囚われ調教、精神硬質化 前編

 アーツ阻害システムの開発に成功し、その運用テストを行った結果、実用は極めて限定的なものとなることが判明した。
 阻害システムの基礎原理はアーツユニットの妨害に加え、それを操ろうとする人間の技術にも不具合を生じさせ、不発に押さえ込むものである。一応の成功はしたと言えるが、戦闘現場に持ち込むことはまずできない。
 第一の理由として、巨大な設備が必要となる。
 壁や天井を丸ごと機械化するような規模を設計した上、定期的なメンテナンスや使用時の消費電力など、現状では運用コストが高い上、阻害空間も室内という限定的な領域にしか発生させることはできない。
 山域、密林、海岸沿いなど、戦闘とはどんな地形で発生するかがわからない。
 よって、当面は軍事的な売り込みは避け、防犯や監獄設備といった方向に運用方針を運ぶことになるだろう。囚人の能力を封印する意義は言うまでもなく、防犯設備としての可能性、基地に侵入した者へのトラップといった扱いも考えられる。
「なるほど」
 彼は書類をテーブルに置き直し、眼鏡をずらして目を揉んだ。
 ライン生命所属の彼は、もっぱら技術の売り込みなど、外部への営業を主として働いており、開発に関わる一連の内容に目を通したところである。
 アーツ阻害システム自体は素晴らしい。
 有用な技術なのだが、運用コストの観点から、まだどこにも売ることはできないだろう。一回の起動ごとに見込まれる出費の見積もり、そもそもの導入にかかる手間などが、せっかくの魅力をいくらでも削ぎ落とす。
 経営者の男は残念そうに頭を振り、やれやれといった具合に肩を竦めた。
「ま、そういうわけなんだ」
 そして、その経営者の男の前には、テーブルを挟んだ向こう側にもう一人、白衣を纏った技術者の男がいた。
「ご察しの通り、起動時の消費エネルギーを考えると、よほどの化け物を封じるのでもない限り割りに合わない」
 彼に書類を見せていたのは、開発グループのリーダーだった。
「まったくだよ。これでは実験を繰り返すにも資金が流出しすぎてしまう。いや、後先考えずにみんながこれをやり始めたら、金があってもエネルギー資源の方が枯渇しそうだ」
 彼は冗談めかしてそう言うが、あながち冗談とも言い切れない。
 だから極力、節約を意識しながら今後も研究を進めることになるのだが、となると急速な技術発達は望めず、どこにでも売り込み可能になるのは十年先になるかもしれない。
「森を買い占めてなお余る金があっても、生えた木材が有限だからね。この消費エネルギー量の問題は早々に解決したい」
「そうしてくれないことには、技術の発展どころか開発自体を維持できない」
 研究速度にすら関わる問題は、現場にとっても深刻なものだろう。小説家が今どき手書きの原稿を進めるよりも、なお時間効率は悪い気がする。
「ああ、そこでなんだが、金に関してはプランがある。協力してくれないか?」
 ……金か。
 森を買い占めても、という例えを出したばかりの張本人が、金の方の問題解決を唱えようとしているのだ。
 無論、資金の話は重要だ。
「ま、話くらいは聞かせてもらうよ」
 聞かないわけにはいかないだろう。
「男なんて生き物は、だいたいそういうことに金を使う。そんなことは、俺達自身がよく知っているだろう?」
「まあね」
「そして、出演する女性に魅力があればあるほど、それを見たがる男の財布も緩むというもんじゃないか」
 聞けば聞くほど、経営者の男は眉を顰めた。
 リーダーが言っているのは、要するにアダルト動画を撮影しようという話だ。なるほど、わかりやすい資金調達の方法だが、アダルトコンテンツだから必ず売れる、などという保障はない。
 一体、どんなビジョンがあるわけなのか。
「そんじゃそこらの女性とは価値の次元が違うような女性にアテがあり、計画まで用意していると?」
「〝彼女〟だ」
 リーダーの言葉を聞いた途端、経営者の男は表情を曇らせる。
「上手くいくとは思えない」
 いくらアーツ阻害システムがあっても、あの〝彼女〟が屈する姿をイメージできない。
「いいや、やってみせるさ。俺達には絶対的な設備が付いている。誘き寄せるための手段も用意している。そこに入ったが最後、アーツを使うことができずに無力化され、俺達の思い通りになって終わりさ」
「…………」
 経営者の男は沈黙によって答えを渋り、俯きながら考え込む。
 確かに、あの女性の痴態を記録して、動画として売り込むことが出来るのなら、高額で買い取るような販売相手は見繕える。
 だが、成功しなければ意味はない。
 アーツを封じたところで、彼女はその肉体すら屈強で、それだけでは完全な無力化などできない。アーツ阻害システムに重ね、さらにもう一段階の何かを用意しなければ成功はありえない。
「お前の心配はわかる。だが――――」
 その時、リーダーの男はより詳細に計画を語って来る。
 それを聞けば聞くほどに、不安と曇りに満ちた経営者の男の顔は、徐々に晴れやかなものへと変わっていた。
「乗った。僕は慎重な人間だが、ギャンブルを嫌っているわけじゃない」
「そうこなくっちゃ」
 リーダーはテーブルの上へと手を伸ばす。
 それを見て、経営者の男も手を伸ばし、握手を交わしていた。

     *

 目覚めた時、そこは分娩台だった。
「やられたか」
 その瞬間から、サリアは既に自分の身に起きたことを理解していた。
 ライン生命の起こす不祥事の気配を嗅ぎつけ、事の始末をつけようと考え某国ビルへ赴くと、待っていたように現れた二人の人物を前に、自分の掴んだ情報が釣り餌だったと気づいたのだ。
 二人揃って、何かの勝利を確信した様子は、サリアにそれを悟らせる要素として十分だった。
 だが気づいた時には、もう罠が起動していた。
 ある程度の事態は想定していた。
 向かう先に何らかの用意があることも、仕掛けられた罠の種類も、頭の中にはいくつかのパターンを用意していたが、アーツ阻害システムはそのどれにも当てはまらない。まったく想定外の事態に直面して、なおもサリアは冷静な判断力により、戦闘か、撤退かの選択肢を脳裏に浮かべた。
 しかし、阻害システムの設備だけではない。
 パワードスーツを改良して、自立型ロボットとして動くそれに囲まれた時、硬質化の使えない状況で、サリアは自分がいかに追い込まれてしまったかを嫌でも理解し、さすがに撤退を前提に考え始めていた。
 その撤退すら許されず、床から、天井から、人の意識を奪うための煙が噴き出た。
 部屋全体が、壁も床も全てが、立ち入った者を確実に、より絶対的の無効化するための高度なトラップルームだったのだ。
 たちまちサリアは気を失い、地面に伏してからというもの、目覚めてみればこれである。
 全裸の状態で、分娩台だ。
 足を乗せるためのアームには、丈夫な革のベルトが巻かれ、サリアの両足は固く固定されている。肉体にはまだ煙の効果が残っており、どうやら筋力すら半減させられ、アーツはなおも使えない。
 おまけに両手も、頭の上で手錠に拘束されている。背もたれの上部、頭を乗せるための部分には、手錠の鎖を通せる穴が空いており、サリアは後頭部に両手を組んだかのような、筋トレの腹筋のような腕の形で、両手を使えなくされている。
 首には固い金属の感触があり、細い首輪が巻かれていることにも気づいていた。何の首輪かは知らないが、拘束を引き千切るだけの力を取り戻せば、すぐにでも機能を紹介してもらえるのだろう。
 そして、それが爆弾だった時には笑えない。
 腰のあたりには微妙な角度がつけられており、下腹部は微妙に上向きに、正面から肛門が見えやすいよう調整されている。尻の下、尾てい骨のあたりから伸びた尻尾は、そんな肛門の真下から垂れ下がり、ぷらぷらと揺れているのだった。
 無力化されきった状態の上に重ねて、さらに拘束という念の入りようにより、サリアにはもはや一切の抵抗も許されずにいるわけだ。
 無防備な全裸のままに、足はM字の状態から形を変えることができない。手で恥部を隠す自由もなく、そこに立てられたカメラによって、サリアの肢体は撮られ放題というわけだ。
 分娩台の真正面に、三脚台のカメラが設置されている。
 サリアはそれを静かに睨み、それから周囲に視線を走らせる。壁に床、天井の作りを見るに、おそらくプレートの内側は機械化してある。どこのタイルやプレートも、四隅をネジで留めており、取り外すことで中身のメンテナンスを行うことに察しがついた。
 最初に受けたアーツ阻害システムといい、建物全体が一つのマシンであり、仮に拘束を破るだけの力が残っていても、サリアの知らない第三、第四のギミックが登場するはずだ。
 カメラの向こう側にはモニターが鎮座していた。
 映画館ほどではないが、随分と大きなスクリーンは、数人で両手を伸ばしてやっとの画面サイズといったところか。人の背丈よりも高いモニターを背に、三脚台のカメラは立ち、その赤いランプの点滅が目に入る。
 その点滅はきっと、カメラが起動中であり、こうしている今にも――いや、目が覚めるよりもずっと前から、映像を撮られ続けていることを意味している。
「これが目的か?」
 部屋の中には誰もいない。
 だが、しかし返事があることを確信して、どこにというわけでもなく問いかける。マイクに拾ってもらえるだけの声量さえあれば、必ず返事はあるはずだ。
『そういうことだ』
『君には需要がある』
 二人分の音声が、天井に仕込まれたスピーカーから降り注ぐ。まるで天井の板に直接喋られているように、まさに真上から届いた声に、サリアは軽く鼻を慣らした。
「ご苦労なことだ」
 僅かに赤らみかける頬に意識を注ぎ、サリアは羞恥心を押さえ込む。どうせ見られているとはわかっていたが、こうして声を聞くことで、確信を形にした結果、どこからか視姦されていることの実感が急に湧いて膨らんだのだ。
『どうかな? AV女優になった気分は』
「どうということもない。ツケは必ず払ってもらうだけの話だ」
『それでこそ、あなただ。そちらは我々を知らないだろうが、こちらはあなたの活躍をよく知っている』
「他にもファンがいるとでも言うわけだ」
『正解』
「正解ついでに言っておく。私を今のうちに解放した方がいい。こういう目に遭えば、私怨を晴らしたくもなるからな」
『それは怖い。だが、今だけは怖くない』
「直接姿を見せず、安全なところにいればそうだろうな」
『君もそうだろう? ある種の恐怖を抱く必要がないと、もう既に状況を理解している』
「お前が需要などと言うからだ」
 答え、サリアは鼻を慣らす。
 その手の目的ならば、特殊な趣味趣向でもなければ、女体を痛めつけては台無しである。まして流血を起こしてしまえば、せっかくの女を一体どれほど勿体なく感じるか。
 拷問されることはないであろう、ある意味の安全はあっても、プライドや尊厳の保障は一切されていない。
 こうしている今も、M字開脚というアソコを大いに目立たせた恥ずかしい格好のまま固定され、おそらく恥部を視姦されている。正面にあるあの三脚台のカメラを通してか、それとも他にカメラがあるかは知らないが、いずれかのレンズを通して、二人一緒にサリアの監視をしているわけだ。
『ところで、こうして話しているだけでは退屈だろう
「気遣いは無用だ」
『いいや、遠慮はいらない。楽しいムービーでも見てはどうかな』
 その瞬間、これまで沈黙していたモニターには、サリアが思わず目を背けかけてしまうほど、大きく恥辱を煽るものが映し出される。おそらく三脚台のカメラを通しての、下腹部を大きくアップした映像だった。
 それが巨大な画面に出ているのだ。
 アソコや肛門がくっきりと、実物よりも遥かに大きく拡大され、よもや巨人の局部を見ているようである。どちらの穴も、その通りのサイズが存在したら、人間が中に潜り込めてしまいそうだ。
 肉貝の微妙な膨らみは、二つの丘となって合わせ目を形成し、そのワレメよりも上へと進んだところに、髪の色と同じくした陰毛がささやかに生えている。逆にワレメよりも下を見てみれば、放射状の窄まりがばっちりと、皺の一本一本を丁寧に数えてしまえるほど、綺麗に映し出されている。
 そして、尻に敷かれて垂れ下がる形となって、ヴィーヴルの尻尾は画面下部に僅かに映り込んでいる。
『いや、実に綺麗だ』
『日頃から、毛の手入れは欠かしていないのかな?』
『肛門も清潔感があっていい』
『確かに、鑑賞に耐えうる景色だよ』
 二人の男は、どこかでワイングラスでも揺らし、芸術鑑賞のつもりにでもなっているのか。人の恥部について語ってくる。陰毛について言及したり、肛門がどうと言い出す言葉を聞かされて、それがますますサリアの恥辱を煽っていた。
(ふん、まあいい)
 とはいえ、今のところは視姦だけだ。
 能力を封じられ、ここまで無力化された上での拘束でありながら、実際に遭っている目といえば、全裸を鑑賞されているだけだ。状況から考えれば、これで済んでいる分には安い。
 ただ、いつまでもこのままではないだろう。
 やがて本格的な陵辱が始まって、サリアの尊厳は今よりもっと傷つけられる。
 果たして、それはいつであろうか。
 その未来は数秒先か、あるいはまだ何十分も待つことになるのだろうか。いつかも読めない、しかし確実に来るはずの未来を想像すると、生殺しのような気分にもなってくる。
『サリア。あなたも映画だけでは退屈だろう』
『ムービーにはポップコーンやドリンクが付きものだ』
 そんな二つの声をきっかけにしたように、サリアの前にはロボットが現れていた。
 厳密には始めからいたのだろう。
 視界の外側に鎮座していたものが、今になって可動を開始し、移動によってサリアの真正面へと回り込んで来る。そのロボットのデザインを評するなら、下半身をキャタピラにした人型だった。
 上半身は人間の構造を模して、腕を生やし、五本の指まで用意しているが、下半身には脚がない。タイヤ式の移動をするため、箱型の面がべったりと床に接している。
 背丈は小さく、椅子の座板部分より、数ミリほど頭が低い。
 カメラの前に入り込んでも、恥部の撮影を邪魔しないように、椅子かロボットの高さを調整してあるというわけだ。
「なんだそれは」
 サリアは冷たい眼差しを向ける。
 なるほど、便利なデザインだ。
 下半身の形状がそれならば、それをそのままテーブルに、物を置いておく設計にできてしまう。ボックス形状の下半身は、テーブルの役目も兼ねて、サリアを辱めるためのアイテムを並べていた。
 そのうち一つが、バイブだった。
 ロボットはそのバイブを掴み、サリアの肛門目掛けて近づける。身動きの取れないサリアには、それを逃れる手立てはなく、すぐさま肛門に先端が触れてくるのを、ただ堪えることしかできないのだ。
「く……」
 入ってくる。
 肛門とはものを出す場所であり、入れるところではない。異物の挿入は困難なはずだと認識していたが、物の出入りに慣らしたことなど一度もない、バイブを受け入れる用意などないはずの穴に、しかしそれは入り込む。
 モニターにも目がいった。
 その画面サイズのせいで、今にも人が潜り込めそうに拡大され、巨人の肛門にすら見えるところへ、バイブは徐々に飲み込まれる。押し当たった先端に皺の窄まりが潰れると、押し込む力によってだんだんと、しだいしだいに穴は幅を広げていき、バイブが収まりつつあるのであった。
 バイブは入って来た。
 こうもあっさり、簡単に入って来た以上、もしや寝ているあいだにほぐされて、いつでも挿入可能な状態はとっくに出来上がっていたというわけか。
 バイブが半ば以上は潜り込み、このままピストンでもして、穴を辱めるのかと思っていると、次の瞬間、直腸に感じるものは、サリアの予想と異なるものだった。
 何かが注入されている。
 男性器は排泄器官だ。
 亀頭の先端から尿の放出があるように、バイブの先端にも注入した液体を排泄可能な機能が仕込まれていたらしい。それを直腸に吸収させるということは、何らかの薬品であることをサリアは即座に悟っていた。
 液薬注入機能のあるバイブだったのだ。
「何を入れている」
 サリアは問う。
『それもアーツ阻害の役割があってね』
『もっとも、腸に吸収させるものだから、拘束後にしか使えない。まあ大がかりな設備と違って、用途もコストもはっきりとしているから、こちらの方が商品としては人気が出るだろうな』
 いや、それだけではない。
 オイルのような粘性を帯びた薬液は、そのまま活性油の役目を帯びていたのだろう。次の瞬間には、アーム可動によるピストンが開始され、挿入時のように摩擦を負荷と感じない。活性油を挟んでいるおかげで、表皮との擦れ方はヌルっとあっさりしたものとなり、むしろ摩擦に快感さえ覚えるようになっていた。
「……ふん」
 なるほど、気持ちいい。
 だが、こんな形で得る性的快楽に、真の悦びなどありはしない。
『どうかな? サリア』
『楽しめているかい?』
「悪い冗談はよせ」
 楽しいのは、サリアの捕獲に成功し、あまつさえ辱めている男二人だけの話だ。サリアが感じているものといったら、屈辱や歯がゆさだけである。本来の力さえ発揮できれば、こんな拘束など簡単に破れるのに、眠っているあいだに打たれた薬のせいか、今はアーツどころか筋力さえ半減している。
 加えて、拘束に使用するベルトや手錠も、かなり丈夫な素材のはずだ。
 本当に、どうにもならない。
「くぅ…………」
 サリアは奥歯を食い縛り、顔は真正面に向けていながらも、瞳はモニターから逸らしがちとなっていた。自分自身の肛門に、バイブの出入りしている有様がよく見えて、その映像はちっとも面白いものではなかった。
『いい顔だね』
『感じているんだろう?』
 煽らんばかりの声が降り注ぐ。
「……黙っていろ」
 ロボットによるピストンは、人間がバイブを握って行うものとは動作が違う。関節が複数あったり、異なる方向に曲がるなどして、バイブは床に対して水平気味に、肛門への挿入角度を合わせつつ、伸縮機能によって出入りしている。
 アーム自体が伸び縮みするのだ。
 蛇が獲物に狙いを定めた際の形に似て、長い首をそのまま差し込んできているように、握られたバイブは出入りしている。その抜き際をするために、手首の部分が伸び縮みする伸縮機能で、ピストンは続いていた。
 そのいかにも機械動作的なピストンは、工業機械の稼働によって、生産ラインの中で物を扱うかのようで、人間扱いされない感覚が非常に強い。
 にちゅ、にちゅりと、粘っこい水音が鳴っている。
 先端から出て来た液体は、直腸に広がる際にバイブの側面にまで付着して、ローションにまぶされたような見栄えとなって、肛門の中から出て来ている。ピストンによって、改めて穴に潜る際、皺の窄まり部分がローションを掻き出して、外に押し出したようになっている。
 ローションによって形成されたリングがバイブに嵌まったような見た目は、ピストンに応じてその瞬間だけ、画面に大きく映し出される。
「んっ、くぅ――くぅぅ――――」
 快楽が押し寄せる。
 出入りが続けば続くほど、その刺激にサリアは甘い痺れを感じていた。
「あっ、くぅぅ…………」
 サリアは肩を震わせ、ぐっと堪える。
(こんなことで――)
 感じるものか。
 二人を喜ばせるための反応など、誰が見せてやるものかと、意地になった感情は膨らんで、サリアは快楽の我慢を意識する。
「ぬっ、くぅ……」
 だが、意識して抑えきれるものでもなく、ピストンは容赦もなしに甘い痺れを生み出して、それを肛門や直腸に走らせる。