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 指輪の男が出したアイディアは、ローター飛ばしというゲームであった。
「ルールは簡単。アソコを使って物を飛ばし、飛距離を競う。ではアソコに挿入した物を一体どうやって飛ばすかだが、魔力に反応する道具を使えば簡単だ」
 彼が指をパチンと鳴らした時、突如として二人の膣内には、卵形の何かが現れていた。物体を<転移>させ、膣内にすっぽりと収まった小型の何かは、すぐにその役割を発揮して、二人の膣内ですぐさま振動を開始した。

 ブィィィィィィィィィ…………。

 無機質な駆動音が膣内から、二人のアソコから聞こえ始める。
 その振動によって、サーシャのアソコは、ミーシャのアソコは、同時にまとめて刺激を受け、二人はそれぞれの顔に快感を浮かべてしまう。
「んっ、んぅぅ……!」
 サーシャが喘ぐ。
「んあっ、なに……これ…………!」
 ミーシャも喘ぐ。
 二人揃っての喘ぎ声で、教室に密集しているクラスも学年もまちまちの、おびただしい数の面々はまとめて納得したらしい。
(そっか! 振動か!)
(中でブルブル震えることで、快感を与える道具ってわけか!)
 理解の早さに関係無く、指輪の男は一応の解説を開始する。
「ローターという道具を二人のアソコの中に入れてある。魔力を吸い取ることで振動して、性的な快感を与えるが、吸収させる魔力量を調整すれば、その振動に強弱をつけることが可能になる。
 そして、私が用意したローターには競技用の専用機能が備わっており、一定量の魔力を吸収すると射出される。これは女性にローター飛ばし芸をやらせるための、特別な仕様になる。より激しい振動と共に飛び出すほど、遠くへ飛んでいくわけだ」
 おぞましいアイディアだった。
「ローター飛ばし芸……?」
 ミーシャも本気で疑問を浮かべていた。
 何が面白いのかがわからない。
 女に性的快感を与え、その反応を見るというなら、男はそういうものなのだろうと理解はしやすい。無理にでも快感を与え、喘がせようとする考えも浮かぶのだろうが、アソコから物が飛び出て何が面白いのかがわからない。
 だが、だからこそサーシャは薄らと理解した。
(玩具にして、どこまでも惨めに扱おうってわけ……)
  面白おかしいことをやらせて、人を笑いものにでもして楽しむわけだ。イジメの発想混じりに辱め、人を遊び道具にして盛り上がろうとする最低に考えに違いなかった。
(なんで! なんでこんなことに付き合わなきゃいけないの!?)
「さあ、始めろ! スタートだ!」
 指輪の男が高らかに宣言する。

 ブィィィィィ…………!

「あっ、あぁぁ……!」
「んぁぁ……! やぁぁ……!」
 膣内でローターが震えていた。
 その快感に喘ぎながらも、魔力が吸収されていく感覚はどうにか掴めた。吸収させる量を調整して、増やすこともできれば、ゼロにすることもできる。一切吸収させなければ、そこで振動は止まると読めた。
 今は止めるわけにはいかない。
「あぁ……うぅぅ…………!」
 指輪の男に、その制作者の目論見に乗るのは業腹でも、ふざけた競技に則って、ローター飛ばしをやるしかない。
 逆らったり拒否をすれば、契約解除が遠のくだけなのは、もうとっくにわかっていた。
 しかし、魔力を増やした時である。

 ブィィィイイイイイ!

 振動が強まった。
「あっ、いやぁああああ!」
 吸収させる量を増やせば、その分だけ振動が大きくなるのだ。
(エッロ!)
(どんだけ感じてるんだよ!)
(マン汁ダラダラじゃねーか!)
 心の声を聞かされて、サーシャはそれに苛まれる。
 これだけ感じた二人のアソコは、ねっとりとした汁を垂らしていた。舞台の床から浮かせた股の、ワレメの端を伝って一滴ずつ、ポタポタと垂れているのだ。
「やぁぁ……!」
 ミーシャが悲痛の声を上げていた。
 その喘ぎ混じりの声に、むしろ男達は興奮している。
(エッロ! エロエロ!)
(なんだよあの感じた顔は!)
(そんなに気持ちいいのか? イっちまうのか!?)
 男子の目が血走っていた。
 見れば目力を込めて凝視する顔から、二人の身体を焼き切らんばかりの圧力の籠もった視線ばかりが発せられていた。
 視線という視線の数々に犯される。
 目で犯されている気持ちになる。
 止まらない快感に、愛液が流れ出るだけでなく、クリトリスさえもが突起していた。二人のワレメの内側で、敏感な肉芽に血流が集まって、徐々に硬くなり始めた挙げ句、数ミリに渡っての大きさに至っているのだ。
「くあっ、あぁぁ……!」
「あぁぁぁ……!」
 二人して喘いでいた。
 そして、ついに吸収させた魔力量が一定の値を超えたその時――。

 トピュン! トピュン!

 二人の膣から、二つ卵形がそれぞれ飛び出た。

「あぁぁぁ!」
「あっ、あぁぁぁ!」

 より甲高い喘ぎと、さらに潮吹きとも同時であった。
 まるで滑りでツルっと飛び出るように、膣圧に勢いよく締め出されたように出て来たローターは、絶頂の潮吹きを背にして一直線に飛んだ先、席に座った男子生徒の胸に当たって跳ね返る。どちらのローターも机に転がり、一体どちらの方が遠くへ飛んでいたかの勝敗はわからなくなっていた。
「ふむ、そういえば廊下か校庭でやった方が良かったな。まあいい、勝敗や罰ゲームなどはオマケに過ぎん。それよりも、今回はアソコの状態を皆に見てもらおうではないか」
 指輪の男がパチンと指を鳴らし、その瞬間に二人の肉ヒダが開帳された。
 まるで見えない指かフックでも引っかけて、左右に引っ張ったかのように、魔法の力で開かれていくワレメから、それぞれの桃色の肉ヒダがあらわとなる。
 もちろん、ただ開いただけでは見えにくい。
 位置の遠い者からは、ただでさえ小さく見える身体に、何かピンク色の点が付いたようにしか見えないだろう。
 そこでさらなる魔法を使い、遠くで見えにくい者に対してまで、指輪の男によって肉ヒダは晒されていた。
「どうだ。映像魔法だ」
 多くの男達の眼前には、まるで現実の風景をそのまま切り取り、そこに移し込んだかのような、動く絵が浮かび上がった。
 絵の具のような塗料は使っていない、まさに肉眼で見る景色そのままに、男達の前で肉ヒダは開かれている。一人一人の顔の近くに、魔法が生み出す額縁が浮遊して、その全てに二人の性器が映されているわけだった。
(これがネクロン姉妹の!)
(うおおおお! 綺麗!)
(これ処女じゃね!?)
(今のでちょっと破けてる?)
(すっげー綺麗じゃん? おいおい、クリも突起してらぁ!)
 無数の声が一気に襲いかかっていた。
 映像を見ているのは、教室にいる者達だけではない。教室の限られたスペースには収まりきらない全校生徒の全員に、男女を問うことなく二人の性器は公開されていた。
 開けた穴の、膣口の形状がくっきりと、突起したクリトリスの具合もはっきりと、それも大きく映し出されている。
 動く絵は横長だった。
 それを縦二等分に区切りつつ、左右に二人の性器を並べた上、絵の上端にはそれぞれの名前を記してある。おかげで顔を映していなくとも、どちらがどちらの性器であるかがわかる上、無数の声が張本人に届くのだ。
(トイレの中で良かったー! 堂々とシコれる!)
(おおっ、絵に描いちゃお! 記録するんだ!)
 教室内にはいない男の、校舎内に存在する心の声が無造作に選出され、よりにもよってこんな声が本人達に届いていた。
(トイレって……!)
 サーシャが戦慄する。
(描く……? え、絵で、残される?)
 ミーシャも頬を震わせていた。

     *

 二人の全身に視線が集まる。
 感じる視線は今や教室に密集した人数だけでなく、決して教室に収まりきることはない、校舎内全員の目に晒されていた。
 二人はポーズを変えられていた。
 次の羞恥プレイをやらせるため、今度は中腰で開脚して、両手は頭の後ろに組まされている。言ってみるなら、脚を可能な限り広げたスクワットに近い。椅子に座る程度の高さにまで腰を落として、そのままの姿勢を維持した形で、二人はポーズを固定されていた。
 ありとあらゆる部位に視線を感じる。
 まず、二人のふっくらとした乳房は、メロンのように丸っこく、そして大きく膨らんでいる。その瑞々しさから生える乳首は、鮮やかな桃色をしていて美しい。それが光を反射しながら、体の興奮を帯びて硬く突起しているのだ。
 ヘラで彫り込んだように綺麗なワレメは、そのすぐ上に陰毛があるはずだった。剃毛によって剃り落とされ、今でこそツルツルに光っているが、それまではささやかな毛が艶やかな毛並みで光沢に輝いていた。
(気分はどうだ?)
 指輪の男が<思念通信>を送って来る。
(美術部の様子を教えてやろう。私が見せる映像魔法を絵に残そうと、血眼になって筆を走らせている最中だ。正義感を発揮する者が現れては面倒なので、せっかくだから描くことを強要してやった)
「それじゃあ……絵が、残される……?」
 ミーシャの震えきった声を聞くだけで、その思いはひしひしと伝わる。
 二人がこんなにも惨めで恥ずかしい思いをしたことは、大勢の思い出に残るだけでなく、絵にまで描かれてしまうのだ。裸を正確に観察して、きちんと描かれてしまっては、もはや<羞恥の指輪>から解放された後でさえ、ある意味では視姦が続く。
(美術部の連中は全員がお前達の絵を描いている。それぞれ担当を振り分けて、胸を描く者、アソコを描く者、全身を描く者といった具合に分かれている――先ほどの、中身を開いた肉ヒダも、美術部の方にはまだ流れているぞ?)
 こうして指輪の男が<思念通信>を送りつけ、実際には確認できない美術部の様子を伝えてくるのは、全て辱めのためだった。
 美術部がどれだけ熱心に絵を描いて、記録を残そうと躍起になっているか。
 心の声を聞かせる魔法まで利用して、絵を描くことに夢中な気持ち――何かに夢中な状態の熱気まで読まされて、それが二人にモロに伝わって来た。血眼になって絵を描いて、意地でも裸を手元に残そうとする熱意がそのまま頭に流れて来たのだ。
(そうだ。内部の様子も見てはどうだ?)
 指輪の男がまたしても指を鳴らすと、チューブ状の道具が前後の穴に生やされた。突如として尻尾が伸びたかのように、前後からだらりとチューブが垂らされていた。
(カメラという名の魔法道具だ。形状は特殊なだが、先端のレンズを介して映像を撮る。それを魔法で中継して、美術部はもちろんだが、お前達にも見せてやろう)
 サーシャとミーシャの前に、それぞれの内部が出現した。
 顔の前に絵を浮かせ、無理に見せつけられるようにして、自分自身の膣内や肛門の内側が現れていた。
 やはり、他の全校生徒が見ているものと同様に、横長の絵を縦二等分に、区切りのラインを入れた左右に膣と肛門を流している。チューブの先端から見た内部は、桃色の肉壁そのものだった。
 肉は潰れて映っていた。
 本当は凹凸やザラつきがあるかもしれないものが、チューブの太さに圧されて、その形に均されている。平らな壁に押しつけたものが平たくなるように、チューブに接した膣壁や肛門の内壁は、どちらもチューブの型に合わせて変形していた。
 チューブは徐々に潜り込んだり、交代したり、微妙なピストンを帯びている。
 それによって、絵に映った肉壁も前後していたが、肛門の方は上下左右に角度を変えもして、チューブの先端があらゆる方向を向いていた。その肛門を掻き回される感覚は、まさにそのまま二人に伝わり、姉妹揃って呼吸を乱す。
 一瞬、排泄物が映り込む。
 汚物の気配が少しでも見えた途端、やはり姉妹揃って目を背けた。
(どうだ? この映像も、全ての者に流している。教室にいる全員、教室の外にいる連中、多くの奴らがお前達二人の内部を観察している)
 指輪の男は淡々と、二人に羞恥の事実を伝える。
(肛門の中身も、全員が見たぞ?)
「言わないで……」
 サーシャの声が弱々しくなっていた。
「もう嫌……本当に嫌……」
 ミーシャの声にも、どこか許しを請うような、もう勘弁して欲しい気持ちが存分に込められているのだったが、指輪の男はそれを無視する。
(次は尻の穴だ)
 チューブが消失する。
 その代わりのようにして、今度は尻の割れ目が開かれた。見えない指でもあるように、ぐにりと左右に広げる力が働いて、二人の肛門は魔法の力によって開帳される。
 今度は肛門がアップになった。
 放射上の皺の皺の窄まりが、尻の割れ目を広げる力で、その皺を微妙に左右に引き延ばしつつ、映像に大きく映し出されていた。
(どうだ? 皺の本数まではっきりわかる。お前達の桃色じみた色合いと、皺の入り方にかけてまで、全てが全校生徒の知るところとなる。美術部の連中には、映像魔法の表示を増やしてやっておかないとな)
 つまり、他の面々には一人一つで、その都度内容の切り替わっている映像は、美術部の中では数を増やすことになる。切り替わる前までの、チューブで映した中身やそのさらに前の映像も入り交じり、美術室には全てが浮かんでいることになる。
(どれでも好きな絵を描いていいようにしないとな)
 最悪の親切だった。
 男の欲望からすれば、実に都合のいい展開なのだろうが、二人にとっては最悪極まりない話であった。
「くぅっ、うぅぅぅ…………」
 悔しすぎた。
 ただ人前で裸にされ、みんなに肌を見られるだけでも、一体どれほどの屈辱か。それをふざけた芸をやらされたり、アソコの中身を公開されたり、どうしてこんな目に遭わなくてはいけないのか。
 こんな目に遭わされなくてはいけないほど、何か極悪非道でも働いたのか。
 本気で問い詰めたい気持ちになるが、その答えはしかしわかりきっている。

 ――趣味、だ。

<羞恥の指輪>を生み出した制作者の、何もかもが性癖に過ぎない。
 深い意味など何もない。
 ただただ、男の欲望追求の犠牲となって、二人はこんな目に遭っているのだ。



 
 
 

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