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 娘が人質に取られていた。
 いかなる敵も圧倒し、始終優勢に戦っていた退魔巫女は、娘のために武器を下ろした。その要求に従い、巫女服の赤い袴に隠した下着を脱ぎ去り、地べたに仰向けになった時、鬼は勝ち誇った顔で挿入してきた。
 屈辱でならなかった。
 軽く一蹴できる相手に体を許し、あまつさえ快楽まで与えられ、何度も何度も絶頂へと導かれる。
 娘の前で犯された事実に打ちのめされ、しかも鬼は逃亡して、溜飲を下げることすら出来ずに終わったのだ。

 その鬼が仲間の手で捕らえられ、結界の中に拘束されたと聞いたのは、それから二週間後のことだった。

     *

 鬼――オガルと呼ばれる存在から世を守り、古来より人知れず戦ってきた戦士がいる。霊力の高い者は、決まって女性であったことから、戦士達は退魔巫女と呼ばれ、あらゆる時代で活躍した。
 現代においても鬼と戦い、密かに世の平和を守る一人こそ、雪菜という名の既婚女性である。
 今年でもう四〇歳、さすがに衰えはある。
 うら若い全盛期に比べれば、少々の勢いは失っているが、未だ最前線で戦う彼女は、ちょうど二週間前に娘を連れ、現場の経験を積ませようと考えた。いくら現役世代に負けず劣らずの活躍ができるとはいえ、世代交代を考えなくて良いわけでもなかった。
 目の届く範囲で娘と鬼の群れと戦わせ、雪菜自身も多少は面倒を見ていたが、よもや上級が紛れているとは深くであった。手練れの鬼が下級に擬態し、まだ経験の浅い娘を襲った時、咄嗟に駆けつけようとした雪菜の前で一つの術が展開された。
 その拘束術は、ひとたびかかれば心臓を握られて、念じるだけで命を取られる。
 娘の命を思って武器を手放し、されるがままに犯される屈辱を噛み締めたわけだったが、その鬼が捕まったとは朗報である。
 これで少しは溜飲が下がるだろうと、雪菜はしなやかな黒髪をなびかせながら、退魔協会の施設廊下を突き進む。すれ違う誰もが美貌に振り向き、魅了されていくのも仕方がない。切り揃えた前髪に、長く伸ばした艶やかな髪は、年齢にも関わらずどこかの姫君を彷彿させ、多くの男の胸を撃ち抜く。
 人間の男どころか、鬼すらも。
 わざわざ捕らえ生かしてあるのは、鬼から情報を引き出すためである。多くの鬼は犬猫にも知能が劣り、人の命をエサとする害獣の本能しか持たないが、長い年月を生きればしだいに知能は発達して、最後には人語すら習得する。
 そうした鬼こそが上級に分類されるが、雪菜の実力からすれば上級とて敵ではない。娘の溢れる才気からしても、決して負ける相手ではないはずだが、やはり実践経験の不足が響いてあの結果だ。
 ともかく、協会施設の地下へ進む。
 鬼の侵入や脱走を阻止するための、霊的なセキュリティの施されたドアをいくつも開き、その末に辿り着く取調室も、当然のように結界の札をびっしりと、出入り口のドアには張っている。

「よお、来たじゃねーか」

 鬼が雪菜の姿を目にした途端、ヨダレでも垂らさんばかりにニヤニヤと、あからさまにいやらしい目つきで肢体を舐め回す。
 鬼の外見にも種類はあるが、今ここにいる個体は人型で、昔話に登場するイメージと酷似している。真っ赤な肌でツノを生やして、他には牙も覗かせている。
「お初にお目にかかった時と変わらず、とても品の良いお方ですのね」
 皮肉交じりに、雪菜は鬼の前に腰を下ろして正座する。
 この部屋は和装である。取調室とは言うものの、畳を敷いたこの部屋は、ドラマで見る警察の取調室に合わせてなどいなかった。
 機能すら、通常の建築とは異なっている。
 周囲の壁にはマジックミラーのような力が搭載され、霊視によって外から中の様子を監視できる。建築素材に霊的加工を施し、透視機能を加えたもので、作りそのものは一般的な建築物と同じだが、壁や床にはいくらでも霊力が流れている。
 強靱な結界加工も施した内側からは脱走など不可能だ。
 聞けば検査によって霊力のほどは調べ尽くして、鬼の持つ最大出力の想定もわかっている。理論上の数値よりも、かなり大きく見積もっても、なお脱出しうる能力は持っていない。
「へへっ、思い出すなぁ? この前のセックスをよぉ」
「それで話とは? 私になら情報を話すとか、仰っていたようですが」
 卑猥な言葉をまるで無視して、雪菜は涼しい顔で尋ねてみせる。
「その格好も美味そうじゃねーか」
「ご自分の立場を理解なされていないようで」
「ええ? OLってんだろ? そういう格好はよォ」
 鬼の言うように、今は巫女服は来ていない。
 グレーのスーツにタイトスカートの装いで、人並み外れた巨乳がブラウスを内側から膨らませている。人の視線を引きやすく、同性ですら初対面では大きさに驚くので、かえってコンプレックスですらある爆乳は、鬼や男にとっては随分と素晴らしいものらしい。
 夫にもこの胸は気に入られている。
 愛する男の視線であれば不快にならず、むしろ意中の相手を繋ぎ止めておくことに安心感すら湧くものだが、ひとたび別の人物からの視線が刺されば、たちまち嫌悪感が湧いてくる。
 この鬼の視線はまさにそう。
 視姦されているだけで、皮膚に汚物を塗られる気分になる。
「こちらには拷問という手段もありますのよ? 恐怖や痛みに訴えかけた交渉がお望みなら、私は喜んで対応致しますわ。ちょうど、溜飲を下げる機会も欲しかったところですし」
「つまり、おめぇも忘れられずにいるってことだろ?」
「お望み通りに致しましょうか?」
「無駄無駄、知ってんだぜ? 人間にはルールだの法律だの、面倒臭ェしがらみがいっぱいある。今のところ拷問は禁止されてるって、俺にまで伝えてあるだなんて、規則ってのは本当に面倒に出来てるなァ?」
「なるほど、お聞きになっていたとは残念です」
 雪菜は軽くため息をつく。
 鬼の言葉は真実で、雪菜はここに通してもらう前、防衛以外の理由では一切の暴力を禁止されている。逆に言えば、襲いかかってくれれば復讐心を晴らせるのだが、まともな知能があるなら、命惜しさにこそ攻撃はしてこないだろう。
「そうだな。俺のトークに耳を貸してくれたら、少しばかり情報をくれてやる。さしずめ、知りたいのは俺みたいな上級の居場所とかだろう?」
「そうですね」
「俺の機嫌を取るたびに一匹は教えてやる」
「承知しました。しかしながら、あなたを拷問する機会がないと決まったわけではありませんのよ? どんなトークのおつもりかは存じませんが、言葉には気をつけることをオススメします」
「へへっ、気持ち良かったなぁ? 最初に入れた瞬間のよォ、お前の悔しそうな顔は未だにこの目に焼き付いてるぜぇ?」
 十分に脅したつもりだったが、鬼はまるで意に介さず、セクハラじみた話を展開する。
 人語を覚えた鬼は、人間の女に対して性欲を覚えるようになる。
 そして、性欲の解消自体が食事と似たような補給となり、女を犯せば犯すほど元気になったり、力を高める個体が存在する。そのような特性は必ずしも発現するものではないが、目の前にいるこの鬼には、発現しているわけだろう。
 だから言葉で辱めようとしてきている。
 少しでも腹を満たそうと、雪菜に性的な不快感や屈辱を与えようと、言葉を尽くしているわけだ。

     *

 あれは正常位だった。
 娘が拘束術に身動きを封じられ、手足がX字状に、空間へと固定された時、その見ている前で脚を開いて、雪菜は悔し紛れに巨大な逸物を受け入れた。
 鬼の男根はサツマイモに迫る大きさで、その表面には多くのイボが浮き出ていた。ニキビなどよりずっと大きな出っ張りは、皮膚の内側に真珠でも入ったように丸く突き出て、その一つ一つが卵のように霊力を宿している。
 女の感度を引き上げて、問答無用で感じさせる力があるのは、見ただけですぐにわかった。それが入って来た瞬間、一体どれだけ気持ちいいかは、未だかつて鬼に犯されたことなどなかった雪菜には未知数だった。
 その極太が挿入され、雪菜の膣口は一気に大きく押し広げられていく。
「んぅぅ! んっ、あああああ!」
 すぐに絶叫のような声が上がった。
 それを娘は悲痛な眼差しで見守って、一体どれだけの思いでいたことか。自分のせいで母親が押し倒され、目の前で犯される光景に対しての、涙ながらの表情を横目にして、いたたまれない思いでいっぱいだった。
「あっ、あぁぁ! あぁぁん! あん! あん!」
 激しい快楽の前に、娘ばかりを思う余裕もなく、鬼のピストンによって喘がされ、雪菜は活発に髪を振り乱した。
「あっ、んぅぅ! あん! あぁん!」
 ただやられているつもりはなかった。
 喘ぎながらも機会を狙い、鬼の心臓を一突きしようと目論んでいた。いくら人質を取られていようと、実際に念を送って、娘の命を奪うには、術の操作にかかるタイムラグが発生する。そのラグを計算に加え、たった一瞬で始末してしまえば良いと考えていた。
「あぁぁ! あん! あぁん!」
 だが、その隙がない。
 霊力の行使を警戒して、鬼は人の様子に注意を払っていた。腰を振っていながらも、隙は見せないように振る舞っているのは、見ていて判別がついていた。結局、反撃の機会はなく、最後の最後まで犯され尽くし、イカされた上に逃げられたのだ。

     *

「いやぁ! 最高の思い出だぜぇ!」
 その時のセックスについて、鬼は饒舌に語っていた。
 一体どんな風に気持ちよく、どんな風に満足したか。娘を人質にしながらの、母親を目の前で犯してやる面白さは、どれほどだったか、言葉を尽くして延々と聞かせてくる。
「あの時はよ? お前、最後まで俺を攻撃する気でいたよなァ?」
「お気づきでしたか」
「あんなに喘いでたくせに、よく反撃の意思を保ったもんだ。そいつには感心するが、最後までチャンスがなくて残念だったなぁ?」
 こうして煽り散らかして、性的な言葉によって辱めることこそが、やはり鬼の望みらしい。性行為自体を力の補給とできる特性から、少しでも恥辱を感じさせれば、おやつ程度には腹は満たせる。退魔協会の方針からして、雪菜にはセクハラを受けさせるつもりでいたのだろう。
(あとで抗議が必要ですね)
 今は仕事に徹するとして、その後は責任者を吊し上げ、徹底的に謝罪を要求しよう。
「お前のイク瞬間、傑作だったぜ?」
 そして、この鬼を消滅させる許可を貰い、溜飲を下げる機会によって話をつける。自分が犯された恨みは当然として、娘の生殺与奪を握られたことに関しても恨んでいる。命懸けの現場において危険は当然だが、かといって娘への情を捨てるはずもない。
「両足がビクビクしてたなぁ? ありゃ水泳のバタ足か? 水をキックしまくるんだろ? 絶頂の瞬間にゃ、随分と空中をキックしまくってたなぁ?」
 娘に始末させるのもいい。
 戦闘現場だけでなく、捕らえた鬼の始末という事務処理も、早いうちから経験させて損はない。
「んで、さっきから済ました顔で、考え事で意識を逸らしてるのもわかってるんだぜ?」
「何のことでしょうか?」
「とぼけなくたっていいんだぜ? そうしなきゃ、アソコが余計にうずうずしちまうんだもんなぁ?」
「…………」
 指摘に対し、無言で返す。
 実のところ、鬼の言う通りだ。話を聞かされているうちに、体がその時の快感を思い出し、正座の太もものあいだには、熱く蒸れようとする気配がある。いや、まさか愛液など出てはいないはずだが。
 ――この鬼の体質だ。
 明確に匂うわけでなくとも、この部屋には鬼の臭気が満ちている。優れた嗅覚でなければわからない、しかし確実に存在している匂いが充満して、それが先ほどから雪菜に影響を及ぼしている。
 厄介なことに、雪菜の実力でも弾けない。
 長時間の影響を受けなければ関係無いが、長々と過ごしていれば、いつかは体が反応する。
「そういや、既婚者なんだって? 夫はどうしてるんだ?」
「何のご関係が?」
「ただの好奇心だがよ。どうなんだよ」
「そうね。情報と引き換えなら、話しても構いませんわ」
「なら一匹は売ってやる」
「海外で悪魔事件を追って、既に二年は経過していますわ。連絡は取っていますが、会うことはできていませんの」
「ってことはご無沙汰だな?」
「だとして、あなたに何の関係が?」
 雪菜の身体には媚薬効果が蓄積している。
 息が少しずつ熱を帯び、目つきも変化しそうになっている。太ももを無意識のうちに擦り合わせ、アソコに切なさすら感じていた。

「濡れてるな?」

 そう言われ、表面的な表情は一切変えない。
 だが、動揺していた。
 いいや、濡れてなどいないはずだが、肉体の興奮という点までは否定できない。
「さあ」
「違うってなら確認させてみろよ。おお、そうだ。その前に、情報を売っちまう約束だったんだから、一匹分は教えてやるよ」
 と、鬼は思い出したように情報を喋り始める。上級の居場所に加え、その能力まで漏らすあたり、情報はフェイクであるか、さもなくば仲間意識が欠片もない。
 そのどちらだとしても、話に時間を費やせば、その分だけ……。
「で、パンツ濡れてんだろ? もし濡れてなければ、また次の情報を売ってもいいぜ?」
 喋るだけ喋り終わると、すぐまた下着の話に切り替える。
「濡れているわけが……」
「思い出して興奮してるのはわかってんだぜ?」
 また、雪菜は内心で動揺する。
 それを表には出していないが、ただ心臓が弾んだだけでなく、その煽りにどこか乗せられていた。誰が濡れているものかと、ムキになりかけていた。
「立ってパンツ見せてみろよ。ええ? 雪菜さんよ」
「いいでしょう」
 売り言葉に買い言葉だ。
 雪菜はさっと立ち上がり、自らのタイトスカートを捲り上げる。白い下着を露出した時、むわっと香る愛液を雪菜自身が嗅いでしまい、たちまち敗北感が湧いてきていた。
「おい。なんだこれは」
 それまで胡座をかいていた鬼は、前のめりに迫って手を伸ばし、指でアソコに触れてくる。雪菜は当然のように払い退け、さっさと座り直そうとは思ったが、頭の中で思っただけで、体はそのように動かなかった。
 一瞬、体が快楽を思い出したのだ。
 あの犯された快楽を――。
 無意識の期待のせいで、払い退けも何もせず、気づけば触らせてしまっていた。
「――っ!」
 ビクっと、快楽電流によって腰がくの字に大きく引っ込む。
「なんだ? これは」
 そして、ただ一瞬の接触だけで、鬼の指先には糸が引き、その第一関節までが粘液にまぶしたように輝いていた。
「しかも透けて毛が見えるぜ? 前にヤった時も思ったけどよ、ボーボーじゃねーか。剃ったりはしねーのか? そのワレメを覆い隠さんばかりの黒さは、手入れとかをしないからなんだろ?」
 指摘に顔が赤らんでいく。
 自分では見ていなくとも、こうして外気に晒してみて、濡れた部分が直接空気に触れることで、嫌でも状態は自覚していた。透けるほど濡れているというのなら、そうに違いないはずだった。
「なあ、もっと良くしてやるよ」
「……」
 雪菜は無言に徹する。
 濡れていないと言い張って、その上で濡れていた手前、何の返す言葉も出せずに黙りこくって、それどころか再び迫る右手から逃げられない。無意識の期待感で、何かの術にかかったように抵抗を抑え込み、雪菜のアソコには指が挿入されていく。
 天に突き立てた指は、ショーツをどかして潜り込み、上下のピストンを開始した。
「んぐ! ふぐぅぅ……!」
 雪菜はたちまち感じ始めた。
 アソコから発する快楽は、下から上への、打ち上げ式の雷のように脳を撃ち抜き、その衝撃が頭を揺らす。その痺れはいつまでも長々と、いっそ帯電したように残されて、その痺れがやまないうちに、また脳は撃ち抜かれる。
 鬼の指はみるみる濡れ、愛液のあまりに拳がぐっしょりしていた。垂れ流される量のあまりに、拳どころか手首や肘にかけてまで、滴の玉が表面を伝って流れ落ちていた。
「さぁて、前戯はこのくらいにして」
 しかし途中で鬼は指を引き抜いた。
 先ほどよりも濃密な糸が引き、離れていくだけアーチが伸びる。垂れ下がったアーチが畳を汚し、その直後には鬼は自らの腰巻きを剥ぎ取り、長大な肉棒を露出していた。

 ごくり、

 と、見ただけで息を呑んでしまう。
 出て来た瞬間、むわっと濃いものが漂った。臭気というわけではないが、生温かい何かが肌に届いて、皮膚を蒸らされる感覚がした。その瞬間に体がますます興奮して、魅了でもされてしまったように、雪菜は肉棒から目を離せなくなっていた。
「そういや、襲いかかったらさすがに反撃されるんだったなぁ? お前とは是非またヤりたいが、こっちから手ェ出したら、命にまで関わっちまうよなァ?」
 遠回しの要求だった。
 これが欲しければ、お前の方から体を差し出せと、暗にそう言っているのである。
(なんて……恐ろしい鬼…………)
 ここが戦闘現場であれば、この力の恐ろしさを体感する余地もなく、さっさと倒して終わるだろう。この鬼が持つ能力は、効果を発揮するまで時間がかかる。武器を持った状態で向き合えば、効果が出るよりも決着の方が先につく。
(こんな力を……事前に伝えて来ないのは……)
 雪菜は退魔協会の一部の顔ぶれに疑惑を抱く。
 だが、それどころではない。
 ぐっしょりとしたアソコを何とかしなければ、このままでは帰れないような思いに駆られ、雪菜はタイトスカートを脱ぎ始める。まんまと術中にかかっている自覚はあり、自分でもおかしいとは思いながらも、ショーツですら下ろしていた。
「来いよ」
 雪菜は恥辱に目を瞑り、これでは淫らなメス犬だとわかっていながら、大きな尻を向けてしまう。綺麗な角度を保つ肉棒へと、だんだんと腰を沈めていき、収めただけで軽くビクっと体が震え、雪菜はイってしまっていた。
(わ、私は……こんな……)
 自分でも、本当の本当にどうかしているとは思いながら、雪菜はまぐわいを開始していた。

     *

 鬼にとっては、笑いが止まらない展開だろう。
「あっ、ぐっ! んぅ! んあ! あん! あぁん!」
 自らの意思で肉棒を咥え込み、その胡座に尻を落として、背面座位で繋がりを求めてくる。しかも腰まで振りたくり、必死で上下してくる雪菜の有様は、とても人様に見せられるものではない。
「この状況、娘さんがどう思うかな?」
「な……!」
「自分を人質にした鬼に母親が体を許す。ショックだなぁ?」
「くっ、そのような……あっ、んう! んん!」
 屈辱を煽る言葉を聞かされ、なおも雪菜の腰は止まらない。レイプされ、向こうから突かれているなら逆に言い訳がつくところ、この状況では誰の目にも雪菜が淫乱に見えるだろう。
「さぁて、邪魔な服は脱いじまおうか」
 鬼の手が腹部に回り込み、ボタンを一つ一つ外し始める。
 その間は背中に身体が密着して、抱きすくめられた状態では、なかなか上下に動けなかった。それでもアソコが刺激を求め、微妙に腰を動かそうとしてしまい、快楽の中断を全身が嫌がっていた。
 ブラウスやブラジャーまで脱がされて、全裸にされるなり乳首やクリトリスを弄られて、体に走る刺激が増すと、その瞬間にビクっと震え、雪菜は呆気なく絶頂した。
「あ、あなた……」
 イったおかげで、少しは正気に戻ってか。
 夫に対する罪悪感が急に湧き、雪菜の口からそんな言葉が吐き出される。
「夫に申し訳ないなぁ?」
「くっ!」
 煽られて、敵意を思い出したように体が強張る。
「おっと、今になって拒もうなんざ、遅いに決まってんだろ?」
 その瞬間、雪菜は身体を持ち上げられた。
 膝のすぐ下に両手が潜り、M字に抱え上げられ、鬼はまるで雪菜のことを見せつけんばかりにして、壁に向かってピストンを開始した。腰を動かすというよりも、雪菜の身体を腕力で上下させてのまぐわいは、すぐにでも多大な快楽の波を起こした。
「あぁぁ! あっ、あん! あぁぁん!」
「ここの壁って特殊なんだろ?」
「あん! あぁん! あぁっ、あぁぁ!」
「いいのかぁ? 仲間の前で。監視とかしてんじゃなかったか?」
「あっ、あん! あぁん!」
「せっかくだ。俺もちょいと、壁に霊力を流してみるか」
 鬼が思いついたように言った時、壁が突如として鏡となって、雪菜の姿を映し始める。霊力加工の素材によって、そのような機能を持つ壁は、霊力に使用によって向こう側から室内を監視したり、こうして鏡に変えることもできるのだ。
「んぅう! んぅ! んあっ、あん!」
「お前は変態女だ」
「あぁ! あん! あぁん!」
「仲間が見てんのに、鬼のチンポで喜ぶ淫らなメス犬だ」
「あぁぁ! あん! あぁっ、あん!」
 極太の威力には逆らえなかった。
 身体が持ち上がり、亀頭だけを収めたラインに達した途端に落とされる。そうして続く上下によって、真珠の入ったようなイボ付きが、絶えず膣壁を擦り抜く。あまりにも激しい快楽は、その気持ち良さ一つで正気を奪い尽くす勢いだ。
「あっ、あん! あぁん!」
「娘も夫も、今のお前を見たらどう思うんだ? えぇ?」
 快楽に加えて、言葉による責め苦すら与えられ、鏡を見れば自分自身の乱れ狂った姿が映っている。だらしない爆乳が弾み上がって、髪も激しく振り乱した自分の姿に、いつもの凜々しさは欠片もない。
 自分でも言い訳がつかないとはわかっていながら、それでも雪菜は言うのである。
「と、取引ぃ……! ただのっ、取引ぃ……!」
「なら取引だ。夫のチンポとどっちがいいか教えてくれたら、壁の向こうの連中に情報を喋ってやる!」
「あ、あなた……! ごめんなさい! こっちの方がいいの! あっ、たっ、淡泊……だから……!」
「夫は淡泊なのか! そりゃあ大違いだろうよ!」
「んんんんんんん!」
 その白状をきっかけに、またも頭が真っ白に、脚が激しく跳ね回った。足首がやたらに上下して、ビクビクとしながら太ももは縮んでいき、結合部からは潮が噴き出る。
「んじゃぁ、約束を守るとするか」
 と、そう言いつつ、しかしその前に体位を変えさせ、雪菜は壁に両手を突くこととなる。爆乳を下へ垂らして、前後にぶるぶると揺らしての、バックから突かれながらのまぐはいが始まった。
 鬼はバック挿入のついでのように情報を喋っていた。
 壁の向こうの監視組へと、ひとしきり聞かせた挙げ句、雪菜に対してはこんなことを言ってくる。
「次からはよ。イクときはイクって言えよな」
「んっ! あっ、い、イクぅ――!」
 そして、言われた直後に絶頂して、痙攣のように震えた尻から、ますますの愛液の香りが漂っていた。
 そこで腰使いが停止して、鬼はピストンをやめてしまう。
 これでは快楽が中断されると、イった直後に関わらず、まだ足りないとばかりに自ら前後に動き始めた。
「そんなに俺とのセックスにハマったか?」
「ち、ちが……!」
「言い訳のしようなんざねーのになぁ?」
「うっ、うぅぅ……!」
「今度は俺がお前と取引するぜ。おい、夫とのセックスではイったことあんのか? 正直に言えたら、もっと面白いことをしてやるよ」
 その瞬間、きゅっとアソコが引き締まる。
(ごめんなさい……)
 心の中では謝りながら雪菜は言う。
「ないの……一度も、夫とのセックスでは……イったことが…………」
 その告白を聞くなり、背後で鬼の術が発動した。
 それは肉体構造を操作して、もう一本の肉棒を生やす術だった。その上、肛門にも何かの術がかけられて、二つの穴を同時に犯される。

「んごおおお! おっ、おおぉ! おあああ!」

 かつてないほど、雪菜はみっともない表情でイキ散らした。
「おあっ、あぐぅぅ!」
 鏡に映るのは、気持ちいいあまりに歪み尽くした滑稽な表情あった。
「はぐっ、んぐぁおぉあ!」
 一度も使用したことのない肛門が、太すぎる肉棒をあっさり咥え、しかも存分に感じている。鬼にかけられた術はよく働き、そして全身を駆け巡る快楽電流は、もはや神経を内側から焼き尽くす勢いにさえ至っていた。

「屈服を宣言しろ。チンポに負けましたってな」
「わ、私は……鬼のチンポに負けましたの……気持ち良すぎて屈しましたの……」

     *

 そして、雪菜は肉棒を舐め上げる。
 丸いイボにまみれた長大な肉棒に、尽くさんばかりの思いで舌を振るい、一生懸命に粘液を舐め取っている。
「デケぇ乳輪だよなぁ?」
 身体の特徴を言われながらも、雪菜は嬉々として射精を受け止め、飲みきれないほどの精液を口に含める。口内が白濁の味に満たされて、なお噴きやまない精の嵐に、胸や顔すらまんべんなく汚されていた。
「しかもデカクリだ」
 揶揄されながら、雪菜は精液をごくりと飲み干す。
「塗りつけろ」
 そう言われ、雪菜は自らの乳房を撫で回し、かかった精液を皮膚に擦り込んでいた。
「まるで奴隷だな。性奴隷だ。ええ? どうやって否定できるんだ? できるもんならしてみろって思うよな?」
 聞かされる言葉に対して、雪菜はただ俯く。
 何も言い返せず、俯くことしかできなかった。

「さあ、取引だ。もっと欲しいと思うなら、自分が性奴隷であることを宣言しろ」
「はい。私はあたなの……せ、性奴隷……です…………」

 ほんの僅かに残った正気で、雪菜は胸中に屈辱を抱く。
 しかし、ひとたびセックスが始まれば、獣のように喘いで狂乱した。
 何時間も飽きもせず、延々と乱れ狂った挙げ句の果て、口からも膣からも、肛門からさえ精液を垂れ流し、ろくに拭き取りもしないまま、精液臭い体で服を着る。下着を白濁で湿らせて、髪すら濡らした精液の臭いを全身に纏った上で、雪菜は部屋を出るのであった。

「次もまた可愛がってやるよ」

 などと、そんな声をかけられながら――





 
 
 

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