第1話 目覚めた場所
頭が重い。
頭蓋骨に内側にはどんよりとした雲が重く漂い、ゆったりと渦を巻いている。似たようなの重力感はどうやら手足にも漂っており、指先一つすらまともには動かせない。
全身が眠っている。
意識が覚醒に近づいていながらも、まだなお睡魔の呪縛は強く、肉体は夢の中へと置かれている。起きようとする意思を手放せば、すぐにでも別の世界へ移り、夢らしく辻褄の合わない、矛盾にまみれた出来事と相対することになるだろう。
しかし、鏡流は眠気に逆らった。
(起きねば)
まだ意識の半分はまどろみの中、やはり腕の一本も動かない。
頭を支配している重くもやもやとした感覚は、四肢の先端にすら及んでいる。これを打ち払うには、もっと意識の覚醒度合いを上げるしかない。
(起きねば……起きねば、ならぬ…………)
少しだけ頭が晴れる。
本当に少しだけ、申し訳程度にモヤが薄れた時、鏡流は自分がどうして起きようと意思を働かせ、呪縛から抜けだそうとしているのかに思い至った。
眠った記憶がないのだ。
どこの宿に入ったわけでもなく、布団など被ってはいないはずの自分が、一体いつから眠っていたのか。どこでどのように意識を落とし、今ここにいるというのか。
(そう、それがわからぬ。我の身に、何かがあった)
だから起きて事態を把握しなければと、鏡流はさらに意識を働かせる。
起きよ、起きよと、自身の肉体に言い聞かせる。
それにより、さらに少しだけモヤが薄れることで、鏡流は自分の身体にある感触に気づく。
いや、むしろ感触がないというべきか。
服を着ている感触がない。ズボン類やスカート類を穿いている感触もない。身に着けるべきが肌に触れている感じがなく、皮膚に意識を及ばせることで、確認できる衣類は下着のみなのだった。
(どういう……何故、我はこのような格好で……)
徐々にモヤが薄れていく。
本当に少しずつ、色濃い水に透明なものを一滴ずつ垂らしているように、薄れきるまで長い時間のかかる中、鏡流はさらに数分をかけて表皮の感触を読み取った。
(なんだ?)
背中や脚の裏側が固い革に触れている。ソファの表面のような材質の、革の内側には少しは綿か何かがあるのだろうが、柔らかさには欠けたシートと密着している。
しかも、寝ているわけではない。
(我は……立って、いる……?)
どうして、自分は立ったまま眠っていたのか。この状況にはますます覚えがない。一体いつ、どの時から意識を失い、そしてこの場所で目覚めたのか。
しだいに意識が鮮明になってくる。
その覚醒に伴って、首や胴体にベルトが巻きつけられ、固定されていることに鏡流は気づく。
(囚われている?)
まさか、いつからだ。
確かに自首は行ったが、受ける罰とはこういうものではないはずだ。
(よからぬことが起きている)
どうやら、この状況を受け入れるべきではなさそうだ。
そう判断した鏡流は、試しに手足に力を加えてみるが、ベルトによる拘束は案外固い。
(力もあまり入らぬ)
何か薬でも飲まされただろうか。
拘束の固さもそうだが、本来の腕力が発揮できない。自力では脱出できないように、力を奪われていると悟った鏡流は、胸に抱く危機感をより一層のものにした。
(まずいな)
どこの何者による仕業かは知らないが、気づけばこんなところにいた上に、脱出も出来ないとなれば最悪だ。いつから囚われの身になっていたのか、記憶が曖昧なせいで見当がつかず、すぐに思い出せるものといったら、かつての皆と顔を合わせた場面くらいだ。
意識はとっくに覚醒していた。
危機感が働き始めてから、眠気やまどろみなど吹き飛んでいたのだが、かといって手足に力が入らない。能力も発揮できないまま、ただ危機感だけが無意味に働き続けている。
(焦っても何にもならぬ)
深呼吸をして動悸を抑え、鏡流は口にした。
「そこに何者かおるようだな」
衣服は脱がされている中で、目隠しは外されていない鏡流は、すぐ目の前に立つ何者かの気配を察していた。
「ほう?」
男の声だった。
「これはどういったわけだ?」
その何者かに対して鏡流は問う。
「アンタは価値の高い女だ。アンタ自身には想像がつかないほどの需要がある。ま、金になるってことだ」
「人攫いか」
「強くて美しい女を常日頃から捜し求め、ターゲットを見つけるなり数ヶ月も前から計画を立て、やがて実行する。アンタは俺達の手腕に落とされたのさ」
「そのようだな。それで、我はどうなる? 奴隷のように売られるのか、それとも客でも招くのか。いずれにせよ、我には歓迎できない話だ」
「歓迎してもらう必要はない」
その時、鏡流は男の動きを感じ取った。
敏感な耳と、気配を読み解く感じの良さが、腕の動きからなる大気の流動と、衣服の擦れる僅かな衣擦れの音から、脳裏にイメージを作り出す。
まるで目で見ているようにして、手が胸に迫ってくることを感じ取り、鏡流はただ堪えた。身動きが取れない以上、防ぐことも逃げることも叶わず、許されるのはせいぜい我慢のために心を固める程度の行為である。
ブラジャーの上に手が置かれ、どちらの乳房も揉みしだかれて、鏡流はすぐさま面持ちを変えていた。
「不愉快だな」
鏡流は目隠しの布の内側で、眉間に皺を寄せていた。
「そうか、それはよかったな」
「我に目をつけたのは、斯様な行為のためか」
「そう言っただろう?」
「実に嘆かわしい。お前のような者がのざばっていようとは」
「そうか、嘆かわしいか。ところで、アンタのその乳首の状態は嘆かわしいものじゃないのか?」
問われた途端、鏡流は顔の赤らみを強めていた。
「下劣な行為に比べれば、何を言われる筋合いもあるまい」
と、言葉ではそう語るが、鏡流が抱いた恥辱は本物だった。
ブラジャーの内側で、乳首が突起しているのだ。
揉まれるうちに血流が集まって、徐々に硬くなった乳首がブラジャーを押し上げる。カップと乳房のあいだに微細な隙間が作り出されて、男はそれを指先で確かめていた。
乳首の位置をピンポイントにつまむことで、硬さを把握していた。
男の指が埋め込まれ、捏ねられ続ける乳房であるが、その両手さえ離れれば、小さな小さな隙間の存在を鏡流は感じ取ることとなるだろう。
そして乳首が突起する以上、鏡流はこの状況にして感じていた。柔らかなタッチで摩擦を加え、上手い具合に揉んでくる男の指が、残念ながら気持ち良かった。
「鏡流、お前は競売にかけられる」
「やはり売られるか」
「今のお前に出来ることは、せいぜい少しでもマシな買い手がつくことくらいだ」
「ではそのように祈るとしよう」
今の鏡流に出来ることはない。
せいぜい、どこからか助けが現れるか、都合のいい奇跡が起きて脱出のチャンスが巡って来ることでも期待して、鏡流は実際に祈っていた。
奇跡を信じているわけではない。
ただ他にやれることがないから、祈ってみているだけだった。
(あるいはこれを運命から下された罰とでも思うか)
頭の片隅では、そんな考えすらなくもない。
「さて、では大事な商品の一つを確保しよう」
男の指先が鎖骨をなぞり、二の腕を掴む。それから抱きつこうとしてくるように、背中とシートのあいだに指先を差し込み始めていた。隙間に両手をねじ込みながら、真正面から距離を詰めてくる男に対して、鏡流が抱くのは不快感だった。
胸の膨らみに、その頂点に男のシャツが触れてくる。息遣いすら読める距離は、本当には抱きつかれていないものの、そのフリをしている程度には近かった。
背中に潜った両手は、芋虫が這いずるように蠢いている。狭い隙間に全身を埋め込んで、潜り込んできた芋虫は、両側からホックに絡みつき、苦心ながらにそれを外した。
カップが緩む。
直後には背中から両手が抜け、そして肩紐が一本ずつ下ろされていく。
下着も商品の一部らしい。
自分の身に着けていたものが、それも下着が勝手に商品として扱われ、誰かの手に渡っていく。
ブラジャーを入手した愛好家は、乳房の触れていた部分を指でなぞったり、匂いでも嗅いだりして、存分に堪能するのだろうか。そんな気持ち悪い趣味を想像して、さしもの鏡流も身震いしていた。
それに、視線である。
ブラジャーが乳房から離れていき、乳肌がカップの布による庇護を失えば、男の眼差しは当然そこに向くだろう。素肌に大気を感じた瞬間から、視線もまた鏡流は感じ取り、さすがに頬を薄く染め上げる。
生の乳房を視姦され、男は目で堪能している。
「――鏡流」
男は言った。
「この部屋は中継されている」
そう事実を告げられるなり、乳房に突き刺さる視線は男一人のものだけでなく、もっと多くが殺到してきていると思って、鏡流はますます頬の赤らみを濃くしていた。
「な……」
「少しは動揺したようだな」
男の勝ち誇った笑みを前にして、決まりが悪いように鏡流は少しだけ顔を背ける。
「見たければ見ればいい」
「もちろん、存分に眺めさせてもらう――下の方もな」
「……っ」
鏡流は密かに歯を食い縛る。
男の視線は乳房になく、次の標的に向いていると悟った鏡流は、もっぱらそちらへの視姦を感じていた。まじまじと見つめてくるあまり、注ぎ込まれる何かを皮膚が感知していた。
男は動く。
その衣擦れから、相手の体勢が鏡流にはわかる。目隠しをしていようと私生活に支障がなく、戦闘すらこなせる彼女には、呼吸や衣擦れの音だけで十分だった。
両手が同時に迫ってくる。
その目指す先は明白だったが、実際にショーツのゴムに指が潜って、下ろされる直前となった時、鏡流は少しばかりの緊張に強張った。
このまま脱がされれば、性器でさえも視姦され、そしてショーツも商品の一つとなる。それが誰かに堪能されるのは、やはり不快極まりない。買い手となった男は一体、どんな風にショーツを楽しむのだろうかと、最悪な想像が浮かんでくればくるほどに、鏡流は頬を引き攣らせているのだった。
「では、拝見」
ショーツが下がる。
男が手心を加えてくれることなどなく、一瞬にしてあっさりと、鏡流のアソコは露出していた。尻とシートの隙間から布が抜け、ゴムが抜け、すぐにでも太ももの半ばを通り過ぎ、足首へ到達するのだった。
足首には拘束用のベルトが巻きついているものの、それを一時的に外すなり、すぐに拘束はかけなおされた。
どちらの下着も失われ、これで鏡流は丸裸だ。
「さて、いくらになるかな」
男は鏡流の目の前で、見せつけんばかりにして、両手でピンと広げている。
手足を切り取られたわけではない。大切な宝物を取られたわけでもない。
だが、ただ下着がそこにあるというだけで、自分の一部が相手の手に渡ってしまったような、居心地の悪いような、心許ないような、ひどく落ち着かない感じがある。
「布切れに値などつくのか」
「つくとも、元の売られていた値段より高くな」
「古着に高値がつくとは、我には理解できない世界だ」
「わからないか? まあ、わかってもらう必要はないがな。それにしても、染みが少しついているな。このおりものの痕跡が、お前とてやはり女であることを示しているなぁ?」
男はショーツを裏返し、クロッチの部分を手の平に乗せている。まじまじと観察する上に、しかも顔へ近づけて、どうするかと思えばすーっと、鼻で息を吸い上げていた。
鏡流の耳はそれを如実に感じ取る。
吸い上げる呼吸音から、その脳裏には男の布を持ち上げる腕の形も、顔を近づけ、おりものの染みからたった数センチの距離に鼻先をやっていることも、全てを感じ取っている。
それが鏡流の羞恥をひどく煽った。
ただ裸にされた以上の、より深い恥じらいに、頬の赤らみは色を増していた。
「……本当に理解できん」
臭気を確かめられている。
つい先ほどまで、性器と触れ合っていた箇所の匂いを嗅がれるのは、体臭を直接嗅がれることと同等の、嫌な羞恥心を煽られる。
「いい匂いだ」
男は感想まで告げてくる。
「知るものか」
「鼻が良いものでな。俺は体臭で個人を嗅ぎ分けられる。鏡流、お前個人の匂いがたっぷりと染み込んでいて、これはまた随分と売れるだろうな」
男は鏡流に背中を向ける。
そして、その先にあるテーブルにショーツを置くなり、その次の瞬間に鏡流を襲うのは『声』だった。
『おい、いつになったらオークションは始まるんだ?』
『ブラもショーツも両方欲しい!』
『こっちは大金を用意してるんだ』
『頼む、早く始めてくれ』
鏡流はすぐに悟った。
「この声……。ふん、わざわざ」
映像通信は最初から入っていたのだろう。
今まで音声はオフにでもなっていたのか、だから鏡流が感じる気配は、ホログラムウィンドウがただ浮かんでいるだけのものだったが、いくつも浮かぶ映像の一つ一つに、この競売に参加する金持ちが映っているわけだ。
彼らの声が今初めて、鏡流本人にも聞こえるように設定されたのだ。自分の裸を鑑賞して、いくらで買おうかと考えている男達の視線を実感して、鏡流は一層のこと恥辱を感じていた。自分は商品としてここに置かれて、これから値段を付けられるのだという、より深い実感を味わっていた。
「皆様、しばしお待ちを」
『まだ勿体ぶるとは』
『何か面白い催しでもあるのかな?』
音声を通じて伝わる待ちきれない意思と、それを相手にする余裕綽々の男のやり取りから、鏡流の胸には嫌な予感が広がっていた。
下着を脱がされ、それら衣類がオークションにかけられて、鏡流自身もまた誰かに買われる。
それが全てだと思っていた。
他に何の特別な出来事もなく、売却さえ済んでしまえば、男としても仕事は終わりだろうと考えていた。
だが、まだ何かありそうなのだ。
鏡流のことをさしずめ見世物にでもして、観客を楽しませでもするような、何らかの予定がきっとある。男の余裕の態度からは、それが匂わされている。
その内容は果たして何か。
人をオークションにかける以上、商品価値を損なってはいけないはずだ。今この場で陵辱ということは、きっとないとは踏んでいるが……。
いいや、ないとも限らない。
陵辱の鑑賞会をまずやって、誰かに使われた後でも構わない男達が入札する。その程度のことでは商品価値は損なわれない、と考える面々が集まっていないとも限らない。
犯される可能性を脳裏では想定して、鏡流は身構えていた。
(抗う術は……)
手足に意識を傾けるが、やはり必要以上の力が入らない。戦闘をこなせるだけの能力は、まず発揮できないだろう。そんな状況で屈強な男に触れられれば抵抗など不可能だ。
(となると、覚悟を決めるしかないようだ)
せめて心の準備でもして、屈辱に備えることしか許されない。泣こうが喚こうが、今の鏡流にできるのは、どうにか耐え抜くことくらいであった。
もっとも、それだけ身構えていた鏡流への、男が用意している仕打ちは陵辱ではなかった。よもや貞操を穢され、犯される場面が見世物となるのだと思っていたのに比べ、実際に始まる行為に拍子抜けがないでもない。
しかし、それはそれで恥辱を煽られた。
ボディスキャンが始まったのだ。
どうやら鏡流の正面方向、数メートルほど先にはそのための機材が置かれていたらしい。それが可動して、赤いレーザーの光が照射された時、鏡流は自分の体が上から下まで、余すところなく読み取られていることを悟っていた。
点ではない、線のレーザーだ。
まるで横に寝かせた定規から放たれているような、長々としたレーザーだった。それを壁に向けたなら、一本の赤い直線が張りついているはずだった。
それが鏡流の頭へと、額へと、鼻や唇のラインへと、だんだんと下へ下へとスライドして、機材は鏡流の肉体を細やかに読み取っている。
顔立ちからスタイルにかけ、身体の形状を情報として取得している。
平面ではなく、立体物に照射している線形の光は、上から見れば型でも取ったように変形している。針金を物に向かって押しつけて、その部分だけが変形しつつ、残る両端は直線のままであるような、それら光の接触点が機械にとっては形状を読み取るための情報なのだ。
「教えてやろう。鏡流、お前の肉体をスキャンして、3Dグラフィックを生成している」
「まさか、それも商品ではあるまいな」
「商品に決まっている。お前の肉体は一つだけだが、データはいくらでも複製が効く。お前の体は買い手だけのものではない。モデルデータを買った客の手元でも、胸や尻が遊ばれ続けるというわけだ」
男の饒舌に語る言葉を聞き、鏡流はその未来を想像してしまう。十人、二十人、あるいはもっと大勢の機械の中で、鏡流の姿を再現したモデルが動く。
所持者達は思い思いに棒を舐めさせ、股を開かせ、下品な楽しみ方をするのだろう。
自分が直接犯されるわけではない。
しかし、想像すればするほど不快感を感じずにはいられない。ただの妄想よりも、より具体的な形で自分の体が嬲られるのかと思うと身震いする。
「それに今ので、スリーサイズもわかったぞ?」
「そうか」
鏡流は素っ気なく振る舞うが、バストやヒップサイズが掴まれているのもいい気はしない。
「乳首のサイズ、乳輪の直径、アソコのワレメの長さすら算出している。そのデータが参加者全員の手元に届き、一人一人がお前の裸体を手元にしている――裸の画像と、計測データのセットをな」
さらに余計な想像を煽られて、鏡流の赤らみはより広がる。裸体の画像を片側に、空いたもう片方に数値情報を並べたイメージが頭に思い浮かんでしまっていた。
「満足か?」
悔しさも恥ずかしさも押し隠し、何でもない風を装う鏡流の頬は、もう誤魔化しようのない色にまで至っている。
「恥ずかしいか?」
男は質問に質問を返して来る。
「少しはな。それで、我の問いだが?」
「満足などない。参加者の皆様には、まだまだお前という商品の価値を見てもらわないとな」
「まだ、だと?」
鏡流は訝しんだ。
ここまで済んだのだ。
下着を剥ぎ、3Dモデルを生成し、恥部にまつわる計測情報を発表した。
さすがにこれ以上のやることなどないはずでは、などと思う鏡流なのだが、男が得意げな表情を浮かべているのを、気配から何となく読み取った。
(……まだ、か)
想像はつかないが、なおも商品価値にまつわるプレゼンテーションは残っているらしい。
どうせ売られるのなら、早いところ売られた方が、長々と辱めを受けるよりも楽ではないか。いや、それともこの時間が長引く方が、助けが間に合う可能性でも上がるだろうか。
(助け、か)
自分がどこでどう捕まったかさえわからない鏡流には、助けの来る見込みは一体どこまであるのかも、あまり判断がつけられないのだった。
品評の数々が聞こえて来る。
『おおっ、これは美しい』
『衣服も再現されているようですなぁ?』
『肛門の皺すら作り込まれているとは』
サンプルでも配られているのだろうか。
ホロウィンドウの音声から、感心しきった声が届いて来る。先ほどの嫌な想像が今まさに、もうそこで起こっているのであった。