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 オイルを使用すると称したマッサージのため、旭姫には髪をゴムでまとめてもらい、背中を触りやすくさせてもらっている。加えて室内にはお香を焚き、漂う香りがゲーム上で設定された効果をもたらす。
 中年が取りそろえているオイルも、もちろんアイテムの一種である。
 モンスターからのドロップアイテムを調合したもので、その分量や組み合わせには試行錯誤を巡らせてきた。絶妙な加減に仕上げた一点物のアイテムは、ほとんど彼のオリジナルといってもいい。
 よって、そのままドロップすることはない。
 どこの店にも売られていない。
 もしもこのオイルが市場で取引されるとしたら、中年が調合レシピを公開するか、たまたま似たようなオイルを生み出すプレイヤーが現れるか、そのどちらかになるだろう。
 さて、準備は整った。
 施術用のベッドの上には、アイマスクで視界を閉ざした旭姫が横たわり、マッサージの開始を静かに待つ。施術に集中してもらうため、効果を受け入れやすくするためなど、適当な理由をつけて視界を覆わせてある。
 頬はほんのりと染まっており、無邪気で純粋な子供らしい性格の彼女にも、どうやら羞恥心はあるらしい。
 更衣室ではもっと申し訳程度にしか染まってはいなかったが、当たり前だが実際に視線を浴びている方が恥ずかしいのだろう。
「では旭姫ちゃん。始めていくからね」
「……うん」
 声に緊張が籠もっていた。
 アイマスクの分だけ表情は隠れているが、頬のあたりが強張って、顔にもしっかりと緊張が現れている。カウンセリングルームではあれほど期待感を膨らませ、本当に楽しみそうにしていたのに、いざ本番が近づくと、本人にも思いもよらない緊張が湧いてきたのだろう。
 手の平に瓶の中身を垂らす。
 オイルの透明な水溜まりを手に作り、擦り込んで濡らした手で腹部を撫でる。ヘソに手を置き、ヌルヌルとした滑りに任せて肌の感触を味わうと、旭姫の顔には抵抗らしきものが浮かび始めた。
 やはり、いざ受けてみれば、ということなのだろう。
 効果を期待するあまり、触られたらどれくらい不快感があるか、抵抗はどこまであるか、そういった部分に考えが及んでいなかったわけだ。つまり子供ということだが、もう逃がすつもりはない。
 これから徐々に披露していくテクニックで、理性を少しずつ溶かさせてもらう。仕上がる頃にはまともにものも考えられず、快感のことしか頭にないような状態にまで、旭姫のことを貶めようと、中年は邪悪な目論見で胸をいっぱいにしていた。
(あぁ……いい感触だなぁ……スベスベだなぁ……)
 中年は肌触りの良さを堪能する。
 この仮想現実では香りや触覚まで際限されており、ゲーム上のアバターであっても、生身の人間を触っているようにしか思えない。柔らかで質の良い皮膚が、現実の空閑旭姫と同一なのかは不明だが、そこは夢を持っておこうと中年は考える。
(さーて、だんだんとオイルを広げてあげるからね?)
 ヘソに直接、瓶の中身を垂らしてやる。
 粘度の高さでつーっと、糸を引くようにゆっくりと落ちていき、その先端がヘソに接触した瞬間、透明な細い柱が出来上がる。天地を繋ぐオイルの柱は、見た目には流動的には見えないが、確実に滝のように注がれて、ヘソの穴を満たしていく。
 ヘソから溢れ、水溜まりの円が広がり始めた。
 そこでオイルを垂らすのはやめ、中年は再び手で腹部のマッサージを開始する。
(最初はきちんとやってあげるからね?)
 アイマスクをいいことに、中年はおぞましい微笑みを浮かべていた。口角の吊り上がった邪悪な笑みは、女の子なら誰もがドン引きするか、恐怖で身を竦ませるものである。視界を塞いで貰ったことで、表情を取り繕う必要はないわけだった。
(だんだんとオイルを広げていくよ? 旭姫ちゃん?)
 この部屋に漂うお香の匂いも、このオイルに関しても、表向きには出来ない危険な効果が含まれている。
 運営はわかっているのだろうか。
 欲望を満たすため、報告せずに利用を続けているが、ある一定のセンスを駆使して調合したアイテムには媚薬的な効果が現れる。さらには理性を奪ったり、意識を朦朧とさせたり、判断力の低下を招く効果も存在する。
 悪用しうる効果を全て同時に発揮させようと、中年は研究に研究を尽くして、その最適解を発見した。お香とオイルの組み合わせで、状態異常の耐性を無効化しつつ、心と体を確実に蝕むことが可能なのだ。
(大変な店に来ちゃったね? 旭姫ちゃん。でも大丈夫、僕がしっかりと面倒を見てあげるからね)
 中年は欲望に満ちた眼差しを向け、まだ触れるには早い乳房やアソコを視姦する。最初は無難なマッサージに徹して、きちんとした施術を装い続けなくてはならないが、進行度合いによってゆくゆくは、お楽しみの時間がやってくることになる。
 中年にとって、真っ当な技術は信用を得るための看板に過ぎない。
 こうして女の子を獲物にして、欲求のままに触り尽くすことこそが本命なのだ。
「どうかな? 旭姫ちゃん」
 中年の施術は手に移る。
「うん。気持ちいいけど……」
 今更、抵抗があるとは言えないらしい。
「そっかそっか。気持ちよさそうで何よりだよ」
 中年は構うことなく施術を続けた。
 ひとしきりオイルを馴染ませ、皮膚に浸透させた腹部の方は、表面がしっとりとして光沢を帯びている。皮膚が照明を反射して、細やかでキラキラとした輝きを放っている。それを最後には全身余すことなく、指先にまで広げていくのだ。
(テカテカしたお尻やオッパイって、エロいんだよねぇ?)
 中年は勃起していた。
 白い施術着のズボンはもっこりと膨らんで、もしも旭姫にアイマスクがなかったら、その興奮に気づかれてしまうかもしれない。視覚を塞いでいる以上、ニヤニヤとした表情すら隠すことなく、中年はオイルを塗り広げる。
 旭姫の手を持ち上げて、指の一本ずつにかけて丁寧にマッサージを施していた。オイルを帯びた光沢が馴染んでいき、手の平が、手の甲が、しだいに輝き始めている。手首から肘にかけても塗り伸ばし、肩にかけても光は及ぶ。
 両手の指から肩にかけ、しっとりとした輝きを帯びたところで、次は足から太ももにかけて進めていく。同じようにオイルを馴染ませ、たっぷりと光沢を与えてやった。

      *

 施術は背中に及んでいた。
 うつ伏せの指示を受け、姿勢を変えた空閑旭姫は、アイマスクの厚みが生み出す暗闇だけを見つめながら、体中に触れてくる中年の手つきを如実に感じ取っていた。
 視覚を封じているせいか、皮膚に意識がいってしまい、細やかなタッチを必要以上に正確に読み取ってしまう。触れて来た感触を伝って頭の中にイメージが出来上がり、中年は今ベッドの周りのどの位置に立っていて、どんな風に揉んできているのかが、しっかりと脳内に形となって現れる。
 ただのイメージに過ぎない。
 触覚に集中してしまうせいで生まれる虚像は、実際の中年の動きとどこまで一致しているかはわからない。
 ただ一つ間違いないのは、普段よりも皮膚が敏感なことだ。
 旭姫は知らない。
 オイルにも、お香の匂いにも、催淫効果が含まれており、知らず知らずのうちに理性の侵食が始まっていることを自覚すらしていない。思いもよらないそんな効果は、想像すらしていないのだ。
 だが、皮膚の敏感さだけには気づいていた。
(ヘンなの。なんか肌が……。マスクのせいかな?)
 その敏感さというのも、決して性的なそれとは思っていない。
 そもそも、小学六年生で記憶が止まっている。性知識がどこまであるか、セックスを知っているかも怪しい旭姫では、感じたとしてもそれが性的快感だということに気づけない。
 旭姫が自覚しているのは、イメージがありありと浮かぶほど、皮膚が中年の手つきを正確に読み取ろうとする状態だ。背中に手の平が当たった時、脳の内側に直接手形を付けられたかのように、必要以上の精度で手つきを感じ取ろうとしてしまう。
 今の中年は背中にオイルを広げていた。
 ゴムで髪をまとめることで、後ろにかかっていたロングヘアーは横にどかして、剥き出しになった背中を中年はまんべんなく撫で回す。腰のくびれから背骨のライン、脇下や肩甲骨の周囲にかけて、くまなく手の平を這わせていき、ひんやりとしたオイルが旭姫自身の体温に馴染んでいく。
 背中が済むと、肩甲骨に置かれた両手は、肩を伝って二の腕に移動した。もうオイルを塗り尽くし、浸透しきっていると思う部分に、改めてオイルは伸ばされていく。太ももの裏側にも、膝の裏側にも伸ばされていく。
 既に一度は浸透している肌に、さらにオイルを塗り足すことで、表皮が帯びる光沢は輝きを増していく。皮膚が吸収しきれない、表皮をコーティングするばかりのオイルは、もはや表面のパックである。
 旭姫は始終、中年に触られ続ける状況に抵抗を感じていた。
(陽翔なら平気なのに……)
 名前も知らない初対面の男の手は、旭姫自身が思った以上に嫌悪感をもたらしている。マッサージで得られる効果ばかりに期待を寄せ、こうまで嫌な感じがあるとは想像すらしていなかった。
 ここまで抵抗感があることに、自分で驚いているくらいである。
(でも、我慢だよね。スバル復活に近づくため!)
 スバル復活にはかつてのメンバーが揃うことが大前提だが、せっかくなら〈未来視〉のセンスも元に戻っていた方が、よりかつての状態に近いといえる。復活への思いを胸に、旭姫はぐっと堪えていた。
(我慢、我慢……)
 それにしても、旭姫が穿いているのはTバックだ。
 うつ伏せになった時から、中年にはお尻が丸見えになっている。マッサージ師として、れっきとした施術のためにやっていることなのだから、きっといやらしい気持ちはなく、真面目にやってくれているはずだと、旭姫としては信じている。
 しかし、そこに下心があってもなくても、お尻に視線が来ることに違いはない。それがたとえ、特に興味のなさそうな無関心な視線であっても、普通なら羞恥心を煽られる。
 恥じらいの欠けていた旭姫にしても、頬は染まり変わっていた。
(なんでだろう……なんで気になって来るんだろう……)
 お香の効果である。
 旭姫の鼻孔に流れ込み、その思考に影響を及ぼす香りの中には、羞恥心を増幅させる効果も含まれている。効果の幅には個人差があり、大して効かないケースもあるが、旭姫の顔は真っ赤な状態へと近づきつつあった。
 太ももに手が置かれる。
 旭姫の皮膚と、中年の手の平とのあいだには、オイルによって生まれたヌルヌルと滑りの良い層が完成している。そんな滑りの良い表面に手圧をかけ、膝の裏から脚の付け根まで、上下に往復を繰り返すと、そのたびに尻に指が接近してくる。
(うぅ……)
 お尻に手が当たってきそうな、際どい位置に指が来るたび、旭姫は繰り返しの緊張感に煽られている。波線グラフの波形のように、迫るたびに膨らむ緊張感は、お尻から離れることで一変して安心に近づくが、往復動作である以上、縮んだはずの緊張感は直ちに大きく膨らみ直す。
「旭姫ちゃん? そろそろ、お尻にもオイルをやっていくからね?」
 お尻を触るという宣言だった。
「う、うん」
「大丈夫かな? 我慢できそうかな?」
「へーき、我慢できると思う」
「それなら、やっていくからね?」
 尻たぶに直接オイルが垂らされ始める。
 皮膚に感じた冷気はすぐさま体温で温まり、旭姫の肉体に馴染んでいく。左右両方の尻たぶがオイルを浴びて、表面を伝って流れ落ちようとすることで、尻山にはヌラヌラとした輝きの円が面積を広げていく。
 広がれば広がるほど厚みは薄れていくのだが、薄れたところで量が足される。手の平に乗せたオイルが加わって、尻へのマッサージが始まるなり、皮膚に浸透しきっていく。
(うぅぅ……やだなぁ……)
 お尻を揉まれていた。
 手の平がしっかりと押し込まれ、ヌルヌルとした滑りの良さに合わせて円を成す。回り続けるような撫で方には、皮膚の内側を押し流すかのような圧があり、それがマッサージにおけるらしさを作る。
 今はまだ、その手つきにはマッサージとしての意味合いが宿っている。
 中年はその指でツボ押しを意識しつつ、リンパを押し流すかのようにもしている。ゲーム上の肉体には、医学通りのツボもリンパも存在しないが、魔力や闘気が流れる経路はあり、それに対する意識は十分だった。
 しかし、れっきとしたマッサージの意識が薄れるまで、もう時間の問題だ。
 ここまで催淫効果を含んだ成分が染み込んで、旭姫の肉体には溜まっているのだ。マッサージ上のタッチから、ただ欲望を満たしたいだけの手つきに変化するまで、そう長い時間はかからない。
(なんだろう……なんか、ヘンな気分……)
 旭姫は興奮しかけている。
 性的興奮というものを知らず、自分の置かれた状態がどんなものかを旭姫はうまく自覚できない。ただただ、変な感じがするとばかり思っているのが、今の旭姫の状態である。
 尻がヌルヌルだった。
 すっかり光沢を帯びた旭姫の尻に、さらにオイルが垂らされて、まんべんなくコーティングを帯びていく。瓶から伝う細い柱から、尻山の頂点に注がれるオイルの円は、表面を流れ落ちていくのに合わせ、面積を広げていきながら、割れ目の中にまで沈んでいく。
 Tバックの紐がかかった肛門にまでオイルは触れ、旭姫はぴくりと尻を反応させる。
(体が……なんだか……なんだろう、本当に……)
 頭が朦朧とし始める。
 呼吸が乱れ、やけに熱い吐息が口から漏れる。
 そして、旭姫自身に自覚はなくとも、アソコがヒクヒクと反応を始めており、ショーツには薄らと愛液の染みが浮かび始めている。リユニオンの世界において、何故だか汗や愛液の存在は再現されていた。
 さらに中年は背中のホックに指を絡めて外してしまう。
「え……」
 旭姫の顔は一瞬、凍りついていた。
「仰向けになってもらえるかな?」
「……う、うん」
 旭姫の姿勢が変わった時だ。
 中年はブラジャーに手を伸ばし、旭姫の胸から取り去った。今まで隠されていた乳首があらわとなり、旭姫の顔は赤らみが増していく。アイマスクがかかっていても、その内側にある緊張の眼差しが中年には容易に想像できていた。

     *

 剥き出しとなった乳房を視姦する。
 ニヤっと微笑みながら、遠慮無く視線を注ぎ込み、しかしすぐには触らない。手の平に乗せたオイルは肋骨や鎖骨に脇下など、乳房の周辺ばかりに塗り込んで、皮膚の表面を中心にして揉みほぐす。
 まるでデザートは楽しみにとっておくかのように、まだ乳房には手をつけない。
 たが、その代わりに目で楽しむ。
「旭姫ちゃん。乳首が大きく膨らんでるね?」
「え、そうなの?」
 困ったような上擦った声で返事をする。
「うん、そうなんだ。体が興奮している証拠だね」
「興奮って? あたし、どうなってるの?」
「大丈夫、何も異常なことはないよ? ただ今の旭姫ちゃんの体には、当たり前の反応が出ているんだ。暑かったら汗をかいたり、水を飲んだらトイレに行きたくなったりするみたいに」
 中年は気づいていた。
 旭姫は自分の興奮の正体をわかっていない。性的興奮というものを知らず、どうして自分は息を乱したり、皮膚を敏感にして乳首まで突起させているのかもわかっていない。旭姫の性に対する無知に勘付き、その新鮮さに面白みを感じていた。
「それって、どんな反応なの? なんかずっと、ヘンな感じがして……」
「うんうん。そうだね? 女の子って、男に体を触られると、反応するように出来ているんだ。生物としてそうなっているんだよ? 男と女で体の作りが違ったり、生き物によって色んな体の仕組みがあるように、今の旭姫ちゃんにはね? 私に触られ続けることで、とある反応が出始めているんだねぇ?」
「それって何? いいこと? 悪いこと?」
「良くも悪くもないかな。ほら、汗をかくのも、トイレに行くのも、良い悪いっていうものじゃないでしょう? ただ、体がそういう風に出来ているってだけのことなんだ」
 中年はひとしきりオイルを塗りたくり、おかげで旭姫の肉体は、今のところ乳房を残してまんべんなく輝いている。他にもアソコには触れていないが、秘所からは愛液が染み出して、オイルを塗らないうちから濡れ始めている。
 ならば一切濡れていない箇所といったら、もう乳房しか残っていない。
「ねえ、わかんないよ。あたし、今どうなってるの?」
「知りたいかい?」
「……うん」
 不安そうに旭姫は頷く。
「いいかい? 何度も言っているように、体の仕組みがそうできているだけなんだ。今の旭姫ちゃんは当たり前の反応をしているだけで、何もおかしいことはないんだ。まず、それはきちんと理解して欲しいな」
「わかった。だから、教えてよ」
「性的な興奮。つまり、エッチな興奮をしているんだ」
 中年がそう告げた瞬間だ。
 旭姫の顔には衝撃のような戸惑いのようなものが浮かんでいた。アイマスクがかかっていながら、そんな表情が十分に見て取れた。意味不明の言葉を受け止めきれない、どう理解していいかもわかっていない、ショックとも困惑ともつかないものが滲み出ていた。
「な、なにそれ。そんなヘンな気持ちなんてあるわけないよ」
「でもね? 普通の反応なんだよ? 何も食べずにいたらお腹が空いて、寒かったら肌が震えて、そして女の子は男に触られると興奮する。エッチな欲求が刺激されて、体の方にはスイッチが入ってしまうんだ」
「わけわかんない……あたし、そんな気持ち……だってあたしは……」
 きっと、こう言いたいのだろう。
 好きな人に触られているわけでもないのに、どうして興奮することがあるのか。名前も知らない初対面の中年に見られたり、触られたりして、不快感や抵抗の方が強いはずだと思っており、それを咄嗟には言葉に出来ずにいる。
 旭姫の幼い心理を見極めつつ、中年はますます肉棒を膨らませる。
「ま、とにかくね? おっぱいは恥ずかしいけど、しばらく我慢しようね?」
 と、中年は言い聞かせる。
「……うん」
 旭姫は不安そうに押し黙った。
 本当は抵抗が強くてたまらないかのような、これ以上続けることに躊躇う気持ちをひしひしと感じているが、中年は構わず施術を続行する。
「関節を伸ばしていくので、脚を上げてもらおうかな」
「こう?」
「両足とも上げて欲しいね。そうそう、押していくからね?」
 中年は指示を出し、旭姫に脚を上げさせる。
 そして、膝の裏側に両手をやり、真正面から体重をかけることで行うのは、旭姫にM字開脚をさせる行為であった。押し倒そうとするように、股関節を伸ばすためであるかのように卑猥なポーズを強いながら、剥き出しとなったアソコに視線をやる。
「……やだぁ……これ、恥ずかしいよ!」
 旭姫は耳まで赤らんでいく。
 嫌だ嫌だという気持ちの表れか、軽く首を振っていた。
「我慢我慢」
「でも、これじゃあ……」
「そうだね? アソコがすっごく目立っているね?」
「うぅ……!」
「それに下着に染みができているよ? これは愛液といって、女の子がエッチな興奮をした時に出て来る汁なんだ。あーあ、旭姫ちゃんはこんなにもエッチな気分になっちゃってるんだねぇ?」
 中年は一気に下心を解放していた。
 目論見を書くそうとする気配もなく、ねっとしとした猫なで声で囁いて、旭姫の耳にアソコの状態を語り聞かせる。
「なに言ってるの!? あたしそんな気分じゃないよ!?」
「じゃあ、エッチな快感っていうものを教えてあげるよ」
 その時、中年はいよいよ乳房に手を伸ばす。
 M字開脚から脚は解放しながらも、次の瞬間には胸を揉み、たっぷりとオイルをまぶして撫で回す。敏感な乳首をコリコリと刺激して、旭姫に多大な快感を与えていた。
「んぅぅぅぅ…………!」
「ほーら、刺激で声が出ちゃうね?」
「んっ、んぁ……なに……これ…………!」
「それがエッチな快感だよ? 本当は好きな人同士で楽しむ快感なんだけどね。今はマッサージの最中だから、オジサン相手に感じてもらうよ?」
 オイルを帯びた旭姫の胸は、存分に光沢を帯びていく。ヌラヌラとした輝きに、さらに瓶から垂らして量を足し、表面に厚みある層を作り上げる。数ミリにも及ぶオイルの層が乳房を包み、まるでラメで輝くかのようだった。
「んっ、んあぁ……あぁ……あっ、んぅぅ…………」
 乳首をやられればやられるだけ、旭姫は悩ましげに首を振り、両手を宙によがらせる。熱っぽい息を吐く。
「ショーツの方も脱いじゃおうね?」
「あ……」
 脱がしていくと、旭姫は一瞬だけ手を伸ばす。行っては嫌だと言わんばかりの右手は力なくだらりと落ちて、ショーツを掴むことなくベッドに伸びる。腰の真横で指までだらけ、無力なまでに脱力しきっていた。
 これで旭姫は丸裸だ。
「全裸になって、気分はどうかな?」
「気分って、そんなの……恥ずかしいに決まってるよ……」
 力のない、か細い声でそう言った。



 
 
 

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