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 甘くとろける。
 こんな野外でノーパンになって、お尻に股間をあてがわれ、いやらしい状況に身を落としながらするオナニーが気持ちいい。官能的なとろけた痺れが全身に回り、日和はしだいに牝の表情になっていた。
「だ、駄目ぇ……」
 温もりにアソコが疼き、秘所はもうぐっしょりだ。
「そういいながら、自分でオナニーしてるよね?」
「だってぇ…………」
 耳元で指摘され、日和の手はますます活発になった。膝が緩んで姿勢が崩れ気味になっていき、日和の腰はくの字に折れる。晴美の股元へ向かって余計に尻を押し出す形になり、既にこれ以上ないほど股間は密着していたが、さらに日和の側からも密着のために力が入り、お尻と股間はますます親密に押し合った。
 日和自身も、いつしか腰を動かし始めた。
 秘所の方では手淫を活発に行いつつ、晴美の股間を味わおうと腰が左右に動いてしまう。押し付けてくる晴美の力に応えるように、日和からも押し返し、密着状態のお尻を振った。割れ目に挟んだ股間を左右に動かしてやらんばかりにずり動き、晴美の肉棒を思い描いて日和はクリトリスを弄り回した。
「日和のお尻って、大きくてふわふわってしてるんだよね。こうしていると柔らかい二つの山にギュゥってきつく包まれてるみたいで、すっごく心地がいいよ」
 晴美は堪能するように腰を動かし、上下にずるずると往復のスライドをする。お尻は大きな餅のように変形を繰り返し、晴美の股間へ圧迫感を与えていく。
「晴美のが……晴美のが……」
 強い押し付けとその摩擦で、日和は肉棒の形状をこと細かに感じ取った。ズボンとトランクスを挟んで布越しではあるわけだが、それでも勃起の熱さが通じてくる。尻肉がブニブニと股間を包むだけに、それはどれほどの大きさで、どんな太さをしているのか。自分のお尻に対してサイズのほどが理解できた。
「どうしよう……私……晴美の……知っちゃったよぉ……!」
 すごく、プライベートな秘密を勝手に握ったような気持ちになり、そんな情報を得てしまった日和は赤面した。もちろん正確なサイズとは到底いえないが、少なくとも割れ目にぴったりと合うだけの長さはあるし、自分の指でいうと何本分の太さなのかもイメージできた。とてつもない情報を握ってしまった気分になり、日和はオロオロするのだった。
「随分、神経を集中したんじゃない? でなきゃ、わかんないでしょ」
「そ、そんなこと……」
「日和って、僕のこんなところに興味があったんだ」
「違うもん……! そんな……」
「あったんでしょ?」
「………………はい」
 否定しかけた日和だが、すぐに認めた。
 どうしてなのか。日和の心は晴美に対してどこか跪いていて、日和はおかしなほどに従順に頷いてしまっていた。
 支配されかかっている。
 日和という存在が、心身ともに晴美のものになりかかっている。
 そのことを日和自身が強く自覚し、それが妙に怖く思えた。このまま、きっと日和はどんどん晴美を好きになり、のめりこんで、晴美の言うことなら何でも聞くようになっていく。いつしか従順な召使いと化し、何を言われても逆らえない自分が完成する。エッチな言うことは何でも聞かされ、性奴隷となってしまうのだ。
 そんな自分の未来が見えた気がして、少しばかり怖くなった。
 きっと、対等の関係というよりも、自分は晴美の所持品と化す。信頼しあうパートナーと言うには微妙な関係になってしまう。そういう気がした。
 ――どうしよう……晴美君……。
 日和自身ではどうにもならない。
 日和はもう、従順になりかかっている。
「ねえ、日和」
 晴美は言った。
「大好きだよ?」
 ――ドクン!
 いきなり言われて、心臓が跳ね上がった。
「大好き、大好き。すっごく好きだよ。愛してる」
「そ、そんなこと言われたら……私……」
 ますます好きになっていき、一生晴美から逃れられなくなってしまう。
「本当に好きだから、僕の存在も日和のものだよ」
「……私の?」
「そうだよ。日和は僕のもので、僕は日和のものだよ」
「そっか」
 優しく言われて、日和は儚く微笑んだ。
 晴美の存在だって、日和のもの。
 それなら、いいかもしれない。
「晴美ぃ……そっち向かせてぇ……」
「はい、いいよ」
 腹に巻きつく腕が緩んで、日和はそのあいだに正面へ向き直る。胸へ縋りつくようにして晴美を見上げ、上目遣いでオナニーを続行した。
「可愛いよ。日和」
「そんなこと……」
「今の日和の顔、すっごくエッチだよ? 甘くとろけた感じになってる」
 晴美は日和の頭を優しく撫でる。
「恥ずかしいってば」
「日和のアソコがクチュクチュいってるのが聞こえるよ?」
「うぅ……」
「もっとよく聞かせて?」
 日和は秘所の愛液を掻き回し、泡立てるようなつもりで指を回す。粘液が糸を引くクチュリとした音が立ち、一層晴美の耳を楽しませた。
「すごいクチュクチュいってるね」
「それは……晴美のせいだもん」
 日和が口を尖らせた。
「え、僕?」
「だって、ドキドキしちゃうから……。今だって、いい台詞言って……」
「そんなにいいこと言ったかな」
「うん。言った」
 日和は晴美の胸に顔を埋め、頬ずりして顔を擦り付ける。猫が飼い主にじゃれるかのように頭を何度も押し付けて、晴美の腕に包まれながら温もりにどっぷり浸かった。じゃれつかれた晴美も、猫を可愛がるようにして頭を撫で、頬を撫でた。
「可愛い。日和可愛い」
「好きって言って?」
「うん。大好き。愛してる」
「それじゃあ……」
 日和は晴美に顔を向け、求めるような表情で上目遣いをじぃっと寄越した。そのままゆっくりと瞼を閉じ、顔を差し出すようにして首を上げ、つま先立ちで背伸びする。
 その意味を理解した晴美は顔を近づけていく。
 そして……。

 唇を重ね合わせた。

 日和のふんわりとした桜色の部分に自分の唇を重ね合わせ、そのまま長い長い時間を口付けの中で過ごしていた。


 
 
 

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