囚われの旭姫 検査と陵辱 後編
天羽陽翔は戦慄で青ざめていた。
「なっ! あ、旭姫……!」
陽翔の部屋は、どうやらマジックミラーのような仕掛けになっており、隣の部屋の様子が見えている。ちょうど隣室と向き合うように椅子も置かれて、陽翔は後ろ手に手錠をかけられ、両足も椅子に括り付けられ、身動きを封じられていた。
しかも、この椅子は床に直接固定されている。
ガタガタと椅子を揺らして動くことさえできないため、いつになるかもわからない解放をただただ延々と待っていることしかできない。
そして、やがて陽翔は目を見開いたのだ。
レオーノヴィチが旭姫を連れ、ベッドの置かれた隣室に現れる。悔しげに目を伏せて、拳を振るわせている旭姫に対し、レオーノヴィチは肩に手など回した上、いかにもいやらしい手つきで二の腕を触っているのだ。
「や、やめろ! 何やってる!」
陽翔は叫ぶ。
「おい! ふざけるな! くそっ、聞こえないのかよ!」
喉から声を絞り出し、絶叫めいた声量を放ったにも関わらず、レオーノヴィチはおろか旭姫まで、見向きすらしない様子である。無視ではなく、防音設定か何かでそもそも聞こえていないのだ。
「さーて、旭姫。なにをするかわかるか?」
屈強な体格のレオーノヴィチに対して、旭姫は随分と小柄に見える。
そんな大小の二人が壁沿いで向かい合い、陽翔はそれをただ見ていた。
「くそ! くそ!」
必死になって闘気を操り、手錠の破壊を試みるが、どんなにガシャガシャと鳴らしてみようと、拘束具には傷ひとつ付けられない。
「なんでだよ! ここまで減退することないだろ! オレのセンス!」
意地でもどうにかしようと躍起になり、闘気を腕に集中させる。何度も何度も、執拗に力を溜め込み、手錠の鎖を左右に引っ張る。引き千切ろうと力を込め、悶絶めいた必死の形相で同じことばかりを延々と繰り返した。
陽翔がここまで必死になっている目の前で、それでも隣室の状況は進んでいく。
レオーノヴィチが装備を解除し、丸裸になっていた。
「あの野郎! 本当にやる気かよ!」
陽翔はますます必死になる。
これが現実の肉体なら、引き千切ろうとする力をかけ続け、かえって手首に負担がかかり、皮膚がずり剥け始めているはずだ。ゲームだからそうならずに済んでいるが、文字通り血が滲んでもよさそうなほどの努力を陽翔はしていた。
だが、そんなことに関係無く、レオーノヴィチはソファを動かす。
まるで陽翔と向き合うように座っていた。
そして、陽翔とレオーノヴィチのあいだに挟まるように、旭姫がそこに立ち尽くし、次の瞬間にはしゃがみ込む。
「旭姫! よせ! そんなことするな!」
喉が引き裂けんばかりの勢いで叫ぶ。
返ってくるのは虚しい沈黙だけだ。
「旭姫ッ! くそ! くそ!」
床に膝をつき、正座に近い姿勢で頭を動かし始めている。丸裸で股間も剥き出しの、勃起した男に対してあの動きは、口を使った奉仕としか思えなかった。
「やめろォォォ! レオーノヴィチ! レオーノヴィチィィィ!」
ユニオン時代では相手にもしたことのなかった男に、陽翔は憎悪を剥き出していた。本物なのか、どうなのか。まだ何もわかっていないとはいえ、旭姫そのものとしか思えない少女を従わせ、満悦の顔を浮かべるレオーノヴィチに対して、黒い感情が溢れていた。
ニッ、
と、レオーノヴィチは陽翔に向かってニヤけていた。
「あいつッ!」
陽翔は悟った。
わざとやっているのだ。
マジックミラーのような仕掛けの部屋で、ただ見ていることしかできない状況を作り上げ、陽翔の前でわざとらしく旭姫を辱める。そうやって楽しむ悪趣味さが腹立たしく、そんなゲスに対して無力な自分に打ちひしがれ、やがて陽翔は下を向いてしまっていた。
これだけやっても、今の闘気では手錠にヒビ一つ入っていない。
意地でも手錠を壊そうとする思いも叶わず、とうとうフェラチオが始まってしまったショックに打ちのめされ、陽翔は脱力しきっていた。
「くそ……無理なのかよ……」
諦めていた。
必死になっても何もできずに、無駄な足掻きをきっとますます笑われる。そんな風に考え始めて、陽翔はレオーノヴィチが行う辱めから目を背けているのだった。
*
筋肉で手足が膨らみ、屈強な体格をしているレオーノヴィチも、アバターの性器は意外にも短小だった。親指よりは少しばかり太い程度の、長さもそれほどではない肉棒は、体格とのギャップで余計に小さく見えることだろう。
全裸でソファに腰を沈め、あの壁の向こうに座る陽翔に見せびらかすための奉仕を命じ、旭姫を足下に跪かせる。
「説明した通りだ。さっそくフェラチオをやってもらおう」
レオーノヴィチは闘気を込めて、短小の性器を剛直化した。
「っ!?」
旭姫はそんな一瞬の巨大化を前にして、引き攣るように驚いていた。
「どうだ? 立派になっただろう?」
「な、なにこれ……大きすぎる…………」
恐れているのか、引いているのかもわからない、不安の汗が浮かんだ顔で、旭姫はレオーノヴィチの性器を見ていた。
「その方がやり甲斐があるだろう?」
「そんなことないよ。こんなところを舐めたり、咥えたりなんて、絶対ヘンだよ……」
「おかしくないぜ。付き合ってるもん同士なら普通にやる。フェラチオなんて、かなり一般的な性癖だぜ?」
レオーノヴィチがそう言うなり、疑うような上目遣いの視線が向く。
「……これが普通なの?」
旭姫は引き気味に震えていた。
「ああ、普通だ」
「こんな汚いのに、口をつけるなんて……」
「汚いとは失敬だなぁ? ゲームの中だろ? 綺麗も汚いもありはしない」
「でも……」
排泄に使う器官に触ったり、まして口までつけるなど、ゲームだろうと抵抗感が強いらしい。
「はいはい。また脅し直しましょうかぁ?」
男性器を見て驚いたり、躊躇っている様子を見るのも面白いが、あまりにも渋ってばかりいるのでは、さすがに煮えを切らしてくる。
「もう! いちいち! や、やればいいんでしょ……」
旭姫は恐る恐るのような、本当は触りたくない気持ちが多いに宿った引け気味の手で、レオーノヴィチの根元を握る。
「おおっ、いいぜ?」
さらに唇が近づいて、先端に対するペロペロとした奉仕が始まった。
「気分がいいぜ? 旭姫、なんたってなぁ?」
レオーノヴィチはニヤニヤが止まらない顔で壁を見た。こちらからは単なる岩製の壁に見えても、魔法によってマジックミラーと同じ働きをするようになっており、あちらからはこの部屋の様子が見える。
何もできず、無力なまま見届けるしかない陽翔の顔を想像すると、いくら無表情を装おうとしてみても、唇が吊り上がっていくのが止まらない。
「へへへっ」
先端がくすぐったい。
最初に舐めた瞬間、旭姫は恐ろしく顔を顰めていた。よほど嫌だったのがひしひしと伝わるが、本心では同意していない相手を従わせ、無理にでも奉仕をさせる気分の良さといったらない。
いかにも不慣れな舐め方で、旭姫は先端ばかりを舌先で掬い取る。先っぽの限られた領域だけが唾液に濡れ、光沢を帯びていく。
「しかし、そんなんばっかじゃ気持ちよくなれないなぁ?」
「そんなこと言っても、あたしこんなの初めてなのに」
「咥えろ」
「うぅ……やだ……」
そうは言っても、旭姫は改めて顔を近づけ、抵抗感をぐっと堪えた顔で亀頭を頬張る。大きく口を開いていき、顔を前に押し出して、収まる限りを口に収めたとことで前後運動を開始していた。
「んずっ、ずぅ……んぅぅ……んっ、んぅぅぅ………………」
小さな口に対して、闘気で太さを増したレオーノヴィチの逸物は、いささか大き過ぎるらしい。どことなく苦しそうな顔をしながらの拙い奉仕は、だから唇による締めを感じて、歯もかすかに触れてくる。
「噛んだら、お返しは陽翔にするからな」
「ずぅぅ……じゅずっ、ずぅぅぅ…………」
たどたどしく頭を動かし、無言で前後を続ける旭姫は、顔が暗くなりきっていた。ふと目が合うと、瞳を下げて視線を外し、黙々と続けていた。
レオーノヴィチは思う。
壁の向こう側では、今頃はどんな顔をしているだろう。怒りで鬼の形相か、はたまたは絶望に打ち震えているだろうか。泣き出していてくれたら傑作だ。そんなことを考えるのも、今のレオーノヴィチには快感の一つだ。
「へへっ、次はパイズリを頼むぜ」
「し、知らないっ」
そう言えば免除されるわけでもないのに、旭姫はぷいっと顔を逸らした。
「知らなきゃ教えてやる。チンコをオッパイに挟んで奉仕するんだ」
「わけわかんない。誰が思いつくの、そんな……」
高校生だろうに、性についてがやけに幼く、そもそも性格さえも当時そのものに思えてならない。違和感を覚えないこともなかったが、レオーノヴィチはさして真面目な疑問としては捉えることなく、ただただ今の快感を味わうことだけを楽しんだ。
「巨乳とまではいかなねーまでも、やれば挟めるだろ。頼むぜ? 旭姫ぃ」
レオーノヴィチはニヤニヤと命じた。
「本当はイヤだから、本当なら絶っ対にしないから」
まるで釘でも刺したいように、旭姫は強い口調でそう言って、乳房で挟むために身体を動かした。胸の高さを肉棒の位置に合わせて、旭姫は乳房のあいだに肉棒を迎え入れた。
「おおぅ、いいぜぇ? 包みきれない分は手も使うんだ」
快感に浸ってみせると、旭姫は頬を歪めていた。
乳房の柔らかい感触でどうにか圧して、手の平まで使って肉棒を包んでの、不慣れな動きで上下にしごいてもらう感覚は、やはりたまらないものがある。
「ほら、もっと一生懸命やらないと……」
脅してやることで、旭姫はより活発にやろうとする。初心者ながらに快感を与えようと必死になり、その光景をレオーノヴィチは楽しむのだ。
見ているだろうか、天羽陽翔は……。
全盛期の陽翔が相手なら、よしんば監禁に成功したとて、いつ脱出されるかもわからない。こうも恐ろしい真似は考えられなかったが、ああも弱くなっていたことに感謝したい。おかげで旭姫を性処理に使えるのだ。
「さーて、さてさて、そろそろ本番といこうか」
「……なに? 本番って」
言うが否や、旭姫は見るからに不安で強張っていた。
「そりゃあ、女の子のアソコに男のアソコを挿入することに決まってんだろ? どうしてセックスすら知らないんだ?」
いくらなんでも、知識が遅れている。
さすがに違和感が強まるも、かといって深く追求する気もない。
「それって、赤ちゃん作る時の……」
「ほーう? それくらいの知識はあったか。それがセックスだ。避妊道具を使って、妊娠しないようにしてやるんだぜ? ま、ここでは避妊もクソもねーけどな」
こういうことは可能なようだが、いくら何でも妊娠というシステムは実装されていないだろう。
「それだけは……」
「あ?」
「それだけはダメ! そんなの絶対! 本当に、本当に好きな人同士じゃないと――」
本番という言葉にピンと来ていなかった分際で、今ここで初めてセックスという単語を理解しながら、どうも立派な抵抗感があるらしい。
「断れる立場かよ」
「だって、あれだけしたのに、もうこれ以上……」
今にも泣き出しそうだ。
心が限界なのかもしれなかった。
「だったら、一生懸命な奉仕でオレを満足させろ。本番無しでもいいって思えるくらい、とびっきり気持ち良くさせてくれたら、本番は勘弁してやるぜ?」
「やる! やるから!」
「おう、やってみろ」
この瞬間、奉仕は今までよりも激しくなった。
「ずっ! じゅりゅりゅりゅぅぅぅ……! じゅむっ、ずっ、ずっ、ずっ!」
そうしなければ死ぬかのような、命懸けの勢いさえ感じるほど、旭姫は一生懸命になって頭を動かす。活発な分だけ、裏側に当たってくる舌の感触も、活発なペースで前後している。
「玉の部分も気持ちいいんだ。頼むぜ?」
すると、旭姫は右手で竿の根元を握りつつ、左手では優しく玉を触りだす。
「そうそう、余計な力は入れるなよ?」
優しく、軽い力で、ただ指先で弄ぶだけの触れ方だったが、玉袋にも快感が迸る。
「玉を吸ったり吐いたりしろ」
気分良く命じてやると、旭姫はすぐさま顔の位置を変えていた。玉袋に口を迫らせ、小さな唇のあいだに吸い込んでいた。
「ちゅぱっ、ちゅぱっ、ちゅぱっ、ちゅぱっ――」
睾丸が吸い込まれ、吐き出される。
吸っては吐きの、玉の出入りが繰り返された。
「いいぜ? もっとも、竿が空くからな。そういう時は、棒の部分は手でしごけ」
追加の注文をすることで、旭姫は手コキまでセットにしてくる。きっと、手コキという言葉も、本人は知らないのだろう。どうして知識が欠けているのか、疑問こそあれども、そんな無知な旭姫に教え込んでやっている快感がたまらない。
レオーノヴィチはさらに自分の望む奉仕の方法を教えていった。
竿中の至る所をペロペロと舐め尽くすこと、亀頭をしゃぶったり、キスの雨を降らせること。パイフェラというものまで教えた結果、旭姫は数分ごとに方法を変えながら、バリエーションに富んだ奉仕に尽くしていた。
「れろぉぉぉぉぉぉ………………」
根元から先端にかけて舐め上げる。
舌が頂点に達すると、また根元に戻って、レロォォォォォ――と、微妙に位置を変えながら、裏側ばかりか側面さえも舐め上げる。
「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」
一心不乱にキスを繰り返す。
先端に口づけを行って、キスの繰り返しのためだけに、旭姫の頭はしばらく前後に動いていた。唇と亀頭のあいだには、唾液とカウパーの混ざった糸が引き、手は微妙に手コキじみて動いていた。
「あむぅぅぅ……」
また咥え、フェラチオに徹する。
それもまた、一分もすれば別の奉仕に切り替わる。
こうして何十分も、あるいは既に一時間以上もかけて、旭姫は延々と果てしなくレオーノヴィチに尽くしている。ここまで一度も射精をしていないが、それは遅漏ということではなく、闘気によって射精感をコントロールしているためだ。
もっとも、そろそろ汚してやりたい。
「旭姫、射精ってもんを教えてやる」
レオーノヴィチは顔を上向きに、今から出るものを顔面で受け止めるように命じていた。旭姫は引き攣ったような顔で嫌がって、一度は首を横に振りたくり、幼い挙動で嫌だ嫌だと主張したが、拒まれても脅し直すだけの話だ。
そして、旭姫の顔を精液で汚してやった。
前髪が白濁を吸い込んで、額がまんべんなく粘液まみれに、頬もすっかり汚れてしまい、まるで涙を流して見えるかかり方で、精液の滴が顎にかけて伝っていく。唇の周りも白濁濡れに、素晴らしい顔射の光景が出来上がっていた。
「はっはっは! いい顔になったなあ!」
「ひどいよ……顔にオシッコなんて、どうしてこんなこと考えるの……」
「オシッコじゃねーよ。精液だ」
それらは別々のものなのだが、かけられた本人は納得をしていない。いかにも不満を訴えたいような、酷いことをしたレオーノヴィチに対する非難がましい何かが表情には浮かんでいた。
「続けろ」
さらなる奉仕を命じた時、絶望とも悲しみとも言えない顔で、旭姫はレオーノヴィチのことを見上げていた。
そして、続ける。
パイズリを始めると、そこに先ほどの活発さはなく、ただ仕方なくそうしている以外の何でもない奉仕に変わっていた。
「やる気がないようなら……」
「わ、わかったから……」
旭姫はしごきを活発にして、本番から逃れるために一生懸命、唇まで上から被せてレオーノヴィチに快感を与えていた。
手と乳房に包まれたレオーノヴィチの肉棒は、上下のしごきによって亀頭を見え隠れさせている。その亀頭が見えるたび、旭姫はぺろっと舐めていた。
そんな刺激にやがては射精感が高まって、レオーノヴィチは白濁を放出した。
「んんっ!?」
噴水のように噴き上がり、旭姫の顎にかかったそれは、跳ね返りによって乳房の狭間に付着していた。
「よーし、壁に両手を突け」
「まだ? まだするの!? いつになったら陽翔に会えるの!?」
「いいからやれ! 次で最後だ!」
「最後って言っといて、さっきからずっと――」
「何度も言わせんな。お前は断れる立場じゃねーだろ」
レオーノヴィチの強要に、結局は渋々と両手を突き、旭姫の尻が突き出される。そんな壁の向こう側では、何もできない陽翔が一体どんな顔をしていることか。
「オレばっかり気持ち良くて悪いからな。旭姫、お前も気持ち良くなれるように、性感アイテムを使ってやる」
「……なに? それ、気持ち良くって」
「はっ、すぐにわかるさ」
それにしても、旭姫はどこまで無知なのだろう。
壁に両手を突かせるのは、バックからの挿入が目的に決まっているのに、疎さのあまりにそんなことにも気づかない。きっと、尻を触りたがっているに違いないとでも、旭姫は思い込んでいるのだろう。
だが、レオーノヴィチは肉棒を接近させる。
アソコに当てた瞬間に、すぐさま旭姫の膣を貫き、本番を開始した。
*
陽翔は絶叫した。
「旭姫ィィィ! 逃げろ! そいつが何しようとしてるかわかってるのか! 最後までされちまうんだぞ!」
こちらの声は向こうには聞こえない。
そんなことはとっくにわかっているはずなのに、それを忘れて夢中になって叫んでいた。
始終下ばかりを見つめ、床に視線を突き刺すことで目の前の光景を見ないようにしていた陽翔だが、ふとした拍子に事態に気づいた。それは同じ格好でいるのに疲れ、モゾモゾと首を動かしたくなったという、それだけの理由なのだったが、こちらに両手を突いた旭姫の、明らかにバック挿入を思わせるポーズに、陽翔の表情は改めて一変した。
「それは! それだけはやめろ! レオーノヴィチ!」
必死に叫んだ。
せめて、それだけでも何とかしたい一心で、涙ながらに声を絞り出し、その全ての声があちらには一切届いていない。
陽翔の心境も、吐き出した声量も関係無く、レオーノヴィチによって旭姫の膣は貫かれ、とうとう本番は始まってしまった。
「くそ! くそ! レオーノヴィチィィィ!」
憎悪が燃えて、陽翔は再び闘気を操る。
自分の手首がどうなっても構わない勢いで、実に激しくガチャガチャと、後ろ手の手錠を引き千切ろうと必死になる。そうすることで鉄の感触が手首に食い込み、現実ならば骨まで痛むであろう力強さで、必死になって拘束の破壊に努めていた。
だが、結局は何もできない。
力が蘇ることはなく、やがて無駄だとわかって諦めの念が湧き、改めて俯いてしまうまで、その結果に繋がることのない努力は続くのだった。
*
レオーノヴィチは腰を掴んで、邪悪な笑顔で楽しげに腰を振る。
「あぁぁぁっ! な、なんで!? ひどい! ひどい!」
旭姫は喚いていた。
「うるせー! 入っちまったもんは仕方ないだろ!」
「抜いて! 抜いてよ!」
「だーれが抜くか! 旭姫! せっかくなら楽しんじまえ!」
激しいピストンで尻を打ち、腰と尻肌のぶつかる音がパンパンと鳴り響く。ピストンによって与える衝撃で、旭姫の身体は前後に揺れる。
「ひどい! ひどい! サイテー! サイテー!」
旭姫は必死に叫んでいた。
本番はしない約束はどうなったのか、あれだけ奉仕したのにどうしてなのか。あらゆる思いが綯い交ぜになっているのだろう。
「陽翔が! 陽翔がよかったのに!」
叫ぶ声には憎しみさえも折り混ざっていた。
「ほーう? そいつは悪かったなァ! セックスって言葉もわからなかった分際で、よくもまあ初めてはどいつがいいだの思えたもんだ!」
レオーノヴィチは大胆なストロークで抉り抜き、快楽を味わった。
どこか小学生じみているようで、当時よりは肉体の魅力が増した旭姫の膣だが、穴のサイズはそれほどではない。闘気で剛直化しているレオーノヴィチの肉棒は、窮屈な場所に無理にねじ込むことでの、締め付けの負荷を浴びていた。
だが、お互いに痛みはない。
しかも、性交渉に使えるような隠しアイテムのおかげで、旭姫の肉体には快楽さえあるはずだ。
「んんんんんんんんん!」
旭姫は足腰をビクビクと痙攣させ、内股に愛液を伝わせていた。
「イったみたいだな」
「はぁ……はぁ……い、イクって…………」
「今みてーに限界がきて、ビクって弾けちまうことだ」
レオーノヴィチは肉棒を引き抜くと、続きとばかりに旭姫の腕を引っ張って、力ずくでベッドに突き飛ばす。正常位でするために、嫌がる旭姫を押さえつけ、言葉と腕力で股を開かせ二回目の挿入を行った。
「んんぅぅぅ……!」
「なるほど? そういう顔しながら感じてたってわけだ」
「んぁっ、あぁっ、あっ! あっ! あっ! あっ! あっ! あっ!」
「へっ、感じろ感じろ!」
喘ぐ旭姫の顔付きを眺め回して楽しみながら、レオーノヴィチは腰を振る。
「やだ! やだぁっ、あぁ! あっ! あん! あん! あん! あん! あん!」
もがくように、抗わんばかりによがり、覆い被さるレオーノヴィチを手で押しのけようとしてきている。か弱い力で何度も叩き、無意味な抵抗を行っている。
そして、可愛い抵抗など関係なく、レオーノヴィチは腰を振り続けるのだった。
「あぁぁ……! あぁ! あん! あん! あん! あん! あん!」
「ほーら、今度はナカにくれてやる!」
レオーノヴィチは射精感に合わせて奥までねじ込み、子宮に注がんばかりの気持ちで白濁を放出する。解き放つ快感に浸った時、旭姫もまた腰を痙攣させ、背中をアーチのように浮き上げていた。
「んんぅぅぅぅぅ――――――――!」
「ほう! イったか! またイったか!」
「もうやめて! もうヤダ! もういいでしょ!?」
「うるせぇ! まだまだ始まったばかりなんだよ!」
「あぁぁぁ……!」
ピストンは再開された。
精液にまみれた膣内をかき混ぜて、愛液と混ざったものがしだいに泡立つ。見え隠れする竿の部分には、その泡立ちが生み出す白い塊が付着している。
レオーノヴィチは執拗なまでに楽しんだ。
旭姫のことなど考えず、ただひたずらに己の欲望を満たすことばかりを考え、陽翔に会わせてやる約束も、当然のように忘れていた。
*
『空閑旭姫だっけ? お前の知り合い? 幼馴染み? あれからさ、レオーノヴィチさんがオレにも回してくれたんだ。気持ち良かったな~』
田茂からのメッセージを見た瞬間、端末を握る拳に力を込め、そして叩きつけんばかりにベッドに腕を下ろしていた。
無気力になりきって、仰向けで天井を見上げる天羽陽翔は、レオーノヴィチにお情けによってゲームオーバーだけは勘弁してもらい、ログアウトを許された。しかし、旭姫とは一度も顔を会わせることがなく、今でもレオーノヴィチのギルドに囚われている。
どうして、旭姫のアカウントが存在するのか。
運営に問い合わせても、そのようなアカウントは存在しないことになっているのか。
結局、何もわからないまま、もう二度と会えないはずだった旭姫との再会も束の間、その旭姫を奪われて終わっている。
「センスがあれば……」
あの時の力があれば、レオーノヴィチなど……。
だが、今はもう力を失っている以上、陽翔のこれは単なる妄想にしかなりはしない。
『そうそう。旭姫チャンが全裸で土下座したおかげで、使いっ走りでならギルドに入れてもらえるってよ~? 旭姫ちゃんに会えるチャンス!?』
『おいでよ~! オレもコキ使ってやるからさ! もしかしたら、そのうちお前にも回してもらえるんじゃない?』
メッセージの通知に気づき、改めて画面を見るが、見たくもなかった田茂からの文面に、憎しみと無力感がさらに膨らむだけだった。
「旭姫……」
陽翔はその名を口にして、ただ天井ばかりを見つめていた。