってるからな」
     食後の二人はテーブルの席からそれぞれの場へと離れていき、兄は自室に、妹は浴室へと進んでいく。
     これから、この体はできるだけ清らかでなくてはいけない。
     純粋な兄への心から、星杯巫女は丹念に湯で洗い、秘密の部分にかけても垢などないように清潔にして、それから兄の部屋へ向かった。
    「待っていたぞ? 妹よ」
     楽しみでたまらないかのような表情で、早速のように服を脱ぎ出す星杯誘者に、星杯巫女は少しばかり赤らんだ。
     逞しい筋肉で仕上げられ、ところどころに凹凸のできた戦士らしい二の腕や胸板に、腹筋のフォルムが目を奪う。
     それに、何よりも男の象徴だ。
    「お兄様ってば……」
     張りのある剛直が、何よりも星杯巫女の顔を真紅に染め上げていた。
    「どうした? 顔が赤いぞ」
    「だって、凄く大きくて……」
     それに布一枚だけで裸体をくるんで、全てを差し出す準備は整えてある。兄との関係はもう何度目か。少しは慣れているつもりだけれど、始まる前の緊張感といい、とても立派で凄味のある一物といい、何も知らないウブな乙女の心がこういう時ばかりに蘇る。
    「さあさあ、早くこっちへ」
     兄に招かれベッドの上へと、すると星杯誘者は立ち上がり、腕組みをした直立姿勢で妹にペニスを突きつける。
    「ひやっ、お兄様……」
     正座の膝をベッドシーツに沈めた星杯巫女と、立ち姿勢でいる星杯誘者の腰の高さが一致していて、ふとましい剛直は文字通りに目と鼻の先である。
     破裂寸前のような膨らみから、皮に血管を浮き上げて、少しばかり反り返っているので亀頭は若干上向きだ。根元には毛むくじゃらの黒い茂みが、その下には玉袋があり、星杯巫女は期待と緊張の表情で鈴口に釘付けとなっていた。
    「さあ、早くお兄ちゃんを慰めておくれ」
    「はい」
     優しい白い手の平で、両手で肉棒を包んでやると、可愛がるかのように上下にさすり、まんべんなく撫で回す。
    「今日も機怪蟲がたくさんいたよ。ま、結界は破らせないけどな」
    「お兄様はお強いですから、いつも安心して帰りを待たせて頂いています」
     人差し指の腹を使って、亀頭をよしよしといった具合に撫でてやる。もう一方の手では、絡めるように巻きつけた指に強弱をつけ、指圧によって肉棒を揉んでいた。
    「ああ、このために戦っているようなもんさ」
    「せっかくお兄様の雄姿で民が奮い立っているのですよ? このためだなんて知れてしまったら、お兄様ってば絶対にガッカリされちゃいますからね?」
    「そりゃな。わかっているけど、やっぱりお前のことが大事だからな」
     星杯誘者が大きな手の平で頭を撫で、優しい手つきが髪の根元の頭皮を撫でる。その心地よさに星杯巫女は目を細めた。
    「私も、お兄様が大好きです」
     ちゅっ、と。
     鈴口にキスをしてから、肉棒を手でしごく。
    「うんうん。やっぱり妹はいいなぁ」
    「いーっぱい、気持ちよくなって下さいね?」
     手が活発にそれをしごいた。
     手首のしなりを帯びて前後に動く右腕と、手の平の中央を使って亀頭をすりすりと摩擦している左手で、喜んでくれる兄に嬉しくなって奉仕している。
     手だけでしばらくの時間が経つ。
    「あむぅっ」
     小さな口を大きく開き、太い肉棒を咥える星杯巫女は、顎に負担を感じながらも、舌をべったりと当てるようにと頭を動かす。
    「ふじゅっ、つじゅっ、ちゅるぅぅ……」
     カウパーの味がわかって、兄が喜ぶ証拠に心が踊る。
     もっと気持ちよくなって欲しくて、射精だってして欲しくて、星杯巫女は心を込めた口技で兄を導く。
     数分かけて、精を解き放つに至った星杯誘者は、妹の頭を手で押さえ、逃がさないようにして白濁を流し込む。しかし、押えたりなんてしなくとも、初めから飲む気でいた星杯巫女は、唇に力を込め、ぎゅっとこぼさないように締め上げた。
     全てが出された肉棒から口を離すと、星杯巫女は喉を鳴らして精液を腹に収めた。
    「どうでしたか? お兄様」
    「凄くよかった。ありがとうな」
     よしよしと、可愛がるように頭を撫でる兄の手は、やっぱり星杯巫女には心地よい。
    「どういたしまして」
     子供のように喜んで、星杯巫女は無邪気に笑った。
    「じゃあ、次は俺の番だな」
    「……はい」
     急に照れくさいような恥ずかしいような、緊張感を帯びた表情で、どこか静かに星杯巫女は仰向けに横たわる。
    「今度は俺が妹に奉仕する番だ」
    「ちょっとだけ、楽しみ……」
    「ちょっとだけ?」
    「あ、当たり前です! ちょっとに決まってます。私、そんなにエッチじゃありませんから」
    「どうかな。じっくりと確かめてやるよ」
     プレゼントを楽しみに開くかのように、星杯誘者は妹の裸体を包むたった一枚だけの布を外した。
     さほど膨らみがない、けれど単なる板というわけでもない。
     ――ちっぱい。
     極上の貧乳は幼さを醸し出し、可憐な乳首をそえたほんのわずかな膨らみは、禁断の甘い香りを漂わせて見えた。
    「恥ずかしい……です……」
     隠したいかのように、クネクネと腰と手足を動かして、恥じらう顔の星杯巫女は耳まで朱色に染めて目を伏せる。
    「恥ずかしいか?」
    「……はい」
    「だけど、ぜーんぶ見るからな? 隠しちゃ駄目だぞ?」
    「意地悪です。お兄様……」
     全身視姦を宣言された妹は、もう染める部分が残っていない赤面顔の色を濃くして、チラチラと横に目を背けたり、顔を逸らしたり、だけどやっぱり兄の顔や逞しい筋肉の体を見て、またどこかへ視線を逸らす。
     そんな風にしている星杯巫女の頬を両手でそっと、優しく包んで、まずはとろけるような甘いキスから始めていた。
     ちゅっ、と。
     唇の触れ合う時間に十秒以上はかけてから、その唇を離していくが合図のように、星杯誘者は妹の胸を視姦する。
    「うーん。前より一ミリは大きくなったかな?」
     右も左も交互に眺め、星杯誘者は目だけを使って乳房を撫で回す。
    「も、申し訳ありませんねっ。小さくて……」
    「まあまあ、お前の体であることが大切なんだ。それに小さくたって可愛いじゃないか」
    「そう……でしょうか……」
    「可愛いんだよ。お前の胸なんだから」
     何の偽りもない、本心からの断言だ。
     好きなだけ目に焼きつけ、何秒も胸ばかりを視姦していた兄は、やがて次の場所を見るために姿勢を変えた。
     兄は妹の脚に手をやって、左右に割るように開かせる。
    「やぁ…………!」
     腰を持ち上げ、天井に向けてM字に開いてみせるようなポーズはまんぐり返しだ。尻さえも高らかで、アソコばかりか肛門だって丸見えだ。
    「よーし、いい景色だ。どっちの穴も可愛いぞ?」
    「うっ、お、お尻の穴まで見るなんて……」
    「アソコはほら、すごく綺麗な形に閉じ合わさっているし、お尻の穴もよく清潔にしてあっていい色合いだ。微妙にピンクっぽいのかな?」
    「意地悪です……! 意地悪ですっ、お兄様……!」
    「中身もよーく観察してあげよう」
     指によってアソコが開き、桜か桃色に近い肉ヒダが、兄の視線を使った愛撫の対象として晒される。
    「うううっ、見ないで下さい…………」
    「ふふ、大切な妹の体だ。それにここに挿入するんだから、どうなっているのかよく見て知っておかないと」
     星杯誘者は膣口のあたりをつつく。
    「ひっ」
     星杯巫女は刺激で腰をビクっと振るわせた。
    「おや? もうこんなに愛しのハチミツが」
     膣口から指を離すと、粘液が糸を引く。
    「言わないで……」
     切なく恥じらう星杯巫女は、次に全身を撫で回された。
     鎖骨をそっと、腰のくびれに腹のまわりも、太ももから尻の肌も、手の平がくまなく這ってまわるうち、蠢く指は乳房の上に到着する。撫でるように揉む指の動きが、そのうちに乳首を重点的に刺激して、星杯巫女の息遣いは時を追うごとに乱れていた。
     最初はほのかな興奮から、しだいにもっと湿気を帯びた熱い吐息を漏らし始めて、時折髪を振り乱すまでに高まっていく。
     そこまでスイッチが入ってから、改めて秘密の部分に触れられると。
    「ひゃっ!」
     もっと可愛い声が出て、星杯誘者は満足そうな顔を浮かべた。
    「エッチな妹だ」
    「違います! 今のは、お兄様が……」
    「おやおや、人のせいにするイケナイ妹にはお仕置きだな」
     活発な指の動きが秘所を攻め立て、腰が浮き上がるまでに星杯巫女は乱れていった。
    「はひっ、ああっ、だ、だめです……! あぁぁ……!」
    「どうしたどうした? どんどんエッチになってるぞ?」
    「ち、ちがいますってば……! あぁっ、あんん…………!」
    「説得力のない妹だなぁ?」
     くすぐるような五指の蠢きは、割れ目に沿ったり、周りを撫でたり、クリトリスの愛撫までして刺激を与え、やがて一本の指が入り込む。中身をほじくる卑猥な手首のスナップが、さらに妹を乱していった。
    「ああ……あっ、ふぁっ、ふはぁぁ……! あぁっ、あああぁぁ……!」
     より髪を振り乱し、腰がビクっと浮くことも増え、そうでなくとも両手でよがる。切ないかのように脚が開閉して、指の出入りに加えてクリトリスへの集中攻めまで増えた時には、もっと甘い声を上げていた。
    「あうぅぅう……! お兄様ぁぁ……!」
    「どうだ? 気持ちいいか?」
    「そんな……ことぉ……!」
    「じゃあ、気持ち悪いか?」
    「いえ……! き、気持ちいい……です…………」
     観念しきって認める星杯巫女は、そう言わされたことで涙ぐみ、意地悪な兄をむっとした表情で睨み返した。
     頬のぷっくり膨らんで、とても可愛い怒り顔で。
    「気持ちいいんだなぁ? エッチな妹よ」
    「本当に意地悪……」
    「そろそろ、何かが欲しいんじゃないか?」
     と、そう問いかけた途端だ。
     一瞬だけ、うっ、と微かな声を上げ、期待したかのような表情を浮かべた星杯巫女は、すぐにムっとして唇を引き締めた顔に立ち戻る。
    「私は別にですね。何かを入れたいのはお兄様の方だと思います」
    「ふーん? じゃあ、このまま終わる」
    「うぅぅ……」
    「そうだな。何かを挿入して欲しかったら、相応しいポーズを取ることで求めてご覧?」
    「この意地悪意地悪……本当の本当に意地悪です……!」
     そう言い返す星杯巫女だが、兄は一切の愛撫をやめ、ニヤニヤとした表情で妹を眺めるばかりになる。自分から求めてみせなければ、もう何もしないぞという、あからさまなメッセージを受け取って、星杯巫女は観念するしかないのだった。
     愛し合いたい。
     これで終わらされてしまったら、高まっているこの肉体は、もう自分自身で慰めたってどうにもならない。
     挿入してもらうしかない状態で、求めなければ入れてはもらえない。
     観念するしか、妹には選択肢がない。
     だから、星杯巫女はゆっくりと静かに脚を開いていく。自らポーズを取るなんて、恥ずかしいことこの上なくて、もうこれ以上は色が変わりようがないほどに、限界まで赤面濃度は高まっていた。
    「こ、こ、こうして欲しかったのですよねっ。お兄様ってば、もう本当に……! お望み通りにしたんですから――その……早く…………」
    「そうだな。入れてあげないとなぁ?」
     星杯誘者はそう言いながら、挿入するのではなく、割れ目に沿わせる形で肉棒を置いた。
    「うっ、あぁ……」
     欲しいものが、位置口のすぐそこにある。
     それほど赤面していながら、恥じらう気持ちを残しながらも、星杯巫女は本当に期待に満ちた表情を浮かべていた。
     プレゼントを貰える直前の子供のようで、だけど受け取るものはソレだから、欲しがってしまう自分のことが何だか気恥ずかしい。欲しがっていますとアピールさせられ、入れて欲しい気持ちが兄に対して駄々漏れで、あらゆる意味で心がブルブルと震えていた。
    「ほーら、お兄ちゃんが入りたがっているぞぉ? お兄ちゃんに扉を開けてごらん?」
     そこまで妹を苛めておいて、星杯誘者がすることは、亀頭から出る透明汁を割れ目に塗りつけることだった。
    「うぅぅ……」
    「ほーら、ほらほら」
     もう本当に、完全に観念しきった顔で星杯巫女は、まぶたをギュっと閉ざして表情筋を震わせながら、結んだ唇のまわりまでブルブルと揺らしながら、自ら割れ目の扉を開く。
     そして――。
     
     ずにゅぅぅぅぅぅぅぅぅ――。
    
     まさに挿入が始まったことを、位置口から奥を目指して進み始めたことを教えるように、緩やかに肉棒が収まっていく。
    「これで欲しかったものが根元まですっぽりだな」
    「…………意地悪です」
    「わかったわかった。一緒に気持ちよくなろうな」
    「…………はい」
     どこか不機嫌を装った妹の返事は、それなら今までの意地悪を許してあげなくもないという、少しばかりツンとしたものだった。
    「よし、いくぞっ」
     星杯誘者の腰が動き出す。
    「あぁぁ……!」
     ピストンの開始に目を見開き、星杯巫女は肺の空気を使い切るほどに大きく喘いだ。高すぎる喘ぎ声で、なんと息を切らして苦しくなり、やれやれとばかりに星杯誘者は一時的に腰の動きを停止した。
     もちろん抜くわけがなく、根元まで埋まっているまま妹の頭を撫でて可愛がる。
    「あーあー。そんなに良かったか?」
    「お兄様のが大きすぎるから……」
     文句のありそうな細い眼差しを向ける星杯巫女。
     それを見て、ニヤっとした兄は、ほんの少しだけ揺さぶるように腰を動かす。
    「ほれ」
    「ひっ!」
    「ほれほれ」
    「あっ! うっ!」
     こうして繋がりが保たれている限り、腰使いだけで妹を鳴かせてやれる。生殺与奪とうわけではないが、好きなタイミングでビクっと感じさせてやれる権利を握り、実際にワンピストン、ツーピストンしてみせることで、その事実を教え込んだのだ。
    「むー……」
     そういう意地悪をされたことにより、妹はますます文句のありそうな視線になる。
    「気持ちいいんだろう?」
    「もう、怒っていいですか?」
    「いいけど、俺が圧倒的に有利だよ?」
    「……うぅぅぅ。あとで承知しませんよ? 神通力を使ってお兄様に仕返しします」
    「それは怖いな」
     今度は星杯誘者の方が観念して、妹の機嫌を取るために頭を撫でる。唇にキスをして、頬もうなじも撫でる愛撫で可愛がり、そこまでされたら仕方がないと、ふぅー、っと吐き出して、仕方ないですね。と、声には出ないが、そんな表情が兄へと返された。
     改めて、星杯誘者は言葉を出す。
    「愛してるからな」
     あまりにも照れくさそうに言い出す兄なので、妹はそれにちょっと笑って、だけど自分でも照れくさそうに同じ言葉を返してやる。
    「私もお兄様を愛しています」
     またしてもキス。
     それが合図のようにピストンが再開され、今度は緩やかな腰の動きで、星杯巫女の下半身をとろけさせていく。
     二人は見詰め合っていた。
     じっと、言葉はなく、目と目で愛を語り合う。
     いつしか兄妹の両手はお互いの体を触り合い、星杯誘者は乳房のところを、星杯巫女は腹筋や胸板を手の平でよく味わう。
    「お兄様ぁ……! あぁっ、いいです……!」
    「俺も、俺もだぞ! 妹よ……!」
     求め合う二人の興奮が、高まるにつれてピストンのペースは上がり、星杯巫女の気持ちと共に喘ぎ声も上がっていった。
    「あっ! あ! はっ、んぁっ、んはぁっ、ううぁぁ! あぁぁ……!」
    「いいぞ! 俺も――いい! 気持ちいい! 凄くいい!」
    「はっ、あっ! あん! ああん!」
     それは激しい貪り合いへと発展した。
     お互いの存在を求めてやまない、好きで好きでたまらないから、愛情が燃料となって腰が小刻みに動いている。愛されていることが嬉しすぎて、嬉しいだけで心が天国にでも飛びかねないから、途方もない刺激で全身が何度も何度も反り返り、自分でもどんな風に喘ぎ散らしているのかわからない。
     途中からはもう完全に夢中だった。
     お互いを求める。
     それ以外のことに関して頭の中は真っ白で、兄妹の目には相手の存在しか映っていない。そのうちに射精に至り、星杯巫女の全身を穢したというのに勃起はやまず、それと同時に妹も絶頂したが、本人達は自分がどれだけしたのか覚えていない。
     あまりにも夢中すぎて、三回も挿入したことを兄自身がわかっていなかった。
     そして、それは星杯巫女も同じだった。
     
          ***
     
    「……何回、しちゃったんだろうな」
    「わかりませんよ。もう、お兄様は豪快すぎです」
    「けど、お前も楽しんだだろ?」
    「それは……少しだけ……」
    「本当に少しか? あんなに乱れたのに?」
    「本当に少しですから! もう、勘弁して下さいよ」
    
     やっと興奮が鎮まって、飛び散った精液を拭き取るなど、後始末も済んでの二人は、改めて同じベッドの布団に潜り、それでもお互いの裸体を触り合っていた。
     逞しい二の腕、逞しい胸板。
     兄の筋肉を手の平で確かめている妹と、星杯巫女の尻に手をやる星杯誘者。
    「本当に逞しい……」
     うっとりを通り越し、関心さえしてみせる星杯巫女の言う逞しさは、よもや四回目の挿入さえ求める勃起が自分の体にぶつかってくることに対してだった。
    「だってな。俺だぞ?」
    「……ですね」
    「まあ、妹に無理はさせられんが」
    「あんなにしておいて、よく言えますね。全く……」
    「でも疲れてないか?」
    「私は平気です」
    「なんて言うと、本当にまた始まるぞ?」
    「構いません。だってお兄様ですから、仕方ありませんもの」
     こうして始まる四回目が、よもや五回目にまで至るなど、挿入直前の二人自身にさえわかりはしない。
    
     しかし、全てのことが終わった二人は、心から愛し合い、抱き合いながら眠りについた。
     
    
    
    


  • 星杯巫女の神秘の儀式

    
    
    
     星杯を戴く巫女。
     星神に祈りを捧げる巫女。
     手にした杖は代々受け継がれし祭器であり、力を結界に変えて機界騎士による支配から森の民を守護している。
     森の守護竜が懐くほどの神通力だが、途方も無い力を使い続けても枯渇せず、結界を維持していられるのは、力を蓄えるための儀式によって補充しているからである。
    
    (これもお役目。果たさなければなりません)
     
     目を閉じれば、そこには兄と幼馴染の姿が浮かんでくる。
     大切な大切な人達を守りたい。
     だから、結界を破られることは決してあってはならないし、その結界を維持するために必要なことなら何でもやる。
     星杯巫女は祠の奥へと進んでいた。
     巫女装束に身を包み、杖を片手に長い長い髪を揺らす姿は、あまりにも清らかで美しい。ただ歩いているというだけで、まるで夜空の星の煌きがキラキラと散らされて見える。星杯巫女が歩みによって通り抜けた空気の風も、どことなく澄み渡っていた。
     暗闇へと続いていく一本道を照らすのは、幾つも並ぶ神具の一つ――かがり火だ。木製の三脚に、鉄製の篝箱を乗せ、そこには木材でも脂の多い部分を割り木にしてくべてある。どこか赤味を帯びた光源が、足元を闇から照らし出している。
     タイルを一枚ずつ貼り付けることで作られたこの道にも、この祠の中を儀式の場として成立させるため、意味のある記号や文字が彫られている。その意味を知らない者には、ただ神秘めいたデザイン性だとしか感じられないことだろう。
    (お役目。ですから……)
     星杯巫女が辿り付く広間は、さらに四方にかがり火が設置され、それが部屋中央にある寝床を照らしている。
    「おお、来ましたな。お嬢さん」
     出迎えるように待っていたのは長老だった。
     既に身の清めを済ませ、裸体で胡坐をかいていた長老は、星杯巫女のどこか緊張と赤面の火照りを帯びた風貌を見るに、股の一物を膨らませる。それが目につくと、ますます緊張に震えた星杯巫女は、ごくりと息を飲んでから、意を決して長老の元へと進み出た。
    「ではさっそくですが、お勤めに入らせて頂きます」
     星杯巫女が正座によって姿勢を正す。
    「うむ。よろしく頼むぞい」
     長老は立ち上がり、すると星杯巫女のちょうど顔の高さにぴったりと、硬い一物の切っ先が突き出された。
     年老いた長老の裸体には、まんべんなく深い皺が刻まれて、かつては逞しかったのかもしれない筋肉も衰えている。
     それでいて、張り詰めた肉棒の皮には一切、勃起で内側から膨らむことで皺を伸ばして、現役と変わっていないのだろう活き活きとした血管まで浮かせている。若い肉棒など知らない彼女だが、きっと兄の歳ならこれくらい元気があるのだろうと想像してしまった。
    (お役目……ですから……)
     星杯巫女は太い根元に両手を沿え、角度がずれないように支えつつ、淡い桜の唇を開いて近づけてゆく。
    「はむぅぅ……」
     それを飲み込んだ星杯巫女は、ゆっくりとゆっくりと、頭を前後に動かし始めた。
    「ふおぉっ、ほっほっほっほ」
     そして、長老は明らかな興奮の声を上げていた。
     長老ほどの歳にもなれば、もう孫あたりが星杯巫女と同じくらいになるだろう。ありすぎる年齢差での交わりは、彼女にとって何というべきか。
     それでも、舌の上に接する裏筋を舐めまわし、口に物を詰め込みすぎてしまったような息苦しさを堪えながらも、まぶたの裏に大切な存在を浮かべることで、丁寧に懸命に奉仕した。
    「んじゅっ、ふじゅるぅぅ……」
     森の民のみんなを想い、兄や幼馴染を想い、そして平和への願いと使命感を持って取り組んでいる。
    「んちゅ……ぬぷ……にちゅ……」
     森を守護する強力な結界維持で、力が切れないうちに補充する方法は、生命を生み出すためにある行為からエネルギーを発生させることにある。つまり性交。性的な接触から生まれる力を祠に宿る儀式の作用で変換して、星杯巫女にパワーを蓄えさせる。
    「ふじゅぅ……じゅっ、つじゅぅぅ……」
     こうして咥えているあいだにも、彼女の体内には消費されつつあったエネルギーが着実に取り戻されているのだ。
     だから、本当に一生懸命舐めていた。
    「れろ、れろっ、ちゅぅっ」
     少し顎が疲れてきて、口を離した星杯巫女は、亀頭の先っぽ目掛けて舌を伸ばして、先走りの透明汁を舐め取っていた。
     握るために添えた両手の形は、まるで祈りを捧げているようで、彼女はこれを神聖な行為だと心得ている。
     神聖で、大切な役目だから、恥も忍んで耐えられる。
    「れろぉぉぉ……」
     鈴口と皮を繋ぐ筋張りに舌先をぴたりと沿え、先端にかけてなぞり上げていく。そうして顎を上に突き出すような、首の角度が上下する舐め方を繰り返し、やがて彼女は肉棒の根元に舌先を置くようになる。
    「れろぉぉぉぉ……ねろぉぉぉぉぉぉ…………」
     とっくに唾液を帯びている肉棒は、さらに何層もの唾液をまとっていき、繰り返し貼り続けられた粘液が、かがり火の明かりを受けてヌラヌラとした光沢を放つ。いつしかまた咥えて頭を前後に動かして、そのうちに長老の興奮度合いは最大のものとなっていた。
    「ふぉっふぉっ、そろそろかのう?」
     長老は口奉仕の中断を促すと、自ら仰向けに横たわる。
    「……わかりました。長老」
     天井へと切っ先を向けた肉槍を見て、いよいよこの時間になったことで星杯巫女は、今一度頭の中でお役目の大切さに思いを及ばせ、それから長老の上に跨った。
    「んっ、んぅぅぅ……」
     手で位置を合わせつつ、自分の入り口に亀頭の刃先を感じ取る。閉じ合わさった肉貝が、それによって左右に開くことまで感じた彼女は、少しずつ腰を沈めていき、執拗に染み込んだ唾液のおかげで滑りよくニュルニュルと入り込む。
    「んふぅっ、んっ、うふぁ……」
     根元までもが収まると、まるで苦しんでいるような、けれど本当に苦しんでいるわけではない声を上げ、星杯巫女は拙い腰使いで上下に自ら揺れ始めた。
    「あっ、うぅぅ……!」
     少し上に行こうとするだけで、膣壁と肉棒の摩擦が刺激となる。何センチも動くことなく力が抜け、腰が落ちるように沈んでしまい、それでも再び上を目指して落っこちる。そもそも太いものが自分の穴を内側から広げているだけでも圧迫感が苦しくて、だから星杯巫女の漏らしている声は、一層のこと苦しげに聞こえていた。
    「ふぅー……ふぁっ、ふはぁー……はぁぁっ…………!」
     しっとりと汗ばむ肌は、触れれば手の平がぺったり張り付く。
     すぅー……っと、ゆっくり息を吸い上げていくのに合わせ、やっとのことで腰を高いところまで運んだ星杯巫女は、亀頭だけが膣に納まる状態から、脚の脱力で身体を落下させ、自ら貫かれた刺激で背中が反った。
     だんだんと上下運動は早まっていた。
    「つはっ、あぁっ、んっ、ふぅっ、んっ……ぬっ、くふぅ……!」
     苦悶に満ちた表情から、苦しそうな声は甘さを帯びる。
     真下から脳天にかけて轟く快楽の稲妻は、そのたびに頭の中身を揺らし、星杯巫女の面持ちは乱れた女のものへと変わりつつある。
     それでも、彼女の心から使命感はなくならない。
     自分が何のためにここで交わり、そして大切なものを守っているのか。
    
     力を――結界を維持する力を――!
    
     それこそが、どこまでいっても彼女を文字通り揺り動かす原動力だ。
    「ふぉぉぉっ、出すぞい! 出すぞい!」
     昂ぶる長老の肉棒から、得るべきものを頂くため、己の使命にかけても下腹部に力を入れて締め上げる。
    「あっ! あん! あぁっ、ふっ、んん!」
     喘ぎ声は激しくなり、よがった表情を浮かせながらも、彼女は一生懸命励んでいた。
     やがて、ドロリとした熱湯でも打ち上げてくるような白濁の奔流が、膣奥にまで打ち込まれて、星杯巫女は多大なパワーを頂戴した。
     まずは一段落がつき、少しだけ休むために星杯巫女は動きを止めた。
    「はぁ……あっ、ふぁぁ…………」
     息が大きく上がっている。
     そんな息を落ち着けようと、肩を上下にしていると、膣内で縮んだはずの肉棒は、みるみるうちに大きさを取り戻す。
     もう何度も交わった。
     体位を変え、正常位でもバックからでも、老獪な肉棒が膣を抉って彼女を喘がせ、発せられる生気は神通力へと変わって彼女の中に吸収される。
     元気の有り余る長老相手に、この日のお役目が終わる頃には、ぐったりとしてすぐに起き上がることなどできなかった。
     それでも――。
    
    「ご足労感謝致します。長老……」
    
     村の長たる男への敬意と感謝の気持ちは貫き、星杯巫女は交わりの儀式を終えた。
     そして、またいくらかの時期が経った時、そのたびに儀式は繰り返される。
    
    
    


  • 青き眼の性交儀礼

    
    
    
     頭に丸い兜を被り、銅色の鎧を着込んだゴブリン突撃部隊の大群が、巨大な荒波となって城門へと押し寄せている。おびただしい数の鉄の棍棒で鉄門は叩きのめされ、その恐ろしい腕力によって、厚さ数十センチであったはずの門は変形を始めていた。
     城門が破られるのは時間の問題だ。
     そして、国内にゴブリン突撃部隊がなだれ込めば、何の罪もない住民は蹂躙され、略奪の限りを尽くされることだろう。
     何人死に、何人犯されることか。
     高い城の屋上から、青き眼の乙女は攻め来る侵攻軍を見下ろしていた。
    「このままでは……」
     焦燥の汗を浮べて、乙女はすぐさま城内へ戻っていく。
     城内の廊下を突き進み、ある一つの部屋へ向かった。
     悪の帝国との戦争中である青眼王国は、十年以上も続く戦いに消耗して、この日はついに首都への侵攻を許している。兵士の数も手薄になり、今のままでは守りきれない。
    
     ――青眼の白龍を呼び出す時が来たのだ。
    
     そのための部屋へと、乙女は足を踏み入れた。
    「お待ちしておりました」
     青き眼の賢士が、乙女の前に膝をつく。
    「直ちに身を清めます。いま少しのお待ちを」
    「――ハッ!」
     賢士の力強い返事。
     乙女はさっと浴室へ歩んでいき、上下一体の蒼い装飾入りの衣装を脱ぐ。熱い湯気に満たされた大浴場で身を清め、青眼龍光臨の儀へと取り掛かった。
     青眼の白龍とは、ここ青眼王国に伝わる神のごとき存在だ。国を守ってくださる守護神として信仰を集めており、一つの宗教として成り立っている。
     そして、白き龍の魂は、清らかなる少女に宿るとされている。とある儀礼を執り行うことにより、自身に憑依した神を呼び覚まし、大いなる力を存分に振るっていただく。
     そのための『儀式』が、これから行われる。
    
     長い長い白銀の髪は、きめ細かな光の粉をまぶしたように、キラキラと輝きを放つ。一糸纏わぬ肌はどこまでも白く艶やかで、触れた指先がよく滑る。それなりの乳房と、くびれの効いた曲線的な腰つきと、尻の大きい下半身。
     官能芸術といっても、決して大げさではない。
     乙女に仕える身である賢士は、その大いなる美貌に魅入られて、息を荒くしながら乳房を手の平に包んでいた。柔らかいようでいて、肉のしっかりと詰まった弾力が、賢士の指を力強く押し返す。
    「…………」
     乙女はただ全てを受け入れるために目を瞑り、静かにされるがままとなっていた。
     賢士は突起した乳首を舐める。
    「――――んっ」
     甘い声が、かすかに聞こえた。
     乙女はこれを自分の大切な役目として理解している。その身に神の力を宿し、強大なる光で邪悪な敵軍を打ち払う。青眼の白龍を呼び出す『儀式』へと、立派に身を捧げることこそが、役目であり宿命なのだ。
     賢士はそんな役目ある乙女に見初められ、お相手役に選ばれた人物だ。
     ならば、賢士にとってもこれは大切な『儀式』なのだが、艶かしい白い素肌を見ると、いつも息が荒くなる。指先がさらりと滑り、細やかな肌触りが手の平に馴染んでくる。乙女のそんな肉体に興奮して、どうしても瞳がギラつく。
    (……い、いかん。私はお役目を果たす身の上だ)
     自分の理性が揺れ動いているのを自覚して、賢士は己の欲望を抑え込む。あまり淫らな感情ではなく、もっと真剣な思いで乙女を抱く必要があるのだ。
     しかし、乙女は言った。
    「よいのです」
     見抜かれた。
     理性と欲望のあいだに揺れ、賢明に事故を保とうとしていた賢士の心が、きっと乙女の青い眼には透けて見えていたことだろう。
    「しかし……」
    「あなたの滾る思いこそが必要です。それを存分にぶつけなさい」
    「ですが、それでは……」
    「もちろん今は時間がありません。お早く、済ませる必要がありますが」
    「承知致しました」
    こうした形で肉体を捧げなくてはならない身の上だが、乙女はそれを不幸だとも悲劇だとも思っていない。
     ただ、役目なのだ。
     秘所の方へ五指をやり、皮膚に絡めるように刺激する。
    「んあぁぁ……」
     乙女の顔が赤らんだ。
     割れ目のラインに中指が沈んでフィットして、ゆったりと上下に動く。蜂蜜のようのトロリとしたものがまとわりつき、ヌチュリ、ヌチュリと音が鳴り、乙女は反応の良い熱い吐息を漏らし始めた。
     しばし、賢士はそれを続けた。
     もう良いだろうと頃合いを見計らい、乙女の股を持ち上げて、入り口にペニスを添えた。
    「いきますよ」
     賢士が告げる。
    「お願いします」
     乙女の真剣な眼差しは、まるで何かの覚悟を決め、大切な事柄に挑む意思の強い表情そのものだった。
     賢士は腰を押し込んでいく。
    「っぁぁああ…………」
     亀頭から根元までが、まるで薄めた水飴を含んだ真綿に包まれているような、熱い快感にまんべんなく覆われた。ヒクヒクと蠢く肉壁が、粘り気をもって肉棒に巻きついて、キュゥッと軽く締め上げる。
    「くぅっ、ふぁぁ……」
     乙女はギュッと目を瞑り、熱い吐息を漏らしている。
    「動きます」
     そう言って、賢士は腰を前後に揺さぶった。
     すると、乙女は首で仰け反った。
    「――――――!」
     ただ口が大きく開くだけの声無き喘ぎで、乙女は熱くとろけた息を吐く。貫くたびに銀髪を振り乱し、両手で小さくよがっている。
    
     ジュプッ、つぷっ、ぬぷっ、じゅぷっ、ずぷっ……。
    
     愛液の絡んだ粘り気の濃い水音が、腰振りのリズムに合わせて鳴っている。
    「――っう、んはっ、んふぁっ、あぁっ!」
     乙女は喘いだ。
     形の良い乳房が上下に揺れ、賢士はピストンのペースを上げる。より快楽が高まることで、一層よがる乙女の両手は、ベッドシーツを掴んで離さなくなった。
    「だ、出します!」
    「――はい! はい! お願いします!」
    
     ――ビュルルン! ドクン! ドクッ、ドクッ、ドクン!
    
     肉棒は脈打つように跳ね上がり、乙女の膣内で白濁を撒き散らす。熱いものを感じた乙女は静かに目を瞑っていった。
    「これで、私は……」
     成功儀礼を経た時こそ、青眼の白龍は召喚される。
    
         ***
    
     白き龍の一撃が、今に城門を破ろうとしていたゴブリン軍団を打ち払った。
     一度に何人のゴブリンを倒したのか、誰にも数え切れはしない。
     ただ、上空に召喚された龍が一撃を放つたび、いっそ面白いほどに束で吹き飛び、何千といたはずのゴブリン兵は瞬く間に数を減らした。
    
    
    


  • 魅惑の女王を逆に魅惑した結果

    
    
    
     奴隷のように跪き、仁王立ちする少年の肉棒を握る。屈辱を帯びた睨むような表情で少年を見上げる<魅惑の女王>の姿があった。
    「ほら、舐めろよ」
    「……は、はい。ダルク様」
     女王でありながらも命令に逆らえず、口を大きく開け広げる。剛直を少しずつ唇の内側へ、口内へ包み込んでいき、亀頭が喉に当たる限界まで飲み込む。およそ半分ほどが口に含まれ、残る根元は手の平に握られた。
    (悔しい! 何故この私が!)
     涙ぐましい思いで女王は舌を練り動かし、何度も亀頭部を舐めまわした。肉先の秘裂をなぞり、裏筋を舐め上げる。時には吸い付くように亀頭にキスし、分泌される透明汁を吸い取ってから再び口内に頬張った。
     相手は<闇霊使いダルク>だ。
     LV7にもなった女王の方が、本当なら相手を魅惑する側である。女王はこれまでにも何体ものモンスターを篭絡し、何本もの肉棒をこの身に装備してきた。もしも凶悪な龍や猛獣に襲われたら、篭絡したモンスターを戦闘の盾にした。
     だが、ダルクにも闇属性モンスターを洗脳する力がある。彼のリバース効果に従属させられ、逆に女王の方がダルクに不思議な魅力を感じずにはいられなかった。漆黒の髪をなびかせた年下の少年が、たまらなく欲しくなってしまった。
     それが悔しい。
     相手を魅了してこその<魅惑の女王 LV7>だ。なのに自分がダルクに惑わされ、どんな言うことも聞かずにはいられない。ペニスを差し出されたのなら、そっと口に咥える以外にありえなかった。
     自分の方が相手に魅惑されてしまうなんて、それがとても悔しかった。
    「真面目にやっているのか? もっと一生懸命奉仕しろよ」
     なんて事だ、注意されてしまった。自分の努力が足りなかったのだ。
     と、そんな気持ちを抱いてしまう。
    「はい! 必ずやこの私がダルク様を満足させてみせます!」
     違う、これは自分の台詞じゃない。女王が下僕に言わせるはずの台詞だった。
     しかし、女王はダルクの術中だ。いくら心のどこかに正気が残っていても、結局は彼に感じる魅力に屈せずにはいられないのだ。
     女王はより大胆に顔を動かし、舌で懸命に舐めまわす。唾液を肉棒に絡み突かせ、亀頭やその付け根に塗りつけながら、頭を前後に振り続けた。もっと気持ち良くして差し上げなければ、精を飲み干してあげなければという思いで一杯だった。
    「もっとだ。もっと頑張ってみせろ」
    「――んぐっ、んちゅぅぅ――んもっ、むちゅっ」
     頬を窄め、ペニスを吸う。顔を前後に振るたびに、分泌された唾液が唇の端から溢れ出し、顎を伝って流れ落ちていった。
    「ようやくまあまあ、ってところか。おい、女王とやら」
    「ふぁいっ、なんれしょう」
     咥えたままの顔で、女王はダルクを見上げる。
    「喜べ、飲ませてやる」
     肉棒が唸りを上げ――ドクドク! ビュク! ビュルン!
     亀頭から一気に精が弾け、左右の頬に、舌べらに白いコーティングが巻き散らされる。舌に滲んでくるような青臭い牡香に目を細める。女王は一滴もこぼすことなく、口を窄めながら肉棒から顔を離して、白濁を租借した。
    「ふんっ、女王ともあろうものがもはや下品な牝豚だな」
     投げかけられる言葉さえ、女王の中で喜びに変わっていく。
    (私の心がこんな子に……! でも、見て欲しい……!)
     己の忠実さを示さんばかりに、女王は精を租借する顔でダルクを見上げた。モグモグとわかりやすく口を動かし、歯で何度も白濁を噛み潰して、自分の唾液と混合させる。味が甘く軽く変化するまで噛み込んだ精液を――ゴクリ。顔の角度を上げ、ダルクにもわかりやすいように喉を鳴らして飲み込んで見せた。
    「ダルク様ぁ……。あなたはこの私をこんなにも魅惑しました。この私を……」
    「全く、無様な女王様だ」
     ダルクは満足げに微笑んだ。
    「私はあなたの下僕になります。ですから、ですから私にあなたのものを!」
     女王は切なげに訴えかけた。
     欲しい。
     本当なら自分が相手を魅惑して、自分が主導権を握って手に入れるはずのその棒を、今は女王が牝犬となって求めている。
    「堕ちたもんだな。だったら尻を出せ。犬のように四つん這いになるんだ」
    「はい! ダルク様!」
     女王は内心舞い上がって、黒いショーツを膝まで下げる。スカート衣装の尻を差し出し、誘うような腰のうねりで尻を振った。
    「いやらしい牝め」
     ダルクはスカート丈を捲り上げ、白い生尻を眺めて秘所をなぞる。
    「もう濡れているのか。淫乱め」
     尻を撫で、膣口に指を押し入れる。わざとらしくかき回し、愛液を掻き出してみせた。
    「だって、ダルク様のことを考えていたら……」
    「そんなに僕が欲しいか?」
    「欲しいです。ダルク様ぁ……!」
     女王は牝の顔つきで、アピールするようにして尻を振る。くねるダンスで牝香を漂わせ、魅惑のフェロモンでダルクに興奮してもらおうと懸命だった。
    「仕方の無い牝犬だ。くれてやるよ」
     念願の亀頭を入り口に添え付けられ、ゆっくりと押し込まれる。
    「あんっ、入ってくる……! ダルク様のが!」
    「ほら、好きなだけよがれよ」
     膣穴を肉栓で閉じ込むと、女王は尻を喜ばせるかのように腰をくねらせた。左右にたわむ尻たぶの揺れが、性交への歓喜を表現している。ぎゅっと下腹部に力を入れ、膣壁を吸着させてダルクを味わった。
    「幸せです。ダルク様」
     ただ栓を閉じてもらっただけで、女王は瞳を熱に溶かしている。表情を火照らせて、結合部からは淫らな愛液を垂れ流した。
    「オラッ」
     試し撃ちのように腰を一振り。
    「あん!」
     牝犬の淫らな鳴き声が響きあがった。
     もう一振り。
    「あぁん!」
     突き込むたびに、女王は淫らに綺麗に鳴く。ダルクは面白がって腰を振り、思う存分に女王を喘がせた。
    「あっ、あぁ――ひゃん! ひぁぁ! ああっ、あん!」
    「ははっ、いいザマだ」
     ダルクの楽しげなピストン運動で、自分がいかに低く扱われているかを女王は実感した。いつもの自分だったら、自分が上位でなければ気が済まない。心の底に悔しい気持ちはあるものの、この快楽には逆らえなかった。
    (本当になんてことなの! 私が……この私がペットにされているだなんて!)
     体は素直に喜んでしまう。
     ダルクの肉棒が気持ちいいのだ。より深く快楽を受け入れようと、女王は胸を地面に押し付ける。尻だけを高く突き上げ、腰をくねらせ尻たぶで喜んでみせた。
    「くははっ、尻の穴がパクパクしてるぞ」
     笑いながら、ダルクは肛門に指を伸ばした。グニグニと弄くられる刺激に女王は尻をビクンと弾ませて、求めんばかりに尻をダルクに押し寄せる。もっと深く、奥底まで貫かれたい気持ちの現れだった。
    「ああん! そこはぁ……! ダルク様ぁ!」
     こんな姿勢で肛門を弄られるなど、それほど屈辱的な事はない。だが女王は屈辱感に浸り込み、もっと組み敷かれたいとさえ思っていた。
    (私、もうおかしい! 駄目だわ! 彼の効果に……ダルク様のリバース効果には逆らえないのぉぉ!)
    「ほうら、よがれ」
     突き方が大胆なストロークに変化する。大振りな腰振りで亀頭ギリギリまで引き抜かれたものが、次の瞬間一気に奥まで貫かれる。膣壁の狭間を強く貫通される快感に、女王は背中を弓なりに反らして喘ぎあげた。
    「――あ! あぁぁん! いやっ、あっ、ああん!」
     ダルクはくびれた腰を掴んで奥まで捻じ込む。肉栓を閉じられた女王は、ダルクの腰に自分の尻をなすりつけ、自らの膣壁を描き回した。
    「あぁぁぁ……いいです。最高です。ダルク様の……」
    「僕のがいつでも欲しいか?」
    「欲しいです。ダルク様の欲しいです」
     ダルクは静かに腰振りを再開し、語りかけた。
    「だったら、永遠に僕のペットになれ」
     ゆったりとした腰の動きで、ダルクは丁寧に膣壁を撫でる。亀頭でそっとなぞるように、じわじわとした快楽を女王に与えた。女王の膣は何度も刺激にヒクつき、尻をビクっと弾ませていた。
    「なります! 私めを是非ともダルク様の下僕に!」
     食いつくような返答の早さだった。
    「なら誓え、お前は僕の所有物だと」
    「はい! 私はダルク様だけの所有物です! この口も、胸も、尻も脚も、全てをあなたの思うままに!」
    「ふはははっ、堕ちたな女王! いいだろう! お前を僕のペットにしてやる!」
     ――ドクン! ドクッ、ビュルン! ドクドクン!
     熱い白濁を放出され、膣粘膜全体に精の熱気が広がっていく。こぼすまいと背中から腰にかけてを弓なりに、肉壷の角度を上げる。だが、あまりの量にそれでも白濁は溢れ返り、太ももを伝って垂れていった。
     それはあまりにも卑猥な光景だった。肉壷の中身をこぼさないために角度をつけるが、そのために女王は身動きが取れなくなる。下手に動けば、壷一杯に満たされた精液が外へ逃げてしまいそうだった。
     鑑賞し放題の下腹部をダルクは楽しげに眺め、割れ目にテープを張りつけた。ぴっちりと蓋が閉じられ、これなら壷の精液はこぼれない。
    「おい、これから僕の寝床にお前を持ち帰る」
    「はいっ」
    「お前はペットだ。ちゃんと四つん這いでついて来いよ?」
     ダルクは女王に首輪を巻きつけ、鎖を繋いで歩んでいく。その背中を追うように、女王は尻を丸出しにしたまま四足で歩行した。
     まさしくペットの犬だった。
     もはやプライドの欠片も残っていない。ただダルクの一物が欲しいばかりに、鎖に引かれながら寝床へ連れていかれていった。
    
    
    


  • ながれ者とウィン

    
    
    
    
     ――モンスターを裏守備表示!
    
     手札の中にいた<風霊使いウィン>はフィールド上にセットされ、後方の伏せカードと共にエンドフェイズが過ぎていく。
     相手ターン。
     ――<ながれ者傭兵部隊>を召喚!
     カードの中に身を潜めていたウィンは、相手の召喚するカード名を聞いて緊張した。<ながれ者傭兵部隊>は風属性モンスターであり、すなわち自分の出番である。このデュエルで役目を果たす瞬間が早々に訪れたのだ。
     ――伏せモンスターに攻撃!
     ――罠カード発動! <砂漠の光>!
     その効果によりウィンは表側守備表示に変更され、フィールド上に姿を現す。すかさず杖を振りかざし、自分の効果を発動した。
     風属性モンスターのコントロールを得る。
     相手モンスターを奪うことで、マスターは何らかの立ち回りを見せるのだろう。
     しかし、問題はその効果によってウィンの隣へやって来た傭兵部隊だ。一人一人がガラも悪ければ人相も悪く、ウィンを見ながらいやらしい笑みを浮かべている。か弱い女の子ならそれだけで縮み上がってしまうような、いかにもな連中の集まりなのだ。
    「へっへっへっへ」
     さっそく、彼らはウィンを取り囲む。
    「あ、あの……なんでしょう……ひっ!」
     ウィンは肩を跳ね上げた。
     隊の一人が、既にウィンのお尻に手を這わせ、何らの遠慮もなく揉み始めたのだ。咄嗟に振り払おうとするものの、手首を掴まれ抵抗を封じられ、一人一人が思うままにウィンの身体を撫で始める。
    「あ、あの……すみません……やめて下さい……」
     やめる者など一人もいない。
    「お前、ウィンちゃんだろ?」
    「可愛いねぇ?」
     嫌がる素振りを見せたところで、相手を喜ばせるのが関の山。
    「すみません! 本当に困ります! あの……!」
     叫んでも、喚いても、そんなものは届かない。
    「困りますだってよ?」
    「へっへ、いい声で鳴くもんだ」
     女が不良のナンパに絡まれる古典的な図に近いところがあった。
     ウィンには魔法使いとしての魔力があるが、必ずしも洗脳によってモンスターのコントロールを奪うとは限らない。ゲーム上の処理は同じでも、<ながれ者傭兵部隊>の主観からすれば美味しそうな女を見つけて襲いに行ったのだ。勝手に持ち主の場を離れ、好き勝手に振舞っているのと同じだった。
    「だ、駄目です! こんなの……!」
     ウィンはもがく。
     幾本もの手に嬲られ、身体中のいたるところを弄られながら、必死に身をよじって抵抗している。
     胸を揉む手、尻を触る手、腰を撫でる手。
     杖で殴ってでも逃れようと暴れるが、それさえも手首を掴まれ封じられる。それ以上抵抗できないように杖を奪われ、スカートの中にまで侵入される。
    「そ、そこは……! ああん!」
     秘所への愛撫が開始され、ウィンは喘いだ。
    「おい、もう濡れてやがるぜ?」
    「へへっ、ホントかよ」
    「そんな……! 違います!」
     ウィンは否定に首を振る。
     だが、そんな否定など傭兵部隊は聞きもしなければ見もしない。濡れ具合を見てやろうと好奇心からショーツを脱がせ、股を持ち上げ、秘密の部分が開帳される。ねっとりとした蒸れ方で湿っており、彼らはますます興奮してしまう。
    「準備は万端ってか?」
    「んじゃあ、俺からいかせてもらう」
     一人目に肉棒を埋め込まれ、ウィンは大きく仰け反った。
    「だ――駄目ぇ!」
     悲鳴にも似た喘ぎだ。
    「駄目――いやぁ! 抜いて! 抜いてぇ!」
     髪を振り乱し、通用しない抵抗をそれでも続けるウィンの様子から、確かに嫌がっていることは見て取れる。それでも上がる声には色が含まれ、体が反応していることは明らかだ。
    「おら、お望み通り抜いてやるよ!」
     一人目が引き抜きながら射精して、白濁の噴水が振りかかる。全身の衣服にかかり、染み込んでいった。
    「次は俺だぜ?」
     二人目が腰を振る。
    「やめてくらさ――あん! お願――やめ――ひあぁっ!」
     許しを請いながらも、その時々で喘いでいる。そんなウィンの有様に一同は大いに喜び、盛り上がり、余計にテンションを上げて腰振りに励んでいく。
    「あぁ――あっ、あん!」
     ひとしきり喘がせ、引き抜いて射精する。
     三人目、四人目。
     決まったように体へかけられ、ウィンの全身は精液にまみれていた。着ていた衣服は水を吸わせた布のように肌に張り付き、重くなる。全体からツンとした臭いが立ち込め、自分でかけておきながら「精液臭ェなオイ!」と野次を飛ばす。
     いつしかウィンは四つん這いにされ、前後の穴を塞がれていた。
    「んっ、んもぉっ、んぁ――!」
     口に捻じ込まれたウィンは、尻を突かれながらくぐもった喘ぎを漏らす。口腔を出入りする肉棒には唾液が絡み、苦しげな息と共に水音が立つ。
     傭兵部隊は完全にウィンを玩具として扱っていた。
    「おーら、もっとしっかり舐めろよ」
    「真面目にやんねーと終わんねーぞ?」
     ただ解放されるためだけに、ウィンは今は耐えていた。
     希望は一つ。
     相手ターンが終了し、マスターのメインフェイズを迎えること。
     ――俺のターン!
     ウィンの持ち主がカードをドロー。
     ――俺は<風霊使いウィン>と<ながれ者傭兵部隊>を墓地へ送り――。
     <憑依装着ーウィン>の召喚条件。
     風属性モンスターと同時にウィンのカードは墓地へ送られ、デッキからの特殊召喚によりようやくウィンは解放された。
    「はぁ、はあ……」
     ただ、秘所への疼きを残して。