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 いよいよ、乳房に触る。
 何の疑問もなく、ただ施術の効果が出ることを楽しみそうにしているララへと、中年はそっと両手を近づける。オイルを手の平の表面に染み込ませ、塗り広げるための準備を済ませたその両手で、中年はまず乳房の下弦に指をやる。
 肋骨と南半球の境目をさっと撫で、手始めに半月弧の部分ばかりを集中的になぞっていく。
「んぅぅ…………」
 喘いでいるわけではない。
 気持ち良さにうっとりと、目を細めながら吐き出す声は、ただマッサージが気持ちいいだけだ。性的快感よりも、純粋に施術を心地良く思っている顔には、くつろぎの色さえ浮かび上がっているのであった。
 さらに横乳のラインをなぞる。北半球のラインをなぞる。
 いずれも、肋骨と半球ドームの境目にあたるラインを擦り、指で地道にオイルを広げる。もちろん、指圧混じりの指の押し込みも行いつつ、リンパを押し流すことの説明も交えて、いくらかの箇所に圧を与える。
 やがて出来上がるのは、円周に沿った線だけが光沢を帯びた状態だった。
 既に全身にオイルを塗りたくり、手足も胴も輝いているものの、もしも初めてオイルを塗った箇所がここであったら、ドーナツ状のリングが完成していたことだろう。
(媚薬の効果は……出て来ているかな……?)
 中年は乳首を確かめる。
 元々の突起具合から、やや微妙に膨らんで、触れれば刺激が走るであろうことが見て取れる。そればかりか、ララは無意識のうちに太ももを引き締めて、何やら下半身をモゾモゾとさせていた。
 それはかすかな反応で、はっきりと目立った挙動ではない。
 しかし、股をきつく閉じ合わせようとして見える。肩が僅かに浮き沈みして、微妙ながらにモゾついている。
 手で触れたことでの反応は、それはあることだろう。
 だが、これらの様子を窺うことで、中年は媚薬効果が出始めているのを確信していた。
(揉んじゃうよぉ? ララちゃん?)
 表面的には営業用の笑顔を保っている。
 その微笑みには、客に対する人当たりの良さしか出ておらず、傍目には欠片もいやらしいものには見えない。ただ元々の顔立ちで、目つきがどこか怪しげなことさえ除けば、人の良さそうな気の良いオジサンといった印象にしかならないだろう。
 だが、内面は違う。
(瑞々しい果実を味わっちゃおうねぇ?)
 営業スマイルの仮面に隠した本性では、いかにおぞましく唇を吊り上げて、ニタニタと目を血走らせていることか。欲望に満ちた相貌は、その本来の表情が表に出れば、少女なら誰もが身を竦ませたり、寒気を感じることだろう。
 舌なめずりをして、南半球の側から乳房を掴む。
(おおっ、柔らかい!)
 中年は興奮に鼻息を荒げかけていた。
 内心では荒ぶっているが、それをうっかり表に出しかけるほど、ララの乳房を揉みしだく感触は、中年にとって心地良く素晴らしいものだった。地球人タイプの客が来るとは限らずに、好みの宇宙人が来たこと自体が久しぶりである中年には、懐かしくも最高の感触だった。
 指を沈めると、今にも押し返してくるような、ゴムのような弾力を感じるのだ。
 試しに脱力してみれば、本当にあっさりと押し返される。
 では試しに、食い込ませてから急に離せばどうなるか。手の平を丸ごと遠ざけると、元の形状に戻ろうとする勢い余って、ぷるっと僅かに揺れていた。
(これはこれは!)
 こんなにも張りが良く、健康的な乳房だというのに、美容エステなど必要とするだろうか。
 そんなことをプロのエステティシャンとしての観点から、思わず感じてしまうほどなのだが、それが実際に来てくれていればこそ、中年は今こうして乳房を揉むことができている。
(よし、もっと揉んじゃうぞ)
 中年はさらに乳房を揉みしだく。
(おっと、施術施術)
 もはや中年の中で、施術用のタッチは建前であり、誤魔化しだった。美容効果を狙った行為は義務的に果たしており、そのついでに好きな揉み方をするのがメインといった具合になりかけていた。
 それでいて、ララは疑う顔をしない。
「んっ、あぁ……あぁぁ…………」
 揉んでいるうち、ララの息遣いが甘く熱くなっていく。
「どうしました?」
「なんか……思ったより、気持ち良くて……」
「それは良いことです。きっと効果が出ますよ?」
「そーなの……かな……」
「ええ、そうです。そのまま快感に浸って下さい」
「う、うん……」
 さすがの快楽に、かえって不安でも抱いているのか。
 やや曇った表情で頷くも、ララはすぐさま火照った顔で、悩ましげに首を左右に動かしていた。微妙に、僅かに、顔をくねくねと、右へ左へと動かしていた。
 乳首がさらに突起する。
 最初は小指よりも小さくて、興奮の気配も見受けられなかったララの乳首は、揉めば揉むほどそこに血流を集中させ、大きく固くなっていく。
「もう少しオイルを足していきますね?」
 中年は瓶の中身を直接垂らした。
 四肢に使い、胴に使い、尻にも使い、二つ目の瓶さえ空に、三つ目の瓶を開放して、中身を直接注いでいる。乳房と乳房のあいだへと、トロっとした円は広がり、十分に垂らしたと思ったところで塗り広げる。
 乳肌にまんべんなく擦り込んで、皮膚がみるみるうちに潤いを纏う。
 地球の感覚で例えるなら、風呂上がりの直後の肌に似て、水気を含んだ皮膚が瑞々しい。そこへさらにオイルを足し、塗り広げる。皮膚により浸透させ、広げきったところでさらに足す。繰り返し繰り返し足していき、他の今までの部位以上にオイル濡れにしていくことで、ぬかるみの層がしだいに厚みを増していた。
 オイルのヌルっとした層は、もはや数ミリという厚さに及んでいた。
 紙や下敷きよりも厚いオイルの層は、指で引っ掻くことで掻き取られ、その部分に線が出来るほどに至っていた。
 全身がまんべんなく輝いていた。
 オイルの量を特に増やした乳房を中心に、全身のどこもかしこもオイル濡れに、身体からシーツへと移ることで、背中の下にまで濡れた気配が広がっている。
 その時、中年は乳首をつまんだ。
「ひゃん!」
 刺激を施した瞬間に、ララの胴体が弾み上がっていた。
「おや、大丈夫ですか?」
「えっ、えっ……」
 気持ち良さのあまり、どうやら困惑していた。
「続けますよ?」
「あっ、あぁ……だめっ、それ……やめて……!」
 乳首を指でクリクリと転がし抜くと、ララは身悶えしながら懇願してきた。
「おや? これもマッサージの一環ですが」
「でも……」
「美乳効果がお望みだったのでは?」
「そうだけど、なんかすっごく敏感で……気持ち良すぎて……ヘンになりそう……」
「我慢しましょうね? そうすれば、必ず効果が出ますから」
「……う、うーん……どれくらい?」
「ララさんの乳房は元から美しいようですが、そこにより磨きがかかり、肌がつやつやに輝くことで、芸術品のようになるでしょう。大富豪が巨額で取引する絵画と比べても遜色ない、香りさえ漂って感じられるほどの、最高の果実に仕上がります」
 一種のセールストークだ。
 中年にも、一応のプロの意地はあり、効果は出してみせるという気持ちがある。それを実感してもらえれば、それほど嬉しいことはないわけだが、それにしても芸術だの香りだの、さすがに誇張に決まっている。
 それを鵜呑みにしているのか、いないのか。
 どの程度まで信じたかは伺い知れないが、ララは飲み込むことにしたらしい。
「じゃあ、我慢する。リトのためだもん」
(……リト?)
 中年は地球人である結城リトの存在を知らない。
 しかし、誰か想っている人がいるのだろうとは感じ取り、そのために綺麗にする健気な心の持ち主に向かって、単なる愛撫を行った。
「ひゃぁっ、あぁ……」
 乳首をつまみ、転がし抜きつつ、乳輪も繰り返しなぞり抜く。
「あ……あぁ…………」
 その刺激により大きな声が搾り出されて、ララは一層のこと呼吸を荒く乱していた。

     *

 中年はララに四つん這いの姿勢を取らせていた。
 それも、筋肉を伸ばすといった理由を付け、尻だけを高らかにして、頭や胸は下にした姿勢である。傍目にはみっともなく、情けなく見えるそのポーズは、尻がよく目立つ上、しかも中年は密かなカメラシステムを利用していた。
 ホログラムウィンドウである。
 画面映像が宙に浮き出て、その中に映っているのはララの表情だ。
(よしよし、よく映っているね)
 ララには枕に顎を乗せ、顔を正面向きにするよう指示してある。だから表情が隠れることなく、光学迷彩で視認不能にしながら設置してある隠しカメラと、ララは知らず知らずのうちに顔を突き合わせている。
 つまり、中年はララの表情の変化をリアルタイムに確認している。
(顔が赤くなっている? うーむ、さっきまで恥じらっていなかったけど)
 ララの頬には、今更になって赤らみが浮かびかけている。
 それは快楽のせいで身体が火照り、顔が微熱を帯びているせいかもしれないが、いかに羞恥心に欠けた様子であっても、下半身はさすがに恥ずかしい可能性も感じられる。
「では美尻効果の施術をやっていきます」
 中年は改めてオイルを手の平に乗せてから、尻たぶを撫で回した。
「あっ、あぁ…………あぁ………………」
 ララの小さな声が聞こえる。
 丸出しも同然の、Tバックの尻からは、紐の裏から肛門が見え隠れしている。そのことにララ自身は気づいているだろうか。
 今のところ、あからさまに肛門を覗く真似はしていないが、もしやそこで恥じらうだろうかと、中年はララの反応に興味を抱いていた。
「あ……んぅ……んっ、んぅ………………」
 今のところは、ほとんど息を荒っぽくしているだけで、恥じらう気配は気のせいかもわからない。
 ひとしきりオイルを塗りたくり、すっかりぬかるみを纏った尻は、まんべんなく光沢を帯びる。丸いフォルムが輝きを放ち、ヌラヌラとした光を散りばめながら、オイルが重力に従って垂れていた。
 いくつもの滴が生まれ、太ももに筋を伸ばしていく形でオイルは垂れる。そうやって膝にまでオイルは届き、果てはシーツにまで染み込んでいく。
 中年はTバックの紐に指をかけ、ついにずらした。
「やっ……!」
 その瞬間、ララの表情が明らかに変わっていた。
 まず最初の一瞬で、驚いたように目を大きく丸めつつ、頬に浮かんだ赤らみの色をみるみるうちに濃くしていく。悩ましくてたまらない、恥じ入る目つきとなりながら、かといって何を言うでもなく、ララは物静かに堪えていた。
「お尻の穴まで綺麗ですねぇ?」
 わざと、そんな言葉をかけてみる。
「やだ……そんなところ、見ないで…………」
「これは失礼。しかし、お尻美容のためにも、この付近もやっていきますからね」
 中年は肛門付近の施術を開始した。
 シワの周りに指を置き、くにくにと表面を揉むようにしながら、指圧のために押し込みもするタッチを繰り返す。シワを直接触っているわけではないが、その周囲にある皮膚を弄っていることで、表皮の浮き沈みに釣られてシワも動いた。
「やっ、やだ……そこは…………!」
「先ほど、リトさんと仰いましたか?」
「うん、わたしの好きな人だけど……」
「大切なお体を、想い人に見てもらおうと、磨きをかけているわけでしょう? ここにもツボやリンパはあるわけですが、お尻の穴だって見られるかもしれないんです。今のうちに慣れておくのも手のうちでは?」
「そうなのかな……わかんないよ……」
「ま、とにかく施術は続けていきますよ?」
 中年は尻たぶに両手を置く。
 べったりと張り付けた手の平の、左右の親指を割れ目に入れ、わざとらしく中身を開く。二本の親指によって肛門を引き延ばし、あからさまに顔を近づけてやることで、いかに至近距離で眺めているかをララに伝えた。
 呼吸の温かい風を肌に触れさせ、肛門のすぐ真後ろに目があることを教えてから、中年は横目でホログラムウィンドウを確かめる。
(おやまぁ、いい顔だ)
 ララは表情を歪めていた。
 赤らんだ顔を沸騰させんばかりにして、頬を固く強張らせるあまりにプルプルと震えさせている。唇がぐにゃりと歪み、耳にまで赤らみの及んだ表情は、乳房を出してもケロっとしていた様子からは、とても想像のつかないものだった。
 ここまで恥じらうとは意外だと思いつつ、こうも羞恥心あらわな顔を見られるとは、とても特をした気分になり、中年はまんぞくそうに視姦を続ける。肛門のシワを伸ばしては戻し、伸ばしては戻し、それをいくらか繰り返しているうちに、股の様子に気がついた。
(濡れてるね)
 実のところ、アソコにはオイルが付かないように気をつけていた。
 尻や乳房は散々に触ったが、性器だけは今の今まで避けてきたのだ。
 オイルで濡らしたわけでもないのに、内側から染みが出来上がっていく様子がわかりやすいように、そこだけは触れなかった。
(もう媚薬効果な十分に出ているはず)
 中年は一度、尻から手を離してやる。
 すると、ホログラムウィンドウに映るララの表情は、安心のため息をつくものとなっていた。
 しかし、改めて指を当てると、ララは再び緊張を帯びる。肛門を見る前までは、尻を触っただけで表情が一変することはなかったのに、穴をまじまじと見られたことで、また肛門を覗き見られるかもしれないと、その予感で顔が硬くなっている。
(可愛い反応だ)
 指先で表皮をくすぐる。
「んぅぅ………………!」
 快感が走ってか、尻が小刻みに震えていた。
 肌への反応をみても、媚薬成分の浸透に間違いはなさそうだ。
(もう少しだけ)
 中年はララの反応を楽しむため、手の平をべったりと、左右の尻たぶに置き直す。先ほどのように親指で引き延ばし、わざとらしく肛門を視姦した。親指に強弱をつけ続け、シワを伸ばしたり戻したり、それを延々と繰り返した。
 ララの耳まで赤い顔は見物であった。
 ぎゅっと目を瞑ったことで、まぶたの周りの歪んだ表情には、濃密な恥じらいが滲み出ていた。

     *

 いよいよ、快楽攻めの時が迫っている。
「ではまた、仰向けでお願いします」
 と、ここで姿勢を変えてもらう。
 もちろん、表情のチェックがバレないように、ホログラムウィンドウはオフにしておき、それと入れ替わるようにララの身体が上を向く。乳房が再び天を向き、気をつけのような姿勢で脚の閉じ合わさったララを見下ろし、中年はショーツに指を引っかけた。
「あれ? パンツ――」
 ララはきょとんとしていた。
 肛門を拝んだ時に比べれば、その赤らみは薄らとしたのもで、ショーツを取る必要もあるのかと意外そうにしているに過ぎない顔だ。
 しかし、その程度の反応に見えた表情は、しだいにもう少しだけ赤らんでいく。
「これも施術の一環でして、性器への刺激によって女性ホルモンの分泌を促しつつ、そこにしかないツボを押していきたいと思います」
「そう、だよね……マッサージ……だよね…………」
 ララの声がかすかな震えを帯びていた。
 肛門視姦をやめたことで、一度は引いた赤らみが再び色濃くなっているのを見るに、また次の恥ずかしさを予感しているらしい。
 中年はショーツを下ろしていった。
 Tバックの部分は紐しかなく、手前側も布の少ないそれを取り去って、これみよがしに持ち上げる。今までアソコに触れていた部分には、ぐっしょりと愛液が染み込んでいた。
「これが何だかわかりますか?」
 濡れたショーツを本人に見せびらかし、中年はわざと尋ねる。
「えっ、オイルでしょ?」
 何をわかりきったことを聞くのかと、ララは当たり前にそう答える。体が敏感になっている自覚はあっても、自分が愛液を出していたことには、どうやら気づいていないらしい。
「膣分泌液、あるいは愛液と呼ばれるものはご存じですか?」
「それは……! し、知ってるけど……」
 一体、どうやって濡れているかに初めて気づき、驚愕じみて目を丸め、動揺混じりに声を震わせる。
「ララさんは股がお濡れになったのです」
「う、やだ……」
「とても湿っていらっしゃるようですが、こちらの方にも施術は行っていきますので、どうぞそのつもりでお願いします」
 中年はニヤニヤとショーツを片付け、太もものマッサージに取りかかる。脚を揉んでいきながら、その両手をしだいしだいにアソコへ近づけ、鼠径部のラインを指でなぞって、性器の周囲をくすぐり抜く。
「んっ、んぅ……」
 ララは唇を引き締めていた。
 明らかに何かを我慢した表情で、ぐっと口元に力を込めて、辛抱強く耐え忍ぼうとしている姿は、それこそが快感の高まりを証明している。堪えなければ、もっとわかりやすく感じた様子が出てしまうのを、ララは抑え込んでいるのだ。
 まだワレメを直接なぞってはいないのに、こうも声を我慢してくれるとは、中年はますます理性を溶かしていた。
「さあ、ララさん。女性ホルモンの分泌を活発にするため、性感帯の刺激を行いますよ」
「ひゃぁ……!」
 ララはついに甘い声を上げていた。
 股のあいだに手を差し込み、指先でなぞり上げることにより、ララは驚いたように目を丸めて、喘ぎ声を出しているのであった。
「濡れていますねぇ?」
「やっ、あぁ……あっ、だめぇ……か、感じちゃう……!」
「お感じになられますか?」
「オジサン……こ、こんなの……」
「こんなの、まだ序の口ですよ?」
 指を折り曲げ、膣口の中に先端を埋め込むと、ララの喘ぎはますます上がる。太ももが小刻みに動き回って、拳がしきりにシーツを掴み、顔では髪を振り乱す。全身のあらゆる挙動に快感への反応が見え隠れして、中年はそんなララの様子を拝むことが楽しくなっていた。
(いいぞぉ……!)
 もっともっと、ララのことを虐めたい。
 デビルーク星の王女という、この期を逃せば二度と顔を合わせることすらできないであろう、本来縁のない少女の股をもっと見ようと、中年はポーズの指示を出す。
「では脚を開いて下さい」
「……開くって、こう?」
 ララは申し訳程度に脚を開くが、それは肩幅程度に広げただけだった。気をつけの姿勢で立ってから、足元の幅を広げただけの開脚は、中年の求めるものとは程遠かった。
「違います違います。もっとこう、M字です。M字のように大胆にお願いします」
「こ、こう? オジサン、これ……ちょっと恥ずかしいなー……」
 ララは自らの両手で脚を持ち上げ、開脚によって性器をあけっぴろげにした。貝殻が綺麗に閉じ合わさっているような、美観あるワレメがよく目立ち、覗こうと思えばその数センチ下にある肛門も、再び視姦できそうだった。
「そうです。これから股関節を伸ばしつつ、先ほど言いましたように性感帯への刺激を施していきたいと思います」
「……うん」
「お声が出るかもしれませんが、この部屋は防音となっております。また、プライバシーは遵守しますので、ララさんの感じた様子を口外することは一切ございません」
 中年はいたって常識的に、お客様を気遣っている態度を見せる。
 しかし、心では呟いていた。
(個人的には楽しむけどねぇ?)
 ふと中年が視線を向ける空間には、こうしている今にも光学迷彩のカメラが動き、決して視認できない形で撮影が続いている。この日の思い出を持ち帰り、オナニーのネタにしてやる準備は万端なのだった。
「ねえ、効果はどれくらいあるの?」
「それはもうツヤツヤに」
「ホントに? リトも喜ぶかな?」
「ええ、私のエステを受けた女性なら、その肌を見た男性は必ずや興奮します。あなたの性的魅力は一層のこと磨かれることでしゅう」
「そうだよね。この店だって有名なんだし、オジサン……お願いね……?」
 不安と期待が入り交じり、素直に楽しみにしているとは言い難い、しかし確実に瞳のキラキラと輝いた表情でララは言う。それだけ効果が出るのなら、恥ずかしくても我慢しようという意気込みを抱いているわけだろう。
「では――」
 中年は右手の指を挿入しつつ、左手ではクリトリスを弄り始めた。
「ひゃぁぁ!」
「いいですよ? いくらでも声を出して」
「あっ、あぁぁ……あっ、んぅぅ……!」
 愛液が滴り出ていた。
 ピストンをすればするほど、指にまとわりつくものは、全てララの愛液である。先ほどまでなら、今まで塗り伸ばしていたオイルの浸透で光っていたが、そのぬらぬらとした光沢は愛液によるものへと成り代わっていた。
 ララの髪を振り乱す挙動は激しさを増していく。
 クリトリスも敏感で、脚を踊らせる挙動も活発だった。
「あっ、あぁ……あぁぁ…………!」
(イカせてしまおうか)
 邪悪な計算が心に働く。
「あふぅ……んぅっ、んぁぁ…………!」
(いいや、まだまだ)
 中年は慎重に様子を見ながら、ララのイキそうなタイミングを見計らう。
「あっ、ダメっ! なにか――あぁぁ――!」
 ここだ。
 そう思ったところでピストンを停止して、クリトリスからも指を離した。
「あっ、あぁ…………」
 そして、今のところのララの反応は、激しい快楽が中断されたことにより、ただ息を落ち着けているだけのものだった。





 
 
 

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