それから、冬崎瑞葉は自分の机で頭を抱えた。
「あーもう! なにやってんのよ! 私は!」
あんな奴にパンツを見せてしまったなんてどうかしている。自分は気でもおかしくなっていたのだろうか。いや、パンツだけで済ませて写真をばら撒かれるリスクが消えたなら、あれで御の字なのか――もちろん約束を守ってもらえる前提だが。
何にせよ、瑞葉の下半身には余韻があった。
視線の突き刺さった感覚が、今にも尻やアソコの肌に蘇る。
「思い出しちゃ駄目よ。スケジュールスケジュール……」
スケジュール帳を開いてみれば、勉強は早朝のうちに済ませてある。残りは夜の分なので余裕があり、現在はまだまだ自由時間の最中だ。
「どうしようかしら……」
自然と股へ手を伸ばす。
そんな自分に気がついて、瑞葉はハッと手を引っ込めた。
「ちょっと待って? 私は何を考えて……」
瑞葉は初めて自覚した。
疼いているのだ。
股が、アソコが、視姦され尽くした余韻を覚えて、きゅっと引き締まって熱くなる。そういえば時期的にも排卵日で、生物学的にも体が興奮しやすい頃合いだったことを思い出した。
「そうね。そういう時期ってだけで……」
瑞葉は一旦部屋を出て、洗面所で手を洗いに行く。指を清潔にする必要があるので、石鹸を泡立てて丁寧に洗ってから、また部屋に戻ってベッドに寝る。スカートとショーツを脱いで下半身裸になった瑞葉は、自身の秘所を弄り始めた。
仰向け、M字開脚。
長く伸ばした中指の先端で、割れ目をさーっとなぞり上げる。フェザータッチに時間をかけて、ゆっくりと自分自身を焦らしていけば、やがて汗ばむようにしっとり濡れる。それを塗り伸ばすようにして、縦筋のまわりをぐるぐると撫でていく。
じんわりと温まるにつれ、頭に浮かぶのは醜悪な桜太の笑顔だ。
(なんでアイツが……)
醜く頬の膨れたルックスが、勝ち誇った笑みを浮かべて視姦してくる。浴びた視線の味を下腹部が覚えており、今このオナニーを見られたら、自分はどんな気持ちに陥るだろうかとつい想像してしまっている。
――へぇ? 冬崎さんでもオナニーするんだ。
――けっこうエロいんだねぇ?
大喜びで股に顔を近づけながら、そんなことを言うに違いない。ゲスな笑顔が大きく歪んで、全身に鳥肌が立つはずだ。
「――――――っ!?」
腰がブルっと震えたのは、快感のせいだった。
「なんで? なんでいつもより――」
キモオタの分際で、頭の中から醜い顔が消えてくれない。それどころか股に手をやり、愛撫まで施すのだ。
「なんで……アイツなんか…………!」
指に愛液が絡みつき、やがて肉芽は突起する。両手ともアソコへやって、クリトリスへの刺激も加えると、ますます快感が強まった。
――へぇ? ここが感じるんだねぇ?
――冬崎さんの弱点見つけちゃったー。
おぞましい野獣に自分を暴かれてしまったら、それはどんなに……。
いつしか頭の中にいる桜太は、瑞葉のアソコにペニスを宛がう。きっと我が物顔で勝ち誇りながら挿入して、ニタニタとした微笑の中で腰を振るはずだ。
瑞葉はM字の股をさらに左右に開いていき、長く伸ばした一本の指を膣口に挿入する。緩やかなピストンを行いながら、左手の指腹ではクリトリスを撫で込んで、ひたすらに快楽を貪った。
おかしな想像をしてしまっている。
桜太に犯される想像だなんてどうかしている。けれどアソコは快楽を欲しがり、丁寧に膣壁をなぞる指先は、より弱い部分を巧妙に刺激する。
「はぁ……! くぁぁ……!」
粘液を捏ねるような水音がクチュクチュと、指の出入りにつれて鳴っている。愛液で滑りが良くなるにつれ、ピストン運動はしだいに活発になり、瑞葉は眼鏡の奥の目を細めて淫らな吐息を漏らしていた。
気持ちいい。
いつもよりずっと、気持ちいい。
「どうして……」
また脅されてみたい。
そして、視姦されてみたい。
そんな自分の性癖を、瑞葉は薄っすらと自覚していた。
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