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(よーし、漏らした漏らした! マジに漏らしたー!)
 内心ではガッツポーズを取るウェインである。
 それを表の顔には出さず、表情には厳しさを浮かべ、お漏らしをしたゼノヴィアに向かって前へ出る。
「ゼノヴィア候」
 重々しく、その名を呼んだ。
 ウェインが発した声色は、まさに重罪人に向ける冷たさを帯びていた。
「は、はい………………」
 当然、ゼノヴィアの目には、どんな処罰が下るのか恐れてやまないものが浮かんでいた。
「素晴らしい!」
 ウェインは拍手をした。
「え? え?」
 わけがわからない。
 何が素晴らしいのか、ゼノヴィアにはさっぱり理解できない。
「ゼノヴィア候! 確かに私はこう説明した! 不満層の感情を払拭するため、皆の前で大きな恥をかけば良いと! それが皆の心から鬱憤を晴らし、ナトラとマーデンの関係を良好にするであろうと確かに言ったが、ここまでするとは思わなかったぞ?」
 こう言っておけば、ゼノヴィアがどう捉えるかはわかりきっている。
(ウェイン殿下……わ、私のフォローを…………)
 大事な社交場でお漏らしをして、注目を集め、騒ぎまで起こした自分に対して、周りの皆を納得させるための弁論を展開している。
 その内容は徹底してゼノヴィアの献身を謳っている。このように身を切って、蔑みを一身に浴びることにより、悪感情を消し去ったのだと述べている。
 だが、それで人前でのお漏らしを納得するだろうか。
 するのだ。
 不満層が集まる会場には、公の場でゼノヴィアに恥をかかせる意向が伝わっている。
 ウェインが声高に主張していれば、「あ、何か仕込んだな」「ウェイン王子の仕業か」と、周りの皆は納得する。そもそも、利尿剤を使った事実を知っている者も多い。ゼノヴィアを陥れ、盛大に恥をかかせる作戦は大成功というわけだ。
「しかし!」
 ウェインは言う。
「とはいえ人前で小便を垂れ流し、食事も置いている場で臭気を広げた事実を鑑みて、お仕置きをしないわけにもいかないな」
 ゼノヴィアは明らかにビクついていた。
「掃除をしてやれ」
 ウェインが使用人に命令すると、彼らは素早くタオルを準備して、床の拭き掃除を始めるばかりか、ゼノヴィアの足まで綺麗に拭いてくれ始める。
 自分の垂れ流した尿を人が掃除している光景は、言うまでもなく、決して穏やかな気持ちで見ていられるものではない。
 拭き掃除が終わり、ビキニに黄ばみが残るのみとなったゼノヴィアへと、ウェインはお仕置きの内容を告げる。
「ゼノヴィア候。ここで恥ずかしいポーズを取るというお仕置きを受けてもらう」
「ポーズ…………ですか………………」
 異常に声が小さかった。
 こんなことになって、元気でいられるわけがなかった。
「さっそくだが、まずはそうだな。I字バランスはできるか?」
「私の足はそこまで……ですが、やってみます………………」
 ゼノヴィアはそう言うしかない。
 そして、暗く沈みきった顔のまま、さっそく足を持ち上げようとするのだが、綺麗なI字となるには柔軟性が足りないらしい。足首を掴み、高く振り上げてはいるが、ゼノヴィアの取ったポーズはせいぜいY字といったところだ。
「それが限界か?」
「申し訳ありません! わ、私の足ではこれ以上は!」
 まるで出来なかったら生死に関わるような慌てようだ。
(別に俺が処刑なんて考えるわけないけど、面白いから怯えたままでいてもらうか)
 ウェインはゼノヴィアの様子を楽しんでいた。
「みんな見てやれ」
 周囲にそう声をかけた途端、早速のようにスケベな中年が駆け寄って、持ち上がった足の下へと潜り込む。ゼノヴィアがポーズを解き、足を落とせば、そのまま頭部に太ももを打ち込まれるような位置であるが、中年はアソコを視姦することに夢中であった。
(うぅ………………)
 熱い視線に、ゼノヴィアはたじろぐ。
 黄ばんだ布はアソコの皮膚にぺったりと張りついて、完全に形を浮き出している。これだけワレメのラインがはっきりとしていては、もうビキニがあってもなくても変わらない。
 アソコを視姦される恥ずかしさは言うまでもないが、さらに気になるのは黄ばみである。
 オシッコを漏らしたばかりのビキニを見られ、そこに尿の痕跡が残ってはいないか。あれば確実に観察されている。
 片足で立ち続けていることで、バランスが揺らぎ始めた。
(持たなくなるわ…………)
 左右にゆらゆらと傾き始め、そのたびに逆方向に重心をやり、バランスの維持を試みる。そうすることで胸が揺れたり、尻が動いて見えたりするのが、周りの男達にとっては殊の外面白いらしい。
 バランスの維持を続けるゼノヴィアの、豊満な乳房がプルプルと揺れ動く有様は、実に多くの目を悦ばせた。
 テーブルに寝かされて、M字開脚を披露することになる。
 そのポーズを取ろうとする際、テーブルに上がっていく動作ですら、周囲の男達はゼノヴィアの尻を楽しんでいた。テーブルに上がるため、足を乗せている最中の後ろ姿を視姦して、身体の動きに伴う尻の形を目に焼き付けていた。
 そして、M字鑑賞会の開催である。
「ほーう? オシッコの香りが残っていますなぁ?」
「うぅ…………!」
 一人目の男は殊更に鼻息の音を鳴らし、あからさまに匂いを嗅いでくる。
「黄ばんでる黄ばんでる! 色が残ってる!」
「やぁぁ…………!」
 二人目の男は黄ばみを見ることで大喜び。
「テーブルに潰れた尻がエロいですなぁ?」
 三人目の男はそんな論評を唱え始める。
 ゼノヴィアの鑑賞を行うための列が形成され、一人ずつ順番に行われる視姦に苛まれる。一人一人が必ず何かをコメントして、黄ばみの指摘や体つきへの賛美、マイクロビキニなんかでパーティに出て来たことを喜んで蔑む言葉まで聞かされる。
 黄ばみの指摘ほど辛いものはない。
 放尿の最中は、なまじ激しい焦燥とショックに駆られていたが、良くも悪しくも今は冷静さを取り戻している。パニックも何もない、平静な状態で、ジロジロと黄ばみを観察されたり、声に出して言われる辛さはかなりのものだ。
 十人目、二十人目。
 人が入れ替わるたび、かけられ続ける言葉の中には、こんなものまであった。
「さっきの放尿、すっごく最高だったよ?」
「……っ!」
「ビチャビチャとした音、じっくり聞かせてもらったからね? あの音はよーく覚えておくよ」
(いやぁぁ…………!)
 音まで記憶に刻む宣言に、ゼノヴィアの頭は燃え上がった。

 ブリッヂをやらされた。

 背中のアーチによって身体を反り上げて、山なりとなったボディから、豊満な乳房が顔に向かって垂れる形となる。
「ほほーう?」
「なるほど、おっぱいの観察が楽しめますな」
「いやいや、アソコを覗き込むのも面白いでしょう」
 人集りは前後それぞれに集中していた。
 乳房を見るために集まる者は、姿勢に合わせて角度を変えた状態に注目して、アソコを楽しむ見る者達は、太ももの隙間を覗いた向こうにあるビキニの黄ばみを鑑賞した。

 がに股をやらされた。

 空気椅子のようなポーズを取り、その際の足を左右に広げることで、アソコを目立つようにさせられた。ゼノヴィアが一体何分かけてがに股の空気椅子を維持できるか、その鑑賞が行われた。
「なるほど、こういう趣ですか」
 理解して、しきりに頷く顔がある。
 これはつまり、空気椅子の維持が限界に近づいて、それでも姿勢を保とうとするゼノヴィアの姿が面白いのだ。
 筋肉に力が籠もり、体中の至る部位がプルプルと震え始めることで、乳房がかすかに揺れて見える。お尻が微妙に動いてみえる。そういったわずかな揺らめきこそが注目のポイントであると、ゼノヴィアを囲む貴族達は口々に語っていた。

 再び仰向けにさせられて、V字開脚をやらされた。

 自分で自分の足首を掴み、大胆な開脚を行うことで、M字開脚と動揺にアソコが目立つ。視線は当然性器に集まり、黄ばみが注目を浴び続けた。

 ありとあらゆるポーズを取らされた挙げ句、X字状に拘束された。

 ウェインの命令で、家臣達がゼノヴィアを取り囲み、上から手足を抑え込んだのだ。
「やっ……やぁ……あぁっ、みんな………………」
 それはゼノヴィアの家臣であった。
 他ならぬ自分の家臣に身動きを封じられ、そんな状態で迫るウェインが行うことは、マイクロビキニをずらしての愛撫であった。
「んぅぅぅぅぅ! んぁっ、あぁぁぁぁ……!」
 いとも簡単に快楽が弾け、ゼノヴィアは身悶えしながら喘ぎ散らした。
 それほど媚薬が効いていたのだ。
 剥き出しになったワレメを少しなぞっただけで、ウェインの指にはすぐさま愛液が絡みつくようになっていた。上下に擦る滑りは良くなって、指の挿入を試みれば、あっさりと膣内に入っていく。
「んなぁ! あっ! あぁぁぁぁ!」
 ウェインは激しくピストンした。
「さすが殿下」
「よい水音がここまで聞こえて来る!」
 膣に素早く出入りする指は、その表面に完全に愛液をまとっている。皮膚にぬかるみが浸透して、光沢を帯びている。
「あぁぁぁぁ…………!」
 ゼノヴィアは腰をビクビクと激しく震わせていた。
「おおっ、あれは!」
「イキましたなぁ?」
 ゼノヴィアを囲む輪の中には、瞬く間に絶頂の瞬間を語る言葉が広がっていく。
「あっ! あぁぁ……! あぁぁ! あぁぁぁぁ…………!」
 ウェインはなおも責め続けた。
 いつの間に道具まで用意して、ペニスを象った棒状のものを出入りさせている。それによってもゼノヴィアは喘ぎ、しばらくすれば再び腰をビクビクと震わせる。
「まだまだやるぞ? ゼノヴィア候」
 イってもやめないウェインである。
 擬似ペニスでピストンを繰り返し、しだいしだいに愛液が泡立っていた。見え隠れする擬似ペニスの表面には、泡の固まりがこびりつくようになっていく。その泡が潰れ、固まり、ただの白い汚れとなっていき、新しく出て来る愛液と混ざり合う。
「あぁぁぁぁぁぁぁ――――――!」
 三回目の絶頂で潮が上がった。
「おおおおおっ」
「噴きましたなぁ!」
 それに応じて歓声の声まで上がる。
 やはり、それでも手を緩めず、延々と責め続けるウェインにより、四回、五回と、ゼノヴィアはしきりにイキ続ける。押さえ込まれている手足だが、絶頂の際の痙攣で、内側から拘束を弾き返そうとするように、四肢さえビクビクと震わせている。
「あぁぁ…………! あっ、あぁ…………あぁ………………」
 六回目の絶頂の時、ゼノヴィアは失禁していた。
「おやぁ? また何か匂いが」
「まさか! 二回もお漏らしとは!」
「なかなか恥を知らない女子であるなぁ!」
 漏らしたことを小馬鹿にして、ニヤニヤと盛り上がる。
 再び温かい水溜まりが広がって、ゼノヴィアの尻の下にまで染み渡った。黄色い液の香りが立ち、それでもウェインは責めをやめない。放尿が続いているまま、さらに七回目の絶頂まで迎え、潮を噴き上げていた。
「あぁぁ……あぁ……! あぁぁぁ…………!」
 尿がで終わっても、まだしばらくの責めは続いた。
 やがて限界を迎えたゼノヴィアは、イキすぎにより気を失う。意識が途切れ、その時は軽くざわめき、ウェインも軽く驚いたが、ただの失神とわかるや否や、ゼノヴィアを肴にした談笑が改めて広がった。
「いやぁ、イキましたなぁ?」
「放尿最中のまま潮吹き、あれは見物だった」
「すっかり卑しい見世物になってしまって、マーデン侯爵はどんな気持ちでいるやら」
「ま、これだけ良い目に遭ってくれたんだ」
「まあいいだろう。これで恨むのは無しにしてやろう」
 不満層とマーデンの溝は、確かに埋まっているかもしれない。政治的懸念が解消されるわけであり、ゼノヴィアが体を張った意義はもちろんあった。
 だが、代償もある。
 あれだけの痴態を晒したことで、いくら公式には存在しない出来事という扱いになったとしても、絵画は物として存在しており、人々の思い出の中にもゼノヴィアの姿は残る。様々なポーズを取ったり、会場の真ん中で放尿した記憶は、誰しもの脳に鮮明に焼き付くのだ。
 ゼノヴィアは二人の使用人に運ばれていく。
 それも開脚状態での運搬だった。
 腕を担いでもらうようにして、ゼノヴィアは二人の肩に手を回す形となる。それぞれ左右から体を持ち上げているのだ。一人が右腕・右脚を、一人が左腕・左脚を、そんな状態で脚が上がれば、M字開脚の出来上がりだ。
 ぽたり、ぴたりと、ずらされたままのビキニから、尿の滴と愛液の混ざり合ったものが垂れている。水滴を足跡のように落としていき、みんなの注目を浴びながら、会場の外へと向かって歩いている。
 その後ろでは、また別の使用人が床の拭き掃除をしているわけだった。
 そして…………。
「えっ!? やっ! いやぁぁぁぁぁぁ!」
 ゼノヴィアは随分早く、急に目を覚まして絶叫した。
 意識が戻るや否や、恥ずかしい格好で自分が運搬されていることに気がついて、M字開脚が何十人もの視線を集めている状況に泣き叫んだ。
 直前までの記憶が蘇り、お漏らしをしてしまった絶望やポーズを取らされ続けた羞恥がフラッシュバックすることで、頭が燃えさかるような思いにかられていた。
 それでも、この二人の使用人にとって、ウェインの命令こそ絶対である。
 ナトラ領主たるゼノヴィアが何をどう叫んでも、それよりもウェインの命令が優先される。使用人二人はゼノヴィアの言葉を全て無視して、指示された部屋へと運んでいくのだった。



 
 
 

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