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 触診を終え、中年はモニターを鑑賞する。
 空閑旭姫の肉体を調べた上、適切なマッサージの手順を頭の中に組み立て終えると、その後は説明を行った。
 どのような施術をして、それによってどんな効果を狙っていくか。
 センスの発動を阻害している何かがあるかもしれないので、それをなるべく取り除き、データの流れをスムーズにすると語りつつ、そのために必要な施術について述べたのだ。
 全身マッサージを行うため、専用の下着に着替えて欲しい。
 旭姫をそれに同意させ、更衣室に案内した後、中年はその盗撮映像の鑑賞を始めていた。

『あれ? 操作できない』

 旭姫はきょとんとしていた。
 テーブルの上にカゴを置き、その隣に専用の白い下着を置いているのだが、ここは現実の世界ではない。ゲームの中である以上、着替えはメニュー操作によって手軽に行える。旭姫は装備メニューの操作で服装を切り替えようとしたのだが、その操作は更衣室の中では不能となっていた。
「旭姫ちゃん。きちんと、現実と同じ着替え方をしようね?」
 それが目的の部屋である。
 きちんと普通の着替えをしてくれなければ、面白みに欠けるというものだ。
『うーん。しょうがないなー』
 盗撮に気づいていない旭姫だが、中年の独り言に対してちょうどよく、返事らしい内容の言葉を返して来る。しかし、自分が中年に返事を返した自覚すらなく、テーブルのカゴと向き合いながら、旭姫は仕方のなさそうな顔で脱衣を始めた。
 両手のガントレットを外し始める。その下に嵌めていた指貫の手袋を脱ぎ始める。両足の装備も外し、まずは手足から裸にして、次にベルトに取りかかる。
 外れた装備が、脱いだ手袋や靴下が、一つずつカゴの中に詰まれていく。
 ベルトを外した旭姫は、ノースリーブの上着を脱ぐために、胸からジッパーを下ろしていく。ジッパーが下がるにつれて、その内側が隙間から覗けて見える瞬間は、まだ肌の露出がないにしろ面白い。
 上着が脱げた時、旭姫は青いワンピース一枚の姿となっていた。
 盗撮されているなど夢にも思わず、何らの警戒心もない無邪気な顔で、上下一体のそれすらたくし上げ、旭姫は下着姿となっていく。白いショーツにブラジャーが現れると、それを見ている中年はますますニヤけて、鼻息を荒くしていた。
 背中に両手を回し、ブラジャーを外そうとする旭姫には、マッサージが楽しみそうなウキウキとした様子しか見受けられない。マッサージそのものというより、その効果が現れた結果こそが楽しみなのだろう。
 部屋にはカメラが複数ある。
 正確にはゲーム内の精霊やアイテムを駆使して、盗撮と同じ行為をしている。現実のカメラとは異なる存在で、モニターもシステムウィンドウの表示を利用しているが、そういった仕掛けをいくつかのアングルから仕掛けることで、モニターに映る旭姫の様子はいくつかに切り替えられる。
 中年はもっぱら後ろ姿と正面を眺めていた。
 ブラジャーの外れる瞬間は、やはり真正面から堂々と拝むに限る。カップが緩み、そして旭姫が肩紐を一本ずつ下ろす時、中年は期待感を膨らませる。前のめりになる意味などないのに、それでもモニターに向かって身を乗り出す。
「おっ、おお? おっ、ほほほっ、見えた見えた!」
 旭姫のブラジャーが胸を離れて、幼い乳房をあらわにしていた。。
 子供っぽさのせいか、もっと幼児体型の印象があったのだが、触診の際にもそれなりの発育は確認している。決して薄っぺらではないだろうとは思っていたが、実際にほどよい茶碗ほどの膨らみをしている。
 乳首も可愛く桜色で、ささやかな丸い突起は見ていて和む。
 そして、旭姫がショーツを脱ごうとした瞬間、中年はすぐさまアングルを切り替えた。正面側は下半身がテーブルに隠れてしまうため、背面を見た方が確実だった。
 モニターには旭姫の後ろ姿が映る。
 剥き出しのはずの背中は長い髪の下に隠れて、ショーツの尻にまで毛先は及んでいる。そんなショーツの両側に指を入れ、旭姫はそれを下ろし始めた。
 お尻はあっさりと見えていた。
 撮られているとは思ってすらいないのだから、何の躊躇いもなく脱ぎ去って、呆気なく裸になるのも当然だった。
 次に旭姫は専用の水着に手を伸ばす。
『えぇ!? なにこれ!』
 ショーツを持ち上げた瞬間、さしもの旭姫も驚いていた。
 中年が用意しているのは、布の少ない紐のようなショーツである。Tバックでお尻はまず間違いなく丸出しに、アソコに当たる布も心許ない。ワレメは隠れるかもしれないが、細長い三角形の布面積はまともなショーツに比べてえげつない。
 ブラジャーも乳首を隠すのに必要な面積しかなく、その三角形の大きさは男性の手の甲より少し小さいくらいだろうか。
『んー……。しょうがないかな』
 微妙そうな顔をして、旭姫は少しばかり引き攣っていたが、やがてTバックのショーツを穿き、ブラジャーも身につける。
 実に良い格好だ。
 お尻の割れ目に紐は食い込み、丸出し同然となっている。茶碗ほどの膨らみに当たった布も、覆い隠せる面積が限られており、横乳や下乳はしっかりと見えている。ただ裸ではないだけの、全裸にギリギリまで近づいた露出度で、旭姫は徐々に赤らみ始めていた。
『ヘンな格好だなー』
 旭姫は自分自身の姿を見下ろし、不満なような顔をしている。
 オイルを使用するため、普通の格好では出来ないと説明はしてあるが、やはり露出度の高さは気になるらしい。
 旭姫は落ち着きのない様子で更衣室を後にして、マッサージルームへと移動していく。



 
 
 

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