検査さえ終われば、せっかく恥を忍んだというのに下心を表に出した生徒にどんな説教をしてやろうか、美紀は考えを膨らませる。
しかし、いくら補習をやらせようだとか罰掃除だとかを思いついても、まずは検査が終わらなくてはどうにもならない。とにかく、今は耐え忍ぶことしかない。
「次は打診なんですが、みなさん。ちょっとやってみませんか?」
瞬間、美紀は真っ青に染まりあがった。
(そんなこと、生徒にやらせる気?)
教え子から尻叩きを受けるなど、想像もしたくない。よりにもよって、校医はそれを男子にやらせようというのだ。
それも亜由美の見ている前で……。
「え? いいんですか?」
「マジかよ」
「やりますやります!」
淳も浩二も高志も、一斉に歓喜する。美紀の姿勢では生徒の顔は見えないが、普段から彼らと接している身だ。満面の笑みに少しいやらしさを足したような、鼻の下を伸ばしたみんなの表情くらいは想像できた。
亜由美などは女王が下衆を城から見下ろすような優越感に浸っている。
「それじゃ、まずは君から」
校医が淳を指名する。
「はい! よろしくお願いします!」
元気な声をあげ、淳は美紀の尻たぶに向かって両手を構える。
「リズムよく左右交互に叩いてあげてくださいねぇ?」
「はい!」
淳による尻太鼓の演奏が始まって、ペチペチと軽快な打音がリズムを刻み出す。左右交互に叩かれて、美紀の豊満な尻たぶは交互に弾み、上下に揺れ動く。恥ずかしさのあまりに腰が力んで、肛門の皺がキュゥゥゥと窄まり、リズムある打撃に合わせた収縮を披露していた。
(くぅ……!)
いつもなら自分が教師、みんなは生徒、立場は美紀が上だった。だがこの状況は美紀が組み敷かれているといっても過言ではない。
「次は君です」
「はい!」
浩二と交代となり、先ほどよりも小刻みなタップを受ける。尻たぶもまた小刻みに肉を震わせ、呼応する菊皺穴がキュウキュウと蠢いた。
「ふふっ。ねえねえ、どんな気分ですか? 先生」
亜由美はベッドの前に回り込み、耳元に囁いてきた。
「……そんな事、聞くもんじゃありません」
「でも先生、こんな検査を私に受けろって言いましたよね」
「それは決まりだし、病気になったら大変だから……」
美紀はどこか言い訳じみた風になっていた。
その意見は決して間違ったものではなく、新種の尻の病気が大幅に増えた事でうら若き少女の死亡率が上がっていた。やむなく検査が導入されたことで、あらゆる症状を未然に防いだり、早期発見で助かるケースが増えたのだ。
しかし、自分一人がお尻丸出し、しかも生徒に叩かれている状況だ。とてもでないが、優位の立場とは言えなかった。
「いい姿ですよ? この光景、一生の思い出にさせてもらいますからね」
亜由美は美紀の髪を鷲掴みに、いやらしく囁いた。
「次は高志君」
「はい!」
再び交代し、ひとしきり叩かれた挙句に次へ移る。
「次は直腸の組織採取と直腸診ですね。さて、これはわたしがやりましょうか」
校医はやっとの事で美紀の背中から降り、棚から医療器具を用意する。医療用の麺棒の頭を肛門に突き刺した。
「どうです? みなさん。先生のお尻を叩いた感想は」
デリカシーの欠片もないやり取りが、美紀本人の前で展開される。
「先生の尻、柔らかかったッス」
「未だに手に感触が残ってます」
「肛門がヒクヒクしてるのに目がいっちゃいましたね」
言わないで欲しい感想を口々に述べられて、それぞれの言葉が耳の奥まで染みてくる。嫌な言葉ほどかえって頭に残り、自分のお尻を堪能された悔しさが胸に溢れる。柔らかさ、肌触り、自分では自覚の無かった肛門が蠢いた事実、全てがみんなの手に渡った。
相手は男の子だ。年頃の男がこんな体験をしたならば、きっと夜のネタにされるだろう。三人とも今日の美紀のお尻を思い出しながら、夜な夜なティッシュを消費するであろう事など用意に想像できた。
今日という日が終わっても、その後も美紀はネタにされ続ける。その事が美紀の心を深々と抉り、ハンカチでも噛み締めてそのまま引き裂いてしまいたいほどの悔しい気持ちに苛まれる。
(もう嫌、早く終わって!)
美紀は激しい羞恥に苦しめられた。
「直腸診でーす」
肛門に指を突き入れられ、直に内部を探られる。腸壁を指でなぞって患部の有無を調べているのが。指の探るような動きで伝わってくる。しかし、余った片手で校医は無意味に尻を揉み、美紀の有様を生徒達に見せびらかしている。
「おお……」
「すげぇ光景」
男子の感嘆が美紀の羞恥をより刺激した。
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