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 佐藤始はかつてないほど興奮していた。
 ネットで見つけたどんなアダルトよりも、学校でよく知る女子と、それも憧れの有村沙弓とセックスができる事実に、自分がご褒美の対象に選ばれただけで硬くなり、その日が来るまで毎日のようにティッシュを消耗し、日程を迎えてなお、朝からズボンのテント張りが止まらなかった。
 始だけではない。
 村田武史、藤村拓也、沙弓ファンである三人組の全員がご褒美対象となり、まずは始が最初にありつくことになっている。
 事前に調べ、イメージ練習までしたのが良かった。
 しかも三人連続で順番が回って来たので、結果としては三人がかりで沙弓を調教して、順調にイカせた流れになったのがなお良かった。
 おかげで仲間全員が選ばれて、まずは始が沙弓を味わう。
(ざまーみろ、白石冬馬)
 彼氏に対する勝ち誇った思いを胸に、始は指定のホテルに足を運んで、驚くような高級ルームに進んで行く。
 既に待っていた沙弓が始を出迎えるが、途端に気まずくなった。
「よ、よう。まさか、こうなるとは思ってなかったぜ」
「そりゃそうね。あたしも」
 心なしか、目が冷たい。
 それはそうなのだろうか。
 残念ながら、沙弓にとって自分は恋人でも何でもない。沙弓の立場では、これから好きでもないクラスメイトとのセックスを余儀なくされる。嫌な時間の始まりだろう。決して好き合ってのセックスにはならないことは覚悟していた。
(けど、少しキツイな……)
 とはいえ、こんな形でもない限り、既に決まった相手のいた沙弓とは、決して性交する機会はなかっただろう。
「制度だもんな。今の有村さん、俺の言うこと聞かなきゃいけないことになってるんだよな」
「そうね」
 冷たく鋭い視線が突き刺さる。
 どうせやることはやるんでしょう? とでも言いたげな視線に思えてくる。
「まあ、その。正直、有村さんには嫌われるかもしれないけど、ぶっちゃけヤれることになってるのに我慢するのは無理だから、頼むな」
 少しばかり気が咎める。
 始という人間は、そもそも隠し撮りで人の写真を集める人間ではあるが、そんな始であっても、真正面からの責める視線には狼狽えもする。
 だが、だからといって抱かないという選択肢はない。
 始は緊張ながらにシャワーを浴びに行き、お互い上質なベッドの上へと上がる。一糸纏わぬ姿となり、今度は沙弓が自分を認識している状態で、本番も有りという条件下で開始するのだ。
 まず、揉み始めた。
 手が胸に吸い寄せられ、自然と真っ先に鷲掴みに、柔らかな弾力を味わい始めていた。
「ふん。授業の時とは大違い」
「……わ、悪かったな……校長と経験積んでる有村さんと違って、こっちはまだ童貞なんだよ」
「そうね。なるべく早めに満足して、早めにあたしを解放して欲しいんだけど」
「そ、それはできない! たとえゲスに成り下がろうと、こんな二度とないチャンスはきっちり味わうからな! 俺は!」
 始は声高く宣言しながら、その顎を指で掴んで唇を奪い撮る。
 校長からの助言によって、沙弓にはあらゆる拒否権がないことを知っている。過度な拒絶の意思を示してきたら、それを法律違反として扱うことが可能であると教えられ、沙弓自身も自分の立場を知っている。
 だから始としては、拒めない沙弓に対してキスをしたのだ。
 右手で胸を揉みながら、無理にでも頬張り舌をねじ込む。始は瞬く間に欲望に飲み込まれ、無我夢中で味わった。自分の舌を沙弓の舌に絡めようと躍起になり、血走った目で唾液を送り込み、糸を引かせて口を離すと、沙弓は驚くほど表情を歪めていた。
「……くっ、くぅっ」
 涙の滲む睨まんばかりの表情で、恨めしくてたまらないような視線を向けてくる。
 憧れの女子にこんな顔をされてしまっては、胸にじわじわ効いてくるものがあったが、構うものか。
 始は乳首にしゃぶりつき、ベロベロと舐め回して吸いついた。チュウチュウと音を立て、大胆に頬張り口内で舌を使う。舌先で乳首を転がして、アソコの方へも手を伸ばす。クリトリスを指先で見つけ出し、クリクリと擦り始めた。
 実践授業で見せた丁寧なやり方は、もはや半分以上は忘れている。
 ただ、辛うじて乱暴な加減にはしておらず、どうにか痛みは与えていない。そして時間制限もない中で、愛撫はいくらでも可能である。
 時間はかかった。
 しかし、夢中で貪りついていた始には、自分がどれだけ長々とアソコを嬲り、乳房を愛でていたかの自覚もなく、気づけば乳首を突起に至らせていた。クリトリスの肉芽が立ち、敏感になっていた。
「んぁ……あっ、あぁ……あぁぁ…………」
 膣をほじられ声が出るまで、向こう一時間以上はかかっている。
 それだけあれば、さすがに指には愛液が絡み始めて、クチュクチュと少しずつ音が聞こえるようになってくる。膣口から引き抜けば、ねっとりとした糸が引くようにもなっている。
「フェラ、してくれ」
 鼻息荒く、始はベッドを足場にその場で立ち上がる。
「…………」
 沙弓はいかにも何かを言いたいような、憤然としたものを目に浮かべる。鋭い瞳で睨まれれば、さしもの始も身が竦みそうになるのだが、隆起しきった肉棒の方は決して縮みそうにない。
「やってくれよ」
「……ふん」
 沙弓は一度だけ顔を背け、態度で拒否を示しながらも、根元を握って咥え込む。
「おぉ……!」
 生まれて初めて咥えてもらう始には、自分の右手では決して味わうことのない、夢のような体験だった。口腔の温かさに包み込まれ、舌の感触も当たって来る。何より、自分の肉棒に向かって人格ある一人の女の子の頭が前後してくることの充足感がたまらない。
 肉体的な快楽は言うまでもない。
 立っている自分の前で膝を突き、奉仕をしてくる沙弓という構図を思うと、絵として見れば女を従えている形に他ならず、精神的にも快楽が膨らんでいた。
「す、すげぇ……!」
 始は感激していた。
 肉棒にせり上がる射精感は、オナニーなどより遥かに早く限界を迎え、もう出てしまうことを事前に伝える暇もなく、始はすぐに発射してしまう。人の口内に出すことで、精神的な満足感はますます肥大して、始は完全につけあがった。
「なあ、飲んでくれよ」
「……っ!」
 ピクっと眉が反応して、沙弓は睨み上げてくるのだが、精液をこぼさないためなのか、何なのか。その唇には肉棒が収まったままである。怒った顔をされたところで、咥え顔では滑稽なだけだった。
 沙弓はいかにも不本意そうに喉を鳴らして嚥下する。
 その様子に、自分のエキスが沙弓の中に浸透したかのように思えて、ますます面白い気分になってきた。
「飲んだけど?」
 だから何? と言わんばかりに、いかにも強くにぶっきらぼうな態度を取る。
「なあ、有村さん。お掃除ってやつも頼んでいいかな」
「は?」
「いいだろ? ってか、今は俺の言うこと聞かなきゃいけないはずだろ?」
「そうだね。そうだけど、心の中では軽蔑するから」
 そうはっきり言われると、やはり胸に来るものはある。こうしてゲスに振る舞ってみたところで、所詮自分はこういうことでショックを受ける人間らしい。校長のように権力を振りかざし、思う存分に女を食い散らす生き方は、自分には向かないのかもしれない。
 だが、今だけは楽しみ抜いてみせる。
 精液のぬかるみが残った肉棒へと、ペロペロとした舌掃除の感触が触れてくる。あの沙弓が自分の肉棒から汚れを舐め取り、綺麗にしてくれているくすぐったさは、この上なく最高だ。裏側が、側面が、亀頭の周りが、あらゆる部位が舌先でチロチロとされる快感も、唇で吸いつかれ、チュウチュウと吸われる気持ち良さもたまらない。
 単にフェラチオ自体なら、検索すれば無修正の動画だって発見できる。とっくに見たことのある始であるが、憧れの女子の唇が直接触れ、画面越しではなく目の前にその光景があるというのは、動画など比較にならない興奮だった。
「そろそろ、本番させてくれよ。あ、有村さんっ、ゴムだって、ちゃんとするからさ……」
 急に緊張が蘇る。
 対する沙弓は、緊張よりもクラスメイトと交わることへの嫌悪や抵抗感を浮かべる方に忙しく、微塵も緊張はしていない。さすがに校長と回数を重ねることで、緊張するしないといった方面の本番慣れは、とっくにしているわけなのだろう。
 始はコンドームを手に取って、生まれて初めて包装パックを手で破く。
 だが、知識はあっても装着は初めてで、緊張で手が少し震えるせいか手間取った。
「貸して」
 それを冷めた目で見ていた沙弓は、仕方がなさそうにゴムを受け取り、その手で始の肉棒に重ねて装着してきた。白い綺麗な手によって、肉棒がゴムの色合いに包み込まれて、いよいよ挿入の準備は整った。
「……アンタの言う通り、あたしは拒否とかしたらまずい立場にいるから、したいって言われたらさせてあげるしかない。せめて一回で済んでくれると助かるから」
 特に期待などしていない顔で、一応注文だけはするようだ。
 始にはそんなものを聞き入れる余裕はない。
「は、早く……!」
 ただただ、初めてのセックスを味わいたい。早く挿入してみたい。そんな欲望が膨らむだけ膨らんで、そんな気遣いなど頭の中には入らなかった。
 沙弓が横たわり、軽く脚を左右に広げる。
 始はそのあいだに己の腰を押し込んで、ワレメに亀頭を擦りつけた。切っ先で上下になぞり、しばし入り口を探っているうちに、亀頭が膣口を見つけ出す。先端が埋まったことをきっかけに、そのまま一気に半分まで沈んでいくと、始は歓喜の眼差しで沙弓の穴を貫いた。
「んんんぅ……! んぁ……!」
 凄い! 有村が喘いでる!
 俺のチンコで!
 始の中にある感情は、この一瞬でそれが全てとなっていた。
「あぁ……! あぁっ、あん! あん! あん! あぁん! あっ、あぁ! あぁぁ……!」
「有村、有村っ、すげぇっ、すげぇよ……!」
 始は必死に腰を振り、技巧も何もあったものでなく、ただただ夢中でがっついて、何かに憑かれたようにピストンを早めていく。必死になって腰を打ちつけ、しかしそんな肉棒の出入りでも、沙弓は十分に感じていた。
「あぁ! あん! あん! あぁっ、あっ、くぅぅ……!」
「くっ! もう出る! くそっ、うぉおおお!」
 あっという間に搾り抜かれて、沙弓の膣内でコンドームを膨らませる。それを引き抜いた始は、まだまだ足りないとばかりに次のコンドームの包装を破く。次は自分で装着してみせ、それだけのことでいい気になって、沙弓の体に食らいつく。
「んんんぅ! んっ、あん! あぁん! あっ、あん!」
「有村ぁ! すげぇ! すげぇ!」
 それしか言葉は出ていなかった。
 二度目はもう少しだけ保ったものの、やはり数分以内に出てしまい、しかし三度目の挿入をしようと夢中で包装を破き始める。
 こうして、使用済みのコンドームが沙弓の周囲に増え続けていた。
 片結びで縛った内側に、温かい精液の溜まったものが、沙弓の寝そべる周囲に一つまた一つと散乱して、次のコンドームへと付け替えるたび、だんだんと挿入が長持ちしている。しだいに五分以上持つように、十分以上持つように、その日のうちにセックスを身につけて、みるみるうちに上達していく始の腰振りは、もはや素人のものではなくなっていた。
 数時間前まで童貞だった少年が、立派に沙弓を喘がせていた。
 やっとのことで興奮が落ち着いて、頭を冷やして冷静に振る舞う余裕が出てくる頃には、すっかり果てた沙弓の周りに十個以上の使用済みが並んでいるのだった。

     *

 有村沙弓はこうしたセックスをあと二回は体験した。
 始が終われば次は村田武史が、その次は藤村拓也が、三人ものクラスメイトが沙弓のことを存分に味わい尽くし、それぞれがその日のうちに上達した。最初はしどろもどろに手を触れたり、かと思えば急に欲望に飲み込まれ、獣と化して貪りついていた。
 沙弓が体験したセックスは、単に仰向けのまま性感帯を愛撫され、途中でフェラチオを挟んだ後で挿入という、判で押したように決まりきった流れであり、バック挿入や対面座位、お風呂プレイといった特別なことは何もない。
 校長であれば要求してくる内容がなかったのは、せめてもの救いだっただろうか。
 いいや、好きでもないクラスメイトとのセックスに、そもそも救いも何もないのだが――。
 ただ一つ、沙弓にはまだ問題が残っていた。

「最後は複数プレイの相手をしてあげてね?」

 にっこりとした校長に命じられ、やっと三人が済んだ矢先に、四回目のセックスを命じられた時の気持ちといったらない。山を登りきったのに、その直後にもう一つ登れと言われたような絶望感で顔が引き攣ったものだった。

 そして……。

「んっ! んっ、んぅっ! ん! ん! ん! ん! ん!」

 沙弓は前後から穴を塞がれていた。
 武史の逸物を咥えたまま、後ろからは拓也に突かれ、四つん這いの二穴責めを受ける沙弓は、バックからの腰振りによって身体を揺らされていた。
「んっ、ん! ん! ん! ん! ん!」
 いくら沙弓でも、校長と一対一の経験しかなかったのに、こうして口も膣も塞がれるのは初めての体験だった。
 ピストン運動によって尻を打たれ、パンパンと激しい打音が鳴ることで、そのリズムに合わせて身体が前後に揺れる。勝手に動いてしまう身体は、自動的に頭を前後させる形となり、そうやってフェラチオを成立させて、沙弓は二人同時に相手をしていた。
「んっ! ん! ん! ん! ん!」
 喘ぎ声は声にはならず、口の塞がった隙間から、どうにか漏れ出る呻き声ばかりが沙弓からは上がっている。
 後ろにはゴムがあっても、前にはない。
 射精の段階が近づくと、膣内でゴムが膨らむ一方で、口内射精の上に飲まされた。
「飲んでね? 僕の精液、飲んでね?」
 嬉々として飲ませようとしてくる武史に応じて、沙弓は喉を鳴らしていた。
 あらゆる形で複数プレイは行われた。
 この二穴責めが済んだ直後に、始が沙弓を押し倒し、正常位で挿入する。始の逸物が収まって、その出入りが始まるや否や、残る二人も沙弓の顔を挟んで迫ってきたのだ。

 ぷにっ、

 と、亀頭を頬に押しつけられた。
 左右からの肉棒で、同時にやられ、二本を同時に手コキするように命じられた。
「あぁっ、あぁっ、あん! あっ、あっ、こんな……あっ、あぁ……!」
 どんなに思うところがあっても、この複数プレイは校長によって保障されてしまった内容だ。制度に則った指導内容とされており、だから沙弓には拒めない。
 沙弓はしごいた。
 校長と交わるだけでも、冬馬に対する申し訳なさで心が溢れ、罪悪感を覚えたものだが、経験人数さえも強制的に増やされて、四人分もの肉棒を知ってしまった。まだ一度も冬馬とはしていないのに、どうしてこんなことになっているのか、あまりの理不尽さに一層のこと子供のように泣きじゃくってやりたくなる。
 だが、沙弓は泣かなかった。
 こんな奴らのために泣くなど真っ平で、沙弓はこんなプレイの中でも意地を保って、ただひたすら苦行に耐える時間と思って手コキをこなす。
「あん! あぁん!」
 喘ぎながらも腕を動かし、そのうちに舐めろと言われたので、右のペニスを、左のペニスを、交互にペロペロと刺激しながら、正常位によって突かれ続ける。
「あん! あぁ……あむっ、ちゅぅ……!」
 腰がぶつかる衝撃で、シーツの上で身体は微妙に前後するが、それでもどうにか口をやり、右をしばらくしゃぶったら、左のペニスをペロペロとしてやった。
 そして、この形でのプレイが済んでも、まだ次のプレイが、その次のプレイが残っている。
 始が沙弓の腹に馬乗りになり、パイズリを行って来た。人の乳房を性処理道具のように使い、その手で肉棒をしごきはじめる。その下では挿入が行われ、今度は挿入とパイズリが同時に行われるプレイとなった。
 騎乗位で上下しながら、左右から来る肉棒を手コキして、交互にフェラチオしながら弾み続けた。
 二穴責めでの騎乗位となり、下から突かれながら、直立した相手に向かって頭を前後させ続けた。
 一対一のプレイでは交代で沙弓を味わい、余る二人は休憩しながら、沙弓には休憩など与えられない。
 最後の最後で三人組が行ったのは、沙弓の体中を精液で汚し尽くすことだった。
 まだこんなに出せたのかと驚くほど、幾度とないオナニーで搾り出し、肩にも胸にも、腹にも脚にも、いたるところに出し尽くして、ようやく地獄は終わりを迎えた。
 最悪としか言いようがなかった。
 実践授業が始まってから、三人相手のプレイが済むまで、悪夢が続いていたようなものである。
 もう嫌だ、もうたくさんだ。
 さすがのさすがに、もう本当にこの地獄から解放して欲しい。
 性教育だというのなら、真っ当で幸せなセックスというものをさせて欲しい。
 未だに冬馬とはしていないことを気にかけて、早く冬馬だけとセックスをして、恋人以外とは何も起きない、ただの当たり前の状況が欲しいと願っていた。




 
 
 

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