夢音がフェラチオをしてくれる。
この異常なプレイの中で、こうなったら出来ることをしようと思っての、自分に対する気持ちを表した奉仕であると、俊樹にはしっかりと伝わっていた。
しかし、先生がそれを後ろから突き回し、気まぐれに邪魔をする。
「ほらほら、口が止まっているぞ」
自分で指示をしておきながら、フェラチオが始まればバックで突く。
それでも気持ち良かった。
コンドームを介していようと、薄い膜でしかないゴムからは、舌のざらりとした感触がよく伝わる。口腔の温度も感じられる。
「んじゅずっ、ずぅぅ…………」
寸止めのおかげで邪魔がなくなり、夢音が口に集中する頃には、もう五つものゴムを消費していた。俊樹の腰の周りには、片結びで精液を閉じ込めたものが散乱して、その一方で先生は何度も膣内射精を行っている。
「んずずっ、ずぅっ、じゅずぅ……」
夢音は実に丁寧に愛してくれる。
余裕さえあれば、両手を玉袋のマッサージのために使ってくれて、竿も睾丸も夢音に包まれる快感に、下半身があっという間に溶けそうだ。
五回も出したおかげで、今は長持ちしているが、一回目の時の俊樹は、自分でするより遥かに早く達していた。
「どうだ? 夢音のフェラは俺がたっぷり仕込んだもんでな」
「……そうですか」
「玉もきっちり舐めるし、竿の周りに唾液を塗り尽くすやり方もなかなかエロいもんだろ? お前、一回目はそれやってもらったよな?」
先生はまるで自分の宝物を自慢するように、夢音のフェラチオを語ってくる。
それも、一時的にピストンを停止して、腰振りから休んでいるだけで、肉棒そのものは夢音の中に収めたままだ。
(くそが)
先生が憎らしい。
だが、今は先生よりも夢音の方だ。
「夢音、誰に教わってようと、俺はすっごく嬉しい。俺が辛く感じてるのを慰めようとしてくれてる。その気持ち、伝わってる」
「んちゅぅ……俊樹っ、私……ね、いま、イキたくて……」
「ああ、イったって責めない。先生が変な台詞言わせたって、そしたら俺が夢音を慰める。俺にできることを何でもやってやる」
「ありがとう……俊樹、好きっ、本当に好き…………」
「俺もだよ。夢音、好きだ」
「俊樹……あっ、あん! あん! あん! あん!」
そして、このタイミングで喘がせるのが、先生としては面白くてたまらないわけなのだろう。
(こいつッ!)
俊樹は唇を噛み締める。
やはり、今回のピストンでも寸止めして、夢音には絶頂をお預けする。先生にイカされる姿を進んで見たいわけがないとはいえ、焦らしに焦らし抜かれる姿も、それはそれで見ていられない。
「うぅ……先生…………」
「どうした? イキたいか?」
「……はい」
(くっ、夢音…………)
それを認める夢音の言葉は、針が刺さるかのように痛い。
「オチンポでオマンコをイカせて下さいって、言えたらイカせてやるよ」
先生は夢音の陥落を確信しているようにニヤニヤ言う。
だが、夢音は激しく首を振り、それだけは拒否しようとしていた。
「なんだ? 言えないのにイカせて欲しいってか?」
「そうです……」
「なら、イカせてはやれないな」
「うぅ……なら、我慢……します…………」
本当はイキたくてイキたくてたまらなくなっているのが深く伝わる。
先生はそれを何度も寸止めして追い詰めた。淫語を交えた汚い台詞を言わせるためだけに、好きなように絶頂直前の場所へ連れていき、ピストンを停止している。
(どこまで……どこまでやれば気が済むんだ!)
力尽くでも止めたくなる。
本当なら、その気になればそう出来るのだ。
だが、こんなことでも命に関わる治療の一環となる以上、夢音を失っては元も子もない思いから止められずにいる。妊娠が決まり、出産が済むまで、約十ヶ月だったか。それまでのあいだ、俊樹にはセックスの機会はなく、目の前の男だけが夢音の膣を味わっている事実に窒息しそうになる。
息が辛い。
だが、夢音も我慢してくれている。
淫らな台詞を言わないためだけに、イカせて欲しいのを耐え抜いている。寸止めのたびに後ろを振り向き、請うような目をしながら、次の瞬間には目を覚まして首を振る。そんな夢音を見ていると、辛いようでいて健気さに胸を打たれる。
「夢音!」
たまらず俊樹は起き上がる。
四つん這いの夢音を撫で、愛情を伝える一心で頭を撫でる。頬に手を当て、顎をくすぐり、懸命に懸命に、手の平から心を注ぎ込むような思いで夢音に触れる。
「俊樹、俊樹……」
ピストンさえ止まっていれば、夢音はそんな俊樹に頭を差し出し甘えてきた。膝立ちになった俊樹の腹へと、少しでも俊樹の存在を求めて充電しようと、たっぷりと頬ずりしてくる。
「我慢……するから…………」
先生の思い通りではないところを見せようとしてくれている。
きっと、アイマスクをかけていた際の、俊樹がいるとは知らずに淫らな台詞を口にしてしまったことも気にかけて、その分を取り返そうと夢音なりの努力をしているのだ。
「夢音、よくやってる。十分耐えてるよ」
俊樹は夢音の努力を受け止める。
それに、こうして実際に先生との交わりを見ることで実感した。夢音が先生に抱かれる場面は心を抉られ、窒息さえしそうになるが、当の夢音は心を保とうとしてくれている。本当に好きなのは俊樹であり、先生は処置上の相手に過ぎないという姿勢を維持している。
その健気さに胸打たれ、こんな状況なのにますます夢音が愛おしくなる。
そして、愛おしさが増すことで、先生に対する黒い感情は強まるのだ。
*
寸止めされた回数はもう覚えていない。
俊樹の腹に頬ずりしてから、夢音はさらにいじめ抜かれて、もう十回以上はお預けを食らっている。理性には裂が走り、今にも崩れ落ちそうだ。
(イキたい……イキたい……駄目っ、こんなこと考えちゃ…………)
せめて、淫らな台詞だけは言わない。
何度ピストンされ、快楽に頭の中身を押し流されても、そこに俊樹がいるおかげでギリギリのところで自分を保てる。俊樹に頭や頬を撫でてもらい、慰めてもらうことで、いつも以上に耐え抜くことが出来ていた。
初めて寸止め地獄を味わった時なら、もうとっくに陥落していただろう。
まだ、耐えきれる。
いずれ、きっと限界は来てしまうが、まだまだ耐えられる。
(俊樹……いつか、いっぱいしようね……)
先生なんかより、ずっとずっと何回も俊樹と交わり、処置室でのことは全て過去に押し流す。妊娠すれば先生との関係は途切れるのだ。終わりのある関係なのだから、必ず先生とした以上のたくさんの経験を重ねていける。
(みんなみんな……俊樹にあげるから……)
教師に対して反抗的に、俊樹への愛でもある想いを胸にした。
この肉体を開発して、奉仕を仕込んだのは、全て先生かもしれない。先生との経験でフェラチオを身につけ、先生の手で感度を鍛えられてイキやすくなり、性に優れた体へと成り果てているが、仕上がったこの体はいずれ俊樹だけのものになる。
「俊樹……」
名前を呼びながら、夢音は腹部に頬を押し当てる。
頭を包む両手によって、強く埋め込むようにされ、その圧迫感が夢音には心地良い。
「俊樹、いつかのこと、考えよう? 私達を邪魔するものなんか、高校生になった後は何もないんだもん」
「そうだな。その時は、俺も夢音のこと……」
「うん、何でもするね」
「楽しみだな」
わざわざ下品で直接的な言葉を使う必要はない。
俊樹にはこれだけで伝わる。
今、こうして未来の約束をしたのだ。
誰よりも激しく愛し合い、胸のときめく時間を謳歌するのだと。
(俊樹……大好き……帰って来てくれてありがとう……私を好きになってくれてありがとう……)
思えば、最初に望んでいた通り、デートやキスだけは済ませてから、この処置室に入ることが出来たのだ。セックスなど知識だけで、経験は何もない。極限まで真っ白な状態で、穢れを知らない無垢な乙女の気持ちで手を繋いだ時間は幸せだった。
欲しかった思い出は手に入れている。
(ありがとう……ありがとう…………)
感謝の念を注がんばかりに、夢音は丹念に頬ずりを繰り返した。
(これからも……よろしくね……俊樹…………)
撫でてもらえるのをいいことに、夢音はすっかり甘えきる。
「おおっと、俺のもんが入っているのに、よくそんな空気になれるな」
「んっ、あっ、んぅぅ……!」
先生に腰を振られて、喘がされる。
「で、夢音よぉ。どうすんだ? まだ我慢しまくるか? それとも、観念して桃井にエロい台詞聞かせるか? 俺におねだりする下品な台詞を」
「まだ、限界ではないので……」
「限界まで粘るってか?」
「はい。どうせ我慢できなくなるって、わかってますけど、最後まで我慢します。思い通りにしたいんだったら、処置命令ってことにして、正式に指示して下さい。じゃないと、恥ずかしい台詞は言えません」
こんなにきっぱりとものが言えるのは、俊樹がそこにいるおかげで、いつもより気を大きくできるからだ。
「言うじゃねーか。こうなると、あと何分かけりゃいいのか、わかんなくなってくるな」
「諦めたらどうですか」
俊樹が言う。
「なんだ? 桃井、愛の力で強気になったってところか」
「そもそも、他にも処置の相手がいるんでしょう? 何なら、来年にも再来年にも。夢音にこだわる必要なんて先生には何もない」
「それはそうだ。教師としては、二人の愛の素晴らしさは褒めてやらないとな」
ちっとも褒めてなどいない、むしろ馬鹿にした顔が、わざわざ見なくとも目に浮かぶ。
「そうやって笑いたければ笑ってていいですよ? 俺達はいつか処置のことなんて忘れて、未来で存分に幸せを謳歌しますから」
「ああ、好きにしろ。何か対抗心を燃やしてるようだが、俺にとっての夢音なんて、来年には新しく入れ替わる仕事の一部だ」
「教師にとっての生徒はそんなもんですか。随分ぶっちゃけますね」
「本音を語ってやってるんだ。なんだかんだいって、夢音のマンコが気持ち良くって、気分はいいからな」
その時だった。
先生は急に夢音の腰を引っ張り、夢音のことを俊樹から引き離す。
「や……!」
夢音は反射的に抗って、俊樹にしがみついて離れまいとするが、そんな夢音への正式な処置命令が下される。
「処置上の努力義務を忘れるな? 体位を変える。俺に従え」
「…………はい」
まるで二人の愛に試練を課されたような気になりながら、夢音は顔を引き締めて頷いた。
この処置は法律によって決まったものだが、ワクチン体質の精液あってこそ女の子は助かる以上、女の子は射精を手助けする最大限の努力をしなくてはならない。そういった意味合いの条文が書かれている。
つまり、先生の指示するプレイに逆らいすぎれば、先生の胸三寸で厳重な注意や指導が下る可能性がある。
寸止めに関しては、自分は権力を行使していない。あくまでセックスの上手さだけで戦っている空気を先生自身が醸し出していた。意地でも我慢し抜くことには、ルールを破ってはまずいような抵抗はなかった。
今の体位変更の命令は違う。
厳格な声色一つで、先生が自分に有利な法を振りかざしてきたのだと感じ取れた。
先生は仰向けになろうとしていた。
結合を保ったままに、夢音の腰を引きずり寄せるようにしながら寝そべって、両足も前へと伸ばす。先生の動きに合わせ、夢音も先生の胴体に跨がる形に変わろうと、脚を動かし体位を変える。
俊樹と正面から向かい合っての、騎乗位の準備が整った。
(見せつけながら動けってことなんだ……)
しかも、それだけではない。
「桃井、お前は夢音のセックスを見ながらオナニーしろ」
「な? なんで……」
「ほら、従え。何度も言うが、変わったことをすれば心の原因が吹き飛んでいるかもしれないだろう?」
「今更ですけど、本当に効果があるとでも」
「なかったらなかったで、きちんと然るべき場所に相談するまでさ。だが、俺達三人の工夫で解決できたら儲けものだろう?」
理屈で言えば、命が助かるための努力である。
意味があるのかどうなのか、疑問があっても試してみる。物は試しだろうと、死にたくない以上は今の今まで従ってきた。一度は泣き喚いた後も、夢音はどうにか飲み込んで、ここまでプレイを続けてきた。
「俊樹、格好悪いみたく思ったりしないよ?」
「そ、そうか?」
やはり、抵抗があったのだろう。
女の子にオナニーを見せびらかしてみたいなど、変態の発想という気がしたのだ。
「それに男の子って、一人でするものなんだよね」
「それは、まあ」
「俊樹は私が変な台詞言っても慰めてくれたでしょ? だから、私も俊樹の一人ですることろを見て、変な風に思ったりしない。約束するから」
夢音が真剣な眼差しを送りつけると、躊躇い気味だった俊樹も腹を括った。
「わかった。見ながら、するからな」
「……うん。いいよ? こんな形になっちゃうけど、俊樹には私で興奮して欲しい」
そう言うと、俊樹は頷く。
肉棒を握り、オナニーの体勢に移っていた。
(……あとね。私もオナニーするってこと教えてあげるね。私の秘密、後で捧げるからね)
初めて処置を行った日の、恥ずかしい告白をされられた記憶が蘇る。顔が軽く赤らむが、今はそれより騎乗位運動の方だった。
「自分で動いて、自分でイクところを見せびらかせ」
夢音はそれを試練のように受け止める。
「……はい」
そして、動きだした。
俊樹が自らの肉棒を手でしごき、オナニーを開始する目の前で、夢音もまた腰を浮かせる。亀頭だけを膣に咥える高さにまで上がったところで、急に脱力することで腰を沈める。
パン!
と、尻から打音が鳴ると同時に、まるでバウンドのように浮き上げて、夢音は激しい上下運動を披露した。
「あぁぁぁ! ああん! あん! あぁん! き、気持ちいい! 気持ちいい!」
夢音は髪を振り乱す。
俊樹の視線をわかっていながら、イってもいいとなった途端にやはり快感を求めてしまう。膣から生まれる電流に脳を撃ち抜かれ、反り返った顔が天を向く。
「あああ! あん! あん! あぁん! あん! あぁん! あぁん!」
夢音は天井に向かって喘いだ。
ここまで我慢してきた体は、絶頂のチャンスとみるや一気に快楽信号をアソコに集め、急速に膨らませる。驚くほどの膨張速度に夢音自身が驚愕して、一体自分はどうなってしまうのかと怖くなる。
「――――――――――――――っ!?!?!?」
自分でもどんな声が出ているのかがわからない。
喉が壊れるほど大きな声を上げ、大きく仰け反りながらビクビクと、痙攣だけで胸を上下に揺らしている。夢音の絶頂に合わせたように、膣内には熱いものが放出され、とっくに満タンとなった子宮から溢れてくる。
膣壁と竿の隙間から白濁はおびただしく滲み出た。
「はぁ……はっ、はぁ……すごっ、すごかった……なにこれ…………」
いっそ感動さえするほどの絶頂で、脳に電流が走った余韻がまだ残る。それどころか、全身の指先にかけてさえ、快楽信号の生き残りがまだ神経の中を泳いでいる。
気づけば俊樹が複雑そうな表情を浮かべていた。
(ご、ごめん! あんな……気持ちいいなんて、口走って…………)
後悔の念を抱くが、俊樹は目で伝えて来る。
大丈夫、気にするな――視線から言葉が読み取れる……通じ合っている。
(ありがとう。頑張って、気にしないようにしないと……)
「今度は対面座位だ。こっちへ向け」
先生の指示に従い、向きを変えると、背中に両腕が回って来る。先生の胸板に夢音の乳房は押し潰され、密着感から伝わる体温に嫌悪する。俊樹に抱き締められた気持ちと、先生と密着する気持ちはまるで違った。
「顔をこっちに向けろ」
そう言われ、先生に視線を合わせた瞬間だ。
「んんっ!?」
唇を重ねられ、舌までねじ込まれた。
背中に回った腕の力で締め付けられ、片手は後頭部を押さえてきて、夢音には逃れる術がない。されるがままに頬張られ、口の周りを先生の唾液まみれにされていく。
ひとしきり味わうと、先生は夢音の髪に指を入れ、頭をやたらに撫で始めた。
「そーら、そろそろ動いてもらおうかなぁ?」
(先生……。私のこと、自分のものみたいに扱って……)
それを見せつけて楽しんでいるのだ。
自分は先生のものじゃない。
心の中で思ってみても、この流れで取る行動は、先生に従う上下運動だ。先生のものになりきって、物理的には手中に収まっている。この無念を言い表すための言葉が夢音には何も思いつかない。イった余韻があるままに、きっと次もまたすぐにイクだろう。
夢音は恐る恐る上下運動を開始した。
先生の肩に両手を置き、尻を触られながら動き出すなり、やはり凄まじい電流が弾けて体中に拡散してくる。
「あぁぁ……! あっあっ、あぁぁ……!」
自分がどんな淫らな顔で喘いでいるか、想像すらしたくない。
「あっ! あっ! あぁっ! あぁぁっ!」
だが、動かずにはいられなかった。
一度動き初めてしまえば、本当に気持ち良くてたまらない。これを自分の意思で中断するなどできっこない。
「あん! あん! あん! あん! あん! あん! あん! あん!」
夢音は自分自身の身体を激しく揺さぶる。
上下に動く乳房はプルプルと、弾み具合をそのまま先生の胸板に擦りつけ、乳首にすら刺激が走る。
(気持ちいい! 気持ちいい! と、俊樹……! 我慢できない! もう無理! こうなると無理なの! でも、でも……いつかは…………!)
ブレーキなど存在しないかのように、夢音は大胆に快感を求めていた。
体中がブルっと震え、イったことを自覚しながら、まだイキたりないとばかりに体は勝手に動いてしまう。
「あん! あん! あん! あん! あん! あん! あん!」
極限まで薄れた理性の中で、夢音は密かに夢見ていた。
いつかは必ず、俊樹と交わることでこうなるのだ。先生ではなく俊樹の腕に収まって、俊樹と共に絶頂を味わう時はくる。
(ここでっ、感じるのは……)
先生から得る快感には、それでも罪悪感を伴っていた。
理性が削れて薄らと伴うか、それとも理性を保ってはっきりと伴うかの違いがあっても、最後の最後まで罪悪感が消えることはなかった。
「あん――――!」
夢音はイク。
そして、膣内には再び精液が溢れかえった。
*
夢音のイキ姿を見ながらのオナニーで、俊樹はこれ以上なく惨めな気持ちを味わった。
我が物顔で、夢音を自分のもののように扱う先生の元で、夢音は何度も何度も絶頂した上、中出しまでされている。それに対して、自分は奉仕を受けたのもゴム越しで、そして夢音とのセックスが可能となる日を迎えても、俊樹はコンドームを付けるのだ。
男性用避妊薬は高価なのだ。
だからきっと、ほとんど半分以上のセックスはゴム越しで、生でした回数が先生を超えることはあるのだろうか。
その後は二人でシャワーを浴びに行くところを見送った。
ちゅぱっ、ちゅぱっ、
と、浴室で反響する音がシャワー混じりに聞こえて来て、きっとフェラチオだと思った。
(夢音……夢音はそれでも、俺のことを……)
連続でイっている最中も、夢音の体中から放出される気配から、わずかな罪悪感を俊樹のアンテナはキャッチしていた。悪い悪いと思いながらも、気持ち良すぎて激しく動く。そんな夢音の葛藤が俊樹にも伝わっていた。
だから、やはり俊樹が夢音にかけてやるべき言葉は変わらない。
――大丈夫だ。気にするな。
本当は胸が痛い。
内側から引き裂かれ、骨までズタズタにされているような苦痛で、俊樹は胸に両手を当ててしまう。
「大丈夫……俺は、夢音のためにも平気でいないと……」
それは使命感だった。
夢音の中に罪悪感がある以上、処置室での出入りを終え、妊娠で腹を膨らませることになる夢音を、自分が受け止めてやらなくてはならない。俊樹の胸こそ、夢音が戻ってくるべき場所なのだ。
(俺の胸は、何があったって、夢音にとって居心地のいい場所にしておかないと)
決意を込めて、胸に当てていた手を拳に変える。
ちゅぱっ、ちゅぱっ、
未だ聞こえるフェラチオの音に耐え、唇を噛み締めながら、俊樹は夢音が出て来る瞬間を待ち侘びる。
シャワーの音が止まってから、しばしが経過した後だった。
「いやー。今日は何回も出してしまった」
実にスッキリと満足しきった顔で、裸の夢音に手を回し、尻を撫でながら先生は出て来ていた。夢音は小さく縮こまり、気まずいような申し訳ないような、そんな眼差しをしていたが、俊樹からは目を逸らさなかった。
「ほら、戻っていいぞ」
ペチン! と、先生は夢音の尻を叩いていた。
満足したから返してやると、そう言わんばかりの態度であった。
(ふざけやがって)
俊樹は先生を睨む。
しかし、夢音のことはしっかりと抱き留めて、その耳元へ囁いた。
「帰ろう。一緒に」
「……うん」
俊樹は夢音の手を握り、夢音もその手を握り返す。
先ほどまで先生の逸物を咥えていたであろう唇へと、構うものかとキスをして、それに夢音は目をうっとりと細めていた。
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