目次 次の話




 崖の上に立つ女子高生、風見志乃はポーズを取る。

「トラーイ――――」

 両腕を水平に一方の横へと伸ばし、まずは一直線になるよう腕を揃える。
 そうした両腕を回転させ、正反対の真横で再び一直線に揃えた右腕を斜め上に、胸の手前を通す形で突き上げるのだ。

「――変ッ身ッ!」

 次の瞬間から、制服のブレザーを着ていたはずの風見志乃は、仮面のコスチューム姿へと変身していた。
 全ての衣服がまるで光の粉末であるかのように、内側から弾け飛ぶかのように四散して、まずはスカートも制服も消え去ったのだ。かといって裸体を晒すわけではなく、首から下がオーロラのような発光に包まれ、虹色の光を不思議にまとっている。
 そんな身体がスライド式に塗り変わっていくかのように、足の先から頭の上まで、みるみるうちにコスチュームへと変化したのだ。

 仮面美少女トライブイ。

 それが風見志乃の正体だ。
 顔に赤い仮面をかけた志乃の衣装は、全体的に赤と緑のカラーリングを基調としている。短いスカートからは太ももをほとんど出し、両手両足にはブーツと手袋を装着している。胴体から胸にかけての形状は、バニースーツにも似た形で、Dカップの乳房を強調しつつ、両肩を剥き出しにして背中を広く開けていた。

「仮面美少女! トラーイ! ブイ!」

 右手のピースを裏返し、手の甲を相手に向ける形で、腕を外から内側にかけてスライドしていきながら、そう名乗る。
 これがトライブイが変身直後に行う決めポーズだ。

「はい! カットカット! いまのオッケー!」

 撮影班の声が上がったのは、そんな決めポーズの直後であった。
「おしっ、早く次のシーンへ移ろうか」
 地上からの声を聞いたトライブイ――すなわち風見志乃。
 さらに正確には、風見志乃という名の主人公を演じる役者の南光莉は、岩壁の頂上という危険な場所から、あと一歩でも前へ進めば即死は免れないような高所から身を引いて、地上へ戻るための下り道を通っていく。
 撮影班の仲間の元へ駆け戻り、光莉はさっそく声を張った。
「次次! 早く次をやりましょうよ! 次は大事なアクションなんだから!」
 光莉はとても楽しげに微笑みながら、積極的に部長に迫る。
「うーん。次ねぇ?」
 まるで大物監督を気取ったように、折りたたみ式の椅子を広げて、メガホンを片手にふんぞり返る部長の名は、武田陽太という高校三年生である。
 これは映画研究部での撮影なのだ。
 部活ぐるみで撮影場所まで交通費をかけ、現場で機材を整えた部員達は、撮影班と役者とにそれぞれ分かれ、光莉の場合はヒーロー役を真っ当している。
「トライブイは父と母と妹を殺され、改造手術によってヒーローの力を得た、あのV3をなぞらえた作品でしょう? 本編では一号二号の手で改造を受けているけど、しかし、この作品にはトライブイしか存在しない。自分自身の正義と復讐の気持ちだけで、悪の洗脳を打ち破り、宿敵となるデストロイヤーズに戦いを挑んでいく!」
 光莉は熱く語った。
「うんうん。そうそう」
「つまり、悪の洗脳なんかより、悪を憎む気持ちが勝つ! 確かに家族を殺された復讐といえばマイナスのイメージはつきまとうけど、それも正義感あってだと思うんです! BLACKの南光太郎だって、初めてロードセクターに乗るあの回では、『俺も復讐です』と口にしています」
「そうなの? そうだね」
 長い台詞を語るあまり、陽太は顔を引き攣らせるが、光莉はそんな様子に気づかない。まるで何かのスイッチが入ったように、鼓膜に響くほどの大きな声で、それはもう熱く語るのだ。
「ただ自分が悲劇に見舞われたからだけじゃない。正義感があるから悪を憎むし、他の誰かに同じ思いをさせないため、人間の自由を守るために戦っていく! それこそがヒーローのあるべき姿で、トライブイって、そういう単純明快な王道を突っ走ってるんですよね!」
「うん。王道だよ?」
「で、部長。私の名前は?」
「南光莉」
「きゃー! てつをさんとお揃い! 『南』と『光』で二文字もお揃いだなんて、これはもう運命と同じですよね。ヒーローになれって、運命が言っちゃってない? 言っちゃってるったら言っちゃってるんだよ!」
「はいはい!」
「だから早く次のシーン! アクションやりましょうよ! アクション!」
「言われなくてもね。むしろ、南さんが語ってるあいだに貴重な時間が減ってるから、君の方こそ早くスタンバイ入ってよ」
「ただいま!」
 光莉はアクションのスタート位置に駆けていき、戦闘員達の集まる中心に立つ。
 これから撮影するシーンでは、大人数の戦闘員を相手に大立ち回りを披露して、それらを率いる怪人との一騎打ちを行うのだ。
 怪人はチェーンソーリザード。
 緑色のトカゲをそのまま二足歩行て直立させ、右腕にチェーンソーを生やしたデザインは、簡素というか古いというか。言ってみれば昭和怪人らしい雰囲気があり、昭和ヒーローを好む光莉としては、これも興奮の種となってしまう。
 ヒーローが好きだ。大好きだ。
 特に一番好きなのが、キングストーンの力を持つあの漆黒のライダーなので、その主人公と名前が二文字も同じなのは、光莉にとって本当に本当に嬉しいことなのだ。
 とはいえ、V3風見志郎もまた最高に好みのため、そのデザインが微妙に意識された仮面美少女のデザインは光莉の心を大いにくすぐるし、ポーズが決まった喜びには胸が溢れる。
 もうやばい、もう駄目だ。
 テンションが上がってしまう!
 しかし……。

「ふうぅぅ………………」

 先ほどまで熱く語りっぱなしであった光莉は、撮影直前の位置についた途端に息を入れ替え、まるでスイッチでも取り替えたかのように静かになる。武器である細剣を構え、やや腰を低めた構えで撮影開始の合図を待ち、全身を頭から指先にかけてまで静止させていた。
 とても大切なシーンなのだ。
 いや、主役の演技は大事だし、周りにいる脇役も、エキストラもいなければ成り立たない。多くの人間がいないと成り立たないのが映像作品というもので、大切でないシーンなど一つたりとも存在しない。
 そんな中でも、光莉が最も命を懸けているのがアクションだ。
 アクションはヒーローをヒーローらしく、より格好良く見せるためにある。
 それが光莉の信条だ。
 特撮用のスーツを纏った演技では、例えば直立するだけの姿勢でも、足の開き幅や両腕の垂らし方しだいで、格好良くもなればダラけても見える。武器を構える際も、剣が横に寝ていてダラけていたり、銃口がビシっと前を向いていなければ格好悪い。
 せっかく主役が男前で、キャラクターとしても魅力があるのに、ヒーローもので肝心のアクションがダラダラとしていたらどうだろう。強くて格好良いはずの存在が、さほど強く無さそうに見えてしまうのでは大問題だ。
 もちろん、今回は光莉自身が主役であり、変身姿で戦うアクターでもあるわけだが、本来ならば主演役者とスーツアクターは別々なのだ。
 アクションは立派な作品の一部だ。
 脚本家が脚本を書き、動画担当がCGエフェクトの作業を行うなら、光莉が担当するべき場所こそがアクションである。

「よーい! アクション!」

 スタート合図と共に、トライブイも戦闘員の群れも同時に動く。
「イーッ!」
 掛け声と共にサーベルを振る戦闘員。
「ハァッ!」
 声を張り上げ、細剣を華麗に振るうトライブイ。
 全員が剣を武器にしている関係上、このシーンは立派な剣劇アクションである。太刀筋というものを大切にして立ち回り、腕がビシっと決まるよう、ポーズが剣の切っ先にかけてまでサマになって決まるよう、全てに意識を配って体を動かした。
 サーベルを上から振り下ろす攻撃に対し、ステップで微妙に身体を横へずらして、自分は相手の剣を受けないように調整しながら、踏み込みと共に腹を斬る。この前への踏み込みこそが体を力強く、そして素早く動かすので、光莉は力強く地面を踏んだ。
 さらに次の場面では、背後からの攻撃が来る。
 折込済みのアクションでそう流れが決まっているわけだが、これも自然な演技でなくてはならない。戦闘員は本当にトライブイを殺しにかかって見えなくてはならないし、トライブイもまた、後ろの目がついているがごとく、華麗な回避を披露する必要がある。
 背中に来る突きを、身体をターンする事でかわして行き、流れるような動きで逆に相手の背中を取って斬りつける。

 お互いに剣を打ち付けあう。刃を混じり合わせ、力で押し合う。
 納得がいかない。もう一回。
「すみません! 撮り直させて下さい!」
 許可を貰って、再び打ち合う。
 ぶつけ合った剣を互いに押し合い、トライブイの方が力で戦闘員を払いのける。やられた戦闘員は画面の外へ飛ぶように倒れていくワンシーンになるが、どうも鬼気迫る感じが足りていないような――いや、トライブイと戦闘員では差は歴然としているのだから、たった一瞬だろうと互角になっては駄目だろうか。
 ともかく、再挑戦。
「ハァ!」
「イー!」
 お互いの掛け声で、トライブイと戦闘員は、踏み込みのために地面を強く踏みつけながら、剣と剣をぶつけて刃を合わせる。光莉はここで相手に全ての重心を寄せ、体重移動で押し出すように払いのける。
 これだ! さっきはこれが上手くいかなかった。
「今のどうですか!」
「オッケー! 次行こう!」
 そうして、やがてチェーンソーリザードとの一騎打ちのシーンへと。
 これはトライブイにとっては初めての戦いであり、強敵を相手に緊張や戸惑いを覚えていなくてはならない。ヒーローの初陣で、その強さを印象付けることも大事だが、力を発揮するより前に、もう少しタメのシーンを入れるのだ。
 そう、最初は苦戦して……。
 自分の能力に気づいたトライブイは、ここぞとばかりに逆転して、勢いのままに怪人を圧倒してみせる爽快感を演出するのだ。
 それをいかに魅せるかは、カメラや監督だけの技量ではない。
 どこまで出来るか出来ないのか。
 それはアクションスターの肩にかかっている。

     ***

「スーツアクター?」

 南光莉が初めてその言葉を聞いたのは、幼稚園の頃にまで遡る。
 光莉はあまりにも早く、この世の現実を悟っていたのだ。
 小く幼い子供というのは、テレビの中のヒーローが実在して、実際にどこかで戦っていると信じている時期がある。サンタクロースも、お化けも幽霊も存在すると信じている。何歳頃から現実を悟るのかは人それぞれだが、光莉の場合は五歳の頃には気づいていたのだ。
 きっかけはバラエティか何かだったと思う。
 いや、もしかしたら別の番組――ニュースだとかクイズ番組だったかもしれない。
 正確には何の番組かは覚えていないが、とにかくヒーロー番組の主人公が、別の番組の中に出演していて、「実は○○という子供番組に出てるんですよー」などといったやり取りを番組内で行っていたのだ。
 そういうわけで、なんとなく薄っすら悟った。
 特撮ヒーローは撮影された映像に過ぎない。怪人もヒーローも、着ぐるみのように誰かが中に入っていて、演じているだけなのだ。
 そう気づいた光莉は、五歳当時に母親に尋ねたのだ。
「ヒーローの中って、本人が入ってるの?」
「ううん。スーツアクターってお仕事があるのよ?」
 母の言葉で教えられた。
「着ぐるみってあるでしょ? ヒーローや怪人も、中に人が入れるように出来ていて、みんな一生懸命演技しているの」
「演技?」
「お芝居ってあるでしょ? スーツアクターさんは、スーツの中で一生懸命お芝居して、みんなにヒーローを見てもらえるように頑張っているの。強くて格好良い動きをすれば、きちんと憧れてもらえるものね」
「そうなんだ」
 最初の感想は、そうやってただ単に関心して、世の中にはそういう凄い人達がいるのだなとしみじみ思っていただけだ。
 それだけだった。
 本当に、それだけだった。
 しかし、見ていてわかった。
 何かが違うのだ。
 幼稚園にはヒーローごっこで暴れまわる男児達が、ヒーローの真似ごとをしてキックやパンチを繰り出しているが、その動きがなんというか手ぬるい。ヒーロー自身が行う動きにはキレがあるのに、ごっこ遊びで行う動きは緩いというか、力が足りていないというか、とにかく違いがありすぎる。
 頭の中に残ったヒーローのアクション映像と、幼稚園で見たごっこ遊びを比較して、光莉はそれを鋭く感じ取っていた。
 撮影された映像に過ぎないとわかってなお、本人が行う変身ポーズこそが本物だし、スーツアクターが行う『動き』こそが、洗練された本当のアクションだと感じていた。
 なんでだろう? なんでこんなに違うんだろう?
 興味を持った。
 どのようにして、きちんと格好良く見える『動き』が取れるのか。武器を構えるポーズにしても、取っている姿勢自体は同じなのに、ヒーローがやるのとごっこ遊びの真似事では、それほどまでに出来栄えが違って見えるのか。
 光莉が鏡の前で『動き』の研究をするようになったのは、そうした興味を持ってすぐにことだった。変身ポーズを練習したり、パンチを出来る限り鋭く見せたり、そんな練習を夢中になって繰り返し、それを見た母親に薦められた。
「アクターさんって、体操競技をやるらしいわよ。光莉もやってみない?」
 この時の母の思惑は、単に小さい頃から体力をつけさせ、丈夫で健康な子供に育てようとするものだったらしい。後から後から、空手や柔道教室にまで通わせてもらったのも、女の子だから護身術を身につけた方が良いだろうとの考えである。
 剣道、合気道、少林拳、競技トランポリン――。
 何でもかんでもやりたがったのは、途中からはほぼ光莉のわがままだったが、一通りの経験を積んだおかげで、体操選手のしなやかな運動が身についたし、踏み込みの聞いた武術の技も板に付き、光莉の『動き』は見違えるほど本物に近づいた。
 もっとも、近づいただけで、何十年もアクターをやっているらしいベテランの領域には程遠いわけだが、小学生の頃には学校一番の運動神経を誇っていたし、クラスでやった桃太郎の劇では、剣術の殺陣がやりたいと申し出て、光莉が演じた桃太郎と、鬼との対決のキレの凄さに見に来た保護者は圧倒されていた。
 光莉自身、積極的にアイディアを出して押し進める正確だった。

「せっかく時代ものをやるんだからさ。やっぱり剣術はそれっぽくないと!」

 これは中学で演劇部に入った時。
 着ぐるみでの演技では、表情は使えないし、声が出せないこともある。とはいえ、生身の演技でだって、身振り手振りの動作を使い、顔だけでなく、全身で演技を行う。ならば、学ぶに越した事はないと入部して、誰よりも稽古に熱を入れていた。
 そして、時代劇をやる事になった途端、宮本武蔵の男役に選ばれた光莉は、きちんと殺陣に力を入れようと声を挙げた。
「誰か剣道経験がある人はいない? ちゃんと剣の稽古もしようよ。アクションだって大切な作品の一部なんだから!」
 最初は熱血のあまりに引かれた部分もあった。
 頑張りすぎ、本気出しすぎ――。
 そんな風に思われ、一部には避けられたこともあるが、誰よりも努力している背中には、やはり人を惹きつける何かがあったのだろう。光莉の熱に感化された部員達は、熱心に剣の素振りをしたり、時代劇のアクションを参考に真似してみるといった研究を開始して、演劇という舞台でやるに相応しい殺陣の構成について、みんなで意見を出し合いながら、最終的に一つの作品を完成させた。
 そうして、発表された『宮本武蔵』の演劇は、かなりの好評を得られたのだ。
 光莉演じる二刀流と、長剣を操る佐々木小次郎との対決は、真に迫ったものがあり、お客さんの生徒達には、二人が本当に命の取り合いをして見えたという。決着がつく瞬間も、小次郎が本当に斬り捨てられ、命を落として見えて、客席が一瞬ばかり凍りついたほどだった。
 そんな本物らしく見えるアクションに、教室は拍手で溢れかえった。
 アクションは楽しかった。
 殺陣、スタント――。
 肉体を駆使した技を使い、アクションという名の作品を完成させることが楽しくて、とてもとてもやりがいを感じていた。
 演劇でも同じことだが、映像作品というものは、それを演じる役者自身が作品の一部となっていく。漫画や小説のように紙の上に出るものではなく、自分の演じた一つ一つの声や表情の全てがその作品の一部分となって、最終的に一つの物語が出来上がる。
 だからアクションというものは一種の作品。
 絵を描くことが漫画作品を作る作業で、文字打ちのタイピングが小説を作ることなら、アクターが体を動かすことこそ、特撮のアクション部分における立派な作業だ。
 光莉にとって、『美少女仮面トライブイ』はうってつけの役である。
 部活規模とはいえ、夢にまでみたヒーロー役で、怪人相手に多彩なアクションを行える。自分自身が主人公でありながら、自分で変身コスチュームを着て戦うというのも、某特撮の初代俳優のエピソードを彷彿させて、同じ道を進んでいるようで何か嬉しい。
 もっとも、本郷猛はバイクの怪我で一時的に降板――本当は二度と歩けるかどうかさえわからない複雑骨折で、砕けた骨が筋肉内部のそこら中に刺さっていたというのだから、まさかそこまでは同じ道は行きたくないが。
 トライブイの役は楽しい。
 風見志乃というキャラクターになるのも、やりがいを感じて活き活きとしてくる。
 光莉は満足していた。
 テレビ界へのデビューは大学生になってからと、両親にはほとほと言われているので、すぐにはテレビや映画作品には出られない。デビューできるかどうかの挑戦さえ、親の言いつけで今はまだ出来ないが、ならば今は下積み期間だ。
 その下積みの過程でやりたい事をやらせてもらえて、とてもとても楽しい。
 基本的には満足している。基本的には。
 ただ、唯一といってもいい不満点。

 トライブイのコスチュームは、短いスカートでパンチラが前提となっているのだ。

 もちろん、中にはアンダースコートを履かせてもらって、いわゆる見せる用のもので擬似的なパンチラをしているに過ぎないので、大げさなほどには恥ずかしくない。水着だって、露出度や形状自体は下着と同じなのに、水着であるという理由だけで恥ずかしさは軽減される。そういうわけで、アンスコでのパンチラなら、まだしも冗談で済む部分が大きい気がした。
 とはいっても、少しくらいは恥ずかしい。
 アンスコというものは、確かに下着の上から二重履きして、チアリーダーなんかもそれを着用してスカートで足を持ち上げている。過剰に恥じらうわけではないが、傍から見る分には普通のショーツと同一視できなくもない。
 男はきっと、パンツだと思って喜ぶだろう。
 アンスコだと理解があっても、パンツっぽく見える時点で、興奮できるものかもしれない。
 それが何ともいえないというか、気になるというか。
 本心ではパンチラなど無いにこしたことはないと思っている。
 ただ、それを改めて表明して、きっぱりと拒否してみせるほどにまで、絶対的に拒まなくてはならないサービスの強要かと問われれば、別にそこまでのものでもない。無い方が良くはあるのだが、さして意思表示の必要を迫られるほどには足りず、だから断るよりは早々に諦めをつけて受け入れてしまっていた。

 パンチラさえなければ、本当に満足のいく役なんだけどなぁ……。

 とっても楽しいことには変わりない。
 現状の楽しさを自分のわがままで壊すより、受け入れてしまう方がよっぽどいい。
 どうせ、見せパンに過ぎないのだから――。



 
 
 

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