前編

 サリアは連日犯されていた。
 人質の所在もわからず、ロドスによる救援も、アジトの特定に時間がかかっているせいか未だ来ない。下手に抵抗するわけにもいかないまま、監禁されたサリアには弱体化の注射が打たれていた。
 アーツのコントロールを阻害する薬品らしい。
 万が一の抵抗を恐れた兵士達は、貴重な物資を惜しみなくサリアに投与して、それでも一部はサリアのことを恐れ続ける。他の者はサリアのことを犯しに来る中、恐れる者は交わっている場面を見ても遠巻きに、冷や汗だらけの顔で信じられないものを見る目を向ける。
 サリアの強さが知れ渡ってか、サリアを犯す面々に対する仲間の視線は、よくもそんな恐ろしい真似ができるものだと言わんばかりのものである。
 いっそ、皆が同じように恐れてくれれば、サリアも無駄に男の相手をせずに済む。
 しかし、サイレンスやイフリータの無事がわからない限り、アーツ阻害薬のことがあってもなくても、結局は下手な身動きは取れないままだ。

(まあ、いいだろう。良くはないがな)

 鉄格子の鍵を開け、今日は自分がお前を犯すと、得意げになった顔の男が迫って来る。
(ドクターなら、いずれはこの場所を突き止める。多少時間がかかろうと、生きてさえいれば脱出は可能というものだ)
 ロドスの頭脳を信じつつ、されど今は忍耐の時であると、やって来る男をサリアは迎える。
「ふん。今日は三人か」
 この場所に連れて来られて以来、サリアは既に何人の相手をしたかもわからない。
 元々、サリアは暴力の鎮圧に駆り出されていた。
 感染者差別の問題が感染者による暴力集団を生み出して、ロドスとしてはこれを放置できずに介入を決断した。非道には非道で返すやり方では、感染者と非感染者の溝をますます深め、差別問題の解消は遠のいていく。
 よって、介入の上、保護と更生を目標としたわけだった。
 もっとも、この集団にはそれなりの規模があり、しかも折り悪く別の任務で不在のオペレーターも多くいた。
 ただ、際だって手強い集団でもないはずだった。
 元一般市民で形成される集団は、自らを兵士と名乗りはするが、れっきとした軍事訓練を受けてきた手合いに比べれば、その練度は遥かに低い。
 サリアが担当したポイントは、ドクターの見立て通り実際にサリア一人で十分な戦力しかなく、人質さえなければ今頃は制圧を完了していた。
 それがどういうわけなのか。
 あの二人が囚われるなど、一体何があったのか。
(アーツ阻害の注射薬があるというなら、罠として仕掛ける方法もあったのか?)
 仮にその謎や情報を掴めても、脱出して伝えることができなければ意味はない。通信手段を取り上げられ、ドクターにこの場所や敵情報を伝えるのは今のところ不可能だ。
 今のサリアには、これから始まる性行為の回避すらできないくらいだ。
 彼らは既に学んでいる。
 いくらサリアに力があろうと、その能力を無効化すれば、恐れる必要は何もなくなる。檻の中の猛獣を恐れる必要がないように、今の兵士がサリアを怖がることはない。それでも臆病者はいるようだが、人質にアーツ阻害まで重ねた無力化の手前、全員で怖がってくれるはずもなく、いい気になった連中が日に日にサリアの元を訪れてくるわけだ。
「今日も頼むぜぇ?」
「お前にはかなりの仲間をやられてんだからな」
「その反省の意味も兼ねて、誠心誠意を尽くしてもらうぜ?」
 男達はズボンを脱ぎ、既に立派な硬さの逸物をサリアに向ける。三人並んだ彼らの、それぞれの剛直が一度に目の前に現れて、切っ先が顔へと向いてくりなり、まずサリアが浮かべるのは恨めしい表情だった。
「よく飽きないものだ」
 毎日毎日、一体どれだけ排泄すれば気が済むのか。
「気持ちいいもんでな。早速頼むぜ?」
「……ふん」
 サリアは不機嫌に鼻を鳴らして、床に膝をついていた。膝立ちの姿勢で真ん中の一本を眼前に、左右の肉棒は両手で握り、全てに奉仕を開始した。
「……あむっ」
 口に咥え、両手では前後にしごく。
「はははっ」
「いい景色だな」
「ええ? サリアぁ!」
 人を下に置き、肉棒に従わせる状況は、彼らにとってよほど面白いものらしい。人質さえいなければ、今すぐにでも噛み切っても構わないのに……などと、腹の底では思ってみるも、今は快感を与えてやるしかない。
「はじゅぅ……ずっ、ずりゅぅ……ちゅっ、じゅじゅぅ…………」
 サリアは頭を前後に動かす。
「そうそう」
「丁寧にやるんだぜ?」
 頭上から、いい気になった声が降りかかる。
(うるさい奴らめ……)
 サリアはすっと目を瞑り、心を殺して奉仕に励む。こんな奴らなどに快感を与え、楽しませてやらなくてはならない屈辱は、いかに無心になろうと努めてみても抑えきれずに、震えた気持ちで頭を前後に動かしていた。
「ずずぅ……じゅっ、ずぅぅ…………」
 前後運動に伴って、口内に出入りする肉棒は、亀頭が喉を塞ぐ直後に遠ざかる。苦しいほどに飲み込んでやるつもりもなく、竿のせいぜい半分近くまでしか頬張ってはいなかった。
 そして、左右の手も忘れず使い、三本同時に相手をする。
「んっ、んぅ……んぅぅ…………」
 頭を動かすリズムに合わせ、両手も使いこなしていた。
 好きで慣れたわけではない。
(いずれは噛み切ってやる)
 腹の底では敵意を抱き、睨まんばかりに見上げながらの奉仕を続け、そのうちに三人揃って射精する。一人は当然のように口内に、二人は頬に放出して、舌も顔も同時に汚れた不快感でサリアは大いに顔を歪めた。
「飲め」
(……チッ)
 最悪の気分だ。
 泥でも飲まなくてはいけないような気持ちで、激しい不快感を堪えながらも喉を鳴らして嚥下する。汚液が胃袋に入ることへの嫌悪感は、身体がこんな連中に汚染されたかのような、腸を掻き毟ってでも取り出したい気持ちが湧くほどのものだった。
 しかも、彼らは一度きりの射精では終わらない。
「んじゃ、次は本番といこうか」
「おい、誰からにする?」
「昨日はお前が一番だったろ?」
 そこにサリアの意思など関係無い。
 順番の相談を始める勝手ぶりは、まるで自分達にはサリアを好きに扱う権利があって当然であるようで、まさに不快極まりない。今すぐにでも、この三人をどうにかしてやりたい。人質さえいなければ、アーツ阻害薬さえなければ、腹立たしくなればなるほど、そんな歯がゆさが湧いてくる。
「さっさと決めろ」
「なんだ? 早くセックスしたいってか?」
「馬鹿馬鹿しい。時間の無駄だと言っている」
 顔を合わせる時間さえ、できることなら減らしたい。無駄な話し合いで時間が食われれば、その分だけ彼らは部屋に居座って、長々と同じ空間で過ごす羽目になる。どうせ抱かれることになるなら、速やかに排泄して、せめてさっさと消えて欲しいわけだった。
「おいおい、待ち遠しくてたまらないってよ」
「快感を覚え込んじゃったか?」
「ま、そんな態度を取ったところで、入るもんが入ればヒィヒィ言うもんなぁ?」
 三人揃ってニヤニヤと、サリアの憤りに関係無く、楽しそうに笑うばかりだ。射精したばかりの肉棒も、萎えることを知らない様子で血管を浮き立たせ、その怒張を意味もなく上下にヒクヒクと動かし続けていた。
「俺からだ。四つん這いになれ」
「……ふん」
 サリアはベッドに両手を突き、種族特有の尻尾を生やした尻を突き出す。背骨から連なって、尾てい骨のあたりから生えた尻尾を持ち上げ、黙って横にどかしてやると、すぐに男の気配が寄って来た。
 二人が楽しそうに見学する前で、サリアのアソコに亀頭が触れる。
「さーて」
「今日はどんだけ鳴くかねぇ?」
 見世物にでもなった気分だ。
 さしずめ、このベッドが出演舞台で、見世物として引っ立てられて、無理に人前に出された形か。たった二人の観客から、期待に満ちた視線を向けられながら、サリアは背後から挿入される。
 剛直が入り込み、それに応じて穴が広がる。
 肉棒が根元まで埋まっていき、やがて尻に男の腰がぶつかってくるまでのあいだ、サリアはシーツを握り締めていた。悔しげな感情から、爪を食い込ませんばかりに握力を込めていき、歯も食い縛った表情で、ただひたすらシーツの繊維だけに視線を注いでいた。
 最後まで収まると、尻に対する腰の密着で、尻肌には陰毛が当たってきた。
「ぬぅぅ……! くあぁぁ……!」
 ピストンが始まるその時から、たちまち声が溢れ出す。
「ぬあっ、あぁ……! くっ、くぅぅぅ……!」
 どうしても、声を我慢しきれない。
 ここに監禁されてからというもの、連日のように犯され続け、快感を教え込まれた体は、嫌に感度が上がってしまった。それも何か薬でも使ってか、はたまたは調教の技術によるものか。
 どうあれサリアは喉から声を絞り出し、快感に翻弄されて鳴いてしまう。
「おうおう。いい声だぜ?」
「耳が心地いいってもんだ」
 観客が喜んでいた。
 好きで舞台にいるわけではない、見世物扱いなど真っ平な気持ちは全て無視して、二人揃ってニヤニヤと、実に満足そうな顔をしているのだ。そのいい気な顔が視界に入ると、たちまち殴ってやりたくなる。
 経験則から、自分の抱く怒りのことなどわかっていた。
 どうせ抵抗するわけにはいかないのに、無駄な怒りなど抱かないため、サリアは繊維や汚れを観察した。せめて腹の立つ顔を視界に入れないことで、無意味な怒りで心に立つ波を減らそうとしていた。
「あっ、あぁ……! あっ、あっ、あっ、あぁ……!」
 喘ぎ声を出しながら、たまに散らしてしまう唾液の飛沫で、シーツの表面に砂粒のように細かな染みができるのを無心になって眺めていた。
 恥辱感が吹き荒れて、本当には無心でなどいられない。
 ただ、心を殺し、感情のスイッチを切ろうとする心構えだけは備え、あとはひたすら地獄の時間が終わるまで、延々と堪え抜こうとしているのだった。
 その時である。

「ひぃ…………!」

 サリアの口から、ひときわ大きな声が出た。
「お? マジかよ」
「ひあっ、あぁぁ………………!」
 快感のあまり首を反り上げ、天井を見上げんばかりにしていた。

 肛門を触られたのだ。

 後ろから腰を振っているうち、見えている肛門にたまたま興味が湧いてのことか。急に指が触れてきて、皺の一本をなぞられた。その軽いタッチによって、激しい電流が弾けたように感じてしまい、サリアは大きく仰け反っていた。
 両手でベッドシーツを強く押し、腕を反射的に伸ばしきる。狼の遠吠えにも似た形となって喘いだサリアは、尻尾にまで快楽に対する反応を滲み出していた。尻尾がかすかに、よく見ればわかる程度に痙攣していた。
「こいつ、アナルで感じやがるぜ?」
「ひっ! ひあっ、やめろォ……! んぁぁ……!」
 面白い発見を自慢でもするように、これみよがしに指を突き立て、指先でほじくってみせている。
「すっげー」
「なかなかの感度じゃねーの」
 二人も関心しきっていた。
 自分もやってみたいような気持ちをひしひし感じて、二人に順番が回った際も、毎回のように肛門を触られてしまうのかと、本当に嫌な予感に駆られた。
(ふざ……けるな……!)
 何が、感度だ。
 いくら声が出ているからと、人が好きで楽しんでいるとでも思うのか。少しでも楽しむ気持ちがあり、心のどこかでは喜んでいるとでも思うのか。
 ふざけた妄想が許せない。
 今すぐにでも実力を行使して、この三人をわからせてやりたい衝動に駆られるが、そうした怒りが湧くたびに、サリアはすぐに思い出す。サイレンスにイフリータという人質の存在に、湧き出た衝動はすぐに抑え、発散する代わりにせめてシーツを握り締め、爪で穴でも空けんばかりに握力を込め尽くした。
「ってことはだ。今日のテーマはアナル調教、なんてのはどうだ?」
 腰を楽しく振りながら、新しい遊びでも思いついたように言い出した。
「いいんじゃね?」
「そーいや、アナルはあんま興味がなかったしな」
「この機会だ。試してみようぜ」
「決まりだな」
 二人の話す内容も、全て虫唾が走るものだった。
 積極的な興味はないが、せっかくだから試しに遊んでみよう。そんな感覚でアナル調教をテーマにしてくるなど、自分が玩具にされている感覚で本当にたまらない。
「ほーれ、とりあえずくすぐってやる」
「ひあぁぁぁぁ……!」
 だが、サリアは喘いだ。
「ほーら、もっと触ってやるぞぉ?」
「ひあっ、あ! あ! あ! あ!」
 どんな憤りが胸にあろうと、肛門をくすぐられての、皺をなぞられる瞬間に生まれる痺れは消えてくれない。膣へのピストンもあり、もはや頭に電流が溜まって焼き切れそうな、壮絶な快楽の奔流さえ予感していた。
 急に初めて触られて、それでここまで感じるのだ。
 サリア自身も知らなかった敏感さに、ではここが本格的に調教され、感度を鍛え抜かれてしまったら、一体自分はどうなるのか。どれほど簡単に喘ぎ散らして、絶頂をしてしまうのかと不安になった。
(こんなところで……)
 サリアは歯を食い縛る。
(こんな奴らに、開発されるというのか……!)
 冗談じゃない。
 自分の肉体のことは自分で決める。体を許すか否かは己の意思で決めるのが普通である。それをこんな形で、望みもしない調教まで受け、勝手に感度を鍛えられることになるなど、本当に何の冗談だ。
 やるならやるで、せめて淡々と肉棒を満足させ、排泄だけして消えればいいではないか。
 性行為の強要だけでも女の心を削るには十分なのに、いらぬ調教までして可愛がり、人の感じた様子まで楽しんでくる連中には、本当に虫唾が走ってたまらない。
 どうにかしてやりたい。
 本当に、本当にどうにかしてやりたい。
 これほどまでに、力の差でも見せつけて、わからせてやりたい連中がいるだろうか。

「んぁぁああああ! あっ、あぁああああああ!」

 しかし、サリアは絶叫していた。
 腰を激しく振られての、尻を打ち鳴らす打音と共に、指ではアナルを触られる。二重の快感に翻弄され、サリアは必死に髪を振り乱してしまっていた。横へと垂らし、シーツに寝かせた尻尾の先端も、快楽電流が流れることで、無駄にはしゃいで弾み上がっていた。

     *

 一人目の兵士が肉棒を引き抜いても、肛門への愛撫は続いていた。
 二人目に交代した後、仰向けにされたサリアの身体には余韻が残り、いかにも敏感に反応していた。肉棒を味わったばかりの性器を弄られて、すぐさま体中をくねらせていた。
 すぐには挿入してこない。
 二人目はもっぱら愛撫を中心に、アソコか胸を弄ってくる。味わうような手つきで乳房を揉み、乳首をしっかり刺激しながら、不意にアソコへ手を移す。上下からなる刺激にサリアは悩ましげな表情を浮かべていき、その都度髪を振り乱した。
「んはぁ…………!」
 軽い刺激の時は、ゆったりと振り乱す。
「あっ、んぁぁ……!」
 激しければ、髪も激しい。
 そして、思い通りに感じさせ、サリアのことを喘がせている二人目は、そうして満足そうに愛撫を繰り返す。乳首をつまみ、アソコを弄る時はワレメをなぞってクリトリスにも刺激を与え、両手によって翻弄していた。
 当然、いつそこをやってみようか、腹の底では楽しみそうにタイミングを探りつつ――。

「ひあぁああ!」

 今までよりも大きな喘ぎ声は、肛門へのタッチと共に吐き出された。
「ははは! マジにアナルが弱いでやんの!」
 それを皮切りに、彼は肛門ばかりを中心にやり始めた。ぐにぐにとしたマッサージであるように、指の腹を押し込み揉み込んで、あるいは皺を優しくなぞる。くすぐるようなタッチ、揉み込む方法、それらが交互に繰り返される。
「んはぁ! あっ、あぁぁ! あぁぁぁ!」
 サリアは天井を貫く勢いで激しく喘ぐ。
 まるで指先から高圧電流でも送られ続け、電気拷問でも受けているように、しかし快感によって唾液を吐き散らす。

「ひぐぅぅぅぅ………………!」

 やがて、絶頂していた
 肛門への愛撫が数分と続くうち、サリアの中でみるみるうちに何かが膨らむ。その見えない破裂寸前まで育っていき、ついに弾けた瞬間から、サリアの四肢が滑稽に震え上がった。
 サリアが四肢を震わせながらイク瞬間は、例えるならひっくり返した昆虫だった。仰向けの甲虫が自分では姿勢を直せず、天に向かって足を右往左往させる光景であるように、サリアは手足の全てをくねくねと、無駄に動かし回っていた。
「どんだけアナルが弱いんだ? お前」
「だ、だまれぇ……!」
「ほれ、もう一回イカせてやる」
「ひっ! ひぐぅぅぅ……!」
 生意気な口の利き方を躾けんばかりに、楽しく肛門をほじくると、サリアはやはり手足でのたうち回る。腰を執拗に浮かせた上、そのビクビクとした動きを駆使して、背中でシーツを何度も叩く。
「ならよ! こういうのはどうだ?」
「お、なんだよ」
「コレだよコレ!」
 兵士同士のやり取りで、見学席からベッドの上へと一つの道具が投げ渡される。
 それはピンクローターだった。
 それに気づいた瞬間、さらなる快感の予感にサリアは引き攣り、逆に兵士はほくそ笑む。それを使えば一体どうなってしまうのか、恐れを抱くサリアに対し、兵士の方はむしろ楽しみでならない顔をしていた。
 ベッド上の二人目は言うまでもなく、見学二人もニヤニヤと見守っている。
「使う気なのか……」
「おうよ」
 彼がそれにスイッチを入れると、無機質な駆動音と共にピンク色の卵形が振動を開始する。
「くっ……」
 サリアにしてみれば、凶器が迫っているのに身動き一つ取れない気持ちである。抵抗すればいいのかもしれないが、そう考えてみるたびに人質が頭を掠め、結局は何の身動きも取ることなく、サリアは辱めを受けている。
 アソコの下を直接狙い、ぴったりと肛門に押しつけられた振動で、サリアの下半身にはますます快感が弾け飛ぶ。

「ああああああああああああ!」

 絶叫していた。
「あ! あぁぁ! あぁぁああああ!」
 雄叫びのように喘ぐサリアの、極限まで大きく開いた口から、舌が伸び出していた。口内にまで電流が及んでいるように、ピンと舌が長く伸びきっていた。
「あぁ! あっ、んぁ! あぁぁあああ!」
 声だけを聞いたなら、拷問を受けた者の悲鳴と、果たして区別がつくだろうか。
 おぞましいほどの声量で、この場にいる兵士三人の鼓膜をまとめて揺るがし、部屋の外では通りがかりの者がぎょっとするほどであったが、しかしサリアが感じているのは、やはり快楽に他ならない。
 だらだらとみっともなく、愛液が溢れ出ていた。
 ローターの刺激が数分も続いていけば、サリアはすぐに限界を迎えていた。

「あぁぁぁ―――――――!」

 潮が噴き上がった。
 スプレーで一瞬だけ噴射したかのように、巻き上がった水滴が四方八方へと散らばって、サリア自身の身体や周りのシーツに降りかかる。
「派手にイったもんだなぁ? えぇ?」
「黙れ…………」
「そう睨んだって、こうすりゃまた喘ぐんだろ?」
 改めてローターを起動して押しつける。
「んぁぁぁぁぁぁ!」
 ただ指で押しつけて、肛門に刺激を与えるだけで、面白いほどに喘いでいた。顔中に汗を浮かべて、振り乱した髪が頬や額に張りついていた。
 しかも、秒数を数え始めた。
「一、二、三、四、五、六――」
 一体どのくらいでイってしまうのか、面白がってカウントを口で唱え、わざわざサリアにも聞こえる声量で盛り上げる。見学二人も乗りに乗り、そのカウントに合わせて手拍子まで行っていた。
「ふざけて……! あっ、あぁぁぁ…………!」
 人を玩具扱いするにもほどがある。
 その憤りで思わず睨み、ところが睨んだ表情はものの一秒と持たずに快楽に押し流され、首で仰け反り喘ぎ散らした。
「十一、十二、十三、十四――」
 カウントが十を超え、なおも手拍子は続いている。
「十五! 十六! 十七! 十八!」
 数字が上がっていくにつれ、そのままテンションも上がっていき、声量が段階的に増していた。まさに秒刻みで盛り上がり、ついにカウントが三十を超えた所で、その兆しは訪れていた。
「あぁ……! くはぁぁ……!」
 悶える様子が大きくなる。
 手足の反応が大振りに変化して、傍から見ても絶頂が近いことがわかりやすくなっていた。

「四十!」
「んぁぁぁぁ……!」

 そこで潮を噴いていた。
「ははは! 四十秒! ぴったしじゃねーか!」
 先ほどまでは数分以上かかっていたのが、これだけイキやすくなっていた。サリアの身体にはイキやすいスイッチが入り、普段の数倍は感じやすくなっていた。
 そんなサリアの中に、二人目の兵士は挿入する。
「そろそろ、頂くぜ?」
 もう十分に遊んだとばかりに、順番を譲る直前の、最後の楽しみに興じ始める。
 仰向けのサリアに対する挿入で、正常位の腰振りを開始するなり、彼は尻尾に跨がっていた。姿勢がためにヴィーヴル特有の尻尾は真っ直ぐ下へと投げ出され、だから正常位の体位で繋がれば、必然的に男の股下に尻尾はいく。
 その跨がり気味の状態で腰を振り、彼はサリアを味わった。
「あぁぁ……! くあぁぁ…………!」
 大胆なストロークで抉り抜き、存分に喘がせていた。