そして、二日目。
王様気分で高級椅子にふんぞり返ったジョードは、ニヤニヤとしながら自分の股に跪く一人の少女を見下ろした。
ジョードの肉棒を咥えるリーナは、恨めしそうな悔しそうな目でジョードの顔を睨み上げ、涙目になって頭を前後に動かしている。
「美味しいかい?」
「ふざけんな! ヘドの出る味よ!」
「駄目だねぇ? リーナちゃーん。こういう時はね? おチンポ美味しいですって言ってあげると男はとても喜ぶんだよ?」
調子付いたジョードはリーナの頭をポンポン叩く。
「誰が! アンタのブツなんてねぇ、ナメクジでも食べた方がマシなほど気持ち悪いの! たとえ嘘でもお世辞でも、こんなキモいものを美味しく感じる日なんて一生来ないわ!」
「本当に駄目だねぇ? 悪い子だねぇ?」
「フン!」
「だったら、美味しいって言えるようになるまで続けてもらおうか」
リーナの頭をポンと叩いて、口淫を再開するよう促す。ゾッと青ざめた表情で、脂汗をかきながら口を近づけ、涙を堪えるように再開した。
「じゅるっ、んじゅっ、ちゅぷぅぅ……」
本来ならば、愛し合う者同士の行為だろう。
しかし、二人のあいだに愛はない。ジョードが一方的にリーナに行為を抱いただけで、リーナには他に好きな男がいる。ジョードなんかのものを口に咥えるなど、冗談でも考えたくのないおぞましいことだった。
シェーム王国の価値観では、女の貞操は千枚の金貨にも勝る『財産』であるという概念で見られており、税金を支払うために『財産』を『納付』するのは、仕方が無いと諦めている男は数多い。不満を持つ層も存在するが、諦めた層もまた確実に存在していた。
そもそも国の定めた学校教育により、女性とは貞操を捨てて初めて立派な成人となり、夫を迎える権利を得るのだと、シェーム王国の女はそのように教えられて育っている。権力者に貞操を捧げる行為は、いわば成人儀式のように見られており、そのことに何の疑問も抱かない女すら存在する。
小さい頃から教育を刷り込まれ、大人の言い分に疑問を抱く人間は、多いとも少ないとも限らないのだ。
「それにしても、リーナちゃんはフェラチオが下手だなぁ?」
ジョードはやらせておいて馬鹿にする。
「――くっ、んぷっ、じゅるるんッ」
嫌なものをしゃぶらされた上、いざやってみれば技巧を貶され、リーナにとってみれば散々も良いところだ。
「まだ二日目だしね。拙いのも仕方がないかなぁ?」
初夜を買い取った男性は、七日間に渡って女としての作法を教える義務がある。ここできちんと性的な躾をして、出来上がった素晴らしい女を夫の元へ送ってあげるという建前で、それを本気で信じている国民も権力者も存在する。
つまるところ、ありがたいおまじないとしても認識されているわけだ。
ジョードはというと、別に迷信は信じていない。
ただ、抱きたい女の初夜を欲望のままに買い取った。何度言い寄ってもなびいてこない。そればかりか別の男と勝手に結婚手続きを済ませ、これから幸せに暮らそうとするものだから、仕方がないのでジョードがじきじきに初夜を購入してあげたのだ。
他に好きな男のいる気の強い女。
それを好き放題にするために。
「ちゃんと舌をくっつけて、ぐちゅぐちゅ水音を立てるんだよ?」
「んじゅる! んぷっ、じゅくぅぅぅ!」
ジョードをキッと睨み返しながら、リーナはその言葉に従った。
ここで女が非協力的だと、納付率が悪いとして、七日間で払い切った扱いになるはずの税金の一部が、夫婦に課せられてしまうのだ。
いくら一部とはいえ、それは当然重い金額になるため、生活にも影響する。
リーナは言われた指示には従うしかない。
「うーん。いいねぇ? キアランにもこの快感を早く教えてあげたいよ」
ジョードはわざと、結婚相手の名を出した。
その方がリーナにとっても、夫以外の男に従わされ、屈辱的な辱めを受けている実感が増すはずだからだ。
「四つん這いになってよ。後ろからパコパコしてあげるからさ」
「このクズ……!」
悔しそうな顔でジョードを睨み返してから、リーナは涙を飲む思いで尻を差し出す。口や態度ではいくらでも反抗的な気持ちを表に出せても、要求自体には素直に応え、逆らうことなくジョードの挿入を待つしかないのだ。
「自分で言ってごらん? ジョード様のおチンポを私のマンコに入れて下さいってね」
「言うわけないでしょ!」
「言えないんだったら、納付が不十分になるけどなぁ?」
「……チッ! わかったわよ! ジョード様のおチンポを私のマンコに入れて下さい! ほら言ったわよ!」
「誠意が足りないなぁ? やり直しだよ?」
「……このッ! じょ、ジョード様のおチンポを私のマンコに入れて下さい!」
「もう一回だねぇ?」
「ジョード様のおチンポを私のマンコに入れて下さい!」
「もう一回」
「ジョード様のおチンポを私のマンコに入れて下さい!」
何度言わせても、リーナの態度は悪かった。好きで言っているわけがない。怒りの感情がありありと滲み出た荒い声には、誠意の欠片もありはしない。
だからこそ、ジョードは何度でも言わせた。
少しでも誠意が感じられ、本当に欲しがっているように聞こえるまで、十回でも二十回でもやり直しをさせ、プライドが崩れるのを待ち続けた。
「お、お願い……! もう何回も言ったでしょ?」
「もう一回」
「ジョード様の……ジョード様おチンポを! 私のマンコに入れて下さい! お願いします! お願いします! ジョード様!」
もちろん、本気で欲しがっているわけがない。
リーナはただ、何度も嫌な台詞を言わされる地獄から、一刻も早く解放されたいあまりに許しを請い始めただけである。
「お尻をフリフリして、僕を誘惑してごらん?」
「そんな……!」
「そうしたら、お望みのものを入れてあげるよ。君がそんなに欲しいっていうならね」
そういう台詞をジョードの方から命令しておいて、まるで本当にリーナが人のおチンポを欲しがったという前提で話している。
「さあ! 早くしろ! このジョード様を誘惑しろ!」
「わ、わかったわよ! このクズ!」
リーナは四つん這いの両手のあいだに頭を落として、悔しそうにうなだれたまま、途方もない屈辱の中でお尻を左右に動かし始める。
ふりっ、ふりっ、ふりっ、ふりっ、ふりっ、ふりっ、
腰の捻りでクイっと動き、リーナのお尻は左右に振られる。
(悔しすぎる! 何よ! 何なのよ!)
屈辱だけがリーナの本心だ。
しかし、そのフリフリと振りたくられるお尻だけを見るならば、確実に牝の香りを振り撒いて、いじらしく初々しく、男を誘惑しようと励んでいた。
「リーナちゃーん。君があんまり僕を誘惑して、僕を誘うもんだから、このジョード様が仕方なく相手をしてあげるよ」
(やらせたのはアンタのクセに!)
「はい。挿入っ」
ジョードはリーナの腰を掴んで、肉棒を根元まで突き入れた。
「――くっ、くぅぅぅ!」
その刺激にリーナは大きく仰け反った。
悔しい! こんなの悔しい!
悔しすぎて、悔しすぎて、コイツを殺したって気がすまない!
リーナの心はそう叫ぶ。
そんなリーナの膣内をいい気になって味わって、何度も何度も腰を振った。尻を精液濡れにして、体位を変えて再開して、顔にかけてはまた再開。また別の場所に振り撒いて、また再開と繰り返す。
リーナの全身が精液にまみれ、まるでバケツで白いペンキでも被せたような有様に成り果てるまで、その日のジョードはリーナのことを抱き続けた。
性行為が済んでなお、ジョードはリーナを抱き締め、密着したまま眠りにつく。リーナはこんな男と触れ合うことに、肌が粟立つようなおぞましさを感じながら、ひたすら耐え忍ぶ時間だけが続いていた。
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