急に三人もの男が現れて、アニエスは一気に不安に囚われる。
「でっけー」
「美味そうなオッパイじゃーん?」
「テカテカでエロすぎだろ」
昨日とは顔の異なる金髪に、そして銀髪と黒髪の、三人がアニエスのことを取り囲む。
先ほどまで、一対一の状況で突き刺さっていた視線がここまで増えて、その人数に応じて頬の赤らみは濃さを増す。
反射的に隠したい思いが腕に表れ、手錠を引っ張っていた。しかし両腕を吊り上げるロープに阻まれて、せいぜいミリ単位でしか下がることはなかった。
「このケツも、さぞ極上なんだろうなぁ?」
金髪は後ろに回り込み、スカートの上から手の平を置いてくる。その叩きつけんばかりの置き方で一度だけ、パンッ、と音が鳴ってから、存分に撫で回す手つきは始まった。
尻たぶの表面を右手が這う。
手の平の動きに巻き込まれ、そのぐるぐるとした動きに応じて、スカート丈もまた動いていた。
(いつまで耐えれば……こんなこと…………)
ぎゅっと、アニエスは拳に力を込めていく。
「そのローションって媚薬だろ?」
「なあなあ、どれくらい敏感になっちゃってるんだ?」
銀髪と黒髪の二人は、それぞれ好奇心たっぷりに、試してみたくてたまらないように手を伸ばす。左右それぞれの乳首へと、指先がゆっくり近づいてくることに、アニエスはひどく緊張しきっていた。
皮膚がじわじわと熱されて、すっかり敏感になっているのだ。
媚薬成分が浸透して、感じやすくなっている胸は、風に吹かれてさえも気持ち良いほどに仕上がっている。先ほどまでの、情報屋の男に揉まれていた時は言うまでもなく、彼が三人にアニエスのことを譲る間にも、浸透は進んでいるのだ。
それだけ染み込んだ媚薬成分のおかげで、触られもしないうちから、乳首にはピリピリと甘い電気が走っている。
そんな状態の、実に敏感な部分をやられれば、一体自分はどうなってしまうのか。
アニエスの抱く不安は、みるみるうちに顔に表れる。
「そう怖がるなって」
「絶対気持ちいいから、さ」
二人の指は、接触まであと数ミリもないところまで迫り、アニエスはいよいよ覚悟を決める。
逃げられない。
その指を、受け止めるしかない。
「――――――っ!」
激しい電流が乳首で弾け、スイッチに連動したかのように、頭の中ですら何かが弾けた。ビクっと大きく肩は跳ね上がり、腰もくの字に引っ込めていた。
そして、その引っ込めた尻の上には、金髪の手の平が乗せられたままだった。
「おいおい、随分とこっちに迫ってきたぜ?」
金髪が嬉しそうに指を食い込ませ、尻をより丹念に揉んでくる。
「イっちまったなぁ?」
「そんなに気持ち良かったのか?」
銀髪と黒髪の二人は、実に嬉しそうにアニエスの顔を覗き込み、わざとらしく尋ねてくる。
「そんな……はしたないこと…………」
答えられない質問に顔を背けて、アニエスはきゅっと太ももを擦り合わせる。絶頂の余韻が漂うせいで、触られてもいないアソコが気持ち良く、またさらに愛液の量は増えているはずだった。
「なあ、弾んでくれよ」
その時、金髪は後ろから命じてくる。
「弾むって、一体……」
「オッパイを揺らせってことだ。体を上下に揺すって、ぷるぷるさせてみろよ」
そう告げてくる金髪は、しかし後ろでしゃがみ込み、スカートをつまんで持ち上げている。彼は彼で、尻を中心に楽しむつもりでいるらしい。
「そいつはいいな」
「やってくれよ」
銀髪と黒髪も、要求を同じくしてきた。
「わかりました。ですが、早く情報を教えて下さい」
アニエスは情報屋の男に目を向ける。
「まだだ」
「まだって、もう教えてくれてもいいはずです」
目的はそれなのだ。
一刻も早く情報を見つけ、曾祖父の遺品を見つけたいから、アニエスはこんなことに耐えているのだ。
「途中だろ?」
「どうせ手錠で逃げられません。約束の範囲で相手はしますから、ですから早く情報を――」
「なら、乳揺らしが済んだら教えてやる」
「……そうですか。わかりました」
いかにも仕方が無さそうに引き下がり、アニエスは気恥ずかしい思いをぐっと堪え、足首を上下に動かし始める。ジャンプというわけではなく、爪先は床に突いたまま、しかし跳ねるような動作を繰り返した。
かかとを上下に動かすことで、身体を丸ごと上下する。
その上下運動に伴って、勢いを帯びた乳房はぷるぷると、男達の望む通りに、大胆に揺れ動いた。
「おうおう。いい光景だなぁ?」
「見てて楽しいぜ? アニエスちゃんよぉ?」
前から二人は、ニヤニヤと言ってくる。
「こっちは尻が上下してるぜ? プリケツも微妙にぷるぷるしやがってよぉ。男を誘うフェロモンがプンプン出てるぜ?」
金髪はスカートを摘まみ上げた状態で、尻を中心に眺めるばかりか、その感想まで饒舌に語ってきた。
ぷるん――ぷるん――ぷるん――ぷるん――
アニエスは上下に動く。
自分の乳房を見世物に、芸を披露させられている惨めさを味わいながら、深い無念を抱きながら動き続けた。
ぷるん――ぷるん――ぷるん――ぷるん――
しかも、それで気持ち良かった。
乳房がぷるぷると動いていることで、乳首が風を切っている。空気との触れ合いが表皮での摩擦となって、そんなことが乳房にとって刺激となる。
甘い感覚がじわじわと乳房の細胞を飲み込んで、これを続けているだけでも、いつかは絶頂する自分の姿を、アニエスはイメージしてしまっていた。
*
乳揺らしから、別の行為へと移り変わって――。
パン! パン! パン! パン! パン!
それは挿入というわけではない。
しかし、それでも十分な恥辱を味わって、アニエスはそれを十分に堪えていた。
(遺品のため……おじいちゃんの……おじいちゃんの…………)
自分が一体、何のために頑張っているかを言い聞かせることで、アニエスは精神を保とうとしていた。今にも限界を迎え、こんなことが続くならもう嫌だと、泣いて逃げたい思いを抑えて、アニエスは懸命に、本当に懸命に堪えている。
パン! パン! パン! パン! パン!
行われているのは、あくまでフリだ。
後ろの金髪はズボンを穿いているままに、それもスカートの上からだが、しかし人の腰を掴んで、セックスさながらのピストン運動を行っている。
勃起したものが何度でも擦りつけられ、自分が慰み者として扱われる感覚に、アニエスはぐっと拳を握り締め、手の平に爪を食い込ませた。
(我慢、我慢するだけ……我慢さえ終われば……)
腰を少しだけくの字にして、微妙に後ろに突き出しての、ほとんど立った状態でのバック挿入ごっこにより、乳房はなおも揺らされている。
ぷるっ、ぷるっ、ぷるっ、
と、上下に風を切ることで、空気との摩擦だけで気持ち良く、アニエスは下唇を噛み始めた。
(私はどうしてこんなことを我慢して――)
投げ出したい思いが浮かび、アニエスは首を振る。
(違う。決めたはず)
一度したはずの決意を手放さないように、心の中に懸命に握り締め、アニエスはこの苦難が過ぎ去るまで、辛抱強く堪えている。
そんなアニエスに対して、なおも試練はあった。
「なあなあ、次はこいつを試そうぜ?」
「これが何か知ってるか? アニエスちゃん」
銀髪と黒髪は、それぞれピンクローターを用意していた。
それを合図に後ろからの腰振りは停止して、しかし代わりに金髪は、ハァハァと息を荒くしながら、尻にズボンの膨らみを押し込んだり、擦り動かして楽しんでいる。
後ろからの不快感は言うまでもなく、それ以上にアニエスは不安になった。
(あ、あんな…………)
スイッチが入ったローターは、ブィィィィィ――と、無機質な駆動音を鳴らしている。知識的には知っていて、実物としては初めて拝むローターに、あんなものにやられたら、一体どれほど強い刺激にやられるかの、アニエスは恐怖すら抱き始める。
そんなアニエスへ向かって、男二人は迫っていく。
「やっ…………」
逃げたい思いにアニエスは駆られる。
だが、アニエスは踏み止まった。
どうせ逃がしてもらえる状態ではないが、精神的な意味で踏み止まる。懸命に耐え抜いて、きっと情報を手に入れてみせようとする思いから、迫るローターを真っ直ぐ見据えていた。
「ところで、胸を揺らしたら、というお話でしたが」
アニエスは情報屋の男に目を向けて、乳揺らしの時に交わしたやり取りについて言及する。
「そうだったな。アンタに教えるべき男の名前は、ジャ、ジャコ、なんだったかな。そいつが終われば、きちんと思い出せそうだ」
まだまともに教える気はないらしい。
「……そうですか。では、きちんと思い出して頂けるようお願いします」
あと一センチもない距離まで迫った二つのローターを見下ろして、アニエスは覚悟を決めた。
そして、ついに乳首へ触れてきた瞬間である。
「んっ、あぁぁ――――!」
アニエスは大胆なまでに首で仰け反り、天井を仰ぎ見たばかりか、腰をビクビクと踊らせていた。
胴体がくねり動き、肩はしきりに前後した。身体をシェイクして、体内にある何かを混ぜ合わせたいようにして、胴体を左右に捻り、乳房を横揺らしにしてしまっていた。
反射的な反応で、意図せず乳首からローターは外れていたが、そうやってローターから逃げようと思う意識自体、アニエスは働かせもしていない。
その暇すらなく、一瞬にしてイったのだ。
頭が真っ白になり、脳が快楽に満たされて、気づけばアニエスはハァハァと、息切れでもしたように俯いて、呼吸を荒くしているのだった。
乳房には余韻が強く残っている。
熱っぽい電流は流れ続けて、そのせいか全身が熱くなり、体中から汗が噴き出る。
(わ、私…………)
頬に雫が伝い流れているのを感じて、涙が流れていることを、アニエスは何秒も遅れて自覚していた。
悲しさでも恐怖でもなく、絶頂による強すぎる刺激のせいで、涙すら流れているのだ。
(こんなことに……いつまで…………)
つい、弱気になる。
やっぱり逃げたい、投げ出したい、情報なんていいから帰らせてと叫びたい。
(――だめっ)
その衝動をアニエスは噛み殺す。
「へへっ」
「簡単にイっちまったなぁ?」
銀髪と黒髪の二人組は、嬉しそうにローターを近づけ直し、そして乳房の先端に埋め込んだ。
「んぅぅぅぅ…………!」
アニエスは全身で震えた。
体中を使って、胴体全ての痙攣でも表現するように、ビクビクと小刻みに腰を前後に揺らしている。
「あっ、あぁ……あっ、んぅっ、あぁぁぁ………………!」
髪を激しく振りたくった。
乳首から全身へと、拡散する電流の力に振り回され、アニエスはそのまま首を大きく振っている。ひどく乱れる髪が頬に張りつき、額に張りつき、ますます汗も噴き出ている。
「んきっ、ひっ、あぁ――――!」
珍妙な声を交え、アニエスはまたイった。
肩を大きく持ち上げて、そのまま数秒はビクビク震え、急に脱力する形で絶頂して、今度はなおもローターが押しつけられたままである。
指先でローターを押し込んで、その陥没によっての、微妙なクレーターが乳房には出来上がっていた。そこから聞こえる駆動音と共に、周囲の皮膚は震え続けていた。
「んぁぁっ、あっ、あぁ……あっ、だ、め…………!」
あまりにも気持ち良すぎた。
その一秒ごとに脳が痺れ、頭が駄目になっていくような感覚さえして、せめて手加減だけでもして欲しい願望が巨大なまでに膨らんでいく。
「んっ、んひぁ――――!」
また、全身がビクっと弾んだ。
今度は背骨を伝った雷が脳天を下から上へと貫いてしまったような、頭蓋骨を内側から強く打たれた衝撃に、ぐらっと頭を前後に揺らす。
首で仰け反り天井を見上げた後、かくっと落ちて俯くのが、その絶頂におけるアニエスの反応だった。
(た、耐える……絶対っ、情報……情報を……だから……!)
またローターにイカされる。
「んぅぅぅ――――――!」
今度は深く俯きながら、尻をくねり動かした。左右にフリフリと動かす挙動は、意図せずして後ろにフェロモンを放出し、金髪を大いにニヤけさせていた。
ちょうどスカートを捲り上げ、尻を視姦し続けていた金髪である。振りたくられる尻の動きを目で楽しみ、嬉しそうに口角を釣り上げるばかりか、下着に浮かぶ汗ばみに興味を示し、ショーツ越しに触り始める。
だが、尻を触られる不快感など、もう意識している暇はない。
「んっあぁぁぁ――――!」
また絶頂した。
股を急速に閉じ合わせ、その勢いで膝と膝を衝突させての絶頂で、アニエスはとうとう意識すら手放していた。あまりにもイキすぎて、激しい電流に脳を打たれ続けたせいで、ついには失神してしまったのだ。
「あーあー」
「おねんねみたいだなぁ?」
そんな失神の様子を見て、男の誰一人として悪びれもしていない。
「おい、こいつを飲ませておけ」
それどころか、寝ているあいだに薬を追加しておこうと、情報屋の男は手下に瓶を手渡していた。
それもまた、媚薬だ。
だが単なる媚薬ではない、強い依存性を持つ違法薬物の成分の混ざった薬である。
「まだまだ、いっぱい調教してやんないとな」
情報屋の男はほくそ笑む。
彼にとって、アニエスは獲物に過ぎない。蜘蛛が餌を待つのと同じで、まさに網にかかった捕食対象。有益な情報を与えて、積極的な協力をする気など、やはり微塵もないのだった。
*
そして、アニエスから手錠を外し、ベッドへと寝かせた後。
「すっげー濡れてるなぁ?」
金髪が嬉しそうにスカートを捲っていた。
体が随分と温まり、汗ばんでいたのもあるが、何度も絶頂した挙げ句に染みを広げて、ショーツは随分とぐっしょりである。その水分によって肉貝にぴったり張りつき、形が如実になっているばかりか、透けやすい生地であったなら、陰毛すら布越しに窺えたことだろう。
彼らは写真を撮った。
アニエスの身体を抱き起こし、肩に手を回した状態で何枚も
何枚も、一人数枚ずつ以上のツーショット写真を撮った上、アソコの濡れ具合も記録する。
その際には後ろから脚を持ち上げ、M字開脚の形を取らされていた。
さらには乳房のアップ写真も大量に、顔も一緒に写したものも含めて、飽きるほどに撮り尽くす。
それらの撮影に、アニエスは気づかない。
気を失っている以上、自分がどれだけの弱みを握られているのかなど、気づく余地はないのであった。
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