第2話「おさわりによる実習」

 俺は俺で責任を背負う。
 生徒を教え導く立場であるなら、御影梓はきっと推薦に合格できるだろうかという心配と、力を貸して応援したい気持ちでいっぱいだ。
 この生活指導室には、高さの低いテーブルと、それに合わせたベンチソファがある。ソファの高さと俺の座高は、ちょうど梓のスカート位置に来るわけで、少し顔を前に動かすだけで、白のベースに桃色レースを添えたショーツをじっくりと凝視していられた。
 眺めているのは面白いが、それだけでは指導にならない。
「座ろうか。梓ちゃん」
 俺は梓をソファに導く。
「緊張しますねぇ」
 下着を見せたばかりの赤い顔が、とても硬くなっている。
 動きもどこかぎこちない。
「最初は太ももに手を置いて、だんだん胸に迫っていくから、慌てずにじっくに受け入れていくといいよ」
「そうですね。頑張って慣れていきますんで、よろしくお願いします」
「その意気だね。それじゃあいくよ」
 俺は梓の正面に膝立ちして、真っ白で眩しい太ももに手を置いた。バスケで足腰が強化されてか、美しい外見に触れてみたなら、皮膚の下には筋肉の硬さが感じられる。
 それを俺は撫で回し、膝から付け根へ動いていって、腰のくびれを上下に撫でた。
「……」
 梓はじっと受け入れている。
 その眼差しは、静かな教室でノートに集中する生徒の様子と変わらない。
 ブレザー越しの肋骨から、脇の下まで手をやると、梓の顔には少しずつ緊張の色が強まり、ついに胸に手を触れると、明らかに全身を強張らせていた。
「大丈夫?」
「まあまあまあ! へっちゃらですよ」
「なんか無理してない?」
「無理にでも慣れないと、この調子で面接なんて出来ませんもの」
 いい心がけだ。
 ブレザーの表面をなぞる手つきで、膨らみの部分をひとしきり撫で回す。これだけの衣服を介していても、もっちりとした揉み心地はよく伝わる。十秒以上はもみ続けてから、やがて俺はブレザーボタンを外しにかかった。
 紺色のブレザーを左右に開き、今度は白いワイシャツの上から揉む。
 さっきより、ブラジャーの感触がわかりやすい。
 この距離なので、白い布から透けた薄桃色が、見ようと思えば見えていた。
「怖い?」
 緊張で震えているのか。不安もあるのか。
 肩が少し、震えているようだった。
「うーん。ちょ、ちょっとだけ?」
 梓は明るく振舞う。
「いきなり最後までいく必要はないし、さっきも言ったように技術や経験を評価するための場所ではないからね。経験一切無しで通った人もいるくらいだし、ここらへんでやめておくこともできるけど」
 何も一日で慣らしきる必要はない。
 日程はまだ先だし、少しくらい時間をかける余裕はありそうだが、梓の考えはそうではなさそうだった。
「とんでもないですよ! ここで引いたら、あとで響くっていいますか。逃げた思い出を残すのは精神衛生的に……」
「精神衛生かぁ」
 逃げた記憶は自信喪失に繋がる。
 だから、それは避けておきたい。
 それが梓の考え方というわけらしい。
「なので一日でたっぷりと度胸をつけておかないと」
「そう? 次はブラの上から揉むけど」
「もう自分で見せちゃいますよ。その方が自分を鍛えられますもんね」
 ワイシャツのボタンを外していき、前をはだけて白いブラジャーを露出する。ショーツと同じ薄ピンクの飾りつけで、おしとやかな柄となっていた。
 顔は赤い。表情も硬い。
 全身の強張った今の梓を歩かせたら、肘と膝がガチガチに固まって、何というかロボット歩きになりそうだ。
「頑張るね。梓ちゃん」
 俺はブラジャー越しから揉み始めた。
 うん、いい。
 このサイズは俺の家にある味噌汁用のお椀と同じくらいか。
「私って自分では度胸あるつもりですけど、やっぱり何も経験無しだと、こういう時間って普通に緊張しすぎちゃって……」
 梓はますます硬くなっている。
 力んでいるあまり、もう両肩が完全に持ち上がって、亀が頭を引っ込めたみたいな有様だ。
「本番が不安かな」
「だって、面接で何もできなかったら……」
 意外と不安がる方か。
 担任としてはクラス全体を見なくてはならないので、たった一人の内面を隅々と知り尽くすということはない。
 御影梓の人柄について、よく見させてもらってはいるが、全てはわかっていないのだ。
「大丈夫だって、梓ちゃんなら」
 と、俺は素でそう思ってしまっていたので、何となく反射的に、つい軽い言葉で励ましてしまうのだが、さしたる元気付けにはならんだろう。
「でもですね。こういうのは心がけの一つですよ? 本番では自信を持って堂々と、練習では自分がまだまだ未熟だと思うようにする」
「で、今も練習時間か」
「そうです。だから、お気遣いなくガンガンお願いします!」
「よし、なら生で揉むからね」
 俺はブラジャーをずらし上げ、生乳をこの手に掴んだ。
 いい弾力だ。
 皮膚の張りがよく、お椀で型抜きしたような美乳っぷりも、ツンと勃ち上がっている綺麗な乳首も可愛らしい。
「うっ、これはなかなか……」
 緊張に耐える表情の梓。
「実際にガンガンやっていくから、もし嫌だと思ったり、やっぱりムリ! ってなっても、しばらくは我慢してもらうからな」
「はいッ」
 そして、俺は活発な愛撫を施した。
 フェザータッチ。
 技術的なことを調べれば、ネット検索でよく出る言葉だ。
 触れるか触れないかといった加減で、皮膚の表面にある産毛だけをどうにか撫でているぐらいの手つきで撫で回す。指先だけを使って腹をくすぐり、十本指をぐるぐると踊らせながら、時間をかけて乳房へと迫っていく。
 一瞬、また胸を揉むと思わせて、あっさりと通り過ぎて鎖骨へ飛ぶ。
 一分くらいは鎖骨とその周りの部分ばかりをくすぐって、だんだんうなじへ手を滑らせ、やがてうなじから耳にかけての愛撫に数分かけた。
 梓の反応は如実となった。
 例えば、急に背中に氷を入れられたり、うなじに息をかけられたらゾクっとする。このゾクゾクするような感覚が、梓の全身を這い回り、それが持続的なものとなっているはずである。
「うひ!」
 いきなり乳首に触れると、梓はビクっと反応した。
「だんだん気持ちよさそうになってきているね」
「そんなこと……」
 俺は乳首と乳房にもフェザータッチを施した。
 実際には皮膚に触れずとも、産毛から神経に刺激がいくはずと、ほとんど皮膚から指を浮かせているような爪先で、下弦の下から上に這い上がるように胸を苛める。外側の両サイドを上下に愛撫し、上弦のカーブも苛め、乳輪をぐるりぐるりとなぞり続けた。
 時間をかけて乳首を苛めた。
「つぁ……はぁぁ……ふはぁぁ…………」
 もう梓の息は乱れている。
 腰もくねって、瞳は熱っぽくなっている。
「お尻を向けるんだ」
 梓は姿勢を変えた。
 ソファの上に膝を乗せ、背もたれの部分に両手をかけ、俺の顔の高さに合わせて、スカート越しの尻が突き出される。
 遠慮なくスカート丈を持ち上げて、ショーツ丸出しのお尻を拝見した。
 実にいやらしい。
 自然にそうなっただけなのだろうが、布地が割れ目に滑り込み、ふっくらとしたお尻の丸みを浮き出している。さすがにTバックにはなりっこないが、そうならんばかりに肌の露出面積を広げていて、V字バックといえる程度には食い込んでいた。
 丸いボリュームにショーツのゴムが食い込んで、ゴムラインに沿ったお尻の段差が作られている。
 うむ、実にエロい。
 しかし、お尻も焦らした。
 すぐには揉まず、太ももばかりにフェザータッチを繰り返し、数分以上は爪の先端で気をつけて愛撫しているうち、モゾモゾと腰がくねってお尻が動くようになってきた。
 太ももだけに時間をかけ、やっとお尻に手を乗せる。
「んぁぁ…………」
 好きなように撫でまわすと、まだ喘ぎ声ではないが、可愛い鳴き声が聞こえてきた。
「だいぶ気持ち良さそうになってきたね」
「もぉ……言わないでぇ……」
「だめだめ、アソコも触ってあげるよ」
 俺は指の腹を天井向きにして秘所に触れた。
「ひぃ……!」
 梓は喘いだ。
 お尻が左右にくねくねしている様子を鑑賞しつつ、しかも「それお尻が喜んでみえるよ」と声に出して指摘してやり、心を辱めての愛撫に励んだ。
 ここまでの恥辱、羞恥、快楽を経験すれば、嫌でも体は慣らされる。
 慣れが出来上がれば、本番でも物怖じしない。
「ほら、パンツが湿ってきてるよ」
 言葉による攻めは梓にとっても経験になるはずだ。
「うぅぅぅ…………」
「気持ち良さそうにしちゃって、すごくエッチな感じになってるよ」
 人差し指から小指まで、四指を束ねてアソコに置くと、温まった秘所の熱気が俺の皮膚へと伝わってくる。肉貝のぷっくりとした形と、割れ目のラインも指に感じて、俺はマッサージじみた刺激を与えていった。
「…………うっ……くっ……くぁん!」
 だんだんと喘いでいる声が可愛い。
「あーあー。俺の手に梓ちゃんのエッチな汁がくっついてきてるよ」
「いやぁ…………!」
 俺の手の動きに合わせ、脚の筋肉を強張らせたり、背中を反らしたり、お尻でくねりまわるといった反応をよく見せてくれている。
「ほらもう。くっつけた指を離すと、糸が引くようになってきた」
「いやっ、言わない……で…………」
「こういうのって、見た目ではお漏らししたパンツにしか見えないんだよね」
「うぅ……そんなぁ…………」
「まあ、アソコから出る汁なんだし、お漏らしには違いないか」
 俺は言葉の数々を駆使して責め立て、さらにショーツのゴムに手をかけ「ほーら脱がしちゃうよー」と、非情に楽しげに煽ってやるような態度で下げてやり、生のお尻を指で開いて肛門を視姦した。
「そ、そこ……汚いです…………」
「いやいや、黒ずみが薄いんだねぇ? これなら綺麗な色の方だよ」
「え? だ、だって……そんなことを言われても……」
「ほら、動かない」
 俺は性器と肛門のあいだに指をやり、フェザータッチで行ったりきたり、再び産毛だけを爪で狙った愛撫に励む。
「くっ、むぅぅぅ……んぅ…………」
 尻が強張り、背中も反る。
 名前の秘所にもフェザータッチを及ばせて、そのうちに右手の指を一本挿れる。ピストン運動を始めると同時に、左手でもクリトリスを捉えて苛めてやり、性器の二箇所を平行して刺激し続けた。
「あっ! あうぅっ、んっ、うぅぅぅ……!」
 喘ぎ声が活発化していく。
 膣壁にも力が入り、下腹部が力むたびに壁と壁の狭間が狭くなり、俺の指は膣圧によって圧迫される。
「ひっ、ひぅぅぅ……わ、わたし……これ……ああん!」
 くちゅり、くちゅりと、ネトネトのアソコから水音が聞こえてきた。
「ほーら、ほらほら、いい音が聞こえてきた」
 そして俺は言葉を投げる。
 しかも肛門に息を吹きかけ、辱めに辱めを重ねる俺は、もうじき梓が絶頂することを予感していた。
「んっ、ん――んぅ――んぅぅ――んみぃ――みあっ、ふひぁぁ――――」
 声のトーンが上がっている。
 他でもない梓自身が、自分の中に溢れる何かを予感していて、そのせいで声も身体のくねりも増しているのだ。
 イケ――イってしまえ――。
 俺は心の中で叫びつつ、ただ激しくすれば絶頂が早まるわけでもないので、辛抱強く地道なペースを守っていた。
 梓のアソコには、きっと何かが集まっている。
 イメージの話だ。
 見えない何かがしだいしだいにアソコを目指し、集まっていくにつれ、見えない風船が本当に少しずつ膨らんでいく。
 それが、やがては弾けるのだ。
「いっ、あああっ、なんか――! なんか……なんか……!」
 もうすぐ、もうすぐだ。
 風船が破裂に近づいているあたりまでやって来ている。
「せんせぇ……なんか……! わたし……わたし――なんか――あっ、あん! あん!」
 そして――

「――――――――――あんッ!」

 その喘ぎ声と同時だ。

 ――ビクン! ビクビクッ、ビックン!

 全身の筋肉に力が入り、痙攣で身体丸ごと弾けるような反応で、激しく震えた梓はぐったりと横に倒れた。
「よし、イったね。それが絶頂。オーガズムだよ」
「イったんだ……私…………」
 それから、数分間。
 御影梓の視線は焦点を定めていなかった。