第3話 膣内再現オナホール
機械の手による辱めは、競売参加者達を楽しませる絶好の催しとなった。鏡流の絶頂で盛り上がり、噴き上がった潮に興奮している参加者達の、一人一人の目がぎらついていた。
参加者の誰もが鏡流の肉体を求めている。
あの肉体をこの手で抱きたい。
我が逸物をねじ込んで、大いにいたぶって楽しみたい。その女体でもって快楽を得て、好きなだけ射精したい。本能的な欲望が刺激され、参加者達の財布の紐は緩んでいる一方だ。
日頃から豪遊して暮らす裕福な者達の金銭感覚は、鏡流にいくら注ぎ込んでもおかしくない。平然と大金を投げ込む者同士で入札争いが起こるのは、もはや決まったようなものだった。
その様子を肌で感じて、男はほくそ笑んでいた。
絶好の獲物を捕らえ、調教してやる楽しさもさることながら、誰かを商品として扱って、売りさばいてやる快感はたまらない。富豪から金を巻き上げ、人を物として出荷する感覚はいつ味わっても良いものだ。
男はそうした、人攫いや人身売買という行為自体に快感を見出し、楽しんでいる人間だった。
そんな彼にとって、目の前の光景はたまらない。
機械性の手という手に弄ばれ、悶え苦しむように髪を振り乱す姿を見ていると、もっともっと虐めたくなってくる。あと何回でもイカせてやり、その潮吹きでもって観客を楽しませてやりたいほどだ。
「皆様、もうしばしご覧下さい」
男はそう宣言して、数メートルほど後ろに身を引いた。
そうすることで眺めるのは、鏡流がホロウィンドウの数々に囲まれている光景だ。周りで弧を成すウィンドウの群れの、一つ一つが鏡流の感じる姿を鑑賞して、二度目の絶頂を心待ちにしているのだ。
(いい、いいぞ?)
群れの前に女体を差し出し、すると群れはこぞって視姦する。視線の数々を浴びる女性の、羞恥心によって悶え苦しみ、その上で感じもしている姿ほど上質で素晴らしいものはない。
鏡流は熱っぽい声を吐き出していた。
「はっ、くぁ――あっ、あぁぁ――あぁぁ――――」
左右に首を振りたくり、頬は色濃く赤らめて、熱のこもった息を吐き出す。揉みしだかれる乳房は柔らかに指を受け入れ、五指の沈む具合に合わせて変形を繰り返す。突起した乳首に絡む指先は、上下にくりくりと、同じ刺激を延々と行っていた。
アソコには一本の指が出入りしている。
そのピストンからはくちゅりくちゅりと音が聞こえ、剥き出しとなったクリトリスにも、ピンと長く伸ばした指が絡んでいる。先ほどと変わらずに、ピストンのための手と、クリトリスを攻める手と、さらにワレメを開く手が集まり、三本の腕がその一箇所へ同時に伸ばされている光景の、なんと面白いことだろう。
「あぁ――あっくぅ――んぅっ、んぅぅ――――!」
身悶えが強まっていた。
手足のよがりによってベルトが内側から持ち上がろうと、X字状の拘束がガタガタと揺れ動く。拘束を破る力はなくとも、取り付け部分である金具の音を鳴らして、その土台に振動がかかって揺れる音まで鳴っている。
「あっがっ、んぅ……あっ、あぁぁ……!」
喘ぎ声のトーンが上がり、四肢で悶えれば悶えるほど、それを見る参加者達の眼差しはギラついていた。ホロウィンドウには顔しか映っていないのだが、肩の妙にもぞもぞとした動きを見れば、気品を捨てて逸物を握っていることが窺える。
鏡流を見ながらオナニーをしている人物は、一人また一人と増えている状況だった。
そして、次の瞬間だ。
「はぁっ、あぁぁぁぁぁぁぁ――――――」
背中が浮き上がった。
ベルトによる阻害があっても、空きうるだけの隙間を後ろに空け、鏡流は胴体によるアーチを成そうとしているのだった。
そんな突き出た胴体は、しばしのあいだ痙攣を帯びてビクビク震え、そして脱力と共に落下する。
「はぁ――ふはぁ――はぁ――はぁ――」
その肢体はしっとりと汗ばんでいた。
全身の表皮が濡らしたてのようになっている。湯船につけ込んだ全身の、皮膚にまだ水分が残っているようなしっとり感の、さらにもう少しだけ水気のある状態が、今の鏡流の肉体だった。
指で触れれば、視覚的にはわかりにくい水分の存在が、確かに感じ取ることが可能である。そんな具合の濡れ方に、ほんの少しだけ玉の汗を浮かべた体は、ただでさえスタイルが良く美乳だというのに、より一層のこと魅力を引き立てているのであった。
その滴のいくらかは、アソコから噴き上がった潮の滴でもある。ほんの少しだけ出て来た玉の汗と、ほんの少しだけ降りかかった潮吹きの滴で、へそ周りや脚が二重に濡らされていた。
「では皆さん」
ここで男は呼びかける。
と、同時に――パチン! と、指を鳴らした。今まで鏡流を攻め立てた手という手は、それを合図に引っ込んで、ホースが自動的に巻き取られていくように、開閉口の中へと消えていく。最後にはシャッターが閉ざされて、手による愛撫は終了した。
そしてまた、次の催しが始まるのだ。
「性器をご覧下さい」
他の幾本もの手が消えた中、その部分の手だけは残されていた。性器のワレメを開くため、ピースの形で押し広げているそれだけが、唯一まだ役目を残していた。
性器の拡大撮影である。
指で開かれた肉ヒダが大きく大きく拡大され、ホロウィンドウ越しに鏡流を見る面々は今、実物よりも大きく表示された性器を目の当たりにしていた。
「とても綺麗ではありませんか?」
と、男が語る。
『確かにねじ込みたくなりますなぁ?』
『美味そうな色だ』
『うん? なかなかの乙女に見える』
性器への感想が次から次へと聞こえてきて、いかに中身を視姦されているかの実感が強まっていく。それだけに羞恥心が刺激され、鏡流の顔はリンゴのように染まりきっていた。
「販売する3Dモデルでは、この綺麗で尊い性器を正確に再現した高精度のグラフィックを約束します。実物と見間違えてしまうほどの、正確な作りとなるのです!」
高らかな宣言が鏡流の恥じらいをなおも刺激し、顔中に苦悶が浮かび上がった。
「わ、我の……そんな……」
自分を再現したモデルが一体どう使われるか、そんなことは言うまでもない。その上さらに、性器の細かな形状まで作り込まれるとあっては、モデルを視姦することが鏡流への視姦そのままではないか。
いや、それ以前に、今まさに中身が見られ放題となっている最中である。
「それだけではありません!」
男がそう口にしたことで、鏡流はもはや驚愕すら浮かべそうになっていた。
ここまできて、まだ他に何かがあるのだ。
「鏡流の膣を再現したオナホを販売します!」
聞くに目隠しの内側で目を見開き、鏡流はらしからぬ動揺に囚われていた。
「なっ、な……な……!」
指で開いてみての肉ヒダの外観どころか、膣内にかけての詳しい形状まで読み取ると、そう宣言したも同然ではないか。
「そのためにも、彼女の膣内にこれよりプローブを挿入します。そのプローブにはスキャナーのような機能があり、膣内の正確な形状を読み取ります」
シャッターの開く音が聞こえた。
鏡流に辱めを与えるため、新しく伸びて現れる機械の触手の先端は、細いプローブの形状をしていた。その先端が肉ヒダへと迫っていき、そして膣口へと埋まり始めていくのであった。
「ぬっ、くぅ……!」
膣内に棒状のものが入ってくる。
「我々の持つ設備には、読み取った膣の形状を反映し、即座にプリントアウトするオナホプリンターがございます」
(オナホプリンター……だと……?)
もやは3Dモデルのクオリティどころでなく、実際に肉棒を突き立てて、性欲を処理するための道具が鏡流の膣に見立てられようとしている。
徐々に入り込んでいた。
「あっ、あぁ……」
これから鏡流の膣を読み取り、形状を再現するための、そうすることで何人もの人々に鏡流の性器を配ってしまうための機器が挿入されている。
「やめっ、あぁ…………」
しかも、快感があった。
指でピストンをされ続けたせいでの愛液がべったり残り、それが潤滑油となってプローブをあっさりと受け入れている。指よりも太いものが入り込み、その太さに合わせて膣口は広がって、鏡流は少しの苦悶を浮かべながらに熱っぽい息を吐き出していた。
「なかなか、いい顔をするじゃないか」
「だ、黙れ……」
「鏡流、お前のアソコは既にスキャンが始まっている。その情報はオナホプリンター設備へ送信され、今まさに出力が始まっている最中だ」
「ぐっ、うぅ……!」
パッドからの電流も、今なお流され続けている。そのせいでの快感も手伝って、声の出そうになる鏡流は、きつく歯を食い縛っているのであった。
「そして、それをサンプルとして配布する。正確なスキャンにはあと少しかかるのでな。精度の低い情報で出力するのは試供品だが、サンプルとておおよそお前だ。お前のアソコが、マンコが男達の手元に配られる!」
自分の身体の一部がコピーされ、幾人もの手に渡る状況を思うだけでも悶絶ものだというのに、その部位が膣なのだ。鏡流の性器が商品化され、本人の承諾などあろうはずもなく、勝手に配布されているのだ。
『おおっ、届いた届いた!』
『早速転送されてきたぞ』
『なるほど? では試してみようではないか』
「なっ、な……な……!」
鏡流は狼狽した。
もうホロウィンドウの向こう側には、鏡流の性器が行き渡り、しかも使おうなどと言っている。肉棒の挿入がたった今から行われようとしている事実に、鏡流はこれでもかというほど引き攣って、苦悶の情を抱いているのだった。
プローブが抜かれていく。
もうスキャンは終わったのか、先端から伸びる糸を垂らして性器から遠のいて、鏡流の下半身には今まで棒状の物が入っていた余韻だけが残される。
ずにゅぅぅぅ……!
その瞬間、鏡流の中に何かが入って来た。
「これはっ、まやかし!?」
鏡流は驚愕していた。
確かに棒状の何かが、それもプローブよりも太いものが挿入されている。いや、されているはずなのだ。はずだというのに、実際には膣口は閉じ合わさり、何ならワレメからも機械の指が離れてしまっている。
今まで指のピースでワレメを開き、肉ヒダを公開していたものが消え、そのため肉貝すらも閉じている。
そのはずなのに押し開かれ、ねじ込まれたものが出入りを始める感触が確かにしている。
「んっ、あぁっ、なん……だ……!」
矛盾していた。
膣壁同士がぴったりと閉じ合わさり、確かにワレメも開かれてなどいないのに、何かが挿入されてピストンが始まったとしか言いようのない感覚はしているのだ。
「お気づきでしょうか!」
男は言う。
「実はたった一つだけ、サンプルの中には当たりを用意しています。当たりのサンプルは電極を介して感覚を繋げてあり、あなたの逸物を彼女に感じさせているのです!」
『おおっ、ワシか! ワシは今、そやつを犯している最中になるというのか!』
しわがれた老人の声だった。
「その通りです!」
『むっほぉぉぉぉぉぉぉぉ!』
すぐにピストンは加速した。
「――あっ、あぁぁ!」
鏡流は大きな声で喘いでいた。
果たして、膣内に感じる幻の肉棒は、声の主が生やしているものと同一の形状なのか。全ての感触がリアルに再現されているというのか。
閉じ合わさっている膣壁に、それでも肉棒が出入りして、愛液のぬかるみを活かした滑り良い摩擦によって、刺激が加わってくるのを鏡流は感じている。
「ふっ、ぐぅ……ぬっ、あっ、あぁぁ……!」
鏡流はこれまで以上に身悶えした。
貫かれるたび、四肢のどれかが跳ね上がり、ベルトを内側から破ろうと、自然と力が籠もっている。だが引き千切るなど不可能で、ガタっと台が揺れるのみに留まっていた。
「あっあっ! あぁ――あっがぁぁ!」
髪を激しく振り乱す。
首が左右に振りたくられ、そのあまりに頬に髪が張りついている。唇の中に数本が紛れ込み、額に浮かんだ汗のためにも前髪は張りついて、それが艶めかしさを増している。
『これはいいですぞ! 素晴らしいですぞ!』
今度はゆっくり、本当にやけにゆっくり、幻の肉棒は膣の外へと抜け出ていく。ただの後退に一体何秒かけるつもりかと思うほど、スローペースで竿は抜けきり、亀頭だけが収まった状態が出来上がるなり、その瞬間だった。
「あぁぁぁぁ――――――」
激しい勢いで、一瞬にして貫かれた。
槍で胴体を串刺しにされ、股から脳天にかけて突き抜けたかと思うほどの、強い衝撃に全身が揺さぶられた。それだけ大きな刺激にして、それは確かに快楽の固まりだった。
「あぁぁっ、がぁぁぁ――――――」
同じ方法が繰り返された。
「んぐっあっ、あぁぁぁぁ――――――」
ゆっくり、ゆっくりと抜け出ていき、そして一気に貫くことで、きっとホロウィンドウの向こうにいる老人は、鏡流の反応を確かめ遊んでいる。
「あっあぁあぁぁぁぁぁ――――」
そうすれば反応が大きくなると思って、玩具が楽しいような感覚で、激しい一撃を何度でも繰り出してくる。
「ぐっあぁぁぁ――――――――」
一体、そんな強烈な快楽の槍を、あと何度受け止めればいいというのか。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――」
為す術もない鏡流には、ただ耐えていることしかできない。
「くあぁっ、あぁぁ…………!」
喘ぎ散らし、髪も振り散らかす有様に、ホロウィンドウ越しの関心が集まっている。一人一人の手元にあるオナホールで、彼らは総じて、これが鏡流の中で味わう気持ち良さなのだと思いながらに、自らの逸物をしごいている。
「んっあ! あぁっあん! あん! あん! あん!」
感覚が繋がるオナホールは、当たりに恵まれた老人の持つ一つきりだ。
しかし、その他のオナホールを楽しむ面々としても、自分の逸物が鏡流の中に入っている状態で、鏡流が実際に喘いでいるというシチュエーションは面白くてたまらない。
「あぁっ、あぁぁ……!」
これだけ感じているのだ。
「んあっあん! あん! あん!」
声のトーンが上がっていき、やがてその瞬間を迎えるのは、時間の問題に過ぎなかった。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――」
鏡流は絶頂していた。
潮が噴き上がり、その滴が床を汚して、そしてイキ姿を見た競売の参加者達は、また一層と盛り上がっている。
さらに、その時だ。
「あっ、あぁ……こ、これは……!」
イった直後の鏡流を狼狽させるのは、やはりオナホールと感覚が繋がって、絶えず肉棒を感じ続けていることが原因だった。
全て幻、実際に挿入されているわけではない。
そうとわかっていながらに、それでも背筋がぞくりと震え、嫌悪感で体中の肌が泡立つ理由はただ一つ。
――ドクッ、ドクン!
と、老人が射精していることだ。
オナホールの中に溜まったものの、熱っぽく粘性を帯びた固まりは、全て鏡流にも伝わっている。精子など来ていないと、頭ではわかっていながら、膣内射精をされたとしか感じられない感触に、大いに引き攣っているのであった。