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 すぐに気持ち良くなっていた。
 四人分の手つきは全て、筆下ろしの際の経験を生かした軽やかなタッチとなって、表皮をくすぐってくるような、ほどよい加減となって絡みつく。太ももを撫で回す手の平は、まんべんなくべったりと貼り付きつつ、乳首を愛撫してくる手は、指先を硬い部分に絡めつけ、ワレメにもフェザータッチは施される。
 それら愛撫は、クエルクスの肉体に蓄積されてきたものを目覚めさせ、たちまち感度を高めていった。筆下ろしが済んでから、今の今までずっと中断され続けていた刺激が数時間ぶりに再開され、膣や乳首は待っていたかのように反応していた。
「うわ、もう濡れてる」
 一人の声に、愛液の具合を声に出されて、クエルクスはかっと赤らむ。
「本当だ。ぐっしょりだな」
「こんなにいっぱい」
「もう準備万端ってことか?」
 青年達が言うように、クエルクスの股はみるみるうちに愛液を分泌させ、シーツに染みを広げている。お漏らしでもしているように、濡れた痕跡の円は広がり、愛撫の指にも言うまでもなく絡みつき、それが四人全員の視線を掻き集める。
「ほら、糸が引いてる」
 そんな風に、手に取ったものを仲間内に見せている様子から、指のあいだに糸を引かせてみせる光景が目に浮かぶ。
 羞恥心を煽られて、さらに赤らむクエルクスの頬へと、指先がそっと触れてきた。産毛だけを撫でるタッチで、実に優しげに擦り抜かれて、頬ですら刺激を感じて息を荒げる。
 クエルクスはすっかり悩ましげな面持ちを浮かべていた。
 さらには耳元に顔が近づき、小さく囁く声により、とうとう言われてしまうのだ。

「……起きてますね」

 その言葉に、クエルクスは実に恥ずかしそうに目を開く。
 そして、そこに並ぶ顔ぶれは、既に声でわかっていたが、自分が筆下ろしをしてきた四人の青年達であることを、改めて確かめていた。
「い、いま起きたんだよ? 悪い子達」
 やりにくそうに、言い訳がましくクエルクスはそう答える。
「そうなんですか?」
「まあその、とにかくですね」
「この小屋にいるってことは――」
「うちの村では……」
 許しを求めているような、受け入れてもらえるかどうかを不安がる表情がずらりと並ぶ。もしもクエルクスが嫌だと言い出し、これから起こることを拒んだら、揃って背を向け帰るのだろうか。
 主導権が自分にありそうな空気に、クエルクスは気を良くした。
「しょうがない子達。まだ、足りていなかったんでしょう?」
 いかにも仕方なく受け入れる風にして、クエルクスは了解の合図を送った。
 それを聞き、ホッとした風に胸を撫で下ろす四人を見て、なんと素直な男達かと微笑ましくなってくる。
 ここにいる全員、自分が大人に変えたのだ。
 未経験者は全て子供――ということになっている風習は前提だが、自分こそが彼らを成人に変えたのだという、妙な誇りというか、自信というかが、クエルクスの胸には湧き起こっていた。
 その上、さらに磨きをかける。
 女というものを、彼らはより深く学んでいくのだ。
 今、ここで。
「いいよ? シよっか」
 そう口にした瞬間の、青年達の嬉しそうな顔といったらない。
「みんなで全身、触ってくれる?」
 今の今まで続いていた愛撫は、その一言によって再開され、体中を八つの手が這い回る。どちらの乳首も刺激を受け、膣口にも指が潜り込んでくることで、クエルクスはますます興奮に息を荒げて、悦びと悩ましさの入り交じる表情を浮かべていた。
「あっ、あぁ……あぁぁ…………」
 薄らと喘ぎ始める。
 そんなクエルクスの反応を見ることで、青年達の方も興奮して、誰もが股間を脈打たせる。全員が全員とも、勃起は初めからしていたが、より大きく膨らみでもしたように、根元から欲望のオーラを滲ませていた。
 血管が太く浮き出た肉棒から、何かが染み出て見えたのだ。
 熱が大気にモヤをかけ、景色を揺らめかせることがあるように、熱気に満ちた肉棒の周囲からは、まさしく欲望が滲んで見える。人体の仕組みとして、勃起の原理はわかっているが、欲望という名の、目には見えない存在によって硬くなり、細胞に収まりきらないものが漏れ出ているかのように感じられた。
 その一本一本が、きっと今にもクエルクスの中に入りたがっている。
 ごくりと、生唾を飲んだ。
 みんなの欲望をこの身一つで受け止めたら、一体どんなことになってしまうのか。怖くて不安なようでいて、確かな期待感が胸の内側には広がっていた。

     *

 クエルクスは背中に体温を感じつつ、うっとりと目を細めた表情で、アソコに出入りする指を感じていた。
 四人の中から二人にはベッドに上がってもらい、片方の体を背もたれのようにして、自分の体重を預けたのだ。べったりと寄りかかり、両足は前に投げ出して、その開き気味にした股のあいだに指のピストンを受けていた。
「あぁっ、んぅぅ……んぁっ、あぁ…………」
 後ろから胸を揉まれつつ、膣でも気持ち良くなっていた。
「クエルクスさん……」
「あの、俺達……」
 そして、二人の愛撫を受けるあいだは、余る二人がベッドの両脇で立ち尽くし、何のやることもなく、ただ行為を見守っている。
「ねえ、みんな……」
 クエルクスはふと言った。
「クー姉、って呼んでくれない?」
 急な頼みに、四人それぞれが少しばかりの困惑を目に浮かべる。
「そしたら、待ち侘びている二人にも、何かしてもらおうかな。なんて」
 そう笑いかけた瞬間だ。
「くっ――」
「クー姉!」
 即座にそう呼んできた。
 その可愛らしくも素直な反応に、クエルクスはやはり気を良くする。体位を変えるために二人には離れてもらい、さらに余り組との入れ替わりまで言い渡し、その上で四つん這いとなった時、始まる行為は二つの穴に肉棒を迎えるものだった。
「あむぅ……」
 目の前にある一本を口に迎える。
「んぅぅ――!」
 その一方で、後ろに立たせた青年からは、挿入をしてもらった。
 膣を介した電流が全身を駆け巡り、気持ちいいあまりに尻尾がピンと真っ直ぐ逆立っていた。すぐさま始まるピストンで、指とは比べものにならない快楽が生み出され、咥えているにも関わらず、クエルクスは相応の声を吐き漏らしていた。
「んっ、んぅぅ! んっ、んっ、んっ、んぅ……んぅぅ……!」
 後ろからのピストンに尻を打たれて、四つん這いの身体は前後に揺れる。そんな前後運動を利用して、クエルクスは口奉仕による刺激を加えている。舌をべったりと貼り付かせ、唇による締め付けも与えての行為によって、青年の射精感をみるみるうちに高めていた。
「気持ちいい……気持ちいいです……クー姉……」
「ああ、最高だ……」
 二人とも、うっとりしていた。
 満足そうに浸っている顔でいて、後ろの青年は徐々に激しい腰使いとなっていき、尻から聞こえる打音も大きくリズミカルになっていく。

 パン! パン! パン! パン!

 尻と腰の衝突から、そう聞こえ始めていた。
「んっ、ぬぅっ、んっ、んぅぅ……んぅぅ――」
 本当なら雨音だけが広がる静寂下で、尻からの打音と喘ぎ声が続いている。物静かな分だけ、大きな音は存在感を増していた。
 汗が噴き出る。
 動いた分だけ体温は上昇して、クエルクスの表皮は汗ばんだ水分を帯び始める。それが薄らとした光沢となり、ロウソクの小さな光を反射しているのが、肢体の艶めかしさを増していた。
 乳房も前後に揺れている。
「んんぅ……んぅぅ…………」
 後ろから突かれる分だけ、前後にゆれる上半身は、それに伴い乳房でさえも揺り動かし、それが青年の視線を釘付けにする。両脇に立っていた二人の方は、いつしか姿勢を低めて覗き込み、乳揺れに注目しきっていた。
「あっ、クー姉さん……もう…………!」
 前の青年が音を上げる。
 次の瞬間、クエルクスの口内には青臭いものが解き放たれ、頬の内側が白くコーティングされていた。ビクビクと上下に脈打ち、震えながら飛び出る精液は、舌の上にも広がって、唾液と混ざった水溜まりを口内に形成していた。
 そして、後ろの男も射精する。
「出るぅ……!」
 コンドームが膨らんでいた。
 前後から、ほとんど同時に精液が解き放たれ、クエルクスは二人を同時に満足させた優越感に、本人もまた満足そうに目を細める。
 こくりと、喉を鳴らして嚥下した。
 精液を飲み干しながら、口の中から吐き出すと、表面にぬかるみを付着させた肉棒は、未だ血管さえ浮かせた怒張のままに解放される。表皮が唾液を吸収して、皮膚を少しばかりふやけさせているところが、どこかいやらしさを増幅していた。
「交代だね」
 クエルクスが告げる時、両脇の青年二人は勢いよく反応して、低めた姿勢を真っ直ぐに伸ばして立ち上がる。
 ベッドから、青年達は入れ替わった。
 二人が降りて、二人が上がり、そして体位を変更しての、次の結合は騎乗位だった。
「はむぅ――」
 騎乗位の上で、クエルクスはやはり咥えていた。
 上下に身体を弾ませながら、顔もどうにか前後に動かし、二本の肉棒をまたも同時に捌こうとしているのだ。
「クー姉さん……」
「気持ちいい……本当に……」
 それら奉仕を受ける青年の、気持ちよさそうな顔など言うまでもない。
 見学に回った側の二人でさえ、その色気に満ちた光景に目を奪われ、まばたきさえも忘れて視姦していた。すっかりと魅了され、魂を奪われてしまった表情で、揃って視姦する二人がベッドの両脇に立ち尽くし、そしてベッド上の二人はうっとりと快楽に浸っていた。
 尻が上下に動くたび、肉棒が見え隠れを繰り返す。
 フェリーンという種族の持つ、哺乳類のような尻尾が視線を阻んでいるが、快楽電流の刺激によってビクビクと、左右に跳ね回っているおかげで、顔を上げさえすれば自身の肉棒が彼には見える。
 騎乗位の結合で寝そべる青年の、その視点から見た尻は、絶えず腰を打ちつけ続け、その数センチの隙間に竿の露出を繰り返す。
 口奉仕を受ける青年の視点では、自分の股に向かってクエルクスの頭部が動く。やはり哺乳類に酷似した耳を生やして、イヌ科やネコ科と変わらない形状のそれをピクピクと動かしながら、頭頂部を肉棒に向かって前後させ続けていた。
 そして、乳房が揺れている。
 上下運動の繰り返しは、やはり乳房に振動を与え、だから柔らかな膨らみもまた、延々と上下していた。

     *

 パン! パン! パン! パン! パン!

 また体位は変わっていた。
 今度は床に両足を立て、ベッドに肘と手の平を置いてのポーズによって尻を突き出し、青年達は四人とも、その後ろに並んでいる。シーツの上に散乱しているコンドームは、彼らが一体どれだけクエルクスの膣を味わい、射精を繰り返し、しかもまだ性交を続けているかについて物語っていた。
「あぁっ、あぁん! あぁん! あん! あん! あん! あん!」
 そして、今の挿入している青年は、筆下ろしの順番では二人目だった人物だ。四人の中ではもっとも緊張していた男が、もはやセックスに慣れきって、まるで過去に複数人を抱いたことでもあるような、実に大胆なストロークを披露していた。
 弓なりに腰を引き、打ちつける。

 パン!

 と、その打ちつける強さによって、尻から大きな音が鳴る。
「あぁぁっ、あん! あっ、いやっ、あぁっ、んぅぅ……!」
 クエルクスの喘ぎ声も、より一層のものだった。
 もはやセックスに夢中になりきり、他の何もかもを忘れている。本当は不本意で、好きで役目を引き受けたわけではなかったはずが、すっかり快楽に溺れていた。
「あん! あぁん! あぁん!」
 その乱れ狂う姿を見れば、情事が好きでたまらない、いやらしい女と誤解されても仕方のない勢いだ。
「あっ、んっ、んぅぅ――」
「く、クー姉さん……!」
 苦悶に近い顔をして、その青年は膣内で果てていた。
 引き抜く肉棒の先端からは、コンドームの丸く膨らんだ部分が垂れ下がり、表面にはまんべんなく、白く濁った泡の固まりがこびりついていた。
「はぁ……はぁ……ねえ、次は……?」
 クエルクスはまだ足りていないようにして、肩越しに振り向くなり、目で次の挿入を催促する。青年達は視線を交わし合い、それから次の順番である一人が尻の後ろに移動して、もう何度目かもわからない挿入を行った。
「あぁぁ……!」
 背中を反らし、まるで狼の遠吠えのようにして、クエルクスは天井に向かって喘いでいた。
 すぐに始まるピストンに、激しく尻尾を振り回し、よがり狂った表情でより大きく喘ぎ声を搾り出していた。
「あぁぁ……! あん! あぁん! あっ、やっ、あぁ……!」
「クエルクスさん……!」
「よっ、呼び方……!」
「クー姉さん……!」
「んぅぅぅ……! いいっ、気持ちいい……よぉ…………!」
「俺も、俺も気持ちいい……!」
 夢中になりきっていた。
 クエルクスの頭の中には、もはや快楽を味わい尽くすことしかない。やがて全身が疲弊しきって、もう一歩も動けないほどに体力を使い果たすまで、セックスを続ける勢いである。
 ほどなくして、この青年もまた射精する。
 引き抜いた肉棒からコンドームを取り外すが、まだ満たされていないクエルクスの、次なる挿入を求める熱っぽい視線に浮かされて、青年達もまた生唾を飲んでいた。
 体位が変わり、クエルクスは騎乗位で上下する。
 今度は両手で肉棒を握り、左右で手コキをしながらのセックスで、淫らに腰をくねり動かす。じっと動かない青年の、天井に向かってそそり立つ肉棒で、少しでも自身の膣内を掻き回そうと、腰を回さんばかりにしているのだ。
「んぅぅ! あっ、あん!」
 くねくねと、前後左右に胴体は動いている。
 そんな動きに合わせて両手は動き、握り締めた肉棒を慰める。こうして三人を同時に相手にすれば、余ることとなる一人は、クエルクスの正面に立つことで、フェラチオをしてもらっていた。
「あっ、あぁ……はむぅ……」
 こうして、クエルクスは四本を同時に捌いていた。
 手も口も、さらには膣も、全てを使って肉棒を慰めていた。
 そんなクエルクスの後ろ姿に、騎乗位の快楽を味わう青年は、視覚的にも興奮していた。彼の視点から見る尻は、自身の股に向かって上下してくる。浮き上がった尻が直ちに落下し、叩きつける勢いで腰に乗ってくることで、やはりパンパンと音が鳴り、そこには僅かな水音も混ざっていた。
「んぅ……んっむぅ…………」
 視線の位置を上げていけば、奉仕している後頭部が目に飛び込む。
 咥えている動作によって、全身もろとも前後している。そんな頭の前後を見ることで、唇を直接見るまでもなく、口腔に肉棒が出入りしていることがよくわかる。
 全身が上下左右に動いていた。
 騎乗位のための上下運動に加えての、フェラチオのための前後運動が入り交じり、しかも腰はくねくねと振られている。もはや一種のダンスであるように、腰使いを披露しながら行うセックスは、見る者全員を魅惑していた。
「んぅ……むっ、んむっ…………」
 咥えている唇から、くぐもった声が出る。
「あぁ……」
「クー姉さん……」
 手コキの奉仕を受ける左右二人の、頬に向けて突き出してある肉棒は、その先端にそれぞれのカウパーを滲ませる。
 やがて、それら二本の肉棒から精液が飛び出た時、クエルクスのどちらの頬も白濁に汚れていた。顔の両側にへばりつき、そのついでのように両肩にも付着して、クエルクスの顔と体は精液に穢されていた。
「ああ、自分も……!」
 その時、クエルクスは咄嗟に肉棒を吐き出していた。
 それは口内射精を拒むというより、身体に浴びてみたいような気持ちを無意識に働かせ、汚してもらうためにこそ頭を引っ込めていた。背中を反らし、胸を突き出すことにより、降りかかる精液は乳房を汚し、クエルクスの肉体はより多くの白濁を纏っていた。
 青臭い香りが漂う。
 今まで散乱してきたコンドームの数も合わせて、精液の匂いがクエルクスの鼻孔に流れ込む。それがメスとしての本能を刺激して、まだまだ体力の続く肉体は、さらなる快感を求めて疼いていた。
 うずうずと、クリトリスが突起している。
 次に正常位を行う時、クエルクスのその部分は、やっと刺激を貰うことになるのであった。

     *

「あぁっ、あぁぁぁ…………!」

 クエルクスはこれまで以上に跳ね上がり、電流でも流し込まれているようにのたうち回る。
 激しくも狂おしい、目の血走った青年によるピストンで、手足が丸ごとよがっている。髪を大胆に振り乱し、汗を撒き散らして感じるクエルクスは、肉棒による快感だけでなく、指先でクリトリスを撫でられていた。
 それ自体はたまたまだ。
 偶然、何となくの思いつきで、青年は腰を振りつつ手でも性器を触り始めて、その結果としてクリトリスが刺激を受けている。意識的に始めたことではないにせよ、敏感な突起を指で擦り抜かれている以上は、クエルクスはより激しく喘ぎ散らした。

「あっ、あぁ――あぁぁ――――」

 喘ぎ声のトーンが上がっている。
 一度声を吐き出すたびに、次の声量が段階的に上がっている。

「――――――――――っ!」

 そして、次にあるのは声にならない声だった。
 絶叫のように口を開いて、顔だけを見るなら何かを叫んで見えるのに、その喉は何の音すら発していない。その変わりであるように、背中がアーチのように浮き上がり、痙攣じみて震えていた。
 胴体の震えによって、ヘソがぶるぶると左右に動く。
 その数秒後には、急に力が抜けたように背中が落ちて、クエルクスは息切れのような大きな呼吸で肺を膨らませ、収縮させていた。
 絶頂、したのだ。
 頭の中で何かが弾け、全てが真っ白に染まり変わって、気づいた時にはイった余韻に浸っているのが、今のクエルクスの状態だった。
「はぁ……はぁ……私、イっちゃったみたい…………」
 やっとのことで、自分が絶頂したことに気づいてからは、無意識のうちにそう述べて、ぼーっと天井を見つめていた。少しのあいだ、身体を起こしたり、手足を動かす気力もなく、しばらくは放心していたクエルクスのことを、四人の青年達もまた、似たような顔で見守っていた。
 それから、数分は時間を空けてのこと。
「クー姉さん」
「まだ、いけますか?」
 尋ねながら、二人が肉棒を突きつけて、それぞれ頬に近づける。
 顔に迫った肉棒に、クエルクスは右手で一本を握りつつ、もう一本は口に咥え、二本を同時に相手にしていた。

 この頃にはもう、雨がやんでいた。

 いつしか消えていた雨の音は、夜闇の中にすぅっと消えゆき、入れ替わるようにして現れるのは、雨雲が引いた隙間からの満月だった。月明かりが周囲の雲を照らし出し、地上にも薄らとした光を注ぐ。
 窓から差し込む白銀の、しかし光量の少ない月明かりは、小屋の薄暗さをあとほんの僅かばかりに明るくして、汗の噴き出た艶めかしい肉体に色艶を与えていた。
 四人の青年達。
 そして、クエルクス。
 五人の誰もが、いつまでもいつまでもセックスに夢中になり、天候の変化などには気づかない。雨音が消えていることになど、意識の欠片さえも傾けず、ただ快楽を楽しむことだけが、全員の頭を占めていた。
 やっとのことで情事が終わり、疲れ切った顔で全員が寝そべって、ぼんやりと天井を見上げているのは、もう夜明けの近い時間であった。



 
 
 

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