前の話 目次 次の話




 家に戻った私はいつものように問題集のページを開き、シャープペンシルで数学の途中式を書き込んでいく。解答に辿り着くたび、また次の問題を解いていき、ふと集中が切れた頃に時計を見れば、かれこれ二時間は勉強していたらしいことに気がついた。
 一度集中力が発揮されると、時間の感覚がなくなってしまう。目の前の事柄に没入して、英単語や数式しか見えなくなり、気がつけば一定の時間が経過している。
 そうだ。宿題。
 受験に必要な勉強以外にも、私にはオナニーという課題が出ているのだ。女の身体は開発すればするほど感じるようになっていくが、逆を言えば磨かなければ感度は低い。先生は私に性的な魅力を身につけさせるため、週に二回以上のオナニーを課したのだ。
 私は入浴時によく手を洗い、爪を切ってからベッドに上がり、パジャマズボンを脱いでひとまずショーツ越しに刺激を行う。
「今のところ快感は無し。すぐには膣分泌液も出ないようね」
 中指で割れ目のあたりを上下に擦るが、くすぐったいばかりで性的な気分はしない。
 そうだ。想像しよう。
 女は精神的に快楽を覚えるのだから、まずは自分の好む男性タイプに優しく抱かれ、解きほぐされていく幻想に心を浸す。正しい手順を踏まなければ身体は興奮しない。私は自分好みの紳士を強く思い浮かべた。
 少し、気分が出る。
 甘い痺れめいたものを感じた私は、より一層の快楽を求めて空想に浸り、好みの男が甘美な言葉を耳元に囁いてくることばかりを考える。そっと優しく押し倒され、逞しい指にそっと撫でられたらどんなに嬉しいか。
 いつしか仰向けになった私は膝を立て、股を大きく開いていた。
「やはり気分的高揚は大切ね」
 生理的反応に任せるよりも気持ちいい。
 私はどんどん想像した。
 男の指によってアソコを愛され、やがてショーツを脱がされていく。茂みを掻き分け、割れ目をなぞり、膣に挿入してくる愛撫に私の心は蕩けていく。
「んぅ……んふぁ…………いい……いい感じが………………」
 今の私はとても淫らな顔なのだろう。
 それを、好みの異性に見られてみたい。性的な弱点を暴かれ、この肉体の全てをその人のものとされてみたい。
 そうか。そういうことか。
 こうやって、自分の性癖について一つずつ自覚していき、それらを元に自らの肉体に火を宿せば、スムーズに疼きを覚えられる。ただ知識的に理解するだけでなく、実践経験の上で実感していくことが大切だ。
「そ、そうだ……広げる努力も…………」
 私は指を左右に動かして、壁を押し広げるようにやってみる。今日や明日に実る努力ではないにせよ、こうして継続的に広げる練習をしていけば、ペニスも難なく入るだろう。初めての痛みがトラウマになるのは真っ平なので、オナニーは別にしても広げることは毎日やった方がいいかもしれない。
 二本目の指は入るだろうか。
 一旦引き抜き、人差し指と中指の二本束を挿入すると、内側から押し広げるような圧迫が強くなり、若干ながら苦しくなった。
 しかし、我慢できる範囲内。
 よし、このまま慣らしてみよう。
 無理のない程度にたまに前後に動かしつつ、私は左手でクリトリスにも刺激を与える。触れるか触れないかのソフトタッチがちょうどよく、あまり強く摘むのは気持ちよくない。適度に加減の利いた触れ方の方が私の身体には合っているようだ。
 ふと、私は壁掛け時計に目をやった。
「少し時間を使いすぎたかしら」
 早寝早起きの習慣を守るには、これ以上オナニーはしていられない。
 仕方が無い。
 今日のところは一旦寝て、明日また……。
 …………
 ……

「以上。昨夜はそのようにオナニーを行いました」

 いつものように生徒指導室を利用して、先生と二人きりになっている私は、好みの異性に愛される妄想をしたことも含めてオナニーの報告を行った。
「セックスの準備は着々と進めているわけだな?」
「はい。そうなります」
「彼氏が出来たら、セックスがしたいか?」
「ただ性欲を満たしたいというのは正確ではありません。やはり特定の異性から特別に思われたい。愛情を注がれたい。そのように思っています。精神的な欲求を満たすことで、結果として肉体面でも快楽もあれば、より一層幸せに浸れるものと考えています」
「なるほどな」
「セックスとはボディランゲージであり、肉体を使った会話とも考えています。日頃お喋りの経験を積まなければ口下手になるように、こうして性指導を受けることは、肉体的な交流のためにも非常に役に立つものなのでしょう」
「まあ、そうだ。そのためには色んな性技を体験しないとな」
「はい」
 実体験を持たない私には、まだ心と心で繋がることの幸せは想像しきれない。少々漠然としている部分はあるが、愛する異性のペニスが自分の中に入っていて、私のことを正常位から真剣に見つめてくれたら、どんなに蕩けるだろうかとは考える。
 将来は何らかの仕事に就き、それから結婚。
 自分は誰かの子供を生むことになるのだろうと、今はまだぼんやりと考えているのだが、高校や大学と進むにつれ、未来のヴィジョンは明確にしていくべきなのだろう。性技の練習をしておくのは、結婚を想定した未来への投資に等しい。
 より性的に魅力のある私になれば、色んなことが上手な私になれば、私を選びたがる男は増えていく。結果として将来の役に立つわけだ。
「今日はパイズリをやってもらう」
「乳房に挟むのですね」
「そうだ。慣れてきたらパイフェラもしてもらいたいが、まずは挟んでみることだ。さっそく始めよう」
 先生は椅子に座ってペニスを出し、私はその左右に広がる股の間に正座する。ブレザーを脱いで畳んで、ワイシャツも綺麗に畳み、ブラジャーも外して置き、半球型の乳房のあいだに先生のペニスを導いた。
 熱気を帯びた硬い肉棒の感触が、胸板の上にぺたりと当たっている。両手で乳圧をかけてみると、谷間から亀頭が顔を出し、顎のすぐ下に突き出ていることに気づく。上下のしごきを始める私は、さっそく先生に質問を行った。
「強めにしごいていますが、現状の方法で正しいでしょうか」
 サンドイッチ状に強い挟みつけをかけながら、身体ごと上下に揺することでしごいているのだが、何分先生が感じているのかは顔ばかり見ていてもわからない。
「ああ、大丈夫だ」
「ではこのまま続けます」
 乳房を高く持ち上げると、亀頭の位置が狭間中央あたりとなる。下ろせば谷間から亀頭が覗けて、胸の下弦に陰毛がぶつかる。
 圧迫したり緩めたり、揉むような方法も試してみた。
 それから、乳房の半ばあたりに挟むように位置をずらして上下にする。
 微妙に方法を変えていきながら、谷間に見える亀頭に時折目をやっていると、やがてカウパー腺分泌液が確認できた。先生が感じている証拠である。数学の公式が頭に入った瞬間のような、英文法の一つをマスターしたのが問題集を通じて実感でき際のような、何かを身につけたという喜びが沸いてきた。
 次のステップも試してみたい。
 私はパイフェラを実行に移そうと、自らの谷間に顔を埋め、ペロリペロリと亀頭を舐めた。カウパーの味が舌に染み、亀頭そのものの味も広がる。舌遣いと共に行うのは、乳圧をかけたり緩めたりするマッサージ的な刺激方法だ。
 肉棒の根元に力が入り、ピクピクと脈打っているのが乳肌に伝わってくる。先生が喜んでいるのが少しずつわかってくる。相手の反応が実感できればできるほど、私としてもやる気が沸いて舌遣いを活発にしていった。
 ――ぺろっ、ぺろっ、ぺろぺろっ、ぺろん、れろん、れろれろ。
 しかし、舌遣いに集中力を割り振ると、つい胸の方をサボってしまう。二つの技を器用に操るには、まだまだ慣れが必要らしい。
 私は乳房にも集中を割り振りながら、唇で鈴口周りを包んで圧する。
「はむぅ……むっ、んむぅぅ…………」
 そうしながら、乳圧と上下のしごきも忘れない。
「ヨダレを使うのも効果的だぞ?」
 不意にアドバイスが投げかけられる。
「……ヨダレ? ああ、なるほど。滑りをよくするのですね」
 少々下品なことだが、私は自分の谷間にヨダレを垂らす。とろりと糸を引くかのように垂れるのが、亀頭の上に被さって、だんだんと乳房の狭間へ流れ落ちる。肉棒と乳房の圧着する隙間に唾液が挟まれ、すぐに滑りの良さは上がっていた。
 先生は興奮している。息遣いの荒さから伝わってくる。
 もっともっと興奮して頂こうと、私はとにかくしごいてあげた。強い挟みつけのまま、身体ごとの上下で刺激を与え、途中で唾液を足してさらに滑りを良くしてやる。
 ――ぺろぉっ、ぺろぺろ、れろん。
 舌を使うときは、一旦上下は打ちとめた方がやりやすい。
 なので少し舐めたら口を離し、またパイズリのみへ集中した。
「どうですか? 先生」
「ああ、いいぞ? もうすぐ出る」
「わかりました。遠慮なく射精して下さい」
 そう言って私は、ラストスパートとばかりにペースを速めた。
 やがて――。

 ――ドクゥゥン! ドクビュル! ビュルゥン! ビュクッ、ドピュン!

 上向きに発射される白濁が、私の顎に直撃していた。へばりついた粘液は首をつたって流れていき、谷間の中へと入り込む。精液のつーんとした匂いが鼻腔を貫き、それが先生の願いだろうと私は自然とお掃除フェラを始めていた。
 竿の裏に白い塊がついている。
「れろぉぉぉぉぉぉぉぉ…………」
 根元から亀頭へと舐め上げて、私は自分の舌をティッシュ代わりのように使う。
「ちゅっ、ちゅくぅ――」
 鈴口から少し吸い取る。
 カリ首の周りを確かめて、ついていた場所には舌先を当て、全ての汚れを舐め取ったあとは先生が私の胸を拭いてくれる。ウェットティッシュの清潔な水分で、精液濡れの谷間を丁寧に清めてくれた。
「今日はこれで終了するが、アソコの方もサボるなよ?」
「はい。もちろんです」
 オナニーは別にしても、指の挿入自体は毎日行う。左右に壁を押し広げるようにして、着実に慣らし込み、ペニスを抵抗無く受け入れられる状態を作るのだ。



 
 
 

コメント一覧

    コメント投稿

    CAPTCHA