ボタンを外すだけで必要以上にたどたどしい。
田中次郎の指が震え、妙に苦戦してしまっているのは、まず第一に性格がある。女子との関わりが薄い、さしてモテない日常を送っているため、だから異性に慣れていない。女性への免疫がなく、そもそも対人関係自体を苦手とする田中には、こうして可愛い女子と一緒になるなどハードルの高いことだった。
おまけにアイドルらしいのだ。
アイドルや俳優など、著名人に疎い田中は大槻唯の存在も知らなかったが、そう言われれば納得するだけのルックスだ。ここまで可愛い女子とは目を合わせるだけでも緊張して、どうしても挙動不審になってしまう。
可愛い云々だけではない。
知っていたわけではなくとも、著名人の前に立っているかと思ったら、もうそれ自体が緊張に繋がってくる。有名人などという、自分とは格の違う相手が前にいると、自分など格下に思えて肩が縮こまる。
そういった心理的な要因もさることながら、そもそも自分の服を脱ぐのでなく、人の服を脱がせるという作業は、微妙にやりにくいものだった。自身で行う着脱はいくらでも慣れているが、相手の着ている服のボタンを外すというのは、作業そのものがいささか慣れない。
もちろん、とびっきりに難しいわけもなく、ボタンを外すだけに苦戦している理由の半分以上は、もっぱら性格や緊張によるものだ。
そうはいっても、やはり一つを外すだけで一分も二分もかからない。
時間がかかりすぎるはずもなく、苦戦ながらにも一つまた一つと外れていき、下から上へだんだんと、肌の覗けて見える隙間が伸びていく。ヘソがチラつき、さらにその上の肌まで見え隠れするようになった時、田中は目を逸らしがちになっていた。
もうじき、ブラジャーが見えてしまう。
見てみたいような、見てはいけないような、好奇心と罪悪感が綯い交ぜに、ボタンに対する躊躇いはより強まる。胸のあたりに手をやれば、誤って乳房に接触しそうで、上手いこと触らずに済ませられる自信もない。
「ヘーキだよ? ほらほら!」
唯は明るく、優しかった。
あまり目は合わせられないが、何度か窺ってみた表情は、どこか笑顔が引き攣っている。無理に笑って、自分の恥ずかしさを誤魔化している。こちらに気を遣わせないように、平気だ大丈夫だといった言葉をしきりにかけてくれている。
「すみません。あの、触らないように、気をつけるので……」
「うんうん。あー、でもね? ちょっとくらい当たっちゃっても、アタシはそんな怒ったりしないからさー。田中ちゃん! もうちょっと気軽にいこうね?」
「うん、ありがとう……」
ようやく敬語を解きつつも、田中は慎重にボタンを外す。
こうして見ると、胸が大きい。
ワイシャツが内側から膨らんで、手前に向かって突き出ているのが、この距離感で観察するとよくわかる。あまりジロジロと見ては悪いと思うが、これからブラジャーを露出させ、それどころか最後には全裸にさせるのかと思ったら、その中身にどうしても興味が湧く。
早く、見てみたい。
欲望に駆られた指からは、少しだけたどたどしさが抜け、胸の近くにあるボタンを外す。それまでよりもスムーズに外した瞬間、チラリと見えたピンク色に、思わず顔を赤らめながら視線を逸らした。
(み、見えちゃった……)
田中も高校生である。
インターネットの中であれば、下着どころでは済まないアダルトコンテンツにいくらでも触れている。
だが、今そこにあるのは実物だ。
実際に目の前に立つ女の子の、実際に着用している下着だ。アダルト動画や画像で見る乳房とは感覚が違う。ネットで画像を見る分には背徳感など湧きにくいが、現実に接する相手の下着は、見てはいけないものを見てしまった気になってくる。
だから反射的に背けた視線は、しかしだんだんと吸い寄せられる。
反発力と吸引力、相反する力が同時に働いていた。
見てはいけない思いから、磁石の反発のようにして視線は脇へ逸れようとするが、見てみたい思いから吸引力も働いている。見たい、見てはいけない、矛盾した心理の働きから起こるのは、視線を引っ張り合う綱引きだ。
そして、それは吸引力の方が有利であった。
自分自身の服ならともかく、どうやら相手の服を脱がせる場合、ノールックでボタンを外せるほどに田中は指が器用でない。見ながらでなければ、どうしても脱がせられない。だから心の中で正当化して、思い切って見えかけのピンク色に視線をやると、やっぱり働く反発力で逸れそうになっていた。
しかし、見なければボタンを外せない。
田中は気まずいような申し訳ないような心持ちで、そーっとボタンに指を触れさせる。強く触りすぎることで、ワイシャツの内側へと指が当たらないように気をつけながら、慎重に外していく。
外せば外すだけ、ピンク色のチラつきが増す。
最後の一つまで外した時には、もはや心臓が早鐘のようになっていた。胸の内側で破裂しそうなほどに音を立て、鼓膜の内側がうるさくなっていた。
田中はワイシャツの襟に手をやって、左右へと広げていく。
ただボタンが外れただけでは、そこに出来上がった隙間は細い。身動きに応じてチラつくだけの肌だったが、はだける分だけ隙間は広がる。胸が解放されきる瞬間から、気にはなっても顔を背けて、田中はそれを見ないようにしながらワイシャツを脱がせきる。
(む、胸が……あんまり見たら……! ああ、でも気になる……!)
本当は見たくてたまらない。
本当は好きなだけ視姦したい。
それが出来ずに顔を背けて、しかし引力に引かれた視線は乳房へ向きそうになっている。何度か向けてしまうたび、やっぱり反発力で逸らすのだが、それでも視界の端にはどうにか収めてしまっていた。
可愛らしいピンク色にフリルを施し、紐にもレースのかかった華やかなブラジャーは、乳房を中央に寄せ上げて、谷間を作り上げていた。色気のある谷間のラインはあまりにも魅力的で、引力は余計に強まっていた。
(次はスカート? 本当に僕が脱がせていいのか!?)
無理にでも乳房から意識を引き離そうと、次に脱がすべき衣類に心を向ける。
そういえば、スカートの着脱についてはよく知らない。
「田中ちゃん。ホックはここだからね?」
そう告げてくるので、上半身を見過ぎないようにと気をつけつつ、剥き出しの腹だけを見るようにしながら視線を向ける。唯は指で腰のあたりを示しており、どうやらそこにあるホックを外し、さらにチャックを下げればいいらしい。
「……ぬ、脱がす……からね」
声が余計に震えていた。
スカートを脱がせば下着姿。
下着姿にさせた後、残るブラジャーとショーツでさえも脱がせるわけで、これから待っているのは女子の下着に触る未来だ。ブレザーやスカートですら、まともに触る機会などないというのに、下着に手を触れる機会が迫って来るなど、心の準備が済んでいない。
(パンツとブラだけに……なるんだ……今から……)
むしろ田中の方が緊張しきっていた。
ふと顔を見てみれば、唯も赤らんでいるのはわかる。唯にも緊張があるのはわかる。そうはいっても、田中のことを気遣ってくれている以上、一体どちらの方に余裕があるかは考えるまでもない。
(やっぱり、アイドルって凄いんだ……)
田中はスカートに手を伸ばし、ホックを外す。
そしてチャックを下げた時、ばっさりと落ちたものが唯の足下に輪を作る。田中はその足下だけに視線をやった。少しでも目を上げれば、下着のみとなった唯の姿が視界に飛び込み、きっと夢中でまじまじと見てしまう自分自身を予感していた。
唯が足をどかしていき、自身のスカートを拾い上げる。
その折り畳んだものが机に置かれた時、田中はいよいよ唯に目を向ける。
「お、大槻さん…………」
下着姿に魅入られた。
ピンクのブラジャーが豊満な乳房を包み込み、ショーツは可愛らしく華やかだ。本当は見てはならない。こんな課題だからこそ咎められないだけで、ジロジロと見るべきではない。
しかし、そうは思っていても下着姿に心奪われ、一瞬にして釘付けになっていた。
(綺麗だ……)
関心しきってもいた。
やはり、アイドルをやるだけあって、体型はしっかりと作ってあるに違いない。体型の維持というのは、どのくらいの努力がいるものなのか。大変なのか、そうでもないのか。あまりよくわからない部分はあるが、どうあれ日頃から気を遣っているのだろう。
見てはいけない気持ちなど、簡単に吹き飛んでいた。
魅惑の下着姿を前に、視線にはすっかり熱が籠もって、もはや何かの幻に飲み込まれたかのようですらあった。
「あ、ははは……そこまで夢中で見られちゃうと、恥ずかしいかなー……」
「ごめんなさい……」
「いやいや! そんな謝らないでよ! 田中ちゃん! まだ次が残ってるよ!」
陽気に振る舞ってみせる唯であるが、顔の赤らみは増している。桃色だった頬の色味が濃くなって、これで下着を取ってしまったら、一体どこまで恥じらうのだろう。
「お願いね? 田中ちゃん」
唯は田中に背中を向ける。
異性の髪に触れる躊躇いを振り切って、金髪に隠れたブラジャーのホックを外そうとするのだが、手を伸ばす直前になって田中は下を見てしまう。
下半身が突き出ていた。
唯自身は腰を突き出すポーズなど取っていない、ただ普通に立っているだけだが、ショーツを内側から膨らませているボリュームが視線を引く。ゴムから少しばかりの肉をはみ出すほどの、魅惑の厚みに鼻の下が伸びそうだった。
うっかり、視姦してしまう。
「あれ? 田中ちゃん?」
いつまでもブラジャーを脱がさずにいるせいで、不思議そうにしてくる声がかかってきて、田中は我に返っていた。見てはいけない罪悪感を思い出し、無理にでも尻から視線を引き離すと、質感の良い髪を手でどかし、その裏に隠れていたホックに指をやる。
(ぼ、僕が……ブラジャーを……)
今までも十分に緊張したが、それもより一層のものとなってくる。
ごくりと息を呑み、ホックを外しにかかった時、余計なタッチをしないように気をつけはしたものの、どうしても指を肌に触れさせてしまう。うっかり当ててしまった指に、女の子の柔らかで心地良い感触が伝わって、そのままいつまでも触っていたい欲望が急速に膨らんだ。
(駄目だ駄目だ!)
我を失ってはいけない。
それにこのトレーニングも、女子の裸を前に理性を保ち、暴走を抑えるためのものなのだ。先生が見ている上、カメラまで回っている以上、尚更暴走するわけにはいかない。
ありったけの理性を総動員して、田中は自分自身の欲望を食い止める。
ホックが外れたことを確認するなり、早急に手を引っ込めた。
(でも、まだ……)
肩紐が残っている。
肌に指を触れさせてしまう機会が、まだ残っている。
(しっかり、理性を持つんだ……理性……理性を……)
強い心で欲望を抑え込もうと、努めて意識しながら唯の肩に手をやって、田中は肩紐を一本ずつ下ろしていく。
「あの、このまま後ろから引っ張るので……そうすれば、その…………」
「そっかぁ! いきなり胸を見せなくて済むね! 田中ちゃん、気が利くね!」
「いえ、そんな……」
「じゃあ、引っ張っちゃって?」
「う、うん」
ホックの外れ、ぷらりと揺れた後ろ側を手で掴み、肩紐が腕から抜けるように下へと引っ張る。コートを脱がしてやるような気持ちで動かして、下げるところまで下げてから、田中はブラジャーを手前に引っ張った。
(大槻さんのブラ……)
女子の脱ぎたての下着である。
つい、欲望を働かせそうになるのだが、良くも悪しくも人目がある。おかしな悪戯を考えたり、触り回すような真似はできず、すぐさま机の上に置き、残る一枚に対して気持ちを引き締めていた。
(パンツ……パンツも、脱がせるんだよね……)
緊張でならない。
胸が内側で破裂しそうだ。
(パンツ……パンツに、触るなんて……見るのだって、本当はいけないのに……)
緊張感にまみれた強張った顔つきで、田中は尻の前にしゃがみ込む。床に膝をつくことで、すぐ目の前に尻が来る。魅惑のそれを視姦せずにはいられずに、血走った目で見てしまうが、田中はそんな自分に即座に気づいて首を振る。
(駄目だ駄目だ! 見過ぎちゃいけない!)
目を背けがちにしながらも、田中はショーツのゴムに指を入れ、するすると下ろし始める。最初は顔を逸らしていても、すぐ目の前にある生尻をどうしても見たくなり、何度かチラチラと視線をやってしまう。
(お、お尻が……すぐそこに……)
顔さえ向ければ、まさに目と鼻の先だった。
魅惑のヒップに視線を吸引され、凝視してしまいながらショーツを下げきる。最後の一枚を手に立ち上がると、田中はさらなる衝動に囚われていた。
脱ぎたてのパンツが我が手にある。
たった今まで尻やアソコと接していて、体温も残った布がこの手にある。
広げてじっくり鑑賞したり、裏返したり、クロッチの部分をすりすりと触ってみたい衝動に駆られてしまう。
(駄目……駄目だ……!)
理性を保ち、田中はショーツを机に置いた。。
これで唯は裸となり、今度は唯が田中を脱がす番になる。
脱がせるのも緊張したが、脱がせてもらうというのも、それはそれで気恥ずかしい時間となる。
*
大槻唯がまず味わうのは、裸をしっかりと見せる恥ずかしさだ。
一糸纏わぬ姿となって、もちろん既に顔は真っ赤で落ち着いていられない。体中がそわそわしてならない状態だが、とはいえ胸やアソコは手で隠していた。ほんの最初のうちだけは、肝心な部分だけでも守っていたが、人の服を脱がせるのは、両手を使わなければできない作業だ。
田中の見ている前で、まずは胸から腕をどかした。
(あっはは……やっぱり、見ちゃうよねぇ……)
乳首を晒し、その瞬間に突き刺さる鋭い視線は、欲望で血走ったものだった。いっそ怖いほどの目つきだが、田中はしきりに我に返って、たびたび理性を総動員しているのだ。
(堂々と見られるよりは、まあいいのかなぁ?)
とは思うが、それで羞恥心が和らいでいる気はしない。
アソコを覆う手もどかし、恥部のガードを解除しきると、まずはネクタイに両手をやる。首からそれを引っ張り抜き、ブレザーのボタンを外してやる。ワイシャツのボタンを外してやる。最初は上半身から裸にさせ、次にベルトの前に屈んだとき、田中から伝わる緊張感は一気に強まっていた。
(だよねぇ……だって、ここだもんねぇ……)
高校生にもなって、性知識がないはずもない。
肉体関係の男女が行う内容は人通り知っており、だから肉棒の近くに手をやるのは、どうしてもその一連の行為を連想してしまう。
見上げれば、田中は緊張しきっていた。
緊張のあまり、天井など向いてしまっていた。
唯も唯で、これから拝むことになるものを思うと、今から緊張が膨らんでいる。こうしてズボンを見ているだけでも、内側で勃起しているのがわかってしまう。脱がせたなら、きっと固くなりきったものが目の前に突き出るのだろう。
まずは金具を取り外し、ベルトを緩めてズボンのホックも外してやる。
チャックのつまみ部分を指に取り、引き下げていくと、V字のように広がる隙間から、だんだんとトランクスが見えてくる。チャックを下げきり、あとはズボンを脱がせたところで、するとトランクスがテント状に張っていた。
ズボンによる締め付けで、身体に沿って倒れていたものが、脱がすと同時にトランクスを内側から突き破らんばかりにそそり立っていた。
(大きい……のかな……)
肉棒など見るのは初めてだ。
田中の股から生えているのは、平均と比べてどのくらいか。長さは、太さは、一体どんなものなのか。唯にはまるで検討がつかない。ただ、ここまで立派にトランクスを膨らませ、存在感を放っているからには、普通よりも大きいのではないか。
トランクスを下げる。
肉棒はびくっと跳ね上がるかのように飛び出した。引き下げる際のゴムの動きにつられ、一度は下向きに角度が折れた肉棒は、そんなゴムから解放されるや否や外気に晒され、雄々しくも血管を浮かせて覇気を放った。
「……っ!」
見上げて、呆気に取られた。
間違いなく大きい部類だ。
見比べる機会もなく、平均との違いなどわからない唯であれ、それが随分と太く長い逸物であることを悟っていた。
「はい、脱げましたね?」
その時、女教師が新しい指示を出す。
「裸になったところで、二人ともきちんと向き合い、お互いの体を観察し合って下さい」
「それはまた、凄いことをするんだねー……」
頬が少々、引き攣ってしまう。
「課題なんですからね? やってもらいますよ?」
「はいはーい」
ともあれ、腕をしっかり下ろし、唯は気をつけの姿勢を取る。
田中も躊躇いがちに姿勢を正し、お互いの体に視線を向け合い始めると、唯からすればどうしても目がいくのは、雄々しくも立派な逸物である。恥じらいから目を逸らしそうな存在を前にして、しかし観察し合う課題のために、かえってまじまじと見てしまっていた。
そして、もちろん田中の視線も痛いほど感じている。
田中の目は胸とアソコを行き来していた。
上を、下を、上下交互に眺める視線によって、乳房も性器も観察されている。直立姿勢で首を真っ直ぐにした角度から、どこまでワレメが見えているかもわからないが、視線は深々と突き刺さり、唯の羞恥を激しく煽る。
(顔から火が出ちゃいそーな感じって、こういうのかなぁ……)
恥ずかしさで頬が歪む。
「さて、大槻さん」
「えっ!? あ、はいはい?」
「田中くんの裸ですが、やはりどこに視線がいっちゃいますか?」
女教師はニヤニヤしながら尋ねてくる。
わかっていて聞いているのだ。
それに答える言葉を考え始めると同時に、唯は改めてカメラの存在を意識する。これから喋る言葉は、編集の過程でどこまでカットされるか否か。はたまたはノーカットで流れるかもわからないが、いずれにしろ放映される。
そう思うと、下手なことは言いたくない。
言いたくないのだが、どこに視線がいくかといえば、やはりそこなのだ。
「ええっとね? やっぱ、田中ちゃんを見てるとその……大きいなぁ……って……」
ペニス、おチンチン。
そういった言葉は使えずに、恥じらいから言い方を濁す。
「それはどこですか?」
女教師は意地悪く追求してくる。
「それはほら、男のシンボルっていうか? あんまり言葉を声に出しにくい場所っていうか?」
「なるほど、それはつまり?」
「お、おチン…………チン………………?」
「大槻唯さんは男子のおチンチンを見てしまっているわけですね?」
「うぅ……!」
はっきりと指摘されると、それが羞恥を煽る刺激となる。顔から火が出ている状態で、頬の内側に油を増やされたかのようだった。
「見て、どう思いましたか?」
「そ、それは? ほら、大きいなー? とか」
「ええ」
「血管、出てるなー? なんて」
「なるほど」
ペニスにまつわる感想を言わされる。
その恥ずかしさに声が震え、顔がますます歪みそうだった。
「では田中くん」
矛先が移ったことで、一瞬だけは安心する。
だが、本当に一瞬だけだった。
「大槻さんの裸を見て、どこに一番視線がいきますか?」
やはり顔の歪みは広がった。
赤らみと熱も増していた。
(だよねぇ!? そうなっちゃうよねぇ!?)
「え? ええっと、胸……」
「おっぱいですか?」
「……はい。おっぱいです」
「おっぱいを見て、どう感じましたか?」
「大きい、でしょうか。なんだか、丸っこくて、可愛い形だなっていうのと、それに乳首もピンクで綺麗な感じて、柔らかそうで……」
乳房に対する感想が唯の胸を締め上げる。
(う、うわぁぁ……!)
顔が燃え上がりそうだった。
「半球ドーム? なんか、ボールを切り取ったみたいに、すごく綺麗な丸さで、見惚れちゃうっていうか。あんまり凝った言葉は出ないんですけど、とにかく綺麗です」
(あぁぁぁぁ……!)
頭から炎が噴き出そうだった。
この日は脱がし合い、感想を言い合うだけでメニューは終わる。
服を着て下校した後、今回のメニューはどうだったかについて、インタビュー形式での収録が待っている。乳房の感想を言われて恥ずかしかった。ペニスについて言わされて恥ずかしかった。そういったメニューが唯にとってはまだ残っているのだった。
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