大瀧修三 杏子を犯す

   





     ノア編より


     ***


乃亜さま。
はい。次は私にお任せ願えますでしょうか。
うひひひひっ。既にターゲットは決めてあります。


     ***


 乃亜の作ったバーチャルリアリティの世界に閉じ込められて、真崎杏子がいたのはラブホテルの一室だった。
「何よここ……」
 そして、杏子はすぐさま気づく。
「わ、私! どうして裸なのよ!?」
 誰が見ているわけでもないのに杏子は、反射的に赤らんで、思わず両腕で大事な部分を隠してしまう。
 この世界では、あらゆるものがリアルに再現されている。
 物体の触感も、空気の温度や物音も、何もかもが現実と変わらない。全裸でいるから肌中に大気が触れているのも、室温のおかげで肌寒さが無くて済むのも、全てが現実めいていた。
 だが、バーチャルである以上は何もかもデータだ。
 杏子が裸にされているのも、乃亜がそのように仕組んだからに違いない。
「あの変態……!」
 憤る杏子は、服でもないかとクローゼットに近づいた。
 だが、空だった。
 これでは何も着るものがない。

「ようこそ、真崎杏子十六歳」
 
 その時だ。
 大瀧修三が出現した。
 バーチャルだからワープも自由で、どこからかこの場所に現れるための操作をしたわけなのだろう。
「ひっ! イヤァ! 誰よアンタ!」
 杏子はすぐにしゃがみ込む。
「私は大瀧修三、五十五歳。あなたと夜のデュエルをしに参りました――ぐふふっ!」
 ねっとりとして、いやらしい笑顔を浮かべる修三は、下心を隠しもせずに、一歩また一歩と全裸の杏子へ迫っていく。
「……デュエルって……先に服を着せなさいよ!」
 睨みながら杏子は、追い詰められるようにベッドへ逃げて、恥ずかしい部分を隠した腕に一層の力を込める。
「そう慌てない。デュエルといってもベッドのデュエル。既にあなたの枕営業は始まっているのだよ」
「枕営業……?」
 杏子は顔を引き攣らせた。
「君は演じてみたいんでしょう? ミュージカル、ブラック・マジシャン・ガール 賢者の宝石。我が海馬コーポレーションは本場ブロードウェイのミュージカルにも数多く協賛している。君を主役にすることは、そう難しいことではありません」
「私が、ブロードウェイの主役?」
「いい話でしょう? あこがれのミュージカルですよ、うふふふふふ」
「ええっ!? あなた、もしかして?」
 枕営業などと言い出し、杏子の抜擢が簡単などと言い出す男の地位は、もしやそれなりだったのかと考えが及んでいた。
 そんな杏子に答えるように修三は言う。
「そ、元取締役常務兼人事部長。大瀧修三五十五歳。ぬふふふふーっ!」
 そして――。

「では枕営業を始めましょう」

 ベッドに上がる修三は、杏子を力ずくで押し倒した。
「何が枕営業よ!」
 抵抗する杏子は手足で暴れ、こんな気持ちの悪いオジサンに犯されないため、必死にもがいて蹴りつける。乱暴に叩きさえして押しのけるが、全体重を駆使して力の限り抑え込んでくる男に対して、女の力では限界があった。
 やがては両手ともベッドに押さえ込まれて、胸を隠すことができない状態に追い込まれ、杏子の乳房はおぞましい視線に晒された。
「ぐふふふっ、いいオッパイですねぇ?」
「み、見ないでよ! 変態オヤジ!」
 両手首を押さえ込まれてなお、身をくねらせ弾ませて、抵抗を諦めていない杏子だが、もがけばもがくだけ乳が揺れ、たっぷりと弾力を帯びた胸の弾みが修三の目を楽しませる。
「そうやって怒った顔でいるのも今のうち。この大瀧修三、五十五歳の手で弄ばれたら最後、あなたは快楽に夢中になり、その肉体を私に委ねることになるのです」
「そんなわけないでしょう!? 誰がアンタみたいなキモイオッサンに!」
「そんなわけがあるのです。何故なら! あなたのオナニー経験がそれを物語っている!」
 ずばり言われて、どうしてそんなことを知っているのかという驚きと、恥ずかしいことを指摘された羞恥にみるみるうちに表情を歪めていき、すっかり赤らんだ杏子の顔は、もう涙さえ浮かべている。
「どうしてそれを……!」
「初潮を迎える前から、既に自分のアソコを触ってみた経験があり、中学生の頃には週に二度か三度くらいのペースで遊んでいる。さらに指の挿入を試し、クリトリスも刺激して、自ら感度を鍛え上げたあなたのアソコは、今ではヒジョーに性欲が強い!」
「そんなことないわよ!」
「あるのですよ。だって真崎杏子十六歳? ダンスの練習で体を激しく動かしたその日の夜、大事なオーディションを受ける前日。そういうときにムラっときて、自分で自分を慰めているのが日常茶飯事!」
「そ、そんなこと……」
 全てをぴたりと言い当てられ、否定したがる杏子の声は弱弱しい。
「まったくぅ……イケナイ美少女だぁ……そんな真崎杏子十六歳の肉体は、この大瀧修三が有効に『使用』してあげましょうねぇ? ぐふふふふっ」
 より歪みきった笑みを浮かべて、そのおぞましさに杏子の背筋に寒気が走る。
 修三がまず初めに行うのは――。

 ――むにっ、もにゅっ、ふにゅぅっ。

 パイズリだった。
 気をつけの姿勢のように両手を下ろさせ、上からずしりと跨れば、体重によって杏子の両腕は拘束される。身動きの取れない杏子の谷間に修三は肉棒を差し込んで、人の乳房を自分の好きなように使っていた。
「真崎杏子十六歳? あなたが何度も妄想してきたオチンチンですよぉ? ぐひひっ、お望み通りのエッチができて嬉しいんじゃないですかぁ?」
 乳房の外側にべったりと、両手を貼り付けている修三は、ぎゅっと挟みつけてからの上下で自らの肉棒をしごいている。
 柔らかな肌触りが肉棒の皮膚に接している。
 まろやかな快感は根元から先端にかけて満ち溢れ、亀頭にはカウパーが溢れている。やけに量のある先走りの透明汁は、しごく動きに合わせて谷間の内側に塗り付けられ、乳房の内側のカーブには、修三のエキスがしだいに染み込んでいる。
「……こんな風にされて、嬉しいわけないじゃない」
 肉棒の温度も、硬さでさえも、現実と変わりがない。胸を道具として使われている杏子は、乳房の皮膚で嫌というほど感じ取り、こんなことをされている事実に歯噛みする。
「素直じゃないですねぇ? 乳首はこんなに硬いというのに」
 突起している乳首をつまむ修三は、引っ張り転がし、指の腹で愛撫して、執拗な刺激を与え始めた。
「ん……!」
「どうです? 感じるでしょう?」
「だ、誰が……キモイオッサンなんかで……」
「ぐへへぇ、体は素直ですねぇ?」
 肉体感度はバーチャルによって操作され、体つきや皮膚の血色まで現実でも、その気持ちよさはリアル以上だ。乳首を指で弾いているだけで、杏子の頭は振り乱され、顔が左右へ動くたびに、ベッドシーツに髪が投げ出される。
「あっ、うぅぅ……! こんなこと……! やめなさい……! よぉ……!」
「ぐふふぅっ、口先は生意気ですが、素直でビンビンな乳首に免じてプレゼントを差し上げましょう」
 そう言って修三が行うのは射精だった。

 ――ドクゥゥ! ドクッ、ビュルン! ドック、ビュル!

 白濁が顔を汚した。
「いっ、イヤァ! 何するのよ!」
 汚いものがかかって引き攣る杏子は、こんな辱めまで受けた悔しさと、今にも泣き出したい思いで声を荒げた。
「まだまだこれからですよぉ? 真崎杏子十六歳?」
 それからは全身の愛撫になった。
 手で押しのけようとする杏子だが、指先で腹を撫でるだけでも反応するほど、感度を高く設定されてしまった肉体は、ちょっとした刺激だけですぐに抵抗力を失った。じたばたと暴れるたびに快楽によって封殺され、やがて自分は何もできないことを悟った杏子は、屈辱の中で全身をだらけさせ、されるがままに耐え忍んだ。
「ほーら、私を拒もうとする気持ちが薄れてきた。私に心から身を委ね、肉体を差し出すようになるまでもう少しですねぇ?」
「そんなわけ……!」
「だってほら、こうするだけで」
 修三がアソコをなぞる。
「ひあぁ……!」
 杏子の腰はビクンと跳ねた。
「指を入れると、もっとすごいんじゃないですかぁ?」
「あっ! あぁぁ! や、やめてぇ……! はっ、あっ、あぁあぁぁ……!」
 中指が入り込み、膣壁を撫でるピストンに杏子は喘ぐ。乱れた吐息を熱く漏らして、ビクビクと痙攣じみて脚を強張らせる。足首でさえよがる杏子の姿は、まずます修三を調子付かせ、十六歳の色気に興奮しきった。
「ぐふふっ! いけない子だぁ! こんなに感じてぇ!」
 肉棒を滾らせた修三は、杏子の股を割り開き、その切っ先を突き立てる。
「いや……やめて……やめなさいよ……!」
「真崎杏子十六歳? あなたの処女はオジサンのものですよぉぐぅふふぅぅ!」
 そして、挿入した。
「あぁ――!」
 もう五十五歳にもなって、しかも大企業で元は地位のあった男であれば、女の味を知らないはずもない。これで何人目かになる膣を味わうため、じっくりと甚振るように腰を引き、ゆっくりと弓なりの姿勢を取って、最深部に狙いをつけての貫きで喘がせる。
「はぁん! あぁん!」
 杏子の頭は真っ白だった。
 気持ちの悪いオジサンに犯されている事実にも、こんな風に無理矢理されて、感じる羽目になっていることにも、どんな悔しさや悲しさを味わう余裕もない。ただただ激しい快楽電流に襲われて、全身をビクつかせ、ひたすら喘ぐことしか杏子にはできなかった。
「だいたい、あなたみたいな人に夢を叶えることはできません」
 一度は引き抜く修三は、杏子の腕を掴んで引き起こし、無理に体位を変えさせた。
 ――バック挿入だ。
 四つん這いの尻に腰を押し当て、改めて挿入する修三は、いい気になって杏子の背中を見下ろしている。
「真崎杏子十六歳。幼い頃から父の仕事で世界を点々、NYでブラック・マジシャン・ガール 賢者の宝石を見て感動」
 修三は杏子の履歴を語り始めた。
「あっ! あん! あぁっ、ああん!」
「成績優秀スポーツ万能、だが、クラブの勧誘は全て断り、ハンバーガーショップで密かにアルバイト。ダンス留学の資金を貯めている、と――」
 修三が腰をぶつけるたび、ベッドシーツを握り締めた杏子の身体は、衝撃によって前後に揺すれている。竿に付着している愛液は、こうして蜜壷をかき混ぜていることで、しだいに泡立ち白糊をべったりまぶしたようになっていた。
「なかなか健気ですが、果たしてその程度の努力で夢が叶いますかね?」
「あぁぁ! あっ、ああん!」
 腕の力が維持できずにか。急に肘が折れ、杏子の顔が枕に埋まる。尻だけが高い姿勢となるに肛門は丸見えで、ピストンに合わせるようにヒクヒクと収縮していた。
「君は汚い地べたに平気で座り込み、己の厚顔無恥を顧みず、自分のことばかり語る、今の愚かな若者のひとりです」
 その口調は急に説教めいたものに変わっていた。
「君が生まれて今まで、ゴミをポイ捨てしたこと十二回! 水の出しっぱなし三十五回、電気の消し忘れ六十二回!」
 それらのお仕置きとでも言わんばかりに腕を振り上げた修三は――。

 ペチン! ベチン! ペチィ!

 平手打ちを繰り返した。
「あっ! あっはぁ……やめ、いやぁああ――!」
「君らに可能性などない。あるのは惨めな将来だけです!」
 ペチン、ペチン――右の尻たぶを叩いたら、左腕も振り上げて、白かった巨尻がほどよく赤味を帯びていく。
「やっ、ああん! あっはあ――ふっ、はっあっあぁぁ――!」
「地球上五十億の人間が、君の真似をしたらどうなります? エネルギーの無駄遣いも、地球温暖化の原因だ。それじゃあペンギンが住みづらくなってしまう!」
「あっ、んん! ん! んぁっ、んはぁっ、んああ!」
「ペンギンの気持ちがわからないような者に、人を感動させるなど無理に決まってます!」
 修三はくどくどと、下心がまるで隠れもしない表情でありながら、口調だけは大人として真剣に言い聞かせているそのものである。
 お前は駄目だ、今時の若者は――。
 語った内容がループして、飽きることなく杏子の過去に触れ、同じ指摘を繰り返しては否定の言葉を投げかける。
 そうしながら、修三は大胆に腰を引く。
 パン! パン! パン!
 尻から音が聞こえるほど、力強いピストンによって膣壁を抉る。
「でも安心なさい。君の体を貰い、私が生まれ変わってあげます。とても地球思いの女子高生になってねぇ」
 射精感が高まって、修三は杏子の尻にぶちまけた。

 ――ドピュゥゥ! ドピュン! ドクッ、ドピュルゥ!

 スパンキングで赤味がかった上から、丸みの曲面にまんべんなく降りかかり、そこかしこに白濁の粘液が付着する。
「まだまだ逃がしませんよぉ? これから私が貰う体ですからねぇ? じっくり、たっぷり調べてあげないと――」

 ――ぐふっ――ぐふふふふっ、ぐふふふふふ!