エピローグ
数日後。
完治の確認のため採血や唾液に尿検査など行って、診察を受けるチェン・センユーの、中年医師と向かい合う気分といったらない。
現在、この村に他の医者はいない。
選択肢のないチェンは、嫌でも彼の診察を受けるしかなく、すると嫌でも思い出すのが長らく続いたセックスだ。あの時の診察では、途中から嫌な言葉をかけられ始め、そして性交時にも彼は必要以上に欲望をあらわにして、チェンの中には一体何回分の精液が出された事か。
幸い、あの治療を経ている今、あとは検査結果を聞いて話は終わりだ。実はまだ完治していない、体にウイルスが残っているので再治療が必要だ、などと言われはしないか身構えたが、中年医師が告げる言葉は治療完了であった。
そしてチェンの隔離期間は終了して、診療所を去る事となるのだが、交わった相手の顔を見たせいか、性器が肉棒の感触を思い出す。
あの出入りによって走った刺激、この口から上がった声。
それら記憶に、チェンは一人眉を顰めて歯噛みして、複雑な気持ちで背にした診療所から離れて行った。
*
二度も膣内射精がされても、中年医師とのセックスはなお終わらず、チェンの下半身はピストンによって貫かれていた。
「あぁ……! あっ、あっぐぅ……! んっ、あぁ……!」
悩ましげに首を振り、シーツを掴んで刺激を堪え、そんなチェンの抱く感情は、もうやめて欲しいというものだった。一度は飲用させられて、膣内にも解き放たれて、まだ止まってくれない中年医師の、三回目の射精が控えていようなど、一体いつまで体が好きに使われるのか。
「ひっ、あぁ……! あっ、あっぐぅ……! あぁ……!」
大きな喘ぎ声を吐き出して、感じている真っ最中の頭の中は、早く済んで欲しいという思いでいっぱいだった。
「あぁ……あっ、あぁ……! あっ……!」
人を感じさせている事で、チェンの喘ぐ姿を見て、中年医師は満面の笑みを浮かべている。人を犯して楽しんでいる。体が好きに楽しまれている。
「やめ……あっ、ぐぅ……!」
だからセックスが続くのが苦痛なようで、しかし生理的な反応は甘さによって体を蝕む。どうしても刺激は走り、手足でよがり、チェンはいつしか二回目の絶頂を迎えていた。
そして、それでも終わらなかった。
一回でも多く行為を重ねようとしてくる中年医師に、以後も繰り返し射精され、ようやく済んだ頃には汗がシーツに染み込んで、ベッドから降りれば大きな灰色の楕円形が出来上がっていた。
何度も注ぎ込まれたアソコから、内股を伝って白濁の滴が流れ出ていた。青臭い匂いと共に、チェン自身の愛液の香りも漂って、診察室にはセックスの湿気が漂っていた。これがエッチの匂いなのだと、チェンは初めて鼻で感じて、それをこんな形で知ってしまった事の複雑さに俯いていた。
だが、行為は終わった。
その数日後にチェックを受け、もう体にウイルスは残っていないとお墨付きを与えられ、これで中年医師とのセックスは過去になった。
あとは祈るだけだ。
もう二度と、Wウイルスに感染して、ああした治療を受ける機会がない事を……。