空閑旭姫は大胆なM字開脚を披露していた。
テーブルで仰向けに、腰の下に枕を敷くことで、少しばかり角度を調整した股は、この場にいる全員の視線に晒されている。
レオーノヴィチの指示により、自分自身の手で脚を掴んで左右に広げ、平らに近いまでになったアソコはよく目立つ。幼げなワレメと薄桃色の肛門は、無残にも丸見えとなっていた。
「ははははは! いい格好だな! あの元スバルのメンバーがよぉ!」
レオーノヴィチは勝者の喜びに浸っていた。
「せっかくだから自分でも見てみたらどうだ? その大胆極まりない格好をなぁ!」
その瞬間だ。
旭姫の前にはホロウインドウが出現して、真っ赤な顔で恥部を晒した自分自身の姿がそこには映し出されていた。
胸も、アソコも、肛門も、全てである。
人から見た自分の姿がそのまま明らかとなり、旭姫の頭は羞恥心によって加熱した。こんな姿がみんなの目に焼き付いているのかと、脳が蒸発するような激しい感情に駆られ、旭姫は耳の穴までまんべんなく、余すことなく綺麗に染まりきっていた。
「茹で蛸みてーだぜ? 乙女だもんな? 花も恥じらう可愛い可愛い女の子には、ちょいと残酷すぎたかもな?」
「うるさい! いつまでこうしてればいいの!?」
「まだ始まったばかりだろ? じっくり観察してやるから楽しみにしな」
レオーノヴィチはわざとらしく顔を近づけ、至近距離からの視線照射を行った。
ワレメの皮膚をじりじりと焼かれるような感覚に、旭姫は歯を食い縛るあまりに顎の筋肉を強張らせ、大いに歪めた。ただ視線を注がれるだけが拷問のように苦しく、恥ずかしさで頭が今にも弾け飛びそうになっていた。
「しっかし、随分と気にするんだなぁ? ま、それもそうか。ゲームっつっても、感覚は現実と同じだもんなぁ?」
「うぅぅぅ……!」
「尻の穴もばっちりだ。現実と同じにできてるかは知らねーが、シワまできっちりグラフィックが作り込まれているじゃねーか。本当にいい世界だぜ、ここはよぉ」
レオーノヴィチが繰り出す言葉の数々は、旭姫にとって胸を刃物で抉られているように辛かった。中身を抉り出されるように苦悶して、赤面極まる顔からは、ありもしない蒸気が上がりそうな勢いだ。
ここはゲームの世界なわけだ。
あるいは、そういう演出設定さえ存在すれば、本当に頭から煙が出ていただろう。
「ほーれ、穴を見てやる」
レオーノヴィチの無骨な指で、旭姫のワレメが開かれる。
「やぁぁぁ……!」
旭姫の頬はより一層、じわじわと加熱していく。
「綺麗なピンク色をしてやがる! おらおら、どんな気分だ? お前の映像はみんなに共有してるんだぜ!」
「お願いもうやめてよ! もう十分だよね!?」
大声での実況は周囲を盛り立て、そして旭姫のことは苛んでいた。
「駄目だ。まだ検査は終わってない」
「なんで!? もう十分見たよね!? パンツまで調べたくせに!」
「ここの穴は調べてねーだろうが」
「そんな……!」
青ざめようとした旭姫だが、赤面しきった顔は他の色には変わらない。ただ表情だけが一変して、背筋には鳥肌が立っていた。
赤面さえなければ、旭姫は顔面蒼白のはずだった。
いかにも図々しい男が無骨な指を見せつけて、これから穴にねじ込んでやると言わんばかりにニヤけるのだ。そんなレオーノヴィチに対して、旭姫は自分の身体が乱暴に扱われることへの恐れを抱いたのだ。
丁寧で優しい触れ方など期待できない怖さがあった。
「安心しろ。痛みを与える設定は使わない。多少の無茶をやっても関係ねーだろ。それにゲームで処女膜をやられようと、現実の肉体には関係がないはずだからな」
ログアウトができない事実など知らないレオーノヴィチは、ここで旭姫を辱めることに関して、その程度にしか思っていない。
「んんんん!」
旭姫は呻いた。
レオーノヴィチは何の気遣いや丁寧さもなく、ローションはおろか唾液をまぶすことすらない指で、いきなり膣への挿入を行った。
ゲーム上の世界に、痛みという処理が発生しない。
ただ、自分の体内に異物が入り込み、それが出入りしてくる感覚は、旭姫にとって確かなものだ。デリケートな部分を無茶苦茶に扱われ、現実ならどんな負担がかかっているかもわからないピストンに、膣壁に何度か爪があたって心底からゾっとしていた。
本来なら、内側に引っ掻き傷ができていて、どんな痛みになっているだろう。
内臓を直接握られているほどの不安と恐怖が旭姫にはあった。
「やだ……やだ……!」
そんな旭姫の抱く拒否感は、いかに切実なものであるか。
それは乱暴さに対しする気持ちだけではない。
そもそも、心を許した相手でなければ侵入を許すことのない、アソコという究極のプライベートゾーンである。よりにもよって、レオーノヴィチの指が入っている事実だけでさえ、心に負担がかかっていた。
「抜いて! もう抜いて!」
「へっ、まだ入れたばかりだろう? このまま、きっちり検査してやるからな?」
そう言いながら、レオーノヴィチが行うのは、嬉々としたピストンばかりである。何もないのはすぐにわかることのはずなのに、面白がってやめようとしないのだ。
「んっ! やだ! やだってば!」
「温かい感じがわかるぜ? 最初はな、ほっぺの内側が乾き気味みたいな感触だったのが、すぐに濡れてきてやがる! エロいんじゃねーか? 旭姫よォ!」
「なんで!? どういうこと!? 変態なのはそっちじゃん!」
「なーにを仰いますか。それとも、愛液もわからないほど知識がお子様なのかな?」
「わけわかんない! 愛液って何!?」
旭姫は本気でそう叫んだ。
意味のわからない、理解できない言葉を使われたようにしか感じられない。
「こいつは驚いた。マジに知識がお子様とはな」
レオーノヴィチは指を抜く。
それを周囲に見せびらかすように、高らかに掲げた時、取り巻きの歓声が広がっていた。愛液にまぶされて、湿りによる光沢を帯びた指先は、旭姫を感じさせた勲章であるかのように見られていた。
そして、誇らしげに剣でも掲げるポーズを取って、濡れた指を誇示しているのが、当の旭姫にはわからない。何がそこまで誇らしくて、自慢になるのかが理解できなかった。
「わからないなら教えてやるか。旭姫、愛液ってのは、エッチな快感を感じた時に出てくるエロい汁だ。こいつが出たってことは、お前はエッチな興奮をしたってことだ」
「し、してない……」
「おおっと、誤魔化しなんてできないぜ? なんせ、証拠がここにあるんだからな」
濡れた指を旭姫に突きつけ、旭姫にも見せびらかす。
「意味わかんないよ!? 本当にそれがなんなの!?」
「だから――」
「馬鹿みたい! 何が自慢なのか全然わかんないもん!」
「けっ、そうかよ」
旭姫の半ば以上本気の叫びに、さすがのレオーノヴィチも白けた顔で舌打ちする。ここまで旭姫の辱めを行った身としては、感じた証拠を突きつけることにより、恥じらうなり悔しがるなり、はたまた泣くなりして欲しかったところである。
何か面白い反応をして欲しかった。
だが、当の旭姫からすれば、レオーノヴィチがどうして嬉しそうにしているのかが、まるでわかっていない。女を感じさせ、濡らしてやった誇らしさというものは、旭姫からの理解を欠片も得られていなかった。
羞恥や屈辱を煽っても、これではピントがずれている。
悔しさも何も感じてくれない相手をゲームで倒し、必死に勝利宣言をして誇ろうとするかのような、ともすれば男の方が馬鹿らしいかのような状況に、レオーノヴィチは煽ることに関して萎えていた。
「むぅぅぅ…………」
旭姫は涙目でレオーノヴィチを睨みつける。あどけない顔立ちなりの、渾身の目つきは、内に溜め込んだ怒りや屈辱を電波信号のように放出して、見るもの全てに旭姫の感情をひしひしと伝えている。
だが、これはあくまで、アソコをいいように調べ尽くされたことに対してだ。
愛液が出たことも、それを本人に対して誇ることも、旭姫を辱めることには繋がっていない。性的な快感や愛液の知識など、つまりエロスの方面に関するものが、高校生にしてはあまりにも欠けていた。
妙なものだと、レオーノヴィチは薄らと感じるが、かといってこの疑問について深く考え込むわけでもない。
「まあいい。検査といや、もう一つの穴もほじくらないとな」
「もう一つって、まさか……」
旭姫はひどく引き攣っていた。
穴に指を入れる宣言をした方が、よほど面白い反応を引き出すことに繋がっていた。
「テーブルを下りろ。前屈みてーなポーズで、自分で自分の足首を掴め」
「うっ、なんで……ここまでしたのに……」
「おいおい、また脅し直さないとダメか?」
「今度こそ最後にして……」
旭姫はテーブルを下りていき、すぐに目がいく先はもう一つのテーブルだ。そこに並んだ装備の数々が、衆人環視の中で裸の旭姫には、必要以上に恋しく感じられていた。
レオーノヴィチがニヤニヤしている。
ずらりと並ぶ取り巻きも、誰も彼もが旭姫のはしたないポーズを期待している。ここにいる誰一人として、旭姫としては喜ばせてなどやりたくないが、従うしかない諦めの念で背中を向け、旭姫は前屈を行っていく。
垂れ下がった前髪が床に触れ、旭姫は自分で自分の足首を掴んでいた。
尻が高らかに、アソコも丸見えとなった卑猥なポーズは、この場にいる全ての視線を恥部に殺到させ、旭姫はその集中的な視姦を受ける。
「ははははっ、可愛いケツの穴だなぁ?」
レオーノヴィチの視線は肛門にあった。
「キュートな尻の穴だよ? 旭姫ちゃーん」
「伝説のプレイヤーだったのにねぇ?」
「アソコの毛が少ないのがさ、ロリティックでたまりませんなー」
「俺も検査してあげてー」
取り巻きから、野次さえも浴びせられ、旭姫の顔はますます激しく歪んでいく。
「さーて、検査といくか」
そして、レオーノヴィチは肛門に指を突き立て、何ら遠慮もなしにねじ込んだ。やはり、遠慮や気遣いとは一切無縁の、旭姫が痛がったとしてもお構いなしの乱雑さで、締まりの強い穴の中へと無理にでも押し込んでいた。
ぎゅっとした締め付けは、指の侵入に抗い入り口を閉ざそうとするかのようだったが、それは自然なものである。陽翔の命を脅しに使われ、だからこそ受け入れる気でいる旭姫でも、何も挿入した経験のない、柔軟性の足りない肛門には、すんなりと異物が入ることはない。
本人が拒む拒まないに関わらず、自然な締まりの強さによって、肛門という名の入り口は狭かった。レオーノヴィチの太い指が入りきらないかもしれない、そんな小さな穴だったが、彼はそれでも力ずくで押し込んでいた。
「ちっ、手こずらせるな」
レオーノヴィチはもう片方の手を振り上げ、旭姫の尻たぶを平手打ちにした。
「やっ! やめて!」
「いいから力抜け!」
「抜いてるもん!」
「なら、なんで入らないんだ?」
「太すぎるからに決まってるじゃん! なんでわかんないの!?」
「うるせー! とにかく力抜け!」
彼は旭姫の言葉をまともに聞かず、ただただ力ずくでやろうとして、しまいには闘気まで使い始めている。ようやく皺が周囲へ広がって、指が埋まり込むにつれての幅の拡張は始まっていた。
「あぁぁ……ぐぅぅぅ…………!」
旭姫は苦悶する。
痛みの発生が起きない世界で、傷ついているのもアバターに過ぎないが、体感的には現実に辱めを受けていることと変わらない。肛門を触られて、異物感まで入り込んでくる感覚のリアルさに、違和感のあまりに呻き声が出てしまっていた。
これが現実の肉体だったとしても、ほとんど同じ感覚を旭姫は覚えるだろう。
痛みが出ないことだけが、アバターだから幸いだった。
「ようやく入ったぜ。この世界じゃあ、排泄なんてねーのに、よくもまー肛門の内側さえも作り込んであるもんだ。旭姫のあったかーい体温が指に伝わりまくっているぜ?」
レオーノヴィチは満面の笑みを浮かべて、いかにも誇らしげに、勲章でも自慢するかのように語っている。
「さすがに穴がせめーからよ。ぎゅって感じで締め付けられるが、物を入れるのは不可能じゃねえわけだ。さーて、ほじくってやるぜ」
そう言って指を動かし、言葉通りに中身をほじくる。指先で掻き回し、ありもしない何かをピストンまでして探し回って、レオーノヴィチはひとしきり検査を続けた。
何もないとわかってか、数分も続ければ、やがて指は引き抜かれる。
しかし、指が抜けても余韻が残った。
穴を強引に拡張され、異物感が数分間も収まり続けたおぞましい感覚は、旭姫のアバターに深々と刻み込まれていた。
これでひとしきりの検査は済んだ。
装備品の全てを調べ、下着まで弄り回した挙げ句、アソコと肛門に指を入れたのだ。隠し持っている物を調べる名目では、もうこれ以上はやることがないはずだった。
だが、レオーノヴィチはまだ最後の目論見を残している。
「お礼を言え」
突如、レオーノヴィチは言い出したのだ。
「なにそれ、なんで?」
「指輪を取らずにいてやるんだ。どうもありがとうございましたと、土下座をしながら言ってくれたら、それで勘弁してやる」
「なんでそんな!? 土下座なんて……!」
「やるか? やらないか?」
レオーノヴィチの言うそれは、実質的に強引に没収してもらうか否かの選択だ。屈辱を味わって指輪を守るか、それとも拒んで差し出すか。旭姫にはその二つしか道がない。
もちろん、旭姫は苦悩した。
そこまでして、それでも指輪を守るべきなのか――そんな思いが、少しは湧いて来るのだったが、最後の最後には膝を突き、正座をして、旭姫は土下座をするのだった。
「指輪を取らないでくれて……どうも、ありがとうございました…………」
声が屈辱に震えていた。
床に額をつけた旭姫の顔は、信じられないほどに歪みきり、涙さえも流れていた。
*
鉄の感触によって両腕が吊り上げられ、天羽陽翔は身動きができずにいた。
「くそっ」
一体、どうしてこうなったのか。
元々、未練を断ち切るために、ここでゲームオーバーにでもなろうとログインした。ログイン不能にさえなってしまえば、嫌でも過去は断ち切れると思ったのだ。
それなのに、どういうわけか旭姫が現れ、その旭姫と共にこんな場所に捕まった。
一度ログアウトしてから、もう一度ここに入り直せないか、試そうとはしてみたが、どうやらログアウト不能エリアになっているらしい。
全盛期の陽翔なら、この程度の拘束具や鉄格子など、指先で破壊できただろう。
だが、今の陽翔にはできなかった。
「なんとかなんねーのか」
あの旭姫が本物なのか、偽物なのか。
一体、何がどうなっているのか。
何もはっきりしないまま、レオーノヴィチなどに連れていかれてしまっている。
極めつけは拷問だ。
いや、ただの虐待だろうか。痛みを与える方法があるらしく、いけ好かないサディストのムチで陽翔は特に意味もなく痛めつけらたのだ。
「……散々だな」
元を辿れば、気にくわないクラスメイトの誘いに乗り、渋々ながらも断ち切る機会と思ってログインして、その結果がこのザマだ。
かつての陽翔なら、まずあり得なかったこの状況に、かえって笑えてきてしまう。
その時だった。
「……出ろ」
手下の一人が急に鉄格子の鍵を開け、陽翔の鎖も外してくる。
しかし、腕を吊り上げるための鎖を外しただけで、手枷そのものは付いたまま、どうやら釈放でもないらしい。
「どこへ行くんだ?」
「いいから来い」
行き先を説明する気もないらしい。
たった一人、陽翔のことを移送しようとするプレイヤーは、大した力がなさそうだ。レオーノヴィチと違って、この程度なら今の陽翔でも簡単に倒せるが、それも手枷さえなければの話である。
何かチャンスが欲しかったが、結局そんなものは巡って来ない。
陽翔が移される先は、中央に椅子がぽつんと置かれただけの、調度品も何もない殺風景な部屋だった。
そこで椅子に縛り付けられ、扉に鍵をかける形で、結局は監禁されたままになるらしい。
「いつ出られるんだか」
ログアウト不能エリアへの監禁は、現実の生活にも影響を与えてしまう。一定の時間を越えれば運営から警告が飛ぶとは思うが、それもあと何十分後の話だろうか。
そのあいだにも、旭姫はどうなっているのか。
「くそっ、これでゲームオーバーになんてなったら、どうすりゃいいんだ」
未練を断ち切るどころでなく、気になって仕方のない謎を残して、その上で二度とログインできなくなるなど、考えたくもない話なのだった。
*
レオーノヴィチは上機嫌だった。
あの伝説的な男を無様な扱いで痛めつけ、その上でパーティ所属の可愛い少女を思い通りにしているのだ。陽翔の命を盾に脅して、嫌でも言うことを聞かせているうちに、ますます調子に乗ったレオーノヴィチは、旭姫に思い通りの衣服を着せることまで思いついたのだ。
「これを着ろ」
それは身体検査を終え、取り巻きを解散させてしばらくのこと。
これと思う装備を探し出し、見つけるなり牢屋に戻ったレオーノヴィチは、鍵を開けて中に踏み込み、テーブルにそれらを置いた。
「なにこれ……」
手で胸やアソコを隠す旭姫は、見るなり嫌そうな顔をしていた。
非常にオープンな下着なのだ。
ブラジャーのカップ部分も、ショーツのクロッチも、紐と紐を繋ぎ合わせて三角形の形にしているだけで、まともな布さえ当てていない。乳首やアソコを隠す用途を成さず、裸体をいやらしく飾り付け、淫らな女に見せかけるためのようなデザインだ。
色は派手な赤。
垂れを防ぐだの、温かくするだの、まともな下着にあって欲しい機能は、一切あるはずもないのだった。
「言っておくが、頼んでるんじゃない。命令してるんだぜ?」
「……変態」
旭姫は一瞬、レオーノヴィチのことを睨んでから、それらを身につけ始めていた。
まずはショーツの方を手に取って、足を一本ずつ通していく。それを両手で持ち上げて、腰にフィットさせるのだが、後ろ側さえ紐で作られたTバックは、冗談でなく本当に布が使われていないのだ。
せっかく下着を穿いたところで、裸との違いがない。
むしろ、裸よりも恥ずかしい思いをさせてやっているようで、レオーノヴィチはおぞましいほどに口角を釣り上げていた。
旭姫はさらにブラジャーを手に取って、肩紐をかけ始める。両手を背中に回して、ぱちりとホックを留めた時、乳首どころか乳房自体が丸出しの、紐だけで作られた三角形が、旭姫のことをいかにも淫らな女として飾り立てていた。
旭姫本人は淫乱でも何でもないだろう。
それに淫らな衣装を着せてやり、淫乱めいた雰囲気を無理にでも纏わせたやったのが、レオーノヴィチには面白くてならないことだ。
「あとはこれを着ろ」
と、今度は女囚服を与えるが、それも服と呼ぶべきものではない。
その布切れを例えるなら、長々としたバスタオルに穴を空け、頭を通すことを可能にしたものである。半分に折り畳んだその位置に、ちょうど頭を通すための綺麗な穴のあるそれは、確かに胸やアソコは隠せるだろう。
それを嫌々ながらに、引き攣りながら、屈辱そうに旭姫は身につける。
当然、まともな状態には程遠い。
胸は布の内側に隠れるが、丈の長さが心許なく、少し揺れたり捲れただけで、今にもアソコが見えそうである。布が前と後ろにかかっただけで、横から覗けば横乳や尻がチラつき、下着の色も当然わかる。
そして、そんな布さえ透けているので、下着の派手な赤色は丸わかりだ。
「そうそう。この首輪も付けてもらおうか」
レオーノヴィチはメニュー画面を表示させ、その操作から旭姫のアイテム欄へと一つの首輪を移していた。金属製のリングは装着用の開閉機能がなく、首輪といってもそのままでは装着できない。
しかし、メニュー操作で直接首に出現させれば、継ぎ目すらない白銀の輪を装着することは簡単だった。
「いい格好になったな」
惨めな服を着せてやり、レオーノヴィチはますます興奮した。
「いつまでこんなことするの? いつになったら陽翔に合わせてくれるの?」
「そうだな。俺の部屋で一緒に過ごせ」
「……やだよ」
「なら、陽翔に会えなくなってもいいのか?」
「……そっちの方がやだ」
「だったら、答えは決まってるよなぁ?」
「………………」
黙した旭姫は、泣きそうな悔しそうな顔をして、必死にレオーノヴィチを睨んでいる。愛液という言葉がわからないほど、不思議なほど性的な知識に欠けている旭姫でも、さすがに何のつもりで部屋に招こうとしているかはわかるらしい。
どんな思いでか、それでも旭姫はついて来た。
ベッド付きの小さな部屋に招き入れ、レオーノヴィチはさっそくのように楽しみ始める。
コメント投稿