菊穴に指を出し入れされ、尻たぶを撫でられる。いたわるような、触れそうで触れないような繊細な手つきで皮膚をさすり、埋め込んだ指をグリグリ回す。そんな美紀の姿を男子三人と亜由美は眺め、ニヤついている。
「いい眺め」
亜由美に嫌な言葉を投げられながら、美紀は唇を噛み締めてこれに耐えていた。
「どうですか? 先生」
校医はニヤけた声をしていた。
「どうって……」
「痛みとかはありませんか?」
指の腹で直腸を引っ掻きながら尋ねてくる。
「いえ、特には」
「そうですか? ちょっと腫れっぽくなっているようなんですが、何も違和感はありませんか?」
「え? いえ別に……」
病気の可能性を指摘され、美紀は一瞬戸惑った。何か異変があるのだろうか。重い病気ではないだろうか。一瞬にして不安に包まれ、生徒に見られる恥ずかしさなど吹き飛んでしまう。
しかし、羞恥はすぐに蘇った。
「ま、軽い症状です。肛門にチューブを挿して点滴をしましょう」
校医はまさに病院にあるような点滴剤を引っ張って、液体薬品の詰まったパックの先からチューブを繋げ、美紀のお尻に挿入する。
「動かないでくださいよ?」
「は、はい!」
いや、少し待て。この姿勢で挿入されるということは、点滴が終わるまではずっと四つん這いでいなくてはいけないということか。そうこう感がているあいだにもチューブは直腸の奥まで届き、抜けないようにテープで固定される。ちょうど×印のように貼り付けられ、美紀のお尻は見るも恥ずかしい無残な姿にされてしまった。
「どういう病気ですか?」
「重いものですか?」
男子が質問攻めを開始して、校医がそれに答え出す。聞き耳を立てて病状を把握していくうち、話は点滴にかかる時間に触れ、そして校医はこう告げた。
「三十分はかかりますね。あ、佐倉先生? そのあいだは絶対に動かないで下さいね?」
「三十分ってそんな……。ずっとこのままですか?」
冗談じゃない。やっとこのポーズを解けると思ったのに。
「ずっとじゃないでしょう。三十分ですよ三十分。そうだ。その間にみなさん、佐倉先生のお尻を使って勉強をしましょう」
そんな提案を校医は平然と行った。
「ちょ、ちょっと……! もう十分では? 十分触ったじゃないですか!」
あまりのことにひどく声が裏返り、美紀は頓狂な声で喚いていた。
「んじゃ、失礼しまーす」
「俺も俺も」
浩二と淳が、美紀の意思など構わずにその尻を撫で始め、かといって美紀は動くわけにもいかないまま、むざむざそれを受け入れる。二人でそれぞれの尻たぶを分け合われ、美紀はもはや涙目だった。
(こんなことって……!)
悔しさのあまりに歯を噛み締めた。
触診の演習という名目だろう。どこまで真面目なのか、それとも触りたいだけなのか。何にせよ、美紀は生徒達に尻を撫でられ、皮膚を探るようにつままれる。丹念なマッサージで揉みこまれ、いいようにされ尽くした。
「いい気味、最高だわ」
そして教師を嘲笑う亜由美に向かって、医師が思わぬ一言を告げた。
「そうそう、亜由美さん。あなたには再検査があります」
「…………はい?」
亜由美は一瞬、きょとんとする。
しかし、すぐに校医の考えを理解して、みるみるうちに青ざめていった。
「ちょっと待って? 私は健康よ!」
「いえ、きちんと診断結果が出ています。綿棒から採取した粘膜に細菌がありましてね。まあご安心ください。早期発見になりましたから、別にすぐ治りますよ?」
「すぐって、そういう問題じゃなくて……」
ここで検査を受けるということは、自分自身で連れてきた男子にお尻を見られることを意味している。それどころか、この最低な校医にだって揉み尽くされるに違いない。
「さあ、お尻を」
「い、嫌よ! もし病気が本当でも、私は別の病院に――」
「ここで受けた方が早いですよ? さあ、高志君手伝って」
「はい!」
校医と高志、二人の男に迫られて――。
*
「くっ、くぅ……!」
結局、亜由美もお尻を見られる運びとなった。もう一台用意された診察台で、丸出しとなった亜由美のお尻に男子三人がたかっている。直腸診の講習と称して指を入れられ、肛門に出し入れされていた。
「何でこうなるのよ! 最悪なんだから!」
「亜由美さん。静かに」
喚いた罰を与えるように、校医が尻を叩いてくる。美紀がされるのを見ていい気味だと思っていた体罰が、亜由美自身にも下されたのだ。
「注入するのは別の薬品になりますが、亜由美さんにも先生と同じように点滴を受けてもらいます。せっかくなので、先生の三十分が終わったあとで亜由美さんにも三十分間お尻にチューブを生やしてもらいましょう」
「そんな……」
せっかく仕返しできたと思ったのに、あんまりだ。
男子はしばし美紀のお尻へ戻っていくが、その間に校医に直腸診を済まされる。そして検査が終わってなお無意味に揉まれ、ペチペチと打ち鳴らして遊ばれる。美紀の点滴が終わる頃、亜由美も同じような有様にされ、三十分間いいようにされ続けた。
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