空閑旭姫は耐えがたい羞恥に飲まれていた。
乳房を見られ、アソコを見られ、次に中年が指示してきたのは四つん這いのポーズである。肘を突いた形で尻は高らかに、いかにも気恥ずかしい姿勢になることで、旭姫はますます赤面していく。
頭が羞恥で加熱され、脳に火が通ってしまいそうだ。
(お、お尻が……あぁ…………)
尻たぶに両手が置かれている。
アイマスクのせいで視界は閉ざされ、目を開けていようと、閉じていようと、どちらだろうと暗闇しか見えはしない。視覚がない分、触覚に意識はいき、尻に乗せられた両手を必要以上に如実に感じる。
ぺちっ、ぺちっ、ぺちっ、ぺちっ、ぺちっ……。
叩くかのような施術が行われた。
振り上げた手の平がペチッと勢いを帯びて貼りつけられ、軽い打音が鳴っている。左右の尻たぶでリズムを取り、一定の間隔でペチペチと鳴らし続ける行為のせいで、自分のお尻が楽器に見立てられている気になっていた。
実際、中年の動作はそんな形だ。
まるで手で太鼓を叩き続けているように、尻たぶを交互に打ち鳴らし、リズミカルな音を楽しんでいる。
そして、叩かれることで生じる軽い痺れが延々と走り続けて、旭姫はいつしか歯をきつく食い縛る。顎に力が入るあまりに、頬はみるみるうちに強張って、アイマスクにも関わらず目も強く閉ざしていた。
「これもね? マッサージの一種なんだ」
それが嘘か本当か、旭姫には判断できない。
たとえ嘘だと思っても、中年の頭の中には、旭姫ほど心幼い少女が相手なら、言葉巧みに納得させるための手札が揃っている。それらしい理屈を唱え、必要性をでっち上げることなど彼には簡単なことなのだ。
ぺちっ、ぺちっ、ぺちっ、ぺちっ、ぺちっ……。
旭姫はただ、屈辱に耐えている。
まぶたの開閉に関わる筋肉が強張って、アイマスクの内側では目尻に皺が深く刻まれる。両手はベッドシーツを握り絞め、拳が硬く震え始める。
「お尻の穴が見えちゃってるよ?」
「うそ……!」
「おっと、動かないでね? マッサージの途中だからね?」
中年は排泄器官が丸見えであることをわざと指摘し、旭姫の羞恥心を煽りながら、お尻の打楽器扱いを飽きずに続けた。
ぺちっ、ぺちっ、ぺちっ、ぺちっ、ぺちっ……。
オイルのたっぷりと乗ったお尻である。
皮膚に水気が浸透しきり、もうそれ以上の吸水ができなくなって、なおもオイルがまぶされ続けたことにより、数ミリに及ぶヌルヌルとした層が出来上がっている。そんなオイル濡れの尻にペチンと手の平が乗ることで、そのオイルは飛沫となって周囲に広がる。
ベッドシーツや床の上には、オイルで汚れたいくらかの細かな染みが出来上がっていた。
ぺちっ、ぺちっ、ぺちっ、ぺちっ、ぺちっ……。
そうして、延々と叩き続けた末である。
中年はようやく手を止めるが、尻に貼りつけるようにして停止した両手は、直ちに撫で回すために動き始める。オイルのヌルヌルとした滑りに合わせ、中年は旭姫の尻を存分に磨き始めた。
手の平が這い回る。
磨けば磨くほど輝きが増すかのように、手圧をかけて存分に撫で回す。ぐるぐると周回を続けるように、あるいは上下に、はたまたは左右に、さらには斜めに、ありとあらゆる形に軌道を変えて、執拗なまでに這い回る。
さらに中年は顔を近づけ、肛門と性器を至近距離から視姦した。
じぃぃぃぃ…………!
顔の気配は旭姫にも伝わった。
(やだ……見てる…………)
放射状の皺の窄まりが、その下にある幼いワレメが、いやらしい視線の洗礼を受けている。
旭姫自身はここまで来ても施術であることを信じており、だから性的な視姦をされているとは思ってもいない。お香やオイルの効果で理性が溶かされ、判断力が低下していることも手伝って、自分が性的被害に遭っている最中だということがわからなくなっていた。
(何をそんなに観察してるんだろう……でも、我慢しないと……)
マッサージ効果を得るためには、きちんと我慢しなくてはならない。
きっと、施術のために観察して、どこをどんな風に揉むべきか、そういうことを見ているに違いない。
その思いからぐっと堪え、顔から火が噴き出るような恥ずかしさに耐えてはいるが、もはや耳が焼け落ちるほどの羞恥に駆られているのだ。
ふぅー……。
その時、旭姫は驚愕した。
息を吹きかけられたのだ。
オイルがまぶされているせいで、風が当たるとひんやりとする肌は、肛門に吹きかける息により、皺がヒクっと収縮した。
「お、お尻の穴が可愛い反応をしたね?」
そして、言葉によってわざわざ指摘され、恥じらいの炎で脳が燃えるような思いに駆られる。
「ひん!」
さらに旭姫は声を出す。
性器の近くに触られたのだ。Vラインをなぞっただけの、性感帯を直接攻めたわけではないタッチだったが、すぐ近くをなぞられただけでさえ、旭姫は全身をゾクゾクさせた。熱っぽい興奮の震えと共に刺激が走り、膣の奥で電気が弾け、その感覚に驚いたのだ。
「なるほど? いい感じだね?」
中年はおぞましいほどに口角を釣り上げていた。
性器の周辺をひたすらになぞり始めて、旭姫はその刺激に翻弄される。指先だけで細やかにくすぐるタッチが切なさを作り出し、アソコがうずうずとしてたまらなくなっていた。
旭姫にオナニーの知識はない。
だが、もしもそうした快楽の存在を知っていたなら、一思いにアソコを触って欲しい。指を挿入して攻めて欲しい。そんな風に思ってしまう段階にまで、旭姫は仕上がっていた。
「さて」
中年はそんな頃合いを見極めた。
とうとうワレメを直接なぞり、その刺激の強さに旭姫は尻をビクっと跳ね上げる。なぞればなぞるほど腰は動いて、お尻が左右に振りたくられる。
「んぅ……んぅぅ……んぁぁ……!」
オイルなど関係無い。
愛液だけで十分にヌルヌルと、旭姫のアソコは滑りを良くしてしまっている。
中年は指を挿入した。
「あうぅぅぅぅ…………!」
中指をすっぽりと、根元まで収めると、中年はゆっくりと動かし始める。様子を見ながら徐々にペースを見定めて、膣内に出入りさせると、指と膣壁のあいだに起こる摩擦が激しい電流を生み出していた。
「あぁ……! やっ、やぁ……! ヘン! なんかヘン!」
「気持ちいいんだね?」
「だ、だめ! やめて! これはダメ! ダメだよ!」
ついに旭姫は訴えかける。
あまりの刺激と、膣に指が入ってしまった衝撃に、こればかりはやめて欲しいとばかりの叫びを上げるが、中年はそんな主張など聞き入れない。何も聞こえてはいないかのように、淡々とピストンを繰り返した。
「あぁぁっ、ダメ! ダメダメダメ! あぁぁ――――!」
それはすぐに起こった。
下腹部で見えない何かが膨らんで、その急速な膨張の末に弾けた瞬間、頭が真っ白になった挙げ句にアソコから潮が噴き出る。プシャっと軽い霧吹きのように飛沫が散って、その直後にはぐったりと、旭姫は全身を脱力させていた。
そして…………。
…………
……
それから、中年は愛撫を繰り返した。
四つん這いのアソコに指を入れ、何度も何度も執拗に絶頂させる。激しくも狂おしい快感の連続で、旭姫の頭は真っ白になり続け、いつしか何も考えられなくなっていた。
思考も感情もない。
ただ、刺激を受ければ喘ぐだけの存在――快感の波に晒されて、頭の中身を全て遠くへ押し流され、旭姫はそんな状態に陥っていた。
その挙げ句の果てが失神である。
ぐったりと、イキ果てた旭姫の有様といったらない。尻を高らかにした姿勢のままに、全身を脱力させている。無気力になった両手を投げ出し、シーツに頬を押しつけて、自分のみっともない姿もわからずに意識を手放していた。
そんなイキ果てたアソコから、愛液の糸が伸びている。
銀色の糸は長く長く伸びた末、やがてぷちりと千切れて消え、滴をシーツに染み込ませる。
もっとも、そこに染みが出来ることはない。
今まで噴き出た愛液と、マッサージに使い続けたオイルによって、とっくに濡れきったシーツには、もう新しい染みが出来る余地がない。今更新たに染み込んだところで、それ以上の色の変化などなかった。
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