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 次は打診や触診といった診察行為が待っているのだけど、その前段階としてまずは視診が行われた。さっきもじっくり見られたばかりなのに、ここでも丹念に観察されなくてはいけないのだ。
「やや灰色、一般的な黒ずみ具合です」
(いっ、色合いなんか言わないでぇ~!)
 絵乃は耳まで赤くなる。
 医師がその都度視診の結果を口にして、それに合わせて看護師が何やら書類に記入を行っている。色合いも何か検査と関係があるようだけど、絵乃はただただ恥ずかしい思いにかられるので一杯一杯だ。
「肛門に力を出しいれして下さい」
「え? は、はい!」
 要するにパクパクさせろということだ。絵乃は尻肉に力を込め、肛門の皺をすぼませる。そして脱力し、また力を加えて窄ませる。縮んでは伸び、縮んでは伸びる肛門の皺の変化を医師は丹念に観察する。
 人にこんなことをさせるなんて、一体どんな罰ゲームだ。
「疾患無し、腫れも何もありません。触診に移ります」
 やたらと事務的に尻揉みを開始され、絵乃は惨めな気分を味わった。測定でも触られたし、ギョウ虫検査でもついでのように揉まれたし、あとどれくらいお尻を揉まれればいいのだろう。しかも触診というだけあって、今回のはじっくりしている。
 まずは上から鷲掴みに、ぐるぐると回すような揉み方から入る。力を入れたり抜いたりするような揉み方をされ、次に皮膚の表面をまんべんなく撫で回し、さすり尽くされていく。頭の変わりにお尻を撫で撫でされているような、しかし照れなどよりも羞恥がいくらでも上回るこの行為に、絵乃は顔から湯気でも出しそうなほど赤くなっていた。
(もうヤバいよォ……。限界きそう!)
 探るかのように各所を指でつねられて、割れ目に指を押し当てられ、上下往復で何度も何度も這わされる。肛門を揉みこまれ、皺を弄繰り回される。尻揉みに伴ってアソコの貝が開いてしまい、肉ヒダまで見られることになってしまう。
 もう地獄だ。羞恥地獄だ。
「打診に入ります」
 尻たぶをペチペチと叩かれて、お尻で遊ばれているような気分になる。尻肉が揺れ動く時の形状変化を見る検査らしいから、ただ上からタップされるだけではない。プルプル揺れるところを見るために、下から持ち上げるかのように叩かれた。外側から内側にかけて、中から外にかけて、上から下にかけてと、方向を変えてタップされ続けた。
(わたし、何も悪いことしてないのにぃぃ……!)
 ものすごい罰を受けているような気分だった。

 直腸診と粘膜の採取。

 最初に綿棒を差し込まれ、中をぐりぐり掻き回された。医師は付着した粘膜をケースに保存し、それから直腸診に移る。
(うひっ!)
 中指を根元まで挿入され、異物感に喘いでしまう。ぐりっと、内側で指が回転してきて、出し入れもされて、肛門と指が擦れ合う。中身を探られている違和感に尻穴は熱くなって、とにかく早く抜いて欲しかった。

 臀部の撮影。

 要するにお尻の写真を取られるわけで、しかも一枚では済まされない。まずは直立不動になるよう言われ、その姿勢からお尻の正面を撮影される。次に右側、左側と三パターン分の撮影を済ませ、そして今度は四つん這いだ。
(これ、エッチな写真にもなるよね……?)
 医学資料の確保らしいが、お尻の写真なんてもっといやらしい目的で見ることもできる。例え真面目な医師にしか流されないのだとしても、カメラマンはどうだろう。医療関係者というわけでなく、普通に撮影の仕事をする人間らしい。この人がデジカメからコピーを取って、自分用の画像を確保しないとも限らない。
 お金のために写真を売ったってニュースも聞いたことがある。
 ましてや、貴重な中学生の生尻だ。
 絵乃のお尻も、どこか知らない場所でばら撒かれない保障などどこにもない。そんな不安を抱えながら、絵乃はお尻にシャッターを浴び続けているのだ。
 パシャ、パシャ、パシャ。
 肛門まで見えてしまう四つん這いのお尻に向かって連射され、同じように右側と左側を撮影される。さらに肛門のアップまで撮られ、自分の重要な秘密を握られたような気恥ずかしい心地がした。

 予防接種。

 注射器で液状の薬を打つわけだけど、これが普通の注射器じゃない。お浣腸の時に使うような、肛門から液体を注入するための器具が出てくる。これって、注射器じゃなくて注入器って名前の方が正しいのだろうか。
 とにかく、絵乃は薬を入れてもらうためにお尻を差し出す。
(あっ、ヒヤっとする)
 注入前に肛門にジェルを塗られ、それから先端を挿入された。
(あぁぁぁ……流れ込んでくるぅぅ……)
 肛門に直接水でも流しこまれているような、壮大な異物感がお尻を襲う。今は注入器の先端が栓になっているからいいけれど、このまま引き抜いたら液が漏れちゃうのではと心配になってくる。
 この薬は吸収が早いから、そんな心配はないという話だけれど……。
(うぅぅっ、何この感じ! お尻からおしっこ出そうなこの感じ、ちょっと嫌だ!)
「じゃあ入れ終わったから、抜きますね」
「あっ、今抜いたら……」
 嫌だ、出ちゃう! お漏らしさせられちゃう!
 そんな不安で危うく抜かないでと叫びそうになる絵乃だったが、幸いそんな台詞を吐かずに済む。それよりも早く、肛門を指でグリっと押さえつけられ、こぼれないようにされたのだ。
(あれ? でもこれって……)
「吸収されるまでには十五分ほどかかるので、それまで先生に押さえてもらっておいて下さいね?」
 その先生っていうのは男性教師なわけで、絵乃を見ながらニヤニヤしているわけで……。十五分もずっと肛門を触られ続けていなくちゃいけないなんて、もう最悪だった。
 いっそ殺してください。
 と、絵乃は何度思ったことだろう。
 四つん這いのまま指を入れられ、時間が来るまで指栓を閉じられ続けていた。その間もちろん、尻たぶを撫でたり揉んだり、好きなように弄ばれた。



 
 
 

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