ニニムは複雑な思いでいた。
こんな乳房を丸出しにした格好で、いつまでもいたいわけがない。早く服を元に戻して、落ち着きをり戻したい一心だが、目の前でロワが裸になった上、グレンやストラングはともかくとして、ウェインの視線までもがそちらに集中しているのだ。
(その方がいいじゃない……)
と、ニニムは自分に言い聞かせる。
もちろん、それはロワが身代わりになっているということで、本当の本当に良い状況とは言えないが、今なら自分の胸は見られていない。視線さえ向いていなければ、そのあいだは恥ずかしい思いをしないで済む。
しかし、ウェインが嬉しそうな目でロワを見て、大きな胸に注目しているので、やはり自分の胸は小さいのだろうかと、こんな状況なのに落ち込んでしまう。じゃあ、自分を優先的に視姦して欲しいかといえば、そんなはずもないあたり、ニニムの思いは複雑だった。
ともかく、しばらくはロワが優先的に視姦されていた。
三人そろってジロジロ眺め、ニヤニヤと嬉しそうの楽しんでいた。三人でロワのことを取り囲み、好きな部分に視線を送り放題にしている後ろ姿を、ニニムは気が気でない思いで見守っていた。
ロワは全裸だ。
それに対して、自分はどうだろう。
そう、まだ乳房を丸出しにしただけで、全てを脱いだわけではない。
(つまり、まだ……)
この先の辱めが残っている。
その瞬間がやって来るのはいつなのかと、それがわからないから落ち着かず、そわそわとしているうちに、やがてウェインが振り向いてきた。
ウェインにつられ、グレンやストラングも振り向いた。
ロワも含めて、全員の視線が急に改めて向けられて、ニニムはもうそれで腹を括った。
特にウェインなど、次はお前だと言わんばかりの目をしてくるので、残された衣服を失う瞬間がやって来たのだと痛感していた。
(というか、私の方が先に全裸になっちゃったんですけど!?)
そんなロワの悲痛な目があった。
(また私の番ってわけね……)
ウェインがニヤニヤと躙り寄る。
「さあ、ニニム。立つんだ」
「はいはい。今度はなによ」
乳房に視線が来ていることを気にしながら、ニニムは椅子から立ち上がる。
その時だった。
(あっ、まずい……)
ニニムは密かな危機感を抱いた。
「さて、立ってもらおうか」
物凄く、それはもう物凄く楽しみそうに、ウェインは命じてくる。
「は、早くして頂戴……」
いっそのこと、少しでも早く楽にして欲しい。ひと思いにトドメでも刺して欲しいような気持ちで立ち上がると、ウェインはおもむろに背後へ回り込む。
「きゃっ」
後ろからくっついてきた。
その接近に心臓を爆発させ、動揺で大きく目を丸める。ウェインは一体どうしたのかと思いきや、しかし抱きつきたかったわけではなく、どうやら後ろからニニムのことを持ち上げて、股を公開したいらしかった。
ニニムの身体が宙へ持ち上げられていた。
背中がウェインの胸に密着して、脚には両手が回って来た形で、M字を形作られながら、ニニムは股を強制的に公開させられていた。グレンにストラング、ロワの視線も一気に集まり、スカートの中身に集中していた。
「やぁぁ……!」
ニニムは思わず両手で顔を覆い、恥じらうあまりの表情を隠していた。
ロワは全裸とはいっても、ニニムはまだ乳房しか出していなかった。胸だけの恥ずかしさだったところに、新たにショーツまで見られたことで、羞恥心は大きく広がっていた。
しかもことはそれだけでは済まない。
ロワは全裸になった一方で、ニニムがこれだけで許されるはずがない。
「グレン、ちょっとパンツを動かしてくれ」
なんてことをウェインは言い出す。
「いいのか?」
「ま、俺は手が塞がってるからな」
「いいというなら、では遠慮無く」
ニニムの目前にグレンが迫る。
ウェインと背中で密着した状態で、正面からも男が迫った挟み撃ちの状態は、ニニムの動悸を激しくさせる。ドクン、ドクン、と、心臓の音が自分自身の体内から、今にも聞こえてきそうであった。
ショーツの部分に指が来る。
布越しにアソコへ触れられ、ワレメを剥き出しにするように、横へとずらされたことにより、ニニムは間近で性器を視姦される形となった。
「やぁ……!」
思わず両手で顔を隠した。
自分の股に向かって、グレンの顔が迫っている。ワレメを至近距離で見られている。その状況に耐えかねて、現実を遮断したいとばかりに目を瞑り、両手ですっかり覆い隠した。そんな手の平の内側では、ぎゅっと目が固く閉ざされ、唇が歪むほどに口周りの筋肉にも力が籠もり、顔中のいたるところが強張っていた。
しかも、視姦だけには留まらない。
「お? 毛がないんじゃないか?」
グレンはそんなことを言い出すのだ。
「マジ?」
「ああ、ないぞ? 剃ってあるのか? とにかく、一本も生えていないみたいだ」
(いやぁぁぁぁぁ…………!)
ますます頭は加熱され、燃えるような顔の赤らみから、煙すら出そうな勢いとなった。見られるだけでも恥ずかしいのに、性器の見た目はどんなものか、毛は生えているのかいないのか、情報さえも声に出されては、より一層の羞恥に苛まれるのであった。
しかも、まだ仕打ちは止まらない。
「なら中身はどうなの?」
「よし、開いてみよう?」
そんなグレンの指が来て、今度は下着越しでなく、直に触れられてしまった感覚にショックを受けつつ、そしてまだまだ顔中の熱は上がった。ワレメを開かれ、中身を視姦され始めることで、頭がくつくつと煮えたぎるようだった。
「綺麗なピンク色だ」
しかもグレンは実況する。
「や、やめて――――」
「ビラビラもピンク色だな。ん? この部分は確かクリトリスか」
「やめてやめてやめてやめて――――」
指で開帳されてから、グレンの顔はますます近い。たった数センチの距離かもしれないところまで、グレンの顔はぐっと迫って、その気配が如実にわかる。いくら目を瞑っていて、両手で顔を覆っていても、むしろそのせいで皮膚感覚に意識はいって、いかに近くから見られているかがありありとわかるのだ。
「豆みたいな形のがなかなか大きいぞ」
「やぁぁぁぁぁぁ…………!」
ニニムは悲痛の顔すら浮かべていた。
「デカいクリだな」
「あ、あぁ……あぁぁ……あぁぁぁ…………!」
それを知られてしまったら、もう二度と生きていけないような、絶対の秘密でも知られたような、何か絶望に近い感情すら湧いている。
「へえ? ニニム、デカクリなのか」
そんなウェインの言葉が耳に痛い。
「おいおい、気になるじゃないか。是非、僕も見てみたいね」
ストラングがそんなことを言い出している。
「いいぞ? ストラング」
そして、ニニムの体だというのに、許可を出すのはウェインであった。
グレンの顔が遠のく代わりに、入れ替わりでストラングの顔が迫るので、肌に感じる視姦の気配はなお続く。グレンに性器の具合を知られた直後、今度はストラングにも知られている事実は、じわじわとニニムの胸を蝕んでいた。
「なるほど? 本当に大きいね」
ストラングの感想も耳に痛い。
「で、どれくらい?」
「うーん。大きさを例えるなら、さすがに人の小指ほどはないわけだし、だけど砂利の一粒よりは大きいからね。何か植物の種とか、それくらいかな?」
具体的に例えようとしてくるのが辛い。
「お、ちょっとイメージしやすいな。ニニム、見なくても俺の頭の中には想像が膨らんでるぞ」
そんなことを言ってくるウェインの声は、背中が胸に密着している状態だから、耳のすぐ裏側に向かって、耳穴に直接声を注ぎ込むように聞こえて来る。
「いや……しなくて、いいわよ……想像なんて……!」
「よし、決めたぞ? 二人のクリを比べてやる」
ウェインによる悪魔的な思いつきで、ニニムの表情が凍りつくのはもちろん、ロワの固まる気配すら伝わって来た。ガチガチに固く強張って、歪み切った表情がさらに凍ったニニムへと、ロワの硬直した気配も伝わっていた。
「そろそろ下ろしてやる。縄も解くから、今度は自分で脱ぐんだぞ? ニニム」
ウェインの両手から下ろされて、ニニムは再び立たされる。
後ろ手の縄もほどかれ、やっと両手が自由になった先にあるものは、脱げ、脱げ、と圧力をかけている全員の視線である。ウェインが、グレンが、ストラングが、それぞれニニムの裸を心待ちにして、ロワもロワで訴えかける目をしてくる。
ロワの目が語っている。「私だって裸なんですけど!?」と、訴えかけてきている。
(わ、わかったわよ……)
ニニムは無念ながらに脱ぎ始めた。
既にリボンはほどき、乳房が出るまでボタンは開け、ブラジャーをずらしてある胸である。
ニニムはまずその脱げかけのシャツを脱ぐために、腰巻き型の衣装を外す。シャツの上から腹巻きのように張りついて、そこからマントを垂らした衣装の留め具やボタンに手を触れると、シャツのその上に巻きついていたものが取り去られる。
隠れていたボタンが現れ、全てを外しきることが可能になった後、ニニムはそれを一つずつつまんでいった。
シャツを脱ぎ去り、ブラジャーを手放した。
良くも悪しくも、乳房はもうとっくに出ているので、周りに残った衣服を取り去ることに抵抗はない。抵抗というよりも、せめて周りの肌だけでも隠してくれていたものを手放して、守りが一層弱まった心許なさが強かった。
そして、ニニムはスカートを下げていく。
足元にばっさり落ちると、ガーターベルトのかかった白いショーツが眩しく輝く。乳房が出ている状態からのスタートで、だから胸を隠す意味など失っていたブラジャーも、羞恥心とは裏腹にあっさりとテーブルへ手放している。
だからシャツやスカートを脱いだだけでも、ニニムはショーツ一枚の姿なのだった。
しかも、ショーツの中身をもう既に見られている。グレンに、ストラングに知られた上、ウェインの脳裏にも想像が膨らんでいる。
それでも、これを失えば全裸である。
胸を出しっぱなしだった上での脱衣と、ただ先ほど見られただけで、アソコを隠してはいるショーツを脱ぐのでは、抵抗の度合いが変わってくる。
(何なのよ……何でこうなったのよ……)
ニニムはショーツに指を入れ、するすると引き下げていく。下げれば下げるほどに、下腹部から最後の布は遠のいていく。脱いでいるのだから当たり前だが、テーブルの上へと手放す瞬間が近づくほどに、羞恥心は大きく膨らみ、頭の沸騰は勢いを強めている。
全員の視線を浴びながら、ニニムは直立不動となった。
「おっ、マジで生えてないじゃん。なになに? 剃ってんの? どうなの? ニニムさーん」
「うるさいわよ……」
「あ、せっかくだからそこ並ぼうか。な、ニニムさーん。ロワさーん」
と、ウェインの言葉で並ばされ、全裸で二人並んだ瞬間、もう奴隷市場にでも立たされた気分であった。商品として並べられ、それを見に来た客に裸体を見られている。そういう気分としか言いようがなかった。
しかも、今度はテーブルに上がらされる。
「じゃ、二人のアソコを比較してみようか」
ウェインの言葉で二人並んで上がるように言われたことで、ニニムとロワは隣同士で股を広げて、M字開脚の中央を開けっぴろげにするのであった。
ますます奴隷だ。
奴隷市場で売られる気持ちを体験している感覚だ。
「さーて、アソコの中身を広げてみせて欲しいなー」
ニヤニヤとウェインが言う。
グレンが腕を組みながら、ストラングも穏やかな微笑みを浮かべながら、二人の開帳を心待ちにしている。
「や、やりましょうか……ね…………」
ロワが震えた声でそう言った。
「そ、そうね……こんなこと、さっさと終わらせましょう…………」
ニニムは答える。
そして、二人同時に指をやり、M字開脚の中心からアソコを開く。桃色の肉ヒダを公開した瞬間の、頭への加熱といったらなかった。
既に沸騰していた頭の中で、まだ熱が上昇したように、ニニムの羞恥の熱は高まっていた。
◆◇◆
アソコを比較されている。
二人並んでM字開脚を披露して、その爪先が微妙に触れ合いかけている隣同士で、揃ってアソコの中身を開いている。桃色の肉ヒダを公開して、もっとも恥ずかしい部分に視線を浴びるがままとなるのだが、ニニムのアソコを見ているのは、もっぱらウェインなのだった。
「へぇ? マジでツルツルじゃん? クリトリスも大きいじゃん? ニニムさーん、いつからこんな風になってたんですかぁ?」
桃色のそこに、真っ直ぐに視線が注がれている。
粘膜をまとった輝きで、キラキラとした細やかな反射を散りばめながら、宝石のように綺麗にぬかるんでいる。膣口の小さな穴をよく見れば、白いヒダ状の何かがリングの曲線から内側へと、蓋を閉じようとでもするように張ってはいるが、ミリ単位の長さしかもてないその膜では、とても塞ぐことなどできはしない。
そして、その上にあるクリトリスは、植物の種子ほどの大きさにまで突起して、今にも敏感に疼いている。それは外気に晒された刺激のせいか、視姦されて反応してか、ニニム自身にもはっきりとはわかっていない。
「処女の証拠もばっちりだな」
医学書でも読んだ経験からか、ウェインにはそんな区別がつくらしかった。
「うるさいわよ……」
「尻の穴まで見えてますよー?」」
「う、うるさいったら!」
ニニムは羞恥で声を荒げる。
先ほどからずっと頭が沸騰しているのに、その上さらに恥ずかしい思いをさせられて、ぶくぶくと泡立つ勢いが増しているのだ。
そんなニニムの隣では、ロワが二人がかりで視姦されている。
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと……そんなに勢いというか……もう少し手心というか……」
「って言われても、ねえ? グレン」
「そうだな。俺達はただ、普通に眺めているだけだが?」
横目でちらりと確認すれば、二人分の顔が同時に迫って、ロワはどちらの視線も一気に受け止めている。二対一であるロワと、一対一であるニニムなら、ロワの方が恥ずかしい思いはしていそうで、羞恥の熱は隣からも伝わってくる。
顔が赤くなるあまり、熱気が宿ってそれが肌を温めてくるような気がしている。
とはいっても、ニニムもニニムで他ならぬウェインの視線を浴びているわけで、クリトリスの大きさをチェックしたり、毛が生えていないことを確認されたり、心を抉り回されているようなものである。
「元から生えてないの?」
「し、知らないわよ!」
「ええ? 知らないってことなくなーい?」
「どっちでもいいじゃない……は、早く……許して…………」
「許す? ニニムさーん? なんか悪いことでもしたんですかー?」
「だから……! もう……! ウェイン、早く満足して……!」
「そうだなー。ロワのも見ておかないとな」
と、ウェインは急に隣へ興味を移す。
そして、それぞれポジションを入れ替わり、ウェインがロワのアソコを観察する。ウェインの顔がロワへと迫って、至近距離で視姦している。
それに対する複雑な思いを抱くには抱くのだが、次の瞬間にはもうそれどころではなくなっていた。
「やっぱり、ここにも個人差があるものだね」
ストラングが感心したように言っていた。
「ああ、ロワのクリトリスの方が小さいな」
「色は似たようなものだけど、人種は関係あるのかな?」
「どうだろうな。意外と関係ないんじゃないか?」
「ま、あってもなくても構わないけど、とにかくどちらも綺麗だよ」
やはりたまったものではない。
ロワの性器と比較して、どこに違いがあって、どこが同じであるかをわざわざ語って聞かせてくるのだ。
その一声一声に苛まれ、ニニムの表情は延々と歪み続けていた。
(でも、これで終わるはず……)
と、ニニムはそう思っていた。
ここまでやれば、さすがにこの先はないだろうと、てっきりそう思ったニニムもそうだが、次のウェインの提案に、ロワも含めて顔が凍りついていた。
「じゃあ、外に出てみるか」
ちょっと散歩に出てみようか、程度のノリでウェインはそんなことを言ってきたのだ。
「へ?」
「はい?」
二人して、引き攣った笑顔を浮かべる。
口角の吊り上がった面持ちは、決して何が楽しいわけでもなく、この恥ずかしい時間がまだ続くことに対する絶望から、かえって表情が壊れてのものだった。
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