第3話 剥かれた衣服
サリアは肢体を剥き出しに、その頬を羞恥によって赤らめる。
衣服を脱がされる時、やはり抵抗はしきれなかった。腕で我が身を抱き締めたり、着衣を掴んで食い止めたり、手こずらせることは出来ても、全裸となる瞬間を先延ばしする以上の結果は得られずに、下着さえもが床へと放り投げられていた。
さらには三人もそれぞれ脱ぎ捨て、男物の衣服までもが散らばって、サリアの下着はその中へと埋もれていた。
「なあ、いつから濡れてたんだ?」
面白おかしいものを見た顔で、金髪はヘラヘラと尋ねてくる。
「最初からだったりして!」
「めっちゃ感じてたもんなぁ? あり得るあり得る!」
即座に二人は盛り上がり、人をからかい、こき下ろす蔑みの笑顔を向けて来る。
この三人に、サリアを上回る点はなかった。
学力、アーツ、身体能力、いかなる分野においてもサリアに並ぶことはなく、むしろ彼らはロドス内では下から数えた方が早い。
大多数の人類を引き合いに出すのなら、ロドス内では、という注釈を外すべきではない。
だが、サリアとこの三人のあいだの差は歴然としている。
能力格差に加えて、人格的にも褒められない。
ゲーム感覚で多数の女の子をナンパして、最後までいければクリア達成、いけなければゲーム失敗。そんな気持ちでロドス内でも何十回とナンパを行い、多数のクレームが届いたこともある連中だ。
大きな開きがあるはずの、圧倒的に格下である三人が、今だけはサリアを下に見て、人の体を玩具のように面白がっている。
日頃から研鑽を重ねる自分に対し、逆に日頃から遊び回る連中という対照的な者同士で、サリアの方が媚薬がために裸に剥かれ、乳房や性器に視線を浴びせられるがままとなっての、屈辱を味わっている。
悔しさは一際のものだった。
顎にいくらでも力が籠もり、どうしても歯が折れんばかりに食い縛ってしまっていた。
「お前達……許さんぞ……!」
「いやいや! そんな凄んだって、説得力なさすぎっしょー!」
金髪は大喜びでシーツを指し、既に広がっている染みを指摘していた。
「お漏らしお漏らしー」
銀髪が冷やかしていた。
「欲しいんだろ? これが」
茶髪にいたっては、わざとらしい膝立ちで股間を強調する。仰向けであるサリアの頭上に膝を突き刺し、額にかざす位置へと肉棒を突き出していた。
「誰が欲しいものか」
怒りで語気を荒げた時である。
「まあまあ、気持ち良くなって落ち着こう?」
金髪が乳首に指を絡めてきた。
「くぅぅぅぅ――――――――――――!」
着衣越しとは比べものにならない快感だった。
おぞましいほどに大きな快感が炸裂して、ものの一瞬で頭が真っ白になっていた。脳の中にすら稲妻が発生して、サリアはその衝撃に目を見開いていた。
「すっげー感じっぷり!」
「なにこれ、簡単にイっちゃうんじゃね?」
「うわぁ見てぇわ! イっちゃうサリア!」
乳首を刺激していた金髪の指は、すぐにでも下へと移る。性器の縦筋に置かれた瞬間、ただ肉貝を軽く押し潰しただけでさえ、脚が大胆に跳ね上がるほどの刺激が走り、そのまま愛撫が始まった時にはのたうち回った。
「あっ、あぁ! あぐぁっ! あぁ……!」
あまりにも強烈な快感に、髪を激しく振り乱した。絶叫のように大口を開け、胴体を何度でもビクビクと跳ね上げた。嵐のような快楽の中では、どうしても頭は真っ白で、自分がどれほどよがり狂っているかを自覚する余裕はなかった。
指が上下に動いている間中、サリアの思考は激しさの中に沈んでいた。
中断され、手が性器を離れた時、やっとのことで少しは余裕を取り戻し、そして顔には恥辱が滲むが、また指が置かれれば、その途端にただ喘ぐばかりの存在になり果てる。
だが、それほど喘ぎ散らしている中でも、サリアは無意識のうちに感じていた。
人を玩具として楽しんでいる。
どれくらい喘いだり、どこまで体をのたうち回らせ、髪を振り乱すのか。声や体の反応を拝んで、それを楽しむ面白おかしい気持ちに浸っている。
そんな彼らに思い通りに扱われ、何の抵抗もできない悔しさは、思考する余裕のない嵐の中でも、心の奥底には分厚く漂っていた。
だから性器から手が離れ、快楽が中断されれば、たちまち表情に屈辱が滲み出て、サリアは彼ら三人を自然と睨み返しているのであった。
「はぁ……ふぁ……はぁ……お、お前達…………」
アソコが大胆に濡れていた。
べったりと愛液が広がって、ぬかるみの層が厚みを帯びている状態は、肉貝の皮膚で感覚的にわかってしまう。シーツに広がっている濡れた感じも尻肌に伝わって、お漏らしと揶揄されれば返す言葉もない状態だ。
全身に甘い電流が走っている。
手が離れている時ですら、愛撫の余韻が濃密で、何の刺激がなくとも気持ちいい。目を瞑り、アソコや乳首に残留している感覚に意識を傾けるだけでさえ、気持ち良さを楽しむ余地が肉体という面ではある。
無論、この三人組に与えられたものを悦ぶ気持ちは、サリアの心のどこにもない。
自身の体に流れる電流を取り除き、自分を辱めた三人に対しては然るべき教育を施したい。サリアの心にあるものは、屈辱や恨めしさばかりであった。
「じゃーさ、次のゲームやろうぜ?」
ゲームなどと言いながら、金髪は仲間に向かって提案する。
「俺さ、そろそろ挿入したいんだわ。ってことで、このままじゃ最後までされちゃうサリアちゃん? その体でどこまで抵抗できるか試してみよっか」
金髪はサリアの脚を抱え始めた。
「や、やめろ! 本当に許さないぞ!」
脚を力ずくで広げさせ、M字に変えようとする腕力に、今のサリアでは逆らい切れない。どう抵抗を試みても股は広がり、男の腰はアソコに近づき、正常位の直前まで持ち込まれ、サリアは全身に緊張を走らせていた。
このままでは本当に入れられてしまう。
「ほーら、入っちゃうよーん?」
金髪は尻尾に跨がっていた。
ヴイーヴルという種族の持つ、サリアの尾てい骨から生えた尻尾は、仰向けの体勢から真っ直ぐに、股のあいだから下へ向かって伸びている。
シーツに伸びた尻尾へと、金髪の尻は置かれている。
そして、亀頭が性器に触れるまで、たった数センチもない状況だった。
「くっ……!」
両手が動く。
サリアは咄嗟にアソコを覆い隠すのだが、すると指に愛液が絡みつく。自分がどれほど濡れているのか、皮膚感覚だけでなく、指でさえも感じていた。愛液が接着剤の代わりとなって、指とアソコのくっつく感じがあるのだった。
しかも気持ちいい。
どこにどう触れても快楽の走る状況なら、挿入を阻止する目的で隠してさえも、それが刺激となっていた。まるで自慰行為をするように、サリアは自分自身の指で快楽を感じていた。
反射的なガードであった。
こんな男に挿入まで許すなど、あまりにも真っ平である反射行動で腕が動いて、気づけば膣口を塞いでいた。
しかし、一箇所を守るのに両手を使うのは、他への守りが失われることを意味している。
「あれれ? いいのかなぁ?」
と、茶髪。
「オッパイががら空きだよー?」
続けて、銀髪。
両側から二人がかりで、左右の乳房それぞれに手を伸ばし、大胆に揉みしだこうとしてきていた。
「んぁっ!」
喘ぎ、片腕だけをやはり反射的にガードに使い、右腕の中に乳首を覆い隠すのだが、するとアソコの守りが手薄になる。
確かに、ただ挿入をするだけなら、片手で塞ぐだけで十分だ。穴に蓋をしてあれば、それが十分な阻害となる。
だが、今のサリアは全身が敏感なのだ。
「アソコもオッパイも塞がれちゃったし、なら俺は耳で遊んでみよっかなー」
銀髪の指が耳を狙う。
「あっくっ、んぅ! んぅ……!」
耳たぶを揉まれたり、穴の周りや裏側をくすぐられても、必要以上の電流が駆け巡る。もぞもぞと体は動き、サリアの腕は自然と動いた。
耳への攻めを払い退けようと、アソコを守っていた手が動いてしまい、その瞬間を狙い済まして――。
「はーい! ゲームクリア! 物凄いあっさりだったねぇ?」
金髪の肉棒が入って来た。
「なっ……!」
実にあっさりと切っ先が膣口に引っかかり、前へ前へと押し出されてくる腰により、長大なものが腹の内側に収まっていた。
貫かれる瞬間、頭は真っ白だった。
そして、直ちにピストンを行うわけではない、勝ち誇った笑みで人の顔を見つめてくる金髪への、憎しみさえ宿った眼差しをサリアは浮かべていた。
「あーあ、こんなに簡単に終わったら、ゲームになんてならないじゃん? サリアちゃーん、もうちょっと頑張って欲しかったかなー?」
「何がゲームだ」
視線が重なり合っていた。
睨みつける目つきと、ヘラヘラと笑う目つきによっての、遊び感覚で犯す側と、屈辱を味わう側による睨めっこであった。