しかし、しかしだ。
こんな奴なんかに乳房を許してやったことになる。もし明日美がいなければ、栗木ごときが女の胸に触れる機会なんて絶対になかったはず。仕返しも十分できたはずだ。ここまでした以上、栗木は全身全霊の感謝を捧げるべきではないか。
「なあ、感謝の一言はねーのか?」
抵抗を諦めた明日美は乳房を揉ませ、口で吸われるのを良しとしていた。
もちろん、本当は気持ち悪くて仕方がないが。
「え? 感謝って?」
「こんなことさせてやってんだから、ありがとうございます明日美様ってぐらいの言葉があってもいいと思うわけよ」
「ふーん?」
「おい、礼も言えないクセにこんな事すんのは無しだろ?」
せめて感謝の一つでもされなければ納まらない。
もちろん、それで気が済むという問題ではないが。
「なあ、おい。お前は人のおっぱい吸ってんだぞ? わかってんのか」
「でも、僕が思い切ってやんなければ、絶対触らせてくれなかったよね?」
「当たり前だろ!」
無理な抵抗を諦めたのも、もっと恐ろしい暴力に発展しないかという内心の恐怖があってのことだ。よしんば殴り倒せたとしても、葉山の理不尽な権限で、抵抗して当然だったはずの明日美がますます不利に追いやられる。そういう気がしてならないからこそ、我慢するのが最善だと考えた。
だが、ものはそうそう上手くはいかない。最善策を打ったつもりでも、実はそれこそが失策である事など、その時になってみなければわからない。
「当たり前?」
栗木の声色が変わったのは、その時だった。
「そ、そうだろ? 付き合ってもねーのに触れてる方がおかしいんだ。あたしは金で体売ってるわけじゃねーんだぞ」
「普通はそうなんだけどさ、だから明日美ちゃんの場合は違うでしょ? 僕を散々苛めたクセに、なんでそんな事が言えるの?」
「んな、なんでって! ケツ叩いたりパンツも見ただろ? こっちは十分泣きたい思いしてんだよ。仕返しなら十分だろーが!」
「十分じゃないよ。だって、僕はずっとずっと長いあいだ苛められていたんだよ? まだ釣り合いが取れていないと思うけどな」
「何が釣り合いだよ。だったら、胸で満足しろよ」
「うーん。そうだねぇ……」
栗木はまるで品定めでもするかのように、乳房を揉み込みじっくりと手触りを確かめる。
「な、なんだよ」
「挟んでいいかな?」
「挟むって、何をだよ」
すると、栗木は自身の股間を指さした。
「もちろん、これだよ」
「パイズリってことかよ! 冗談言うな。そうだ。手でどうだ? 手でしてやるから、パイズリは無しってことで!」
こんな男の股間になど接触するのは真っ平だ。胸を使うことだけは回避したい。
「そういう言葉は知ってるんだね」
「うるせー」
知っていたら悪いというのか。
よもや人を淫乱だとでも言い出すつもりか。
「手もいいけど、やっぱり胸を使わせてもらおうかな」
栗木は明日美の許可も得る前から、勝手にベルトを外し始める。ガチャガチャと金具を鳴らし、チェックを下げる音と共に男のソレが出てきた時、えげつない物体でも見てしまったかのように、明日美は全身を硬直させた。
これが男の肉棒なのか。
初めて実物を見る明日美にとって、それは禍々しいまでの太さに勃起して、自分を犯す侵略者か何かに見えた。実際、これから明日美の胸を使う気なのだ。合意も確認せず、栗木がそうと決めたからという理由だけで、明日美の乳房は自由にされる。
「じゃあ、使うからね?」
(くそ! レンタル品じゃねーっつーのに!)
遠慮なく肉棒は挟み込まれ、栗木は乳房を堪能した。いやおうなしに当たってくる股間に、男の一物とはこんなにも硬いものなのかと実感させられる。しかも熱い。熱さと硬さが嫌というほど伝わってきた。
「うーん。こういうものか……」
こんな事は栗木にとっても初めてだろうに、股間で乳房を味わう快楽を堪能しつつ、どうにもパッとしない感想を漏らしている。
「あ? どういうもんだってんだよ」
「知識じゃ知っていたけど、これって刺激が少ないんだね。これじゃあ射精できるまで時間がかかる気もするけど、やっぱり股間におっぱいが当たってくるのは気分的に最高だし、このまま続けさせてもらうよ」
「もらうよ。じゃねーっての……」
そうして、明日美の気持ちには関係なく胸は使われた。栗木は一層懸命に乳房を動かし、自分の股間を刺激しようとコツを探る。強くするのがいいのか、柔らかくするのがいいのか。それとも腰を揺するべきか。一番気持ち良い方法を模索して、実践していく。
やがて――。
「あ、出る」
その一言と同時に……。
ドクドク! ビュルン!
吐き出された白濁が明日美の顔に振りかかった。
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