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  • 羞恥のヌードモデル 桜庭ローラ

       

    
    
    
     その芸術家はひどく頭を抱えていた。
     違う、これじゃない。
     画材の香り漂うアトリエには、いくつもいくつものキャンバス台に立てられた作品が並んでいるが、このどれもに彼は納得していない。
    「だったら、オーディションを行ってはどうでしょう」
     いつも自分の作品を売り込んで、どこかの金持ちの目に傑作を留めさせたり、美術館への展示にこぎつけてくれているマネージャーの言葉であった。
    「オーディション?」
    「今までのヌードは全て、所詮は脱ぎなれた女がモデル。どこか似たようなオーラの作品ばかりになるのはそのせいですよ」
    「ふむ」
     画力向上の目的なら、男女問わずあらゆる体格の持ち主を描くのがいい。太った人や痩せた人など、様々な皮膚や筋肉を描き慣れるべきなのだが、傑作狙いのモデルとしては、誰かしら素材から優れている子がいい。
    「ですから、まだ場慣れしていない女の子。アイカツに励むアイドルの卵ってのはどうです」
    「それは例えば、アイドル学園の生徒かね」
    「ええ、私に任せて下さい。必ず良い素材が見つかるはずです」
     全てマネージャーに任せることにした。
     全裸可能なモデルを派遣する業者からでは、確かに場数を踏んだ女性しか来ない。当たり前にポーズをこなし、胸も尻も晒せるプロの裸は、雇う金さえあればいいので、ある意味では見れて当然である。
     もっと脱ぎなれない、初々しい上で可愛い子。
     そんな女の子の方がいいのかもしれない。
    
         †††
    
     アイカツモバイルにオーディションの通知が入り、四ツ星学園に通う三人の女子生徒は、それぞれ顔を見合わせていた。
    「絵画モデルのオーディションだって」
     と、七倉小春。
    「小春は絵が描けるんだったよね」
     虹野ゆめ。
    「うん。このオーディションを出した芸術家の人は、とっても有名人みたい。芸術に見合った綺麗なモデルを探しているんじゃないかな」
    「ふふーん」
     桜庭ローラは既にどこか勝気な顔を浮かべていた。
    「もしかして、ローラは受けるの?」
     ゆめが尋ねる。
    「もちろん! ビシっとバシっとポーズを決めて、それをじーっと維持するのは、体力のいることだけどね。私はやるわ。挑戦あるのみ」
    「じゃあ私、ローラを応援するよ!」
    「私も!」
     三人とも、まだ知らない。
     その通知内容には、ヌードの募集である事実が記載されていなかったからだ。
    
         ***
    
     オーディション会場となる待合室では、あらゆる学校から集まった女子生徒が、それぞれの想いやチャレンジ精神を胸に宿して待機している。
    (この中から、合格するのは一人だけ……)
     意気込みに満ちた熱気は、部屋全体を静電気に満たしたように肌をピリピリ痺れさせ、それがローラの心を刺激する。
    (絶対に合格してやるわ!)
     しかし――。
    「みなさん。よくぞ集まって頂きました」
     オーディションの説明を行うため、芸術家の専属マネージャーを勤める男が現れると、熱と痺れの空気がガラっと変わる。
    「これより、ヌードモデルオーディションを開催致します」
    (ぬ、ヌード!?)
     そんなことは一言も聞いていない。
     あたりは騒然となっており、ローラ以外の全ての参加者も、たった今初めて聞いたらしい。
    「どういうことですか? 今になってヌードだなんて」
     すぐにローラは質問を飛ばしていた。
    「わざとですよ。我々が求める人材は、この土壇場で咄嗟に覚悟ができる度胸の持ち主。脱げないという方は帰ってよし。ヌードに合意できる方のみ、この場に残って下さいね」
    「合意できる人のみ……」
     参加者だった女子達は、お互いの顔を見合わせヒソヒソと相談を始めている。
    「ミロのヴィーナスのように、裸が芸術となることはご存知でしょう。うちが欲しいのは、そのテーマに一致した女の子。それは度胸や決断力の持ち主でもある」
     大げさに肩を竦めるマネージャーは、さらに一言付け加えた。
    「どうしました? どうぞ。遠慮なく帰って下さい」
     その言葉に押されるように、一人ずつ帰り出す者が現れた。
     二十人以上はいた女子の半数以上は抜け落ちて、この待合室の混雑具合が嘘のようにがらんと広くなってしまう。
    (どうする? ローラ。帰るなら今のうちよ……)
     実績を上げたい気持ちと、安易の裸は出せない板ばさみで、ローラは葛藤のままに立ち尽くしている。
    「あらあら、度胸のない子でいっぱいねぇ?」
     そこには周囲を嘲るような高身長の他校生の姿があった。
    「何もAVに出るわけじゃないのに、芸術への協力もできないだなんて、よっぽど自分の体に自信が持てない子達なんでしょうねぇ?」
     ムッとした。
     それはローラの勝気な性格を完全に刺激していた。
    「あなたは?」
    「当然、残るわよ。だけど、あなたは帰った方がいいんじゃないかしら? 四ツ星学園の生徒か何か知らないけど、ここで迷っているようじゃねぇ?」
    「いいえ、帰りませんよ。合格するのは私です」
    「言ったわね? 桜庭ローラ」
    「ええ、言いました」
     二人の視線がぶつかり合い、激しい火花が散っていた。
    
         †††
    
     芸術家の中年と、そのマネージャーに加えて、どうやら事務所などの関係者らしい複数の男が長いテーブルに並んでいる。
     脱衣オーディションの方法は、横一列に並んだ女子達が順番に前に出て、目の前でストリップを披露することだった。
     男しかいないテーブルに近寄って、一枚ずつ脱いでいく。
     すると、男達は女体品評会を開催して、やれ胸が大きい小さい、形がどうだ。くびれの良し悪しについて口々に語り始め、言葉によって辱める。順番が終われば列へと戻り、次の女子が同じようなストリップと品評会に移る。
     こちらからアピールするのは、ストリップと裸体以外に何もない。面接らしいやり取りも、特技の披露も何もかも、この場所には存在すらしていない。
    (これがオーディションだなんて……)
     八人並んでいた女子は、右から左へ順々に全裸となっていた。
     そして、七人目。
     撤退する女子を侮蔑していた他校生は、言うだけあって最も抵抗なく脱ぎきり、大きな胸と巨大な尻からなるグラビア級のボディを魅せつける。
    (これは手ごわい……)
     このオーディションで選ばれるのは、芸術のテーマに一致した女体である。腰の細まりがほどよい高身長の体格は、ここにいる誰よりも別格で、ローラの胸や尻では敵わない。審査員の反応からも、既に彼女で決まったような空気が流れていた。
    「おお! メロンのようなオッパイじゃないか!」
    「桜色の乳首がいいねぇ?」
    「唇も艶々で、一番ムラっときちゃうね」
    「先生。彼女で決まりでいいんじゃない?」
     こうも女を辱めるための会で、本当に勝ちたいかといったら複雑になってくるのだが、あからさまに挑発的な態度を取った他校生に負けるのも癪でならない。
    「勝負あったわね。もうあなた、帰っていいんじゃない?」
     特に恥じらいもなく列に戻ってくる他校生は、またしてもローラを挑発する。
    「どうしてですか」
    「だって、どうせ落ちるオーディションで脱いだって、損するだけでしょう? やめておいた方が身のためだわ」
    「勝手に決めないで下さい! まだ勝負は決まってませんから」
     自分は何を言っているのか。自分も同じ品評行為をされたいのか。
     いや、それでも嫌だ。
     この女には負けたくない。
    「四ツ星学園桜庭ローラ。脱ぎます」
     だからローラは前に出た。
    
     じぃぃぃぃぃ――――
    
     長いテーブルで横並びになった男の視線は、その全てが同時にローラ一人に注がれた。
     あわい水色にネイビーの締め色を合わせた制服は、サイドファスナーと胸元スナップボタンで着脱する仕組みである。
    「おっ?」
     それを脱ごうとしただけで、期待に満ちた声が上がって、ローラの手は一瞬止まる。
    (いや、負けない……)
     他校生への対抗意識。
     ぐっと恥を堪えたローラは、大胆に制服を脱ぎ去って、下着のみの姿となる。
    「脱いだものはこちらへ」
     と、そういう決まり。
     ローラは制服を折り畳み、テーブルへ運んでいった。
     こうして一枚脱ぐたび手渡すことで、最終的に全ての衣服を手放して、彼らが返してくれない限り全裸でいることになってしまう。
    「桜色のブラとパンツか」
    「さすがは桜庭ローラですなぁ?」
     下着の時点で品評会は始まった。
    「上下共に白からピンクのグラデーションで、中間の色の境目が鮮やかなのが、とても本人らしさというか」
    「ええ、雰囲気が出ています」
    「ブラ紐とパンツのゴムがレース付きなのもセンスがいい」
    「さあ、さっさと次を脱いで下さい?」
     自分達で制止させておきながら、あたかもローラが時間を喰った言い回しだ。腹立たしいことこの上ないが、背中のホックを外してブラジャーを取り去ると、控えめな膨らみしかない乳房を晒した。
     当然、ブラジャーもテーブルに置きに行く。
    (どうぞどうぞ。別に平気ですから)
     明らかに耳まで染め上げているローラだが、あくまで気丈に振る舞っていた。
    「うーむ」
    「わかってはいましたが」
    「さっきより小さいですな」
     あとはパンツ一枚しかない恥ずかしさと、乳房を貶す言葉に顔を歪めて、ローラは震えながら残りを脱ぐ。
    (――うっ! やばい!)
     尻とアソコから布地が離れ、下腹部の肌が外気に触れる瞬間は、言うまでもなく今までの脱衣の中で最も恥ずかしい瞬間だった。
     しかも、パンツの裏側にはおりもののシミがある。
    (わかっていれば新品を履いてこれたのに……)
     急なヌードの告知は、そんなささやかな対策さえも封じている。染み付きをテーブルに置くなり手に取って、あろうことかローラの目の前で確認した。
    「ちょっと茶色がついてますね」
    「ウンコ?」
    「んなわけない。おりものだよ」
    (こ、この人達……!)
     これで、全裸。
     毛の生えていないアソコは視線に晒され、乳首も硬く突起している。あまりの羞恥に思わず隠したくなってしまうのは、腰の後ろに手を回して、固く指を組ませることで堪えていた。
    「おや、ツルツルで」
    「けどよーく見てください?」
    「ああ、産毛程度にはあるんですね」
    「けどまあ、パイパンでしょう」
     アソコにコメントが集まっていく。
    「割れ目も綺麗で」
    「ビラがはみ出ていない」
    「なんというか。ヘラで掘り込んだような一本筋?」
     これが普通の面接であったなら、好感触の気配に素直に期待できるような、けれど性器に対する評価が高まっていた。
    (平常心……平常心……!)
     平然とした表情を維持しているが、本当なら恥ずかしさに歪みきり、恥辱にまみれきっているはずのものを無理に抑え込んでいるのだ。ただ普通の顔をするだけで、表情筋を少しずつ消耗していた。
     微かながらにピクピクと、顔を維持する筋肉が、痙攣じみて震えているのが、目が良ければわからなくもない。
    「お尻も見せてくれる?」
    「は、はい」
     背中を向けると、真っ白な丸尻に視線が集まる。
    「いいんじゃない?」
    「小ぶりで丸っこいし」
    「可愛さがあってそそりますよ」
     尻への評価をひとしきり浴びせられ、やっとのことでローラの審査は終了する。
     そして――。
     八人並ぶ全裸少女の中から、一人だけ合格者が決定するのだ。
    (これで選ばれるって、けど……)
     隣に立つ他校生の、当然自分が選ばれると思った顔。
    (この人に負けても悔しい)
     選定を選ぶのは芸術家本人らしい。
     だったら、他の余計な男達はどうしていたのか。ただ女の裸を見に来ただけか。思っていても口にはできないことが次々浮かぶ。
    「合格者は……」
     芸術家の口から、重々しい声が放たれる。
     みんなこれで合格したいと思うのだろうか。
     ただ、この芸術家だけは真剣な眼差しで、特にいやらしさなく品定めを行っていた。審査員がこの人だけなら、ローラもこんな気持ちにまではならなかっただろう。
    「ふふん」
     ニヤっとした笑みがローラを向く。
     合格者は私よ? と、目がそう言っていた。
    (わからないわよ。そんなの)
     ローラも目だけで言い返すが、明らかに尻と胸が豊満で、バランス良く腰もくびれた女体美は、百人が百人とも口を揃えて評価するものに違いない。それだけのスタイルを獲得するための努力を重ねた相手は――強敵だ。
    
    「桜庭ローラ」
    
     それが、芸術家の告げた名であった。
    「……え?」
     ローラ自身が驚く。
    「ど、どうしてですか!?」
     他校生は声を荒げた。
    「確かに肉体だけでいえば、あなたが最も万人受けする。しかし、欲しいのはテーマに合う素材であって、ここはグラビアのオーディションじゃない。腰のくびれも胸の大きさも、必須というわけではない」
     それが、彼女の選ばれなかった理由。
     ではローラが選ばれたのは……。
    「度胸があり、机上に振る舞うだけの精神力がある。しかし、かといって脱ぎなれてはいないため、羞恥心も十分強い。顔立ちといい控えめな胸といい、こちらの方が私の描きたい芸術には合っている」
    (よ、喜んでいいのかしら……)
     肉体では負けていた。
     だが、オーディションには勝った。あの態度だった他校生を下してやったのは、決して悪い気はしないのだが、同時に桜庭ローラのヌード画が製作されることまで決定している。
    (大丈夫よね。有名人だし)
     ローラも事前に調べてあり、目の前の芸術家がいかに著名で優れた画家であるかは把握している。彼の作品の中にはヌード画もいくつかあった。その歴代作品の中に、ローラの裸も加わるのだ。
    「……ま、負けたようね。だけど覚えてなさい? 次にまた会うことがあったら、今度は私が勝つんだから」
    「私も負けません。次もその次も勝ってみせますから」
     これが裸でさえなければ……。
     良きライバルと出会った瞬間として、もう少し絵になる場面だったことだろう。
    
         ***
    
     芸術家のアトリエでは、白い布を被せた土台に乗り、ポーズを取って二時間から三時間は同じ姿勢を維持することになる。休憩を挟むとはいえ、一切動かないように過ごすのは、意外と筋肉を使う労働だ。
     もっとも、日頃体力をつけているローラであれば問題ない。
     問題はポーズの内容だった。
    「あの、これ……」
     ローラは四つん這いとなっていた。
     尻を高く掲げるために頭と胸はなるべく低め、額を下に押し付けているので、自分自身の開いた脚の向こう側が逆さに見える。
    「芸術にエロスはつきものでね」
    「は、はぁ……」
    「ピンとくるポーズを見つけたい。とりあえず、このままでいてくれないか」
    「いいですけど、これって……」
     性器はおろか、明らかに尻の穴まで見えてしまう。
     よりよい角度を探してか、芸術家はローラのまわりをぐるりと一周歩いていき、最終的に尻の後ろにしゃがみ込む。
    (そこはお尻の穴……!)
     どこに顔が接近しているかなど、気配だけでもよくわかった。
    
     じぃぃぃぃぃぃぃ――
    
     と、どんな高出力かと思うほどの強い視線が、ローラの皮膚を焼ききらんばかりに、桜色の雛菊皺へと集中している。
    「テーマは強気な乙女。たまらない恥を堪え、無理に気丈に振る舞う姿だ」
     まるで尻に話しかけてこられるようだ。
    「だとしたら、これは立派な演技……」
     芸術家の意向に沿った自分を演じることが求められる。
    「自分は脅迫されていると思って欲しい。言いなりにさせられているが、負けず嫌いなので気丈に振る舞う。何でもないと言わんばかりに、ケロっとした表情でいようとするが、どこか恥じらいを隠しきれていない」
    (それって、演じるまでもなく既に恥ずかしくて死にそうなんですが……)
    「こちらに顔を向けて欲しい」
    「はい」
     ローラは肩越しに振り向いて、芸術家と目を合わせる。ローラの視界に入るのは、自分の肛門をまじまじと見つめてくる顔だった。
    
    「悪くはないが、別のポーズも試してみよう」
    
     次は立ち姿勢だった。
     肩を小さく内側に丸め、くの字気味に腰を折り、内股で太ももを摺り合わせる。両手で胸とアソコを覆い隠して、赤い顔のまま相手に強気な視線を向ける。脱げとでも強要され、全裸と成り果てた状態で脅迫相手を睨み返すイメージだろうか。
    
     同じ立ち姿勢のまま、頭の後ろで両手を組み、足を肩幅程度に開いて背筋を伸ばす。これからボディチェックでも受けるようなポーズ。何かの理由で捕まって、所持品チェックと称して体の穴まで調べられる直前なのかもしれない。
    
     背中を向け、肩越しにこちらを振り向く。
     両手で胸を隠しつつ、どこか涙ぐんでみせる表情。
    
     恥ずかしさのあまりに、思わずしゃがみ込んだイメージでのポーズは、横向きから見た具合と背中側から見た感じを比べられ、それらもイマイチらしく没となる。
    
     最終的にローラは、M字開脚を披露していた。
    (これって、自分を征服された気分……)
     仰向けで自らの膝を抱えて、ご丁寧に腰の下には枕を敷くから、全ての恥部が見えるように高さが調整されている。
     もう駄目だ。耐え切れない。
    「~~~~っ!」
     ローラは必死に顔を背けていた。
     横向きの顔は土台に埋まり、髪のかかった耳と頬だけが正面からは見えている。
    「うん。やっぱり、少し安直だがこれが一番か」
    (そんな……よりによって全部見えるポーズで……!)
    「唇を丸め込んで、恨みがましい視線をこちらに送るんだ。一人称視点の絵で、鑑賞する人間が絵の中の君にこのポーズを強要している気分になるためにね」
    (……そんな目的って、本当に芸術?)
     だが、相手は著名人。
     芸術での実績を持つ者という事実は、ローラの口から疑問を封じている。
    「このまま描き始める。いいな」
     芸術家はキャンバス台を立て始めて、絵の具を揃える準備にかかる。椅子に座って描き始めるので、これでローラは二時間以上動けない。休憩を挟みこそすれ、また二時間以上のまんぐり返しを維持すれば、合計四時間以上はこのポーズを取っていることになる。
    (やっぱりこのオーディション……落ちればよかった……)
     今になって後悔しても、もう遅い。
     諦めきった気持ちとなり、ローラは今日一日この卑猥なポーズを提供した。
    
         †††
    
     数日にわたって描かれたローラの絵は、綺麗な一本筋のアソコと清潔な肛門を映し込み、唇を中に丸めた赤ら顔からは、その羞恥心がよく表現されている。
    「これが私の……」
     自分自身の痴態を拝み、ローラはそれ以上何も言えずに目を背ける。
    (私って、こんな顔だったんだ……)
     表情自体はあえて作っている。
     ただ、赤面具合。
     恥ずかしいのは当たり前だが、慣れていけば耐えられる。合計何十時間かはそのポーズで過ごした以上、もう胸や尻だけで騒ぐこともなくなった。ならば顔の色など、まして耳までもを意図的に染めてみせるのは至難の業だ。
     だから、途中からは顔の色も普通になっていたはずだが、絵としての仕上がりには、初期の赤面具合が如実に反映されていた。そんな赤面ぷりを見るに、最初の自分はこんな顔だったのかとつくずく思う。
     それに、もっと芸術らしい芸術を想像していた。
     それこそ、美術館に置かれる絵画として、官能らしい色気こそあれ、男性向けのアダルトじみた卑猥は存在しない、そういう絵になると思っていた。
    (エロすぎ……)
     これが世に出ると思うと……。
    (……終わった。何かが終わった)
     アイドルを目指すのに、世に公表される絵がこれでは、さすがによろしくないはずだ。
     やっぱり、合格しなければよかったのだろうか・
    
         ***
    
    【ある評論家の言葉】
    
     四ツ星学園の生徒である桜庭ローラを題材として、実に卑猥なポーズを絵にすることで、モデルの中にある細やかな心理を抉り出しているように思う。勝気で負けず嫌いな性格から、こんなことでは折れまいと振る舞いつつも、顔面の色はみるみる赤に変わってしまう。羞恥心と相反する気丈さというものを見事に表現してのけた。
     性器ばかりか、肛門の皺でさえも容赦なく描ききったことは、この画家にある果てしないこだわりを感じさせる。
    
    
     あの芸術家の作品に下された評価を、後々になってローラも知ることになる。
    (か、体だけじゃない……)
     知ったローラはまずます俯いた。
    (心の中まで、絵にされちゃったんだ……)
     それはもう全てじゃないか。
     いや、違う。
     誰にでもある当たり前の羞恥心が描写されたというだけで、日々アイカツに励む学園でのローラまでは描かれていない。
     けれど、体以上のものまで描かれた事実は、ローラにとって最高に気恥ずかしく、これから何週間経っても、何ヶ月経っても、ふとすれば思い出してしまって、ちょっとした日常の中で急に顔が染まるようなことになる。
     夢にも出るだろう。
     それは誰かに裸を視姦されるものかもしれない――だって、既にされているのだ。絵の中にいるローラは、大金を払ったコレクター以外にも、ネット画像として広まっていく。こうしている今にも、どこかにいる誰かの視線が、ローラの胸かアソコか肛門を眺めているのだ。
    
     ヌードモデルはもう真っ平……。
    
    
    
    


  • 催眠謝罪 山吹凛・陽

       

    
    
    
     ウィルウェアによる犯罪に対処すべく活動を行う警視庁第八係であるが、毎回のような無茶な作戦の数々は、市街に副次的な被害をもたらすことも少なくない。その事後処理の一環として毎度謝罪回りを行うのは、室長の山吹凛だ。
    「申し訳ありません!」
     高級ソファに座る俺に向かって、彼女の頭が下げられる。
    「まあ、今回も大変だったんだろう?」
    「はい。想定を上回る改造が施されておりまして――」
    「言い訳はともかく、女性にしか出来ない当たり前の誠意の見せ方があるはずだよ」
    「……わかりました」
     凛は何ら疑いを抱くことなく、まるでそれが正しい謝罪の作法であるように、俺の股座に跪いてはベルトに両手を伸ばしてくる。「では失礼致します」と一言告げ、細やかな指先でズボンの中から俺のペニスをつまみ出すなり、まずは手でしごき始めた。
     絡みつく五指の動きは既にこなれたものとなっており、亀頭と竿の境に人差し指と親指のリングが引っかかっては、つまずくように通過していく刺激がたまらない。ほどなくして鈴口にキスを行い、亀頭を口に含んでのフェラチオ混じりの手コキは最高のものだった。
    「ちゅるぅぅ……ちゅむぅぅ……」
     大きく広げられた唇の輪が、カリ首にフィットしながら亀頭を口内に覆い隠す。這いずるように動く舌先は、鈴口を上下になぞるように舐めまわし、右手は指圧的なほどよい握力をかけて上下する。
     射精をすればゴクリと飲み干し、次に俺は尻を差し出すように命じた。
     上半身を机の上にべったり這わせ、紅色のタイトスカートに包まれた凛の尻が、この俺に向けられる。俺はしばし着衣越しに撫で回す。左右の尻たぶにぐるぐると、円を描くようにして手の平をべったり這わせ、よく形を確かめてやった。
     スカートを持ち上げれば、ストッキング越しのショーツ尻が丸出しになる。そいつを好きなように揉みしだいたあとは膝まで下げ、よく濡れるまでアソコを愛撫してから、俺はバック挿入を開始した。
     ――パン! パン! パン! パン! パン! パン!
     締まりの良い膣内を突き捏ねれば、尻を打ち揺らす打撃音が鳴り響く。凜は自分の手で口を塞ぐが、指の隙間から漏れ出る息音は、確かに感じた女の喘ぐそれだとわかった。俺はその両腕を掴んで、背中の後ろに組ませて押さえ込む。
    「――あっ! ああぁ! ふあぁぁあ! ああん!」
     途端に激しい喘ぎが聞こえた。
    「――ああっ、んっ! んぅぅ! んはぁぁ!」
     貫くたびに首でよがり、背中を大きく反り返す。
     彼女からの謝罪に関しては、いつもこのように受け取っている。催眠能力を持つ俺に対して凛が疑いを抱くことはなく、これが正式な謝罪の作法か何かと誤認している。聞けば妹が人質に取られた際は「妹を特別扱いは出来ません」ときっぱり言い切ったというが、そんな職務を冷徹にこなす心の持ち主が、ひとたびセックスを正しい謝罪と思い込めば、たちまちこういうことになる。
    「くあぁぁ! あん! あぁん!」
     体位を変え、対面座位で自ら腰を上下させれば、『職務精神』でもって俺の両肩に手を乗せて、丁寧に膣圧を加えて締め付ける。引き絞るような肉壁のプレスが、俺の肉棒を根元から快感に染め上げて、射精感がこみ上げるまでにそう時間はかからなかった。
     凜もまた、ここにきてペースを上げる。
    「――あ! んぁあ! ふああ!」
     快楽のあまりか、首が上向きに沿っては顔が天井を向いている。
     絶頂の前触れだ。
     やがて、俺もまた射精へと導かれる。
    
     ――ドクゥゥゥ! ビュルルン! ピュルゥ! ドクン!
    
    「――ああああ! んあぁあああああん!」
    
     脈動で跳ね打つ俺のペニスは、ビクビクと精液を吐き出した。
     絶頂した凛はぐったりともたれかかり、俺に身体を密着させたまま腰を沈める。体力を使ったものの、自分で腰を持ち上げ肉棒を引き抜く気力がなく、俺の肩に顔を埋め込んだまま大きく息を吸っている。
    「ところで、妹さんの話だが」
    「はい。今夜にでも……」
    「しかし、いいのかね? 山吹くん。自分の妹を差し出すなんて」
    「家族を抱かせるのは一般常識のはずですし、妹を特別扱いはできません。陽もきっと納得するはずです」
     なかなか催眠の効きがいい。
     あとは妹さんとやらにも、姉の仕事関係の男に体を開くのは一般常識と刷り込めば、いとも簡単に抱けるわけだ。
    「あっ……」
     凛が表情を変える。
     膣内で萎えた俺のペニスが、この数分の休憩で精力を取り戻し、再び勃起状態となって膣内を内側から押し広げる。疲れ気味の凛としてはたまったものではないのだろう。勘弁して欲しい表情で、ぼっそりと言うのはこんな言葉だ。
    「もう一度、しますか?」
    「疲れたんだろう?」
    「いいえ、そちらにご迷惑をかけた分、こうした形でご満足頂くのが私の義務ですから」
     こうして凜は腰を弾ませ、俺は二度目の射精に至るまで存分に堪能した。
    
     そして、その夜――。
    
     俺は山吹凛の案内を受けて自宅にお邪魔させてもらい、その妹の山吹陽にも催眠をかけ、俺の命令に従うことは義務や使命のように思わせる。
     結果として、妹は姉からフェラチオの指導を受けていた。
    「いい? 歯は立てないこと。口を大きく開けて、舌はきちんと使う」
    「うん。やってみる」
     足を大きく広げた俺の股座で、膝をついた二人は一緒になって俺のペニスと向かい合う。指導を受ける陽がまず咥え、舌遣いの拙い前後運動を行った。
    「はむぅぅぅ……」
    「そうそう。上手上手」
     この姉妹は顔が全くウリ二つで、姉妹というより双子に見える。今は警察制服と学校制服をそれぞれ着用させているため、まあ区別はつくのだが、これで同じ服装をされたら果たして見分けがつくだろうか。
    「そろそろ二人で舐めてくれ」
     俺は念願のダブルフェラチオを要求する。
    「わかったわ。いくわよ? 陽」
    「うん。お姉ちゃん」
     二つの顔から伸ばされる紅い舌が、肉棒の左右側面を舐め始めた。根元から亀頭へ向け、這いずるように舐め上げては、顔が交互に上下する。俺は下に手を伸ばし、二人の乳房を揉みながら、二人の舌遣いを同時に味わった。
     片方の舌先がぴとりと張り付き、亀頭の頂点へと向かっていく。鈴口を軽く吸い上げ、根元へ戻ると、もう片方の舌先が交代のように舐め上げる。連携の取れた動きが肉棒に唾液をまぶしていき、やがてはヌラヌラとした光沢を放っていた。
     次にはお互い頬をくっつけ合い、二つの舌先で同時に亀頭を舐めてもらった。伸ばされた舌がチロチロと蠢いて、亀頭の三角形にある二つの辺をそれぞれ丹念に舐め込んでいる。これをしばらく楽しんだあとは、いよいよ妹さんの処女を頂くことにした。
    「ベッドへ行こうか。陽ちゃん」
    「……はい」
     陽は静かで素直だ。
     腰のくびれに手をまわし、ベッドのある部屋までいくと、俺は仰向けに倒れた陽からショーツを脱がせて秘所の愛撫を開始する。時間をかけて縦筋をなぞり込み、ようやく濡れたとわかるや否や、俺はペニスを突き立て挿入した。
    「――っはぁ!」
     陽は目を見開いた。
     それは破瓜の痛みだろうか。
     腰振りを行うと、陽は額に脂汗を浮かべながら、狂おしげに髪の毛を振り乱す。ベッドシーツに髪が散らかり、その官能的な光景に興奮した俺は、ブレザーとワイシャツのボタンを外して前を左右にはだけてやる。
     ピンク色の可愛いブラジャーの上から胸を揉み、締め付けの激しい処女穴にはゆったりとしたストロークで突き込んだ。
    「あぁ……あぁぁ………………」
     引き絞ったようなよがり声。
     じっくりと膣内を突き捏ねた俺は、やがて射精してペニスを引き抜く。
    
    
     それから、数日後。
     俺は姉妹の尻を並べて、3Pを楽しんでいた。
    「んぁ――ああん!」
     姉の尻を突き揺らし、しばし堪能すると引き抜く。今度は妹の方に挿入しては腰を振り、また堪能しては引き抜いて、隣に移るということを繰り返していた。
     さらに性器を貝合わせにしてもらった俺は、秘所と秘所の押し合わさった狭間に肉棒を捻じ込んで、上側になった妹の尻を揉みながら腰を振る。最後は二人を仰向けに並べた上に精液を撒き散らして満足した。
    
     さて、あとは……。
     他のダイハチのみんなも抱いておこうか?
    
    
    


  • 催眠職質 花咲里あさみ

       

    
    
    
     何が怪しく見えたのか。何が問題に見えたのか。俺としては普通にコンビニへ出かけて帰るだけのつもりだったが、よほど挙動不審にでも映ったのだろうか。はたまたは事件でもあり、容疑者とよく似た容姿だったとか、そういった事情でもあったものか。
     ともかく、俺は警察に声をかけられた。
    「すみません。これからどちらへ行かれますか?」
     紅色のスーツとタイトスカートを制服とした女性警察の胸元には、名札が刺繍されている。俺はその名前を見て、彼女の名が花咲里あさみであることがわかった。
    「ええっと、家に帰るところですが」
    「警察です。失礼ですが、そのカバンの中身を見せて下さい」
     俺にはやましいことは何もない。
     コンビニではレジ袋を受け取らないことにしているから、カバンの中身といっても金を入れた財布と購入した夜食用のカップラーメンの数々だけである。見せたところで困るものは何一つないのだが、まるで犯罪者扱いをされているようなのは気分が悪い。
     だからというわけではないが、
    「わかったわかった。職務質問には応じるけど、ウチがすぐそこなんだ。どうせなら、俺の家までじっくり調べてみないか」
     と、非常識なことを口にする。
     礼状もないのに家宅捜索などするわけがないし、ましてや俺は街中でたまたま怪しく見られてた運のない男にすぎない。男と女ということもあり、さすがに怪訝な顔を浮かべるのが常識的な反応だろう。
    「ご協力感謝します。それでは早速案内して下さい」
     しかしながら、あさみは欠片の疑いも抱いていない。
     本当に運が悪いのはこの子かもしれないな。
    
     ――催眠能力。
    
     そんなものを身に付けた男に声をかけたばっかりに、これからあさみは俺の性処理に付き合う羽目になるんだから――。
    「でも大変だよね。男の職質って、チンコ握ったりするんでしょう?」
    「That‘No problem」
    「ふーん。で、俺がなんか怪しい?」
    「逃亡中のウィルウェアの犯罪者が、ちょうどあなたと同じくらいの年齢です。人海戦術ということで、少しでも気になった人には必ず声をかけるように通達が出ているんです」
    「あー。そういう理由ね」
     てっきり、この俺のどこがそんなに挙動不審で怪しいのかと、正直なところ心外だったが、そういう理由であれば誰にでも声をかけるのだろう。
     家に到着した俺は、玄関を開けてあさみを迎える。
    「ではお邪魔致します」
     何の疑いもなく靴を脱ぎ、俺の家へと上がっていく。寝室まで連れていっても疑問の声は一切上げず、俺が服を脱ぎ始めても何も言わない。全裸になると頬を朱色に染めるのだが、あさみはただ己の『職務』を全うするだけである。
    「確かチンコを握ってシコシコするんだったよね」
     俺は勃起した肉棒を反り立てて、仁王立ちであさみに切っ先を向けてやる。あさみは赤らんだ顔を背けるも、チラチラと気にかけるようにして、何度も俺のチンコを見ながら、やがて俺の目の前に跪いた。
    「始めますから、動かないで下さいね」
     あさみの五指が巻きついて、俺の肉棒を上下にしごき始める。
    「おおっ……」
     俺は早速、快楽に浸った。
     絹のように柔らかい手の平が、肉竿を包んで動いている。見ればそこには、俺の様子を伺うための上目遣いが向いており、恥ずかしそうの表情を揺らしながらも、とても真面目に『仕事』をこなしている。
    「どうかな? 何か怪しいところがある?」
    「まだ、わかりません」
    「そっかー。手だけじゃわからないようなら、他にも色んなことが必要だよねぇ?」
    「……そうですね。口を使って調べますが、よろしいですか?」
    「もちろん大歓迎」
    「では失礼します。はむぅぅ……」
     大きく開いたあさみの口が、俺の肉棒を先から飲み込む。リング状に丸く広がる唇が、きつく締め上げてくることで、根元から約半分は手の平に包まれて、もう半分は生温かい口腔粘膜に覆われていた。
     頭が前後に動き始めて、後退していく唇はカリ首を通過。亀頭の口にキスをしているような状態になってから、また唇は前進して、約半分を飲み込んでは再び後退。
    「んっ、ぶっ――じゅぅぅぅぅ――ちゅるぅぅぅ――――」
     唾液のぬかるみを纏った舌は、竿の裏側に圧着している。左右に小刻みに動くことで刺激を加え、時おり鈴口をペロリペロリと舐め上げる。その舌先が亀頭まわりをぐるりと、何周もかけてまわっては、また同様の前後運動が繰り返された。
    「はぁー……いいわぁー……」
     俺の肉棒を口に含んだフェラ顔が、上目遣いで俺の様子を伺っている。見え隠れする竿は唾液でヌラヌラと輝いて、根元を握る右手はマッサージのように指圧を行う。
    「んじゅるぅぅぅ――ぢゅぢゅぅぅ――じゅぶぅぅ――んじゅぅ――ずりゅぅぅ――――」
     口周りの筋肉に力が入ってか、唇のリングが幅を縮めるようにして、肉棒をきつく締め上げながら前後する。天国にでもいるような心地に満たされた俺は、うっとりと浸るようなご機嫌なため息を深く吐き、あさみに尋ねてみる。
    「何かわかった?」
    「いえ、せっかくご協力頂いているのですが……」
     それもそうだ。
     そもそも、不審な所持品でも持っていないかを確かめるはずの職質で、何故かフェラチオに励むのだから、結果なんて出てこない。
    「うーん。そうだな。簡単に射精するような悪いチンコじゃないかを確かめるのが、この職務質問の意味だろう?」
    「その通りです。今のところ怪しいところはありません」
    「そうかな。ちゃんとセックスをして確かめないとマズくない?」
    「あ、ああ! それもそうです!」
     それはまるで、今まで忘れていたことを急に思い出した顔である。
    「だったら、ベッドに横になってね」
    「OK」
     もっとも、この催眠にしても性への恥じらいを除くわけではない。これから俺に犯されることになるあさみの顔は、「ああ、これからするんだ……」とでもいうような、覚悟をしているのか諦めているのか、どこか複雑な表情を浮かべている。
     タイトスカートの中に手を入れて、ストッキングとショーツを順番に抜き取っていく。脱がされる瞬間のあさみといったら、頬を朱色に染めながら、目まで強く瞑って何かを堪える表情を浮かべていて最高だった。
     さらに手にした下着を高々と、勝ち取った戦利品を誇示するように笑ってやると、さしものあさみも声を荒げる。
    「は、早く済ませて下さい!」
    「はいはい。じっとしててね?」
     全裸にしようかとも迷ったが、結局は着衣セックスに心を決めたこの俺は、あさみの股を開いては腰を押し付け、上着とワイシャツのボタンを外す。前を左右にはだければ、白いスポーツブラジャーが顔を出し、俺はそれもずり上げて、生乳房を揉み始めた。
    「…………」
     あさみは何も言わない。
     ただ、まるでこの状況が恥ずかしくて耐え切れないとでも言うように、顔を横向きに背けたまま俺の顔を見ようとしない。しだいに広がる赤面は耳まで達し、全身を緊張に強張らせて震える姿は、羞恥に震える乙女そのものだ。
     これはいい。
     こんな女が喰えるだなんて……。
     しばし秘所を愛撫して、十分に濡れたところでペニスを突き立てる。押し当てた亀頭の先端で雌穴の貫通に狙いを定めると、あさみの脚はより力んで強張った。
     そして、突き刺す。
    「――――んん!」
     あさみは低く呻いた。
    「頂いたよ。警察のマンコ」
     俺は勝ち誇った。
     尻を持ち上げるようにしながら、俺は埋め込んだ肉棒を抜き差しする。肉厚の巨尻は指を深く飲み込んで、狭い膣壁は竿全体を押し潰す。腰を振り込むにつれて水音が鳴り響き、脂汗を浮かべたあさみは髪を左右に振り乱した。
    「あぁ――んぅぅ――んぁぁ――――」
     ベッドシーツに散らかる髪が官能的だ。
    「精液はどこに欲しい?」
    「えっ!? どこって、普通にティッシュに出して下さい」
    「いいや、それだと職質の意味がないじゃん? 体のどこかで受け止めないと」
    「……そうでした。ではお腹に」
     なかなか無難な場所を言うものだ。
     腰振りのペースを早めた俺は、やがて絶頂に達していき、ペニスを引き抜いては望み通りの場所に撒き散らす。あさみはそのままぐったりと、息でも切らしたように肩を上下に動かしながら、手足はだらんと脱力した。
    「職質を受けた証拠として、写真を撮っておくからな」
    「え? え、ああ。そうですね。そういう規則です」
    「じゃあ遠慮なく」
    
     パシャ! パシャ!
    
     デジタルカメラのフラッシュが、あさみを照らして画像を残す。何枚もの事後写真を手にした俺は、あさみに述べた。
    「ふー……。こうして射精しちゃう危険なチンコだ。特に処分は必要ないが、また俺を街中で見かけることがあったら、念のためにまた職質をしないとな」
    「……そうですね。そうさせて頂きます」
    「せっかく住所を知ったんだ。暇な時に調べに来るのもいいだろう。っていうか、警察官のアンタが一身に俺の欲望を受け止めないと、善良な一般女性に飛び火して危険だからな」
    「そうするつもりです。あなたは私が相手をしないと――」
    「そうそう。じゃあ、休んだらすぐに出てけよ?」
     さて、俺はカップラーメンでも喰うか。
     あさみとは数日後にまたチャンスが巡ってくるが、それはまた別の話。
    
    
    


  • 犯される花咲里あさみ

       

    
    
    
     花咲里あさみが銀行強盗に巻き込まれたのは全くの偶然だった。
     お金を下ろしに来て、偶然だ。
     約二体のウィルウェア装備と、八名あまりの銃器武装者による計十名にあさみ一人で対抗するのは不可能だ。直ちにダイハチに情報を送るものの、瞬く間に一般市民は制圧され、一人ずつ順番に手錠で拘束されていく。
     両手を腰の後ろに封じられ、あさみも抵抗の手立てを失っていた。
    「その制服。警察のものだろ?」
     マスクを被った男の一人が、にったりと微笑みを浮かべている。背後には二名の男が銃を構えて、妙な動きを見せれば発砲されかねない。
     だが、相手は卑劣な犯罪者だ。
    「ここはすぐに包囲され、ダイハチのウィルエアもやって来ます。今のうちに投降して下さい」
     あさみは一切、態度では引かない。
    「お? さすがは警察さんだ。えーっと、花咲里あさみちゃんねぇ?」
     ダイハチの紅色のスーツには、胸元に名札が刺繍される。そこから名前を読んだ男は、おもむろに片手を伸ばして、あさみの胸を鷲掴みにした。
    「NO! 何を!」
     反射的に、あさみは後方へ身を引いた。
    「おっと、抵抗したらどうなるか。教えてやるよ」
     男の合図に合わせ、一名の武装者が発砲する。銃撃音の直後に聞こえるのは、膝を撃たれた中年男性の甲高い悲鳴であった。
    「なッ! なんてことを!」
    「お前が動いたからなんだぜぇ?」
    「……くっ!」
    「警察ってのは正義の組織なんだろォ? お前、自分が抵抗したせいで、何の罪もない一般市民が一人ずつ撃たれちゃってもいいのかなァ? 次は殺すぜェ?」
     再び男の手が伸ばされ、今度は両胸ともが鷲掴みにされてしまう。
    「くぅぅ……!」
     自分の抵抗一つで重傷者が出た手前、我が物顔で揉みしだかれても動くに動けず、あさみは屈辱を噛み締める。
    「あさみちゃん。お前、処女か?」
    「…………処女です」
     決して相手を許さない目つきを浮かべながら、あさみは一言答えてみせる。
    「処女の警察か。よし、動くなよォ?」
     マスクに顔が隠れた奥からでも、男のニッタリとした表情がよくわかる。そんな男の手がボタンを一つずつ外しては前をはだけ、ワイシャツも同様に割り開くことで、白いスポーツブラジャーがあらわとなる。
    「ほーう? スポブラかよ」
     男は胸元のゴムに指を引っ掛け、スポーツブラジャーを持ち上げる。ツンと上向きの半球型の乳房が曝け出され、あさみは一層顔を歪めて頬も朱色に染め上げた。
    (悔しい……こんな奴に…………!)
     自分は若くして警部補に上り詰めたエリートであり、特例で研修期間を終了してはダイハチに配属された崇高な警察官だ。市民を守るべき立場にいながら、自分は犯罪者ごときに胸を見せてもいい存在じゃない。
     だというのに、無骨な五指が左右の乳房に食い込み踊る。衆人環視の前というのもあり、あさみは耳まで赤く染めていき、恥と屈辱とで頬の筋肉をピクピクと震わせた。
    「おい。お前、感じてるのか?」
    「はぁ? そんなわけ――」
    「だったら、この乳首はなんだ?」
    「ひゃぁぁ!」
     不意に乳首をつままれて、乳房に電流が迸る。あさみは腰をくの字に折るようにして、勢いよく動いてしまった。
    「お? 今のは抵抗か?」
    「ち、違ッ……!」
    「そうだよなァ? 感じちゃっただけだもんなァ?」
    「うぅ…………」
    「どうなんだ? 答えろ。感じたのか? それとも、やっぱり抵抗したのか?」
     あさみは俯く。
    「……感じました」
     負けを認めるかのように、悔しげに震えながら呟いた。
    「――ハッハッハッハッハ! 傑作だぜ! 警察が犯罪者におっぱい揉まれて感じたってよォ!」
    「うっ、ぐぅ……」
    「傑作ついでに次はチンコでもしゃぶってもらおうかァ!」
     男は楽しげに笑いながらチャックを下げ、怒張した太い肉棒をつまみ出す。あさみは反射的に目を背け、犯罪者が調子づいている事実に歯噛みした。
    「どうした? 言うことを聞かないのも抵抗のうちにしちまうぜェ?」
    「……わかりました。人質には手を出さないで下さい」
     あさみは男に跪き、はち切れそうなほどに膨らむ亀頭を口の中に含ませる。
    (私が! 私がこんなことをするなんて……!)
     大口を開けることで顎に負担感を覚えつつ、リング状に広がる薄桃色の唇を巻きつける。顔を押し進めていけば、口腔を押し広げる圧迫感は強く、口では息ができなくなって息苦しい。その太さが故に、特に意識しなくても、あさみの舌はべったりとペニスに張り付いていた。
    「んむぅぅ――んじゅるぅぅ――――」
     視線を上げれば、あさみを見下ろす男の顔は実に勝ち誇ったものとなっている。何十人もの市民が見ている前で、警察にフェラチオをさせるのは、さぞかし偉くなった気分だろう。
    (悔しすぎる……!)
     リング状の唇を往復させ、亀頭が口内の奥と手前を行き来する。ピクピクとした脈動が舌のざらつく面に伝わり、かすかなカウパーの味まで広がった。
    「んぅぅぅ――んむぅぅ――んんうぅぅ…………」
     亀頭と竿の境目に唇がフィットするまで頭を引き、そこから顔を押し出しては、喉が塞がる直前にまで飲み込んでいく。初めて咥える不慣れさもあって、歯を少しは当ててしまうが、甘噛み程度のそれでは幸い抵抗とは看做されない。
    「うぢゅっ、じゅむぅぅ……」
     両手は腰の後ろに封じられているため、上半身だけで前後運動を行うのも、あさみにとってはやりにくい話であった。
    「ほーら、出すぜ?」
     ――ビュクビュク! ドクン!
     暴発的な脈打ちで、肉棒は口内を跳ね回る。頬の壁に、舌床に、天井に、あらゆる場所に白濁を撒き散らし、あさみの口内は汚白に染められる。
    「飲め」
    「……ごくっ」
     喉を鳴らせば、粘り気のある白濁は食道の壁を這うようにして流れ落ち、やがて胃袋に到達するまでがよくわかった。
     犯罪者の肉棒から出たものが、自分の身体で消化され、栄養としてまわってしまう。嫌過ぎる事実に打ちのめされ、あさみは静かに俯いた。
    「さて、交代か」
    「へへへっ、次は俺の番だな」
     別の男と入れ替わり、四つん這いになれと言ってくる。手錠の関係上、両手を床につくということはできず、胸と頭だけた下につき、尻だけが高い姿勢となった。
     すると、あさみの巨尻が強調される。
     くびれた腰の細まりから幅の広い骨盤にかけてのカーブが、魅惑的なラインを形成し、腰つきと尻山のいやらしさは服の上からでもよくわかる。丸々と肉を詰め込んだ膨らみが、紅色のタイトスカートを高く押し上げ、男の視線を一身にかき集めた。
     ぐにっ、と。
     両手が尻たぶを鷲掴みにしては、男は思う存分に揉みしだく。床に頬を押し付けて、ただ尻を差し出しているしかないあさみは、歯を噛み締めながら耐え忍んだ。
    「へへっ、正義のケツを揉み放題ってか?」
     食い込む指は自由に踊り、弾力ある肉を掴み取っては力を緩める。やがてタイトスカートを持ち上げては、ストッキングとスポーツショーツを介した布二枚の上から揉みしだき、次にはストッキングが膝の位置まで下ろされる。
     ポーズだけでも情けないのに、一枚ずつ守りを失っていく心地は、恐ろしいほど心もとないものである。
    (どうすれば……)
     どんなに状況を打開したくても、できることは何もない。ただ少しでも早く助けが来て、警察隊が彼らを制圧してくれることを願うのみだ。
    (私だって、警察なのに……)
     本来なら、こんな場所ではない。自分は制圧する側に立つ人間なのに、ただ運が悪かったというだけで自分一人で武装集団の前に居合わせて、スポーツショーツのゴムにも指が入り込んでは下げられる。
    「はい。おケツ丸出しー」
     ずるんと、膝まで下ろされた。
    「くぅ……!」
     あさみの肉厚な尻は、滑らかな美白肌にほんの少しの赤みをまぶしたような、白桃の色合いによく似ている。見ているだけで甘い果実の香りが漂って思えるほど、瑞々しくも大きな大きな美尻であった。
    「尻の穴まで丸見えだぜ?」
    「そ、そんな場所を……!」
     言葉による指摘を受け、あさみの頭は恥ずかしさで沸騰する。顔全体がまるで茹で上げたように赤くなり、あさみは歯茎が折れそうなほどに力強く食い縛った。人質の視線だってある中で、こんな男にお尻の穴まで見られるのは、乙女心ある未成年には拷問に等しい。
    「ほーれ、ツンツン」
     指先のノックが、黒ずみの薄い清潔な皺の窄まりを刺激する。反射的に尻が力んで、放射状の皺がぎゅぅぅぅっ、と小さく縮んでいく。
    (く、悔しい! こんな……!)
     執拗に繰り返されるノックで、肛門はヒクヒクと収縮を繰り返した。
     そして、また尻たぶを鷲掴みにして、指全体を蠢かせる。沈んでは浮き、沈んでは浮く軽やかな五指は、突如として尻を離れて――
    
     ペチン!
    
     平手打ちが軽やかな音を鳴らした。
     波打つようにプルンと、弾力あるゼリーのような振動を、その巨尻は一瞬だけ披露していた。
    「What!?」
    
     ペチン! ペチン!
    
     太鼓だ。太鼓を叩く感覚で、左右の腕を順番に振り上げながら、二つの尻たぶを交互に叩き始めている。
    
     ペチン! ペチン! ペチン! ペチン!
     ペチン! ペチン! ペチン! ペチン!
    
     ワン・ツー、ワン・ツー。
     と、声に出しているわけではないが、明らかにリズムを取った打ち方で、あさみの尻はそのたびにプルンプルンと、柔らかくバウンドしている。
    
     ペチン! ペチン! ペチン! ペチン!
     ペチン! ペチン! ペチン! ペチン!
    
     元の形に戻ろうとする弾力が強くてか、波打つ尻が振動するのは本当に一瞬だが、やまない平手打ちが何度でも打ち揺らすので、結果的に継続してプルプルと、小刻みな揺れは続いているのだ。
    
     ペチン! ペチン! ペチン! ペチン!
     ペチン! ペチン! ペチン! ペチン!
    
    「いいのかなぁ? 警察さんよぉ?」
    
     ペチン! ペチン! ペチン! ペチン!
     ペチン! ペチン! ペチン! ペチン!
    
    「犯罪者からお仕置きを受けるだなんて、アンタに正義感はないのかい?」
    「自分で人質を盾にして……!」
    「ハハハハ! 人質さえいなけりゃ、こんなことなかったのかなァ? だったらなおのこと悔しいなァ? 抵抗できれば俺らなんかイチコロなのになァ?」
     そこでスパンキングを打ち止めにした男は、ペニスを出して尻の狭間に接着させる。チャックを下げる音が聞こえた瞬間から、てっきり処女を奪われることを悟ったあさみは、お尻に肉棒を挟むという思わぬ行動に目を見開いた。
    「お、お尻って……」
    「公僕様は尻コキを知らんときたか」
    (尻コキって……)
     男はあさみの脚を引っ張り、四つん這いから仰向けに変え、閉じ合わさった脚の上に跨りながら肉棒を押し付ける。その方が尻の割れ目が閉じるので、狭間にものを挟みやすいからだ。
     両手で尻肉を中央に寄せ上げ、肉棒に可能な限り巻きつける。そのまま前後に動き出し、割れ目のラインに摩擦する。肛門の上を何度も何度も、亀頭が往復通過して、あさみはこの肉棒の形を尻で存分に味わうこととなった。
    
     ペツっ、ペツっ……。
    
     前後運動の腰が尻山の突出にぶつかるたび、前後にプルンと揺れている。揉むように蠢く指は、肉を寄せ上げることで竿の側面に圧着させ、少しでも深い谷間を作って、その狭間をペニスは出入りする。
     押し合わさった山肉のぴったりと閉じた狭間を割り開き、亀頭が尾てい骨の向こうまで進行しては、また割れ目の下弦へと後退する。
    (変態! 変態すぎる!)
     あさみは拳を握り締めた。
     腰の後ろで手錠のかかった状態のうつ伏せなど、それこそ制圧される側のものだ。警察に属していながら、強盗集団こそが自分を制圧した挙句に、こうして尻を自由に使われる。こんな姿を一般市民の人質達に見られている。
    「お前、ケツでかいって言われるだろ」
    「……っ! 言われません!」
    「ああん? 嘘付け、デカいんだよ。刑事だけにデカケツですってか? プッハ!」
     またも男はお尻を叩き、大喜びで打ち鳴らした末に腰振りのペースを早める。馬乗りをやめて腰を浮かせたかと思えば、それは背中への射精であった。
     ――ドクゥゥ! ドックン! ビュルルン!
     紅色の背中に撒き散らされ、白濁が衣服に染みる。警察制服への射精など、それこそ侮辱を受けた気がして、あさみはさらに歯噛みした。
     そして、次の男。
    「んじゃあ、ケツ上げろ」
     あさみは尻だけが高い姿勢に戻る。
     すると、さっそくチャックの下がる音が聞こえて、秘所の割れ目に肉棒の接近してくる気配がわかる。
    (い、入れられる……!)
     あさみは動けなかった。
     完全に、硬直した。
     本当なら、強引に犯されるなど、もっと極限まで暴れて抵抗してもおかしくない。しかし、自分の抵抗一つで脚を撃たれた人質を思えば、これ以上被害者を増やしてはならない警察としての『使命感』も湧いてくる。
     それは複雑な心境。
     他の女性達の存在を考えれば、自分でなければ他の誰かがこうなるのだろう。だとしたら、ある意味自分を盾にして、一人でも多くの市民を守っていることにはなるのだが、その実態は武装集団をあさみだけで鎮圧するのは不可能だったため、一緒に人質にされただけなのだ。
     だが、どちらにしても、抵抗と同時に銃の引き金は引かれてしまう。
    (……受け入れるしかないというの?)
     亀頭が、あさみの縦筋を上下になぞっている。
    (そ、それしかない……私のせいで市民が何人撃たれるかわからない……)
     そこに肉棒の存在を感じながら、今に来る挿入の予感に、こんな形で処女を奪われることへの覚悟を固めていた。
    「お? もう濡れてんじゃん」
    「NO! そんなことは――」
    「いいや、濡れてるぜ? そんなに興奮したかよ」
    「……そんなわけありません」
     言葉で否定したところで、秘裂から染み出る甘蜜が亀頭の先に絡んでいるのは、紛れもない事実である。
    「へへっ、入れるぜ?」
     突き立てられた肉棒は、確かにあさみの膣口に狙いを定めた。
    (……悔しい! 悔しすぎる!)
     涙に肩を震わせるが、それはもう受け入れるしかないものだ。市民の命を思えばこそ、あさみはこのまま動くわけにはいかなかった。
     ずにゅうっ、と。
     亀頭が割れ目を押し開き、その先端を膣口に沈め始める。少しずつ、少しずつ、小さな処女穴を内側から押し広げ、拡張していきながら、亀頭の約半分があさみの膣内へ――そして、カリ首までが入って一気に――。
    
    「――――――――!」
    
     貫かれたあさみは、声なき悲鳴を上げていた。
     これで、奪われた。
    「うっひょぉぉぉぉ! 警察様の処女を頂いたぜ!」
    「――っぅぅぅうう!」
     内側からの圧迫感にあさみは呻く。
     根元までが入り込めば、押し付けられた腰が巨尻を柔らかにむにゅりと潰れる
    「んっ! んっ、ぐぅぅぅ……!」
     すぐにピストン運動が開始され、男の腰が尻山を打つたびに、プルプルと波打つような肉揺れが披露される。
    
     ――パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン!
    
     肌を打ち鳴らす音がよく響く。
     巨尻は面白いほどにプルンプルンと、大胆なバウンドを繰り返す。男のピストン運動が、まるで尻の弾力に腰を跳ね返されているようにさえ見えてくる。
    「――あっ! あぐぅぅぅ!」
     あさみは腰の後ろの両手でよがった。
    「警察様の正義のおマンコ! 最高だぜぇ!」
     下腹部全体が力んでか、膣壁が肉棒を握り潰さんばかりに収縮する。肛門の皺もヒクヒクと窄まりを繰り返し、そして尻は波打ち続ける。
    「――んっ、んぅっ! んぐぅ……んぐぁぁ……あぁぁ……!」
    「ハーッハッハッハ! 銀行強盗のチンコに屈服しましたかァ?」
    「そんなわけ――ひゃうん!」
    「ほれほれ、だんだん声が甘くなってるぜ? 感じた女の声になってるぜ?」
    「違っ――あぁっ、あふぁぁ……はあぁん! んあぁぁああ!」
     甘い電流が脚に背中に駆け巡り、あさみはいつしか快楽によがっていた。
    「――あっ! あん! あふぁぁああ! はああ! ひあぁぁあああ!」
    
     感じてる! 気持ち良くなっている!
     私がッ、私が……犯罪者の手で……!
    
    「――んふぁぁああっ、あぅっ、うぅん! んはぁぁ!」
    
     認められない! こんな奴で気持ちいいなんて!
     私は――私は――。
    
    「おっと、そろそろ射精の時間だ」
     それは膣内射精の危機。
    「嫌っ! ナカは――ナカだけは――」
     あさみは初めて、再び尻を暴れさせ、挿入を逃れようと抗い始める。しかし、根元まで埋まったままに腰をくねらせてみたところで、余計に膣内がかき回されるだけである。ただ無意味にお尻をフリフリする滑稽な姿でしかなかった。
     そして、その抗いは魔法の一言によって沈められる。
    「それは抵抗か?」
    「…………」
     まるで嘘のように、スイッチでも切ったかのように、あさみは抵抗を諦めた。
    (だ、出される――!)
     脈動を感じ取り、射精の予感にあさみはぐっと身を固めた。
    
     ――ドクゥン! ドクッ、ビュルン! ドックゥゥゥン!
    
     肉棒の引き抜かれた膣口は、こっぽりと穴の直径を広げたまま、まるでヨダレを垂らすかのように白濁を垂らしている。
    
     敗北した正義の姿であった。
    
    
    
    


  • アクティヴレイド -機動強襲室第八係-

       


  • アセイラム姫の身体検査

       

    
    
    
    「殿下を疑うなど失礼千万! やはり地球人は姫様の尊いお気持ちを理解できていないのです」
     と、エデルリッゾ。
    「仕方ありません。そもそも、私が地球を訪れたことが火種となり、この戦争は起こってしまったのですから……」
     アセイラム姫は、憂うばかりだ。
    
    
     種子島で発見した、アルドノアドライブ搭載の飛行戦艦での航行で、アセイラム姫は晴れて地球連合本部へ到着した。
     停戦と和平を求める演説を行うことになるのだが、そう容易く全ての人間から信用されたわけではない。中には未だ陰謀を疑う者や、彼女を人質にして、火星に対して有利に立ち回ってしまえばいいとする、過激な提案をする者さえいる。
     彼らの意見を抑えるためには、信用を勝ち取るためのいくばくかの手順が必要だった。
     身柄をどのように保護して、どのような待遇で扱うか。
     どこで、誰が責任者となるべきか。
     姫を信じない層を納得させるため、あるいは姫の扱いに関する理不尽な提案に反対するため、彼女を味方にするべきとする派閥はあらゆる意見を飛ばしていた。
     そして、会議の中で出された提案の一つ。
    
     ――身体検査。
    
     地球の不利になるような、何かやましい持ち物など持ってはいないか。そうした検査を姫自らが受けることで、地球への敵意はないと証明する。いわばパフォーマンス的意味合いだ。
     しかし、その方法は女性の尊厳を著しく害するものだった。
     検査時は全裸となること。
     姫に対して懐疑的な人間を立ち合わせ、恥を忍んだ姿を見せて信頼をアピールすること。
     そんな条件が出されたのだ。
     マグバレッジ艦長は言った。
    「理不尽な提案です。検査そのものを拒否しても構いませんし、話し合いによって、方法を譲歩させることも可能でしょう」
     強制的な執行はされないらしいが、アセイラム姫はこの時既に決心していた。
    「いいえ、受けようと思います」
    「殿下!」
     エデルリッゾは反対したが、どのような形であれ、敵意がないことをはっきりと証明することには、必ず意義があるとアセイラム姫は考えたのだ。
    「いいのですね?」
    「構いません。それで皆の信頼が得られるのでしたら、私の体はどのようにでも調べて下さい」
    「では、そのように話を進めますので……」
    
     かくして、身体検査は始まった。
    
     検査用の一室。
     男達が立ち合いに並ぶその前へ、一糸纏わぬ姿となったアセイラム姫は足を踏み出す。
    「アセイラム・ヴァース・アリューシアです」
     秘所と乳房を手で隠した、赤面しきった表情で、アセイラム姫はそれでも毅然と振舞っている。
    「本来なら、このような扱いを受けることには納得しません。ですが、私が地球を訪問したことで、結局は争いが引き起こされたのもまた事実」
     声が、少し震えていた。
     こんな姿で、複数の男の視線に晒されているのだ。
     いくら人前に立つことに慣れた姫の身でも、衣服がなければ、たちまち緊張に縛られる。
    「今回の場合におきましては、そちらの主張にも正当性があるものと理解します。信頼を勝ち得る努力の一環として、この身体検査で身の潔白を証明させて頂きます」
     そうして、アセイラム姫はゆっくりと手を下ろす。
     初々しく膨らむ乳房を晒し、薄く輝く金色の毛の秘所さえ隠さずに気をつけの姿勢を取る。
     身分を落とされた心地がした。
     これから、彼らの目の前で体中を調べ尽くされ、その痴態を見られることを思うと、まるで姫の称号を剥奪されて地の底まで落ちたような気持ちになる。自らの決意とはいえ、このような扱いはかつて想像したこともなかったものだ。
     正直、悲しい。
     地球を訪れたりしなければ、この争いは起きていない。
     そして、起きてしまった争いを鎮めるにも、まずはこのような恥を甘んじて受け入れることになる。
     だが、そうすれば平和に一歩近づく。
    「どうぞ、お調べ下さい」
     戦争に比べれば安いものだと心を決め、アセイラム姫は決意した顔で言う。
    「では検査を開始します」
     検査官の手が触れた。
    「……………………っ!」
     異性に肌を触れられている事実に全身が強張って、肩が硬く持ち上がり、アセイラム姫はまるで、ガチガチに緊張した舞台の本番前のような状態になっていた。
    
     さわっ、さわっ。
    
     検査官は背後から、腰を両手で掴んで上下に撫でる。くびれの形に合わせるように、脇腹の肉をじっくり確かめ、その手はやがて脇の下へと上って行く。
     そして、姫がそうされている光景を、男達は眺めていた。
    「ほうほう」
    「あれが姫殿下のお体ですか」
     男達は、品定めするような目でアセイラム姫の体つきを品評して、視姦していた。
    (まさかこのようなことになるなんて……)
     突き刺さる視線が痛く思えて、姫は俯く。
    (けれど、自分で決めた事。これを耐え忍ぶことにも、立派な意義があります)
     アセイラム姫は自分の心に言い聞かせ、肌をまさぐる検査官の手つきをぐっと堪えた。
    
     さわっ、さわっ。
    
     背中全体から肩にかけてをさーっと撫で、腕をまんべんなく揉みながら移動する。
     こうして、皮下に仕込まれた何かがないか、検査官は淡々と確かめていた。
     そう、淡々と。
     検査官は単純に仕事をしている。
     ただそれを、本来いないはずの男達が眺めている。体を触られ、皮膚を調べられる全裸の女の光景を、開始から終わりまで全て見られる事に決まっている。
     恥ずかしいのは、それかもしれない。
     立ち合いとなった男達の視線こそ、アセイラム姫の羞恥心を最もくすぐり、必要以上に恥らわせていた。
    
     モミ。
    
    (……むっ、胸!?)
    
     モミ、モミ、モミ、モミ。
    
     検査官はアセイラム姫の乳房を手で覆い、じっくりと真顔で揉み始めた。
    
     モミ、モミ、モミ――。
    
    (耐えないと……。恥ずかしいのは当たり前です!)
     初めて胸に触れられた動揺で、軽くパニック気味になるアセイラム姫だが、平和への使命感で持ち直す。戦争と、人の死に比べれば、これしきの苦痛は比べるべくもないものだ。
     だから、心を強く保った。
    
     モミモミモミモミ……。
    
     どんなの胸を揉みほぐされても、姫は極力、赤面以上の過剰な反応は抑えている。頬がすっかり赤い以外、表情は無心に保たれ、強い心で耐え忍んでいるのがよくわかった。
     そして、男達はニヤけている。
     その視線のいやらしさを、アセイラム姫は敏感に察知していた。
     こうした検査は皮下に埋め込まれた所持品の有無を確かめるためなのだが、実際に女がそうされている姿を見れば、単に乳房を揉みしだかれているだけの絵にも映る。
     次に乳首が摘まれた。
    (やっ……)
     五本の指が、突起した乳首を包囲するかのように摘み上げ、検査官はその触感を確かめた。
    「乳房は正常ですね」
     検査官は次の指示を口にする。
    「自分の足首を手で掴み、お尻を突き出して下さい」
     要するに、全てが見えてしまう姿勢だ。
     こんなにも異性の視線がある中で、ただでさえ屈辱でしかない場所を見られる。尊厳の剥奪に他ならない行為を、何も言わずに受けなくてはならないのだ。
     アセイラム姫はまさに恥を忍んでポーズを取った。
     アソコも、肛門も丸見えであろう姿勢を。
    
     さわっ、
    
    (くすぐったい……)
     そっと撫でてやるような、やけに優しい触り方で、指がお尻をスライドする。触れるか触れないかの微妙なタッチは、産毛を撫でるような軽やかさで、くすぐったいあまりにお尻に意識が集中する。
     お尻ばかりにどんどん意識が引っ張られ、神経が集中して、これ以上ないほど触覚が鋭くなっていく。
     そして、十分に鋭敏化したところでだ。
    
     ――ツン
    
     肛門に、人差し指が乗せられた。
    (――――――っ!)
     大きく首が仰け反った。
     育て上げられた触覚の鋭さが、押し付けられた指の腹の形状を読み取って、男の指が如実なまでに伝わった。肛門などという場所を見られ、弄られている事実が、深く深く実感として突き刺さり、覚悟してきたにも関わらず今すぐ泣き喚いてしまいたい衝動さえ生まれていた。
    
     ぐり、ぐり……
    
     肛門を、揉まれている。
     耐え難い屈辱に顔が焼けそうなほどに赤らみ、歯が砕けそうなほどにアセイラム姫は食いしばる。
    
     ぐり、ぐり……
    
     黙って涙を呑むしかない。
     自分で決めたことへの後悔と、これでいいのだという諦めの念に挟まれ、アセイラム姫は静かに瞳を閉ざしていく。
    
     ……つぷっ
    
     指が、性器に挿入された。
     全身が強張った。
     乙女にとっての大切な部分の中へ、ただ検査という理由だけで男の指が入り込む。
     その事実に、アセイラム姫は顔中まで強張った。
     検査官の太い指が、膣壁のぴったりと閉じ合わさった狭間を押し進み、根元までを挿入する。
     ぐりぐりと指を回転させるようにして、膣壁を調べ始めた。
    
    (もうすぐ終わります…………)
    
     ただ、最後まで耐え忍んだ。
     恐ろしいまでの赤面で顔中を熱くして、ようやく指が抜かれてもすぐには安心できないまま、夜もまともに眠れなかった。
    
     検査官の指に体中を調べつくされる感触が、全身にべっとりとまとわりついて――
    
     いくら時間が経っても、その感触を肌が如実に覚えていて、夢にまで出てきてしまった。
    
    
    
    


  • 森川千夏 ホテル行き

       

    
    
    
     森川千夏はその口に一物を含んでいた。
     ホテルの一室。
     制服でこんなところに来るのはまずかったが、相手が制服プレイを望むので、荷物として持ち込んで、シャワーを浴びたあとでわざわざ着替えた。
     仁王立ちする男の肉棒を手で勃たせ、それから咥えた千夏は、ロクに経験もないフェラチオに励んで、どうにか射精させようと苦心している。
    「千夏ちゃーん。なかなか頑張るじゃない」
     別に、さっさと終わらせたいだけだ。
     だいたい、好きでこんな場所にいるわけではない。
     千夏はバイトをやめさせられた。学校で問題を起こしたことが伝わって、週五でシフトを組むことになったはずのバイトは、その日が最後となったのだ。
     そして、俯きながら帰ってみればだ。
     家に帰れば、暗い面持ちの父親が、母親に自分のリストラを打ち明けているところを見てしまった。仕事が軌道に乗ったら、きっと初めからお払い箱にするつもりだったのだと、陰鬱な顔で口にしていた。
     つい先日、いつもより早く家を出た父が、千夏の隣で言ったばかりだ。今の仕事が上手くいけば、主任に昇進できそうで、給料が上がれば千夏の学費も、と。そのときの父はもう少し明るい顔をしていた。
     そのあとだ。
     夕方の公園で、小さな女の子とバトルをして、その際にコインを使った後だ。
    
     ――君、森川千夏ちゃんだよね。
    
     男に声をかけられた。
    
     ――実はさ。君のお父さんの借金、まだ帰って来ていなくてさ。
    
     急いで家に帰った。
     父親を問いただした。
    
     ――すまない。千夏……。
    
     それが答えだった。
     だから、千夏はこうしている。
    
     ――そうだね。十回。
     ――十回もヤらせてくれれば、チャラにしちゃおっかな。
    
     さっさと終わらせれば済む話だ。
     終わらせれば……。
    
    「じゅっ、じゅむぅ――ずりゅぅ――ちゅるぅぅぅ――」
    
     拙い口技で、千夏は頭を前後に動かす。
     好きでもない男の、汚いものを頬張る不快感と、太くて長いものを口に詰め込むことの息苦しさに眉を顰めて、この男から教わったコツを駆使する。
    「ちゅむぅ……んむぅ……ちゅっ、じゅむぅぅ……」
     これはアイスだ。変わった味のアイスクリームだ。
     そう思っていなければ、やっていられない。
    「おっ、そろそろ出しちゃうよー」
     当然のような口内射精で、飲むことを強要された。
     白濁が喉を通って、胃袋に収まる感覚が、嫌なほどによくわかった。
    「じゃあ、初めてのセックス。してみようか」
     あとは身を委ねるだけだった。
    「汚れ、つけないで下さいね」
     千夏から言うのはそれだけだ。
     適当に寝そべって、いいように千夏に触れる手に耐える。頬やうなじを撫でる指を堪え、ブレザー越しの胸を揉む愛撫も、スカートに手を入れて、ショーツ越しにアソコをなぞる指も、我慢ゲームだとでも思って静かに過ごした。
    
     ――ちーちゃん。がんば!
    
     何を、頑張る。この我慢ゲームか。
     壁や天井に模様があり、数でも数えていれば時間が経つだろうと気がついて、一つ二つと数えていくうち、ブレザーのボタンが外されていく。ワイシャツが開かれる。いつしか生乳を愛撫され、ショーツも取られていた。
     手馴れた指先によって、よく濡らされたアソコは、あとは挿入を待つばかりだ。
     そして、入ってきた。
    「くぅ……!」
     初めての痛みに顔を歪めて、小さな穴を無理に広げてくる太さに耐えながら、千夏はピストン運動によって揺らされていた。
     これでもう処女じゃない。こんな形で失った。
    「うーん。やっぱいいねぇ? 高校生は」
     ただ、黙々と耐えた。
     男は千夏を道具としてしか見ていない。性処理の玩具で、性奴隷というわけだろう。だったら千夏も、毛虫やゴキブリでも我慢して、気持ち悪さに耐えるゲームだと思ってやるまでだ。
     長らく耐え、やっと時間が経つ。
    「よし、そろそろ出すかねぇ」
     コンドーム越しの射精が済んで、解放されるかと思ったが、もう一度抜いておきたいと言い出す男の一物を手に握り、千夏は右手でしごいてやった。
    
    
     少し日を開け、二回目は全裸での騎乗位だった。
     今日は自分から跨ってみるよう言われ、数分ほど手コキをやって勃たせてから、千夏は自ら上に乗る。肉棒を指に絡めて、自分の秘所に位置を合わせて、しっかりと膣内に収まるように腰を沈めた。
    「んっ、んぁ……! あぁ……!」
     跨った千夏が上下に動くと、男は寝そべった姿勢から、まだ二回目の経験に過ぎない千夏の努力を見上げてくる。
     だが、ゲームだ。
     たかが我慢ゲーム。
     その日は途中で体位を変え、バックでも正常位でも貫かれた。
    
    
     三回目は体操着とブルマに着替えた。
     マニアックなコスプレだけでなく、紺色のブルマが尻の厚みによって膨らんで、ゴムから肉をはみ出しているのが嬉しいらしい。ついでにショーツも何ミリか微妙に見えて、そんなブルマ尻を必要以上に撫で回す。
    「へへっ、いいよ? 千夏ちゃん」
     脱がせてはコスプレの意味がない。
     その日は必要な分だけ下げるだけで、男は千夏に挿入した。
    「あぁ……!」
     正常位で覆い被さる男は、両手で体操着の胸に食らいつき、揉みしだくことに熱中しつつも腰を振る。
    「あっ……く……! くふぁ……! んぁぁ……!」
     快感に慣らされた千夏は、しだいに喘ぎ声を上げるようになっていく。
    
    
     四回目はスクール水着で奉仕した。
     だいたい、一度に最低でも一時間以上はやる羽目になる。挿れて出して、それで終わりというはずがなく、大抵は手や口でさせられる。
     ひとりきりしゃぶったあとは、やはり千夏の尻を楽しむ。
     やがて愛撫が始まると、アソコが濡れて、ずらし挿入となってあらゆる体位で突き込まれ、男の満足いくまで肉体を使われ続けた。
    
    
     五回目はソーププレイ。
     六回目は性感マッサージで快感を教え込まれ、七回目ではパイズリを行った。八回目と九回目では長く時間を取り、前半と後半でコスプレの衣装を変えた。
    
    
     十回目ともなれば、休日の丸々一日を使う日程が取られていた。
     朝から夜まで、千夏は淫らな時間を過ごした。
     朝から手で勃させたあとは、口に咥えて射精させ、精液を飲んだあとでプレイが始まり、全身に愛撫を受けて千夏自身の性感は高められる。また体操着と言い出すので、着替えたあとでの挿入となり、数分後とに体位を変えながらの性交となっていた。
    「あーあ。このマンコともお別れか。約束だもんなー」
     いかにもわざとらしく、大げさに悲しむ素振りを見せるが、男は既に別の性交相手を見つけている。千夏とは違う境遇だが、間違いなく不幸に付け込んで、誰かの性を搾取した日々を過ごし続けるわけなのだろう。
     やっと、終わる。
    「あっ、くふぁ……! あっ、あんん!」
     終わる。終わるのだ。
     必要なだけブルマを下げた四つん這いで、尻の穴など丸見えであろう後ろから、腰のくびれを掴まれながら、千夏はピストンを受けている。
    「おっと」
     射精感を覚えてか。急にペニスを抜いた男は、思いついたようにブルマを引き上げ、食い込ませ、可能な限りTバックに近づけてから、はみ出た肉を撫で回した。
     さっきから、こうだ。
     射精の気配があれば引き抜いて、手で触るだけの楽しみに切り替えて、また時間が経ってから挿入し直す。
     やっと終わるという日にこれだ。
     男は一秒でも長く楽しもうとしてきている。
    「次はスク水ね」
     と、男がそういうので、千夏は体操着を脱いで、また着替えた。
     スクール水着になった途端に押し倒され、胸を集中的に愛撫してくる男は、乳首の突起を見てニヤリと微笑み、集中的に指で苛める。
    「うっ、くぁ……あぁ……!」
    「可愛い感じで乱れちゃってさ。君も俺のチンポが恋しい?」
    「そんなわけないです」
    「へえ? ま、いいけどさ」
     男は股間の布地をずらし、アソコの割れ目を晒してから、今一度肉棒を千夏の膣内に納めて腰を振る。
    「んっ、んぁぁ……!」
     ずっと調教されてきた肉体は、否応なしに敏感な反応を示していた。
    「せっかく感度も良くなったんだ。彼氏が出来たら楽しめるな? 感謝しろよ?」
     感謝ときたものだ。
    「ん! んぁ! あっ、あふぁ……! あん! あぁん!」
     きっと、千夏はひたすら、ただ喘ぎ散らして見えるだろう。
     男の目には、そんな乱れた千夏しか映っていない。本当はどれだけ我慢して、ゲームの終了時間を心待ちにしているか。女の子を性処理道具としてしか見ない、そんな男を今でもどれだけ見下しているか。こいつにはわからない。
    「あぁ! あんん! ふぁあ……!」
     何度も体位を変更した。
     騎乗位になり、側位になり、結局は正常位に戻ると思えば、また今度はバック挿入。スクール水着の上からワイシャツを羽織ってみて欲しいと言われ、眼鏡やメイド服、ランドセルなんてものまで用意して、楽しくもないコスプレ大会を交えて、休憩を挟んでは繋がった。
     最後は制服だった。
     学校のブレザーとスカートを着て、その内側には男が選んだ下着がある。
    「バックな」
     そう言われ、千夏はベッドシーツに両手をつき、静かに尻を突き出した。
     スカート丈が持ち上がり、ショーツの尻が丸出しになると、すぐに下着はずり下げられ、とっくに濡れている膣穴に挿入が行われた。
    「ぬぁ……!」
     本当に、最後のはずだ。
     壁掛け時計の時間が、とっくに夜をまわっているのを見て、これが最後の辛抱だと千夏は歯を食い縛る。
    「あぁ! あ! あぁ……! あん! あぁん!」
     そして、最後に絶頂した。
    
     ――ちーちゃん。がんば!
    
     頑張ったよ?
     こんな汚いことをね。
    
    
    


  • 墨田/腹いせ すず子陵辱

       

    
    
    
     セレクターとして選ばれた人間は、記憶の象徴となる五枚のコインを賭け、必ず誰かとバトルをしなくてはならない。
     バトルをしなければ、やがてコインは黒く染まっていく。
     全てが染まればその人間は消える。
     自分の存在がかかった以上、ならば墨田壮という男は、グズ子という名のルリグを従え、なるべく弱そうなセレクターを狙っていた。弱ければ弱いほど、しかも初心者であればなおさらいい。
     妙にオドオドした女子高生を見つけたとき、こいつはカモだと、墨田は早速近づいていた。
    
     ――こんにちは。君もセレクターだよね。
     ――そんなに怖がらないでよ。
     ――僕もそうなんだ。
     ――なんていうか急にこんなことになってどうしたらいいか。
     ――ずっとバトルしないわけにはいかないみたいだし……。
    
     いかにも人が良さそうで、しかも経験も少ない風を装い、きっと初心者に違いない穂村すず子をバトルに引き込む。
     ビンゴだった。
     まさしく、すず子は初めて入るバトルフィールドの様子に戸惑っていた。
     おまけに怒鳴れば、終わったらターンエンドだろうがと煽ってやれば、本当にターンを譲ってくれる有様だ。
     そのとき、墨田のコインは既に四枚。
     すず子に勝てば五枚となるはずだった。
     なのに負けた。
    
    「畜生! 何で俺があんな奴に!」
    
     敗北の苛立ちと怒りは、当然のこと自分を破った穂村すず子へと向けられる。
    
    
         **
    
    
     朝起きれば、既に父親は仕事に出かけている。
     そして、誰もいないリビングのテーブルには、夕食代が置かれていて、いざ父親の分までご飯を作れば、帰りが遅くなるとのメールが来る。結局一人で食べて、一人で一日を過ごして終わることなど珍しくもない。
     その日だった。
     その日、学校から帰って家に着いた時である。
    「来る。セレクター」
    「……え?」
     玄関に鍵を差し込み、これからドアを開こうといていたとき、ルリグカードであるリルの声が聞こえたのだ。
    「近づいてくる。後ろ!」
     リルの警告から、そう間もないあいだに、既に穂村すず子の背後に気配はあった。
    「へえ? ここがお前の家かよ」
     振り向けば、そこには初めてのバトルで勝ったばかりの男がいた。
    「あなたは……!」
    「偶然だねぇ? この前は負けちまったけど、今回はそうはいかねえ。もう一度俺とバトルしろよ」
     墨田壮が迫って来る。
    「え、ええっと……」
    「っていうか。親とかいんの?」
    「い、いえ……」
     墨田の荒々しい言葉遣いに対して、気の小さい性格であるすず子は、すっかり萎縮して小声で答えてしまっていた。
     その直後だ。
    「すず子!」
     返答してしまったことを叱責するリルの声が、カードの中から雷の勢いで放たれるが、こうなってはもう遅い。
    「へえ? それじゃあ、お邪魔しまーす」
     墨田は何の遠慮も無しにドアノブを掴み、すず子の許可を得ることもなく、勝手に上がり込んでは靴を脱ぎ散らかし、ずかずかと踏み込んでいた。
    「あの! 困ります!」
    「うるせえ! これからバトルすんだからいいだろ?」
     意味のわからない理屈で、怒鳴ることで強引にすず子を黙らせる。
    「あのぉ……女の子の家に上がる込むのは……」
     恐る恐ると、墨田のルリグカードであるグズ子が声を伸ばすも、「グズ子も黙ってろや」と、弱弱しい意見は一蹴されて終わりである。
    「で? お前の部屋ってどこ? 二階?」
    「あ、あの……! 本当に……!」
    「お前の部屋でバトルすんだよ!」
     手前勝手に階段を上がっていき、すず子の部屋を確かめるため、見つけたドアを次々に開いて覗き始める墨田に対して、すず子はたどたどしく背中を追うことしかできずにいる。もっと強気にものが言えれば違うだろうが、小さな声で「あの……」や「やめてください……」を繰り返すだけがすず子の限界だった。
    「すず子。警察」
     と、リルの声。
    「うん……!」
     オドオドとした気持ちばかりでいたすず子は、リルの指摘によって初めて、通報すればよいのだと当たり前のことに気づいて電話機へ駆けようとする。
    「させるかよ」
     しかし、墨田にもリルの声は聞こえてしまった。
     階段を駆け下りるつもりで振り向いて、すぐさま駆け出そうとしたすず子の動きは、墨田に腕を掴まれることによって停止され、さらにはそのまま引っ張られる。
    「嫌っ……!」
     抱きつくように後ろから、強い力で口を塞がれ、もう大声を上げて近所に気づいてもらうことさえできない。
    「オラ! 大人しくしろ!」
    「女の子に乱暴は!」
    「グズ子は黙ってろ!」
     ほとんど引きずり込まれるようにして、半ば以上強引に部屋へともつれ込み、ベッドの上に押し倒されたすず子は、これから起こる身の危険に戦慄して、必死なまでの抵抗を行った。がむしゃらに手足を暴れさせ、何としても逃れきろうと、パニック任せに墨田の体を乱打するが、すず子の腕力で男に与えるダメージなど決定打にはなりはしない。
    「だから暴れんなよ! 大人しくしろよ!」
     墨田も墨田で、いくらか弱い少女とはいえ、必要以上に暴れるものを押さえ込むのは苦労する。両手の力ですず子の動きを止めるのは簡単でも、服を脱がそうと手を移せば、自由になった腕がそれを阻止しようと墨田を叩く。
    「嫌! やめて! やめて下さい!」
    「うるせえ! お前みたいなド素人が俺に勝つなんておかしいんだよ!」
     明らかに腹いせだった。
     弱い人ばかりを狙って、見下して、そんな風に戦ってきたらしい男が、いざ負けたとあらば女の子相手に報復する。
    (やだ! なんで! なんでこんな人……!)
     すず子の決死の抵抗も、せいぜい時間を稼ぐ意味しかなかった。
     ブレザーのボタンは全て外され、ワイシャツも前がはだけて、既にブラジャーが露出している。スカートの中からショーツも下がり、それが膝の位置にあることで、両足を使いにくくされている。
    「そうだ! こうすりゃいいんだ!」
     墨田はすず子の首からリボンを引き抜き、やがてすず子の両手を縛り上げた。
     頭上に両手を拘束され、いよいよ抵抗が意味を成さなくなったすず子は、絶望に顔を染め、涙ながらの声を絞り出す。
    「お、お願いします……やめて下さい……」
    「ははっ、やめねーよ」
     いかにも下品としかいえない笑みを浮かべて、墨田はじっくりと、視線によってすず子の肉体を舐め回す。
     引き千切らんばかりにブラジャーを剥ぎ取ると、存分に乳房を揉みしだいた。
    「ほーう? なるほどなぁ?」
     採点とばかりに揉み心地を確かめて、点数までつけ始める。
    「うーん。八十点はあげすぎか? 七十点? 六十ってことはないよなぁ?」
     好きなように乳首を摘み、指先で乳輪をぐるぐる撫でる。
    「お願い……」
    「うるせーな。九十点やるから静かにしろ」
     と、墨田はデコピンで乳首を弾く。
    「痛っ……!」
    「へへっ、次はアソコの方も採点してやるよ」
     すぐにスカートへ手を突っ込み、毛の生えた一体を指腹で撫で回す。指先でクリトリスを探り当て、割れ目をなぞり、自分勝手な愛撫を始めてせせ笑った。
    「やめっ、やめて……! そこだけは……!」
    「あぁ? ド素人の分際で俺に勝っといて何言ってんだ」
    「だって! そんなこと……」
    「大人しく感じて喘いどけよ。いい具合に濡らしてやるからよ」
     墨田の乱暴な手つきは、力強い摩擦となって、痛いほどに皮膚を擦る。とても気持ちいいなどいえない愛撫に、それでも性器を保護するための粘膜が分泌され、墨田はそれをれっきとした愛液か何かと思い込む。
    「やめて……!」
    「はッ! 感じといて何言ってんだ」
    「感じてなんて……!」
    「どうせ期待してんだろ? 早いとこ挿れてやるよ」
     墨田がベルト金具を外し始めて、すず子はさらに表情を一変させた。
    「お願いします! それだけは! それだけは……!」
    「へっ、いいからいいから」
     聞く耳など持ちはしない。
     墨田は我が物顔でペニスを出し、すず子のことなど考えもせずに挿入した。
     一物の太さが、穴幅の狭い処女の膣口を押し広げ、ロクな経験もありはしない下半身に痛烈な電気を走らせる。
    「いやぁぁ……!」
    「可愛い喘ぎ声じゃねえか」
     喘いでなどいない。痛いのだ。
    「あっ、あぁ……!」
    「おらおら」
     だが、どちらにしろ墨田は、お構いなく腰を振る。
     すず子が嫌がっていようとどうでもいい。
     いや、むしろその方が、墨田にとっては腹いせになるのだ。
    「ほーら、俺の精子をくれてやるよ」
    「駄目っ! ナカは……!」
    「知るか」
     容赦ない射精が、すず子の膣内に熱を広げた。
    「そんな……!」
    「いい気持ちだったぜ? ありがとよ。次のバトルも楽しもうぜ?」
     楽しむだけ楽しんで墨田が帰ると、後には放心しきったすず子が残されていた。
     自分の初めて――。
     それが、あんな人に――。
     こんな形で――。
    
     ――次のバトルも楽しもうぜ?
    
     次? 次ってなに?
     もう私はこんなバトルなんて――。