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 じぃ……。

 熱いほどの視線を尻に感じる。男子生徒の目は美紀の尻たぶに集中し、肛門からその下にそびえる性器まで、じっくりと見られているに違いなかった。
「じゃあ、まずは触診からですよー?」
 一体美紀をいくつだと思っているのか。校医はさも子供に呼びかけるような口調で言った。
(ひっ)
 太い指が触れてきて、美紀のお尻を撫で回す。
「おおっ」
 男子三人は感嘆の声を上げた。
 ただ触られるだけでも我慢が必要だというのに、美紀はそれ以上に最悪な扱いを受けている。四つん這いの美紀に馬乗りになるかのように、校医は背中を足に挟んで上から尻を触ってきているのだ。
 その様子を悠々と眺め、亜由美などはいい気味だと美紀をあざ笑っているに違いない。
(なんなのよこれ……)
 肥え太った醜い講師の尻が、美紀の背中に乗っかっている。必然的に硬い一物の感触もすりついて、背筋に熱気ある棒の存在を如実に感じる。それでいて美紀のお尻は揉み尽くされ、その様子を今にもまじまじと観察されているのだ。大きな尻肉は揉みこまれ、じっくり丁寧にほぐされている。
 男子三人はよほど熱心なのか、それとも単に下心なのか。顔をぐっと押し寄せて、息がかかるほどの至近距離で観察してくる。男子の気配が尻の間近に迫ってきて、美紀は緊張で全身を硬くした。
「こうして患部がないかを調べるのはご存知ですね?」
「はい」
 淳が答える。
「しこりがないか、肌触りは通常通りかを診るわけです。尻肉は以外と広いといいますか、太ももや骨盤と接していますからね。境界部分、つまり骨盤あたりや太ももの肉にもじっくり触れる必要があります」
 校医は説明を交えながら、男子にそれを実演して見せる。太ももにまで手を下ろして揉みしだき、そのマッサージの手つきを観察させる。
「しこりはともかく、肌荒れみたいな疾患って見逃すことはないんですか?」
 高志が質問した。
「この検査で調べるのは危険性の高い疾患についてですからねぇ、幸か不幸か手探りで発見可能な種類の病気しかないんですよ。それに全国に導入されている検査ですから、予算という問題もありましてね。器具が不要ならば素手で済ませることが可能なら、手でやってもらいましょうって事でこういう方法が主流になっているんですよ」
「初心者では発見は難しいでしょうか」
 浩二が尋ねた。
「患部自体は触ればわかりますよ? ただし、それが何の症状によるものかはやっぱり専門の人達でないと特定できないわけです。ひょっとしたら、何てことない軽い皮膚病かもしれませんしね」
「なるほど」
 男子達は頷く。
「割れ目や肛門に何らかの症状が出ることもあるので、そこもしっかりと触診します」
 校医はラインを指でなぞってみせる。上下に往復する指が性器に接近し、今にも触れてきそうな緊張に襲われる。そして肛門を通過されるたびに、美紀の敏感な菊皺は蠢き収縮する。皺のすぼまり縮む有様を男子三人は穴のあくほど見つめていた。
「それから、股の付け根付近とでもいいましょうか。お尻と太ももの境界あたりって、女性器と接していますよね?」
「はい」
 校医の問いかけに、三人の返事が重なる。
「もちろん丁寧にやることもできますけどねぇ、やはりじっくりやるにこしたことはないわけです。このように、きちんと指を食い込ませないといけません」
 そう言いながら、校医は尻肉の下弦を両手で掴んで開き、美紀の性器の貝を開帳させた。ピンク色の肉ヒダが丸晒しとなり、最も切だった部分が生徒の目に焼き付けられる。お尻までならと、ほとんど押し切られる形ではあったが覚悟していた。しかし、こんな場所は美紀の覚悟の想定外だ。
「あっ、あの……! ちょっと……!」
 突然のことで、美紀はきょどったような裏返った声をあげてしまう。その声の震えようといったら、いかに羞恥に苛まれているかがよく伝わる。男子はもちろん、美紀のことが気に入らなかった亜由美もニヤリとしていた。
「どうしました?」
「どうしましたじゃなくて、そこはだってお尻では……」
「触っているのはあくまでもお尻の肉、なんですよね。校医さん」
 美紀を追い詰めるかのように、意地の悪い笑みを亜由美は浮かべる。教え子に下腹部を拝まれながら激しい羞恥に震えてる姿は、まったくもっていい気味だ。
「そういうことなんですよ。しかしどうです? 先生のおマンコは」
「んな……!」
 生徒にそんな感想を尋ね出す校医に、美紀は大きくショックを受けた。
「色合いが綺麗ですね。小陰唇、大陰唇、どちらも良い形ッス」
(淳君! 語らないで!)
「膣口がいいですね。蛍光灯の反射で粘液が光っていて、そのせいでより綺麗に見えるのかもしれません」
(高志君まで!)
「形の良さとかは言われちゃいましたね。あとはやっぱり、先生の陰部を見れるってことが興奮ものです。微妙に膣分泌液が出ているところなんか、ますます興奮します」
 浩二に言われ、美紀は一気に顔を熱くした。
「ぬ、濡れてなんて!」
「え? でも……」
「だいたい興奮って、そういうつもりで見学に来たわけじゃないでしょう? 人が恥ずかしい思いをしてるんですから、もっと真面目になってください!」
 美紀は生徒を叱りつける。
 叱っているのだが、所詮はお尻を丸出しにした状態だ。肛門と性器、恥ずかしい穴を晒しながらの説教など、何の効果も現さない。
 むしろ逆効果であった。
 ペチンッ、
 と再び、美紀の尻たぶにお仕置きの一撃が加えられる。そのショックのあまりに美紀は一瞬にして押し黙り、そのまま頭が真っ白になった。
「少し静かにお願いします」
「しかし、今のは……」
 口答えしようとすると、校医は赤らんだお尻を優しくさすり始めた。
(ちょっとそんな……。そんな扱い……!)
 校医は自分で叩いた場所をさすって、さも慰めるかのようにしているのだ。まるで子供を説教した親が、一通り怒り終わって優しくなる瞬間のようなものがある。それを生徒の前でされているのだ。要するに下位に扱われているのが伝わって、美紀は屈辱に顔を歪めた。
「そうですねぇ。ちゃんと真面目にさせますから、とにかくこちらに任せてください」
 校医はなだめるかのようにして、尻をトントン優しく叩く。お尻に対して嫌すぎる行為であったが、美紀が怒ったり説教を始めたりすれば、その分検査が中断される。時間が勿体無いのは確かなので、今は涙を呑むことにする。
(検査が終わったあとは、みっちりしごいてあげるから)
 美紀は密かにそんな決意を固めた。



 
 
 

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