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 ジャンケンの後に如月咲夜が一人の男子の手に渡る中、白野観月の相手は内木に決まっていた。太った体系に汗ばんだ皮膚、見るからに醜悪な顔つきは、失礼だがそれだけでも怖気を感じてしまう。ルックスの悪さも、本来なら人間性やその他の部分でカバー可能なものであるが、それはこの学校の生徒に対して期待できるものでもない。
 醜悪な上、いやらしい目をした男に自分の体を差し出さねばならない。観月はそんな自分の運命を深く呪った。
 ――こんな目に遭わなきゃいけないなんで、どうして!
「さあ、僕の股間に座るんだお」
 観月は暗い面持ちで内木に従い、男のソコへ自分のお尻を乗せる。お互い衣服越しとはいえ、肉棒の固い感触が当たってくるのは気持ち悪い。背中を内木の胸板にくっつけ、背後から抱きつかれる状態になってしまうのが、さらに嫌悪感を強くしていた。
「じゃあ跳ねてもらうお」
 従うより他にない身なので、嫌々ながら股間の上でお尻を弾ませる。割れ目と股間の擦り合う最中、胸を揉まれた。
「ひっ!」
 観月は小さく悲鳴を上げ、その場で肩を縮める。
「そろそろ、こっち向きになってお」
「……うん」
 従いたくもない内木の指示に、観月は泣く泣く体の向きを変える。自分の乳房を内木の胸板に押し付け、自ら抱きつくかのような姿勢になって、再び尻を弾ませる。向きが変わった関係で、今度はアソコと股間が擦れ合った。
「んっ……くぅ……」
 まだ、バスで性器を愛撫された時の余韻が残っている。服装チェックの際にまで少し触られているので、蓄積していた性感が疼きだす。
 加えてお尻を鷲掴みにされ、割れ目に指を這わされながら揉まれるので、望みもしない快楽はますます高まっていく。
「あれあれ? 観月たんもしかして感じてる?」
「違っ、そんなことないっ」
 観月は慌てて否定するが、慌てたが故に、逆に肯定したも同然となっていた。
「やっぱり感じてるのでは? 騎乗位よろしく~」
「うぅ……」
 上半身を寝そべらせた内木に向かい、観月はお尻を弾ませ続ける。なるべくアソコに刺激がいかないよう、気を遣いながらしていると、がしっと腰を掴まれた。
「ほら、腰を前後に揺らして擦り合うんだお」
「うぅっ、そんなの……」
「できないということは、やはり感じていることになるわけだが」
 ――違う、そんなの違うのっ。
 さっきの否定の逆効果で、感じていることなど内木にはとっくに知れたことだったが、それでも、観月本人としては認めることは憚られる。
 快楽などないという建前を守るため、観月は腰を前後に波打たせた。
 アソコと股間との摩擦がより強くなり、陰部の皮にだんだんと快感が溜まっていく。朝のうちに濡れていたパンツの内側も、余計にじわりと湿り始めた。
 ――私がこんな…やらしいことしてるなんて……。
 決して逆らえない仕組みが背景にあるとはいえ、こうして自ら腰を動かす羽目になっている。このままでは、自分がふしだら存在になってしまうように思えて、泣けてきた。
「ではバックに移ろうぞ」
 観月は股間を下りて、四つん這いになる。
 内木がその腰を掴んで、肉棒を打ち付けてきた。
 ――やだ、やだよぉ、こんなの……。
 好きでもない男にお尻を向け、背中を見下ろされながら股間を擦り付けられる。いくら擬似性交とはいえ、自分の身体が卑猥なごっこ遊びに使われている状況が、より観月を屈辱に貶めていた。
「観月たん。キミって、本当に感じていないのかな?」
「……ない、感じてない」
「嘘はよくないお」
「ほんとに…感じてなんか……」
 観月の声は悔しげに震えており、やはり逆に肯定したも同然となっている。内木はそんな喋り声の様子ににやりとし、思いついたように言い出した。
「では次の正常位で確かめてあげよう。観月たんが一度も声を出さずにいられたら、僕も感じていないことを認めてあげるお。ただし、出した場合は感じたことを素直に認めるべし」
「うん……」
 認めてもらったところで、事実上バレている今、特することなどありはしないのだが、観月はそれでも、望まない快楽を受け入れたくない。表面だけでも感じていないと通すのが、彼女にとってはなけなしのプライドを守る意味があった。
 足をM字に立てて床に寝そべる。
 内木がアソコに股間をあてがって、がっしり腰を掴んでくる。いやらしい笑みに見下される気分は、女の身には最悪なものだ。
「では頑張りたまえ、観月たん」
 そして、アソコの上で肉棒の前後運動が始まった。
「んっ、んん……」
 強い擦りつけと、存外素早い腰の動きに、陰部はしだいに熱をおびていく。パンツの中の湿り気が大きくなってゆく感触に、観月はもう涙目になった。
「あれぇ? 今、声我慢した?」
「ち、違うのっ……んんっ」
 観月は認めまいとするが、いかにも声を堪えているような、頬の染まりきったその顔つきは、誰の目で見ても我慢しているのだとわかってしまう。
 しかし、内木はあえて、「なんだぁ、違うのか」とわざとらしくがっかりする。
 快楽を認めさせてやるためだ。
 感じていないという建前を崩してやり、そうすることで観月の自尊心を傷つける。それが内木の抱いた企みだ。
 既に愛液の漏れている観月が思惑通りとされるのは、既に時間も問題である。
「んんっ、うぅ……」
 もう歯を食いしばり、明らかな我慢をしなければいけないところまでやって来ていた。
 そこへ追撃として、突然、体操着のシャツを捲り上げられた。
「いやぁ、見ないで!」
 ピンクのブラが露となり、観月は反射的に両腕で胸を隠す。
「あれえ? いいのかな? この学校の事だから、授業態度が悪い子は補習と証してまた色々されるのではと思うのだが、観月たんはこういう時間を増やしたいのかね」
「そんな事……」
 こんな言われ方をしては、素直に胸を晒さざるを得ない。今この瞬間にも、およそ現実味さえ逸脱した授業が行われているのだから、補習でまた嫌な目に遭うであろう事は容易に想像できる。
 やらしい時間を減らすためだと思いながら、観月は両腕を横に下ろした。
「では観月たんのオッパイご拝見!」
 ブラまでたくし上げられ、小ぶりな乳房が晒される。お椀大の可愛いサイズの胸に、薄い色の乳首が目を見張る。
 内木は食いつくようにして揉み始めた。
「うう……そんなぁっ」
 擦られるアソコと、揉まれる胸。
 刺激を送られる箇所が二つに増え、観月はよがるように身もだえした。
 いくら喘ぎを押さえても、愛液の水分はもう短パンの股に染みを作り始めた。その色は秒を刻むごとに濃くなっていき、すぐにぬめりけを帯びた楕円が完成する。
 内木はそこで、観月の両足を持ち上げた。
「ひゃあっ」
 M字開脚の足を胸の横まで上げられて、カエルでもひっくり返したようなポーズへ変えられる。
「さて、観月たん。どうみても濡れているのだが、どういうことか説明求む」
「そ、それは――」
「これでなお感じていないのだとしたら、この水分はお漏らしと言う事になるが」
「違うのっ、汗なの!」
 どう考えても無理のある嘘だったが、内木はそれをわざと認めた。
「なるほど。観月たんはお股に汗をかきやすいわけだ」
 あえて嘘を認めた内木としては、あくまで言葉通りの意味で言ったに過ぎない。しかし観月からすれば、遠まわしに濡れやすいことを指摘された気分でしかなかった。
 ――もう…許して……。
 心の中の懇願も、誰に届くわけもない。
「では続行」
 内木は再度股間を擦らせてきた。今度はより高速、さきほどよりも素早い腰の動きなので、擦り合わされる秘密の部分にはあっという間に摩擦熱が溜まっていく。
 そして――。
「んっ…んんん!」
 喘ぎを堪えるのも限界に近づいてゆき、
「あっ、あぁ! あん!」
 とうとう、明確な淫ら声を上げてしまった。
「観月たん。声、出してしまったね。というわけで、感じましたと認めなさい」
「やぁ…許して……」
 涙ながらの願いも、内木には通用しない。
「お股濡らして、声まで出して、その上で感じたことを認めないとな? これは授業態度に問題があるのでは? 先生に報告させてもらうが」
 先生に報告――。
 すると、余計に酷い目に遭うのではという予感がして、さーっと血の気が引いた。
「待って! 認める…認めるから……」
 これで観月の自尊心はひび割れて、泣きたい気分になった。
「さあ、言うのだ。私はお股を擦られて感じましたと」
「わ、私は…お股を擦られて……感じました」
 屈辱の台詞を言わされて、観月はついに涙ぐんだ。

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