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 まもなく戻ってきた文乃は、とても恥ずかしそうに肩を縮めて、小さく席につく。顔は完全に赤く染まりあがり、静太とは目も合わせられないといった風だった。
「……よ、読んだ?」
 小さな小さな声で、文乃はそっと尋ねる。
「読んだよ」
 静太は書かれていた文章を思い返した。
 最初は胸を揉んでいただけの『静太君』だが、しだいしだいに手を下へ、ついには秘所にさえも触れていたのだ。それに『私』は興奮し、ショーツをじわりと濡らしてしまう。指と布地のあいだにねっとりと糸が引いていた。
「ど、どうだったかな」
 文乃はようやく静太へ視線を向け、やや上目遣い気味になりながら顔色を伺う。何かを期待しているような、しかし不安がってもいるような、緊張した表情だ。
「そうだな。とりあえず、肩でも揉んでやろうか?」
 小説の内容と、同じ台詞を言ってみる。
「――えっ? う、うん」
 戸惑い、頓狂な声を上げつつも、文乃は頷いた。
 もしも、文乃の書いた文章を遠まわしな誘いや告白と解釈するなら、あまりにも変わった戦法だ。どう上手く文章表現を行ったとしても、逆に伝わりにくいのではと思えてしまう。あんなものも見せるくらいなら、そもそも声に出して告白する勇気を出した方がマシなような気もするが。
 ここで器用になれないのが、文乃という女の子なのだろう。
 彼女の斜め上な頑張りに応じるとしたら、自分もまた同じ土俵の上で気持ちに応えるのが一番だ。
 静太は柔らかな肩を優しくほぐし、指先で鎖骨を撫でる。
「気持ちいいか?」
「うん」
 この状況に、緊張しているのだろう。
 声がややこわばっていた。
「こういうエロっぽいのを書くなら、実体験を交えるのがいいんじゃないか?」
「たたた、た、体験ってそんな……!」
 緊張で硬い文乃は、さらに声を上ずらせる。
「ほら、実際にこうされたらどんな感じがする?」
 静太は胸へ手をやり、制服越しの乳房を揉んだ。
「せ、静太君……!」
「女性視点の一人称だったからな。ちゃんと自分自身の心情とか、触られてる感じをよく覚えるんだぞ? リアリティがあった方がエロくなるからな」
 静太は手の平の触感に神経を集中する。
 包み込み、撫でるように揉み込むと、手の先でブラジャーのカップの堅さが読み取れる。ぱっかりとした堅さごしに、もっちりとした柔らかな感触が眠っている。乳首の位置に検討をつけ、指先で引っかくかのように刺激した。
「んんっ、静太君……」
「文乃、どんな感じがする?」
「すごく、緊張する……。ドキドキしちゃって、頭が沸騰してテンパっちゃいそうで、余裕ないよぉ……」
「なるほど。だったら、その自分の心情をしっかり覚えて、どこかの文章で使うといいんじゃないか?」
 静太はさらに下へ向け、腹の上に手を這わせる。太ももへ到達し、まんべんなくさすっていった。手を下げたことで重心を文乃の背中に預ける形となり、密着で心臓の鼓動が静太へ伝わる。温かな体温と、高い心拍数が静太の胸板へ通じていった。
 首筋から香るシャンプーの匂いが鼻を付き、静太は肺いっぱいに息を吸う。
「あの……。静太君」
「なんだ? 文乃」
「その……。文章の――あの部分も読んだよね」
 静太はスカートへ手を忍ばせ、内股へ差し込むように秘所を狙う。ぷにゃりとした感触のその部分を、静太は指先でそっと撫でた。
「こういうこと?」
「ひゃっ! あの、だからその……。もう少し手前の……」
「もしかして、パンツの中?」
「……うん」
 文乃は恥ずかしそうな小さな声でこくっと頷く。
 静太はパンツへ手を潜らせ、秘所を直接愛撫した。
「どう?」
「すっ、すごく緊張……!」
 文乃の声は上ずっている。
 そこには粘性のあるわずかな汁が少しずつ滲み出て、しだいに指の腹がよく滑るようになっていった。肉芽がぷっくりと膨れてくるのを指先に感じ取り、静太は文乃の耳にふーっと息を吹きかけた。
「濡れてるね」
 指摘してやる。
「い、言わないでぇ……」
「だから、これも体験取材だよ。自分の状態を指摘されてどんな気持ちか、きちんとネタにしていかないと」
「う、うん……」
「ほら、どんどんヌルヌルになってる」
 そのことを示すかのように、静太はわざとらしい愛撫で指を回して攻め立てる。
「いやぁぁ……」
 文乃はひたすら頬を染め上げて、自分の顔を両手に覆い尽くしていた。



 
 
 

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