天利を見る男の視線は、もはや全てがギラついていた。ユースティティアの全裸を見て、服従のポーズまで見せられては、嗜虐心を刺激されるのも無理はない。
おまけに犬の鳴き真似だ。
「わんっ、わんっ」
自分を視姦している全ての男達に対して、天利は醜態を晒している。
これに何も思わない男はいない。
「みっともねぇ……」
「これがユースティティアなのか?」
「無理を言っちゃ駄目だよ。人質さえいなければ従う理由はなかったんだから」
すっかり天利を蔑んでいる目もあれば、まだ同情しているような男もいる。しかし、ユースティティアを気の毒に思っている人間ですら、股間は限界まで勃起して、ズボンがテント状に張っているのだ。
(……本当にみっともない。これが私だなんて)
赤面しきっている天利は、羞恥にガタガタと震えている。屈辱が目にこみ上げ、涙となって目尻に溜まり、恥ずかし泣きの涙が顔の両端から流れ落ちていた。
「ではユースティティアさん。あなたの口から、次のクイズを出して下さい」
ハジィが耳に顔を近づけ、その内容を伝えてくる。
口元にマイクを差し出され、天利は震えた声でクイズを出した。
「……こ、ここで問題ですッ。わ、わた、わらひは――しょ、処女でしょうか。それとも非処女でしょうか!」
声が上ずるあまり、台詞まで噛んでしまった。「私」でなく「わらひ」だなんて、天利はもうまともに喋れてもいない。
そして、問題を出した途端に男達はニヤニヤと考え込む。
「みなさん。イエス・オア・ノーで答える簡単な問題です。女性の人質はまだまだたくさんいますので、あなた達が正解した人数だけ、女性陣をランダムに解放しましょう。最大三十五人も助かるわけですね」
やはり、人の命がかかっている。
ニュース中継を介して、シェームズは実際に解放の意思があることを証明しているため、男達はますますやる気になるだろう。
「ひ、人質のためだ! 女性が助かるんだからな」
「そうだ! ユースティティアには彼氏はいるのか?」
「あれだけの怪力だ。そうそう付き合える男は……」
「わかんないぞ? ユースティティアだって女の子だ。好きな男の一人や二人いるだろう」
「だからってなぁ」
大義名分を得ている三十五人は、あくまで人命のためだと自分自身を騙しながら、あるいは初めからいやらしい気持ちで堂々と、ユースティティアが処女か非処女かについて熱い議論を交わしている。
M字開脚の股を見て、そこにあるワレメを視姦しながら、誰も彼もが肉ヒダを開いた中身を想像している。
一度でも肉棒が出入りしたのか。
それとも、まだ男を知らない純情な穴なのか。
自分の貞操がクイズの題材にされているなんて、最悪だった。
(……こんな状況……頭がどうにかなりそうだッ)
男達の視姦はまるで、目には見えないねっとりとした物体が、ヌルリと素肌に絡み付いてくるかのようで、皮膚全体が総毛立つ。今はアソコに集中的で、存在しない透明な指に愛撫されているようでもあり、天利は腰を震わせていた。
(そ、それでもッ――。それで人質が解放されるのなら、一人でも多くの人が正解するように祈るしかないんだ…………)
「さあ、ユースティティアが処女だと思う方は右サイドへ! 非処女だと思う場合は左サイドへ移動して下さい!」
男性三十五人はぞろそろと左右に分かれる。
処女の予想は二十一人。
非処女の予想は十四人。
「果たしてどちらが正解か。その答えはユースティティアさん自らがおマンコを開帳し、みなさんに処女膜の有無を見せびらかして下さいます!」
天利の前にプロジェクターとカメラがセットされ、アソコが大型スクリーンの中に大きく映し出される。全裸で恥部を隠せないだけでも死ぬほどの恥ずかしさなのに、閉じ合わさった綺麗な肉貝が生映像として拡大され、そこに全員の視線が集中するなど……。
(くぅぅぅぅぅぅぅぅぅ~~~~~~~ッッッ!!!)
恥ずかしさのあまり、足の指に力が入り、つい床にひび割れを入れてしまう。力の制御を忘れかけたことにハっとして、今一度必死になって自分を抑えた。
そして、両手で自らの秘穴を開くため、ワレメの左右に指をかける。
(犠牲者が出るよりマシ! 犠牲者が出るよりマシ! 犠牲者が出るよりマシ!)
心の中で必死に唱えた。
(見せたって死ぬわけじゃない! 人質も助かる! 人の命が助かる!)
そうだ。これは人質救出のためだ。
天利は二十一人の命を救うため、指で肉ヒダの中身を開き、まだ処女膜のついた未経験の膣口を曝け出した。
「あれは環状処女膜ってやつだ!」
「血色が良くて健康的だぞ」
「挿入してぇぇぇぇ!」
ところどころから感想が飛んできた。
「おめでとうございます! なんと二十一人の人質解放が決定されました! みなさんにも、きちんと証拠をお見せしましょう」
スクリーンが地上はチャンネルに切り替わり、建物をバックにマイクを握る中継アナウンサーの姿が再び映る。その口からは囚われていた人質の解放が告げられており、またしてもこんなことで人の命が救われたことを証明された。
「残念ながら、不正解となった十四人の男性は後ろに下がっていてもらいます。正解した二十一人の方達には、次のクイズを出題しましょう」
次の問題内容も、ハジィの口から耳打ちされ、ユースティティア自らの口から出題するよう強要される。
こんな恥ずかしいことを言うなんて……。
「も、もんら――ゴホンッ。問題です。わたッ、わ、私の――その……。こ、ここ肛門の皺は何本でしょうか!」
……言ってしまった。
いくら強要されたとはいえ、お尻の穴までクイズの題材に使われて、男達はその本数を想像するのだ。
「15本以下と予想するなら右サイド。16本以上なら左サイドへ!」
二十一人の男はそれぞれ左右に分かれていく。
右が十人。左が十一人。
ほとんど半々に分かれていた。
「では確認しますので、ユースティティアさんは四つん這いとなり、頭と胸は床につけ、お尻だけを高くした姿勢になって下さい」
(そんな恥ずかしいポーズ…………)
天利は床に両手を突き、上半身を床に伏せ、まるでお尻を差し出すような敗北感に浸りながら、言われたままのポーズを取った。
むにっ、
ハジィの両手が尻たぶを鷲掴みにして、指に強弱をつけるように揉んでくる。力の制御を忘れればどうなるか、とっくに学んでいる天利は、拳を限界まできつく握り締め、手の平に爪を食い込ませることで堪えていた。
「この87センチあるプリプリのお尻には、とても綺麗な薄桃色の菊の花が――すなわち肛門がヒクヒクといじらしく蠢いております。これから、その皺の本数をカウントして、みなさんの正解及び不正解を発表しましょう!」
じぃぃぃぃぃぃ――!
ハジィの顔が接近して、息がかかるほどの距離から肛門を視姦される。
(嫌ァァァァァ! 恥ずかしい! 恥ずかしいよォ!)
天利は羞恥に苦悶した。
もう頭が沸騰して、脳みそが全て蒸発しそうだ。
「いーち! にーい! さーん! しーい! ごーお! ろーく!」
楽しそうな元気な声で、ハジィは本数をカウントしている。お尻の穴を見せるだけでも恥ずかしすぎて、いっそ死にたい気持ちが何度も何度も頭をよぎるほどなのに、羞恥心ある高校生の乙女に対して、これはあまりにも最悪の扱いといえた。
(うぅぅぅ~~~ッッ! こ、こんなァ!)
もし羞恥心で人が死ぬことがありえるなら、いっそ殺しにかかっているといっても過言ではないほどの仕打ちである。
「なーな! はーち! きゅーう! じゅう! じゅーいっち、じゅーに、じゅうさん、じゅーし、じゅーご、十六! 十六! 町を守る正義の使者! あのユースティティアのお尻の穴の本数は! アナルのしわしわの本数は! なんと16本です!」
必要以上にはしゃぎたて、場を盛り上げようとする実況か司会者のような発表で、天利のあたまはますます温度を上げて沸騰した。
(イヤァァァァ! し、知られたァァ! こんなたくさんの人に、こんな情報を知られてしまった!)
「ユースティティアさん。あなたは自分の肛門を見たことがありますか?」
「そんなものはないッ!」
「ではごらんになって下さい! これがあなたの皺がじ16本ある美しいアナルです!」
見上げると、スクリーンには肛門のアップが映されていた。
自分では決して見ることのなかった部位が、まずはハジィに手で暴かれ、次に三十五人の男とその周りの武装者の目に晒され、最後の最後で天利本人に見せつけられたのだ。
「うぅぅ…………」
頭の中から沸騰の泡が弾け、ジュワァァァァと蒸気が立ち上っているような、これまでにないほどの羞恥の表情が浮かんでいた。恥ずかし泣きの涙が溜まった目尻は強張り、頬も力んで震えている。唇は口内に丸め込まれ、眉間にも力が入り、全ての顔のパーツが歪んだ表情と化していた。
「肛門括約筋に力を入れ、お尻の穴をキュって縮めてみましょう!」
愉快そうにハジィは言う。
見て、命令して、楽しんでいる方が気持ちいいだろうが、天利にとっては肛門を見世物にしろという恐ろしい宣告だ。
キュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ――。
花開くように皺を伸ばしていた天利の肛門は、皺が丸く縮まるように内側へと引き搾られ、力を抜くと元の皺の長さへ立ち戻る。
「リズムにのって、お尻の穴をパクパクさせましょう!」
楽しそうな手拍子と共に、ハジィのリズム取りが始まった。
「ワン・ツー! ワン・ツー! ワン・ツー! ワン・ツー!」
――ヒクッ、ヒクッ、ヒクッ、ヒクッ!
「ワン・ツー! ワン・ツー! ワン・ツー! ワン・ツー!」
――ヒクッ、ヒクッ、ヒクッ、ヒクッ!
「うわっ、マニアック!」
「こんな映像を見ることになるとは……」
「俺は肛門マニアだからよ。スッゲー得した気分だぜ!」
「おいおい、ユースティティアだぞ?」
「マニアじゃなくたって、お得な気分になるって」
男達は口々に語っている。
(私は……お尻の穴なんかで芸を披露しているんだ……アソコもお尻も、全て見世物のようになってしまっているんだ…………)
「ワン・ツー! ワン・ツー! ワン・ツー! ワン・ツー!」
――ヒクッ、ヒクッ、ヒクッ、ヒクッ!
肛門芸を披露させられているこのあいだ、天利は顔の筋力が許す限り限界まで、強くまぶたを閉ざして耐え忍んだ。
怪力のある天利の顔面は、果たしてどんな表情筋肉のパワーで歪んでいるか。
傍目には羞恥の限界を極めた表情と映るだろうが、天利の顔は外側からは決してわからない力で歪んでいた。
全ての羞恥の表情は、カメラマンの手によって撮られている。
芸の披露も、それに対する衆人環視の反応も、何もかもがカメラに収まり、それは後に販売用のAV動画として編集される。表立っては販売できない映像だが、裏ルートを知る権力者の手に渡る運命にあるのだ。
『本物! あのユースティティアの赤面羞恥体験』
そんなタイトルで販売され、権力を持つユースティティアのファン達は、こぞって購入することとなるのだ。
コメント投稿