前編 ルアン・メェイの拘束陵辱
【前編】
ターゲットの捕獲に成功。
直ちに『企画』を実行せよ。
*
指令を受けた一人の男が彼女を見下ろす。
黒髪の美麗な女が手足を広げX字状に拘束され、その状況に不満をぶつけるような眼差しを周囲に向ける。彼女の周りにいるのは自分一人だけでなく、多くの企画参加者で取り囲んでいるのだから、囚われの身にとっては不安を煽られるどころの話ではないだろう。
しかし、彼女は落ち着いている。
脱出の算段があるわけでも、誰かの助けが来る確信があるわけでもないだろうに、常人よりも肝が据わっている。他の女なら今頃は必死に助けを求めたり、許しを乞うてきているところだ。
「やはり美しいね? 天才クラブのルアン・メェイ」
「私を知っていた上での誘拐というのも当然の話ですね。率直に尋ねますが、一体何の目的でしょうか」
「さあ、何だろうね? ただあなたの協力が欲しいとだけ言っておこうか」
「協力を求めつつ内容は伏せるのですか? それに、このような方法で人を招くのも感心できません。おそらく、私が協力する事はないでしょう」
「それがする事になるんだよ。あなたの意思とは関係なく」
「そうなのですか? それは困りましたね」
ルアンはまだ、自分を捕らえる拘束具について気づいていないらしい。捕獲の際に気絶させ、つい先ほどまでの彼女は眠っていたのだから、身動きも取れないのに自分のベッドについて知る機会などないだろう。
彼女の拘束具は単純に人を寝かせるだけのものではなく、複数の板を繋ぎ合わせた電化製品である。腕を固定しておく部分、脚を固定しておく部分で、それぞれ可動操作が可能となっており、彼女のポーズだけではなく、拘束具自体もX字状に近い形を取っている。
ある程度、ポーズを変えることが可能だ。
両腕の部分を操作すれば、右手を挙げさせるのも左手を挙げさせるのも意のままで、膝を折り曲げさせれば分娩台のような開脚を強いるのも可能である。急にスイッチを入れて稼働させたら驚くのか、それとも涼しい顔のままなのか、あとで試してみたいところだ。
「どうして私の意思とは関係なく、私はあなた達の願いを叶えるのでしょうか。私を操る手段をお持ちなのですか。それとも拷問をなさるのでしょうか……ですが、痛みで心が屈するのは、私の意思とは関係なく、とは言い難いような気がします」
「これが賭けなら、『操る』にチップを投げるかな?」
「そういうことにでもしておきましょう」
「だとしたら、賭けはあなたの負けだ。これから、存分にその意味を思い知ることになる」
男は仲間から瓶を受け取り、その蓋を開いてルアンの胸にかけ始める。服を汚すことなど構わずに、着衣越しの青い膨らみにオイルを垂らし、布の表面にみるみるうちにそれは広がる。染み込むことで変色して、皮膚にまで到達したオイルの感触をルアンは感じているはずだ。
「これは一体何でしょう?」
「すぐにネタばらしては面白くない。じきにわかるとも」
企画は既に始まっている。
瓶の中身を垂らすのは胸だけに留まらず、二つの山が暑いぬかるみを纏ったところで腹部へ移る。面積の広さを思って左手を置き、手で塗り広げるために撫で回す。
それを周りの仲間の何人かが撮影していた。
数人がそれぞれのカメラを向け、しだいしだいにオイル濡れとなっていくルアンの動画や写真を収めている。四方八方から視線ばかりか撮影機材まで向けられて、ルアンは頬を少しずつ赤く染め始めていた。
オイルには媚薬が含まれている。
同じものを散布するため、X字状に開いた股の間で一人の仲間が小瓶を開き、手の平に取ったものを塗り伸ばそうと脚に触れ始めている。頭上にもまた一人の仲間が立ち、腕を撫で回して塗りたくる。
男自身も含めて三人分の腕により、ルアンの体中をまさぐる形となった。
腹を撫でていた男は、そのぐるぐるとした動きの範囲を徐々に広げてオイルを伸ばし、十分に塗ったと思ったところで瓶から鎖骨の間に直接垂らす。傾斜に沿って首へ流れたものは、直ぐに二手に分かれてうなじへと入り込み、瓶を空にした頃には首にも広がっていた。
垂らして作る円が面積を拡大して、首に広がるようになるまで時間はかからず、二人の仲間も細やかな散布を行っている。靴を脱がせて指の隙間に、頭上に立った仲間も指の一本ずつにかけてまで擦り込んで、ルアンの全身が光沢で輝いていた。
今や顔を覗けば濡れていない箇所などないだろう。衣服に染み込む事で背中や尻にもオイルは及び、台と接した隙間にまでぬかるみは届いているはずだ。
着衣にオイルを吸収させて、なおも垂らし続けた事での厚い光沢が全身を覆っている。指で拭えば掬い取れてしまうオイルの層は、布を肌へにべったりと張りつかせていた。
衣装の青い部分の膨らみが艶めかしい。乳房にたっぷりと被さるオイルの光に目を細め、男は味わってやらんばかりに掴んで揉みしだく。
触られる事が気に入らずか、ルアンは不快そうに目を細めていた。
もっとも、いつまで不快ばかりでいられるだろうか。
成分の浸透はとうに始まっている。
その効果が現れ始めてか、ルアンの息遣いは少しだけ熱っぽくなっている。大きく息を吸い上げて、微妙な勢いを込めて吐き出す呼吸の荒っぽさは、頬の染まりも相まって色っぽく見えるのだった。
揉みしだくために指に力を込めてやり、着衣越しの膨らみを少しばかり押し潰す。じゅっ、と繊維の隙間からオイルは噴き出て、五指の間にある層が厚みを増した。
男はそのまま指に強弱をつけて揉みしだき、オイルのぬかるみと繊維の感触、それらを同時に介した触り心地を楽しんだ。
「こういった目的なのはよくわかりました」
済ました顔を気取りながら、しかし赤らみを帯びてしまった表情でルアンは言う。その僅かに細められた目に、相手を蔑む意思が含まれている事を男は見逃さない。
しかし、もう気持ちいいはずだ。
揉めば揉むほど、ルアンの顔には何かを我慢しているような歪みが強まる。唇の向こうで密かに歯を食い縛り、それが僅かな表情筋の変化をもたらして、一見そう変わりない顔立ちから快感を堪える気配が薄らと滲み出る。
「ハサミを」
この一言で背後の仲間からハサミは差し出され、男はそれを使った作業に取りかかる。
何故、予め脱がせておかなかったのか。
意識のある状態で脱がせる方が面白い。もちろん、目が覚めたら裸にさせられていた際の反応を拝むのも悪くはないが、今回は起きているところを脱がせる方の興味が上回った。
そして、拘束をしておきたい。
脱走のチャンスを与えないため、彼女の手首や足首にかかったリングを外すつもりはない。脱がせたいのだが、拘束も解きたくない。その上で裸にするための最適解は、破損させて徐々に取り払っていく事だ。
オイルを塗っていた二人の仲間は一度下がって、男は空いた脚の間に回ってハサミを入れる。
ルアンの衣装の中でも、最初はふんどしのように垂れ下がった部分を切り取った。ぐっしょりとオイルの染みた布を仲間に手渡し回収させる時、ぽたぽたと勢いよく滴が床に垂れていた。
布の一部が失われ、ルアンの顔には堪える風な固さが窺えた。ほんの少し、本当に少しだけ、表情筋に力が入って硬くなった表情は、どれほど変化に乏しくとも屈辱が表れているはずだった。
次に切り取るのは腹部から胸部にかけてだ。腹に潜り込ませるように刃を入れ、閉じ合わせる力で繊維を断裂させる。ハサミを開閉させながら前へ前へと、進むにつれて隙間から肌が覗けて見える。
「んっ…………っ、んぅ……………………」
息遣いが乱れている。
特にハサミを広げたり、前に進む際の、肌に擦れた瞬間の反応が目立つ。刃の裏側が触れた時、手が肌に擦れた時、ルアンに浮かぶのは何かを感じた表情だ。
「んっ、んぅ…………んぅ………………」
切り込みの長さを伸ばしていき、下から上へと進みきったその瞬間、男は前をはだけさせるため、上着と化した両側を掴んで左右に広げた。皮膚と布のあいだに粘り気ある糸が引き、剥がれにくいものをそれでも剥がして、べったりとオイルを纏った肌を剥き出しにした。
ぬらぬらと輝くブラジャーが顕わとなる。
それに向けてのカメラが動画を撮り、写真撮影の音声も四方八方から鳴らされる。視姦だけには留まらない辱めが顔を染めさせ、ルアンの頬はより濃密な赤を帯びていた。
今度はブラジャーを切るためにハサミを入れて、広げた刃を指の力で閉じ合わせる。繊維の質やオイルなど関係なく、あっさりと切り裂いてくれるハサミの鋭さで、ブラジャーはフロントホックも同然に前が開閉可能となり、男は即座にカップをどかしてやった。
着衣の上にまぶしたオイルは、それ相応の厚みを持つに至る量を注いでいた。
ならば、そのぬかるんだ着衣を取り除けば、現れた肌もまたぬるぬるとしているのは道理である。腹が艶めかしく光っていれば、胸もまた魅惑的な輝きを帯びていた。
オイル濡れの光沢に満ちた乳房に男はじっくりと視線を注ぎ、愛でるように形を確かめ高さを目測し、乳首の色を味わうように鑑賞する。
そんな中、一人の仲間が腕を伸ばして、カメラに搭載されたモニター部分をルアンへと見せつける。
乳房の写真なのだろう。
「よく撮れていますね」
ルアンは気取った風に返しているが、見せつけられた途端の頬のぴくりとした反応といったらない。恥辱感を刺激され、表情がほんの僅かにでも歪む瞬間を捉えるのは、殊の外に面白いことなのだった。
さて、まだまだ布は残っている。
地道な作業になるのだが、男は丹念にハサミを通してルアンの服を少しずつ布切れに替えていく。取り除けるような大きさに切り分けて、台と背中の隙間に入ったものも引っ張り出せるように調整して、その引っ張る際にはオイルのおかげでつるっと抜け出てくれていた。
スカートの部分が面積を失って、脚の付け根や下着があらわとなる。
ショーツ一枚の格好にまで至っていた。
そこへ――。
パシャ! パシャ! パシャ!
と、撮影時の音声を必要以上に大きく設定したものが鳴らされて、それがルアンを辱めた。聞かせる事で撮られている実感を与え、仲間が彼女に多大な羞恥をもたらしていた。
頬の色味が広がっている。
先ほどまで、顔の中でもその部分だけが染まっていたが、今やそれが上下に拡大して、赤らみに範囲が顎に届こうとしていた。
いずれはまんべんなく、顔中の全てが染まり尽くすのだろう。
その時を楽しみに、男はショーツの中にハサミを入れて、広げた刃を閉じ合わせる。そんな滑り込ませる際の接触で、ルアンは再び反応を示していた。
「んっ……」
性器に近い位置だからか、そこに物が擦れた刺激は、ルアンの息を乱させるには十分なものなのだろう。オイルに含まれた成分、それも媚薬成分の浸透が進んでいるおかげで、本来よりもよほど敏感なのである。
「んぅ……はぁ……んぅ………………」
右側に切れ込みを入れ、次に左側にもハサミを通して閉じ合わせた。手で引っ張れば抜けるようにしてやるなり、男は即座につまんで引っ張り出し、ルアンの性器を自分や仲間達の視線の元に晒してやった。
閉じ合わさった綺麗な肉貝がそこにはあった。表面にオイルを帯びた光沢でぬらぬらと、ぷっくりとした膨らみが輝いている。きっと縦筋の奥にまで染み込んでいるであろうオイルは、性器にも媚薬成分を浸透させて、ルアンに性的な興奮をもたらそうとしていた。
「お疲れ様です」
で、これがどうした?
とでも言わんばかりの、気取った労いの言葉であった。顔がちっとも染まっていない、息も乱れていない様子でそれを言うならもう少し格好がつくところ、残念ながらルアンの顔はまんべんなく染まっていた。
完璧な赤面である。
顎の先から額にかけて、染まっていない箇所といったら、あとは耳くらいなものではないか。
「顔を本人に見せてやれ」
そう言うと、仲間の一人が腕を伸ばして顔を撮り、モニター部分の表示を本人へ突きつける。その赤面ぶりを知ったルアンは、面白くもなさそうに小さくぼやいた。
「我ながらいい顔になったものです。私をこのように染め上げる事があなた達の目的でしょうか」
「もちろん、染めるだけではない」
「そうでしょうね。それにしても、あなた達は一体何人いるのですか? とても体が持ちそうにありません」
「なに、ちょうど良く楽しませてやる」
「是非とも遠慮したいのですがね」
「遠慮はさせない」
男は性器に指を置く。
「――――っ!」
ただぴたりと置いて、ほんの少しばかりの指圧をかけただけの話で、ルアンは表情を一変させて胴を少しだけ浮かせていた。薄らとしたアーチを成すなり一瞬で沈む反応には、いかに大きな快楽を感じたかがよく表れていた。
「感度が良好で何よりだ」
男はそのまま縦筋を上下になぞる。オイルをたっぷりと纏った光沢に指を滑らせると、ぬかるみの層を自然と押し潰す形となり、嫌でもそれを掻き取っている。滑りの良さを活かした軽やかさで活発に擦ってやると、ルアンはたちまち四肢をくねらせ始めているのであった。
「んはぁ……はぁ……あっ、ふはぁ……はぁ…………!」
呼吸が完全に、それも熱っぽく乱れている。尻が浮こうとする素振りによって胴体が上下にうねり、それに釣られた太股がもぞもぞと動いて見える。
指にはオイルだけではない、もっと別の理由によるぬかるみが感じられ、男はそんなルアンの濡れ具合にほくそ笑む。
「んっ、んんんっ……ふはぁ……はぁ……んっ、ふはぁ……」
「いい感じっぷりだ」
「はぁ……! はぁ……! そ、それは、どうも……んっあっ、んっふぅ……ふぅはぁ……はぁ……ひっふぅ……!」
乱れきった呼吸の熱っぽさといったらない。耳を澄ませて呼吸音を聞くだけでも、いやそれどころか録音して再生するだけでも、艶めかしい女性の姿がありありと脳裏に浮かぶ。
男は仲間に目配せした。
すると一人の仲間がルアンの頭上に接近して、上から腕を伸ばす形で乳房を掴んで揉み始める。
「はぁ……! はぁ……! はぁ……! はぁ……!」
ますます呼吸が乱れて勢いが強まって、吐き出す息は音を大きくしていった。肺が随分と膨らんでの激しさを帯びた呼吸によって、胸や肋骨が随分と上下している様子であった。
「ふっはぁ……! はっ、はぁ……! んっひふぁ……!」
頭上の男は指の強弱によって揉みしだき、乳房をたっぷりと捏ねている。それをいくらか続ければ、表面を撫で回すようなタッチに変わり、両手共々ぐるぐると動いて乳房の山をまんべんなくなぞっていた。
表面のオイルが塗り動く。
手の平が通り過ぎた瞬間には、まるで刷毛で拭い取ったようにして、オイルの厚みが何ミリか抉り取られた痕跡が残っているが、しかしぐるぐる回っているのだ。塗り伸ばして生まれる線の形は一定せず、何度でも同じコースを手の平が通過するので、表面にあるぬかるみの見栄えは秒刻みで変化を重ねていた。
「んんぅぅ……! はっひはぁ……! はぁ……ふぁ……!」
とうに乳首は突起している。
敏感になった部分を彼はつまんだ。親指と人差し指の指圧に閉じ込めぐりぐりと、淡い力で左右につねる刺激を与え、ルアンの呼吸はさらに荒っぽさを増していく。
「ふはぁ……! はっ、はぁ……! はぁ…………!」
「体はすっかり興奮しているようだ」
「はぁ……! はぁ……! そのよう……ですね……」
「いっそ楽しんだらどうだ?」
「まさか、楽しみなどできそうにはありません」
「そうかな?」
男は右手の指を挿入して、さらには左手の指でクリトリスを弄り始める。二点への刺激を開始するなり、ルアンはより快楽に煽られた表情で声を上げ、髪を振りたくってよがり始めた。
「んっあぁ……! あっ、んっあっ、あぁぁ…………!」
ピストンによって見え隠れする指の表面は、オイルではなく愛液こそをべったりと纏わり付かせて輝いている。クリトリスの小さく硬い突起を苛めていると、下腹部の筋肉がピクピクと蠢くように力んでいる。
脚が反射的に持ち上がろうとしているが、手首足首にかかったリングが四肢を台へと固定しているために上がらない。ただ上がろうとする素振りだけを見せ、太股と台の間に僅かな隙間だけを幾度となく作り出す。
「んっ! あっ、あぁっ! んっ、あっ、あぁ!」
乳首へのやり方が変わっていた。
ふと見てみれば、頭の向こうにいる仲間は、人差し指だけを使って責め立てていた。素早い上下によって乳首を激しく転がして、その刺激によってくねくねと、胴が捻れて肩が微妙に浮かんでいる。右肩が上がったり、左肩が上がったり、そんなモゾモゾとした挙動が止まらない。
「あぁ……! あっ、んぅあぁ……!」
いい具合に反応している。
媚薬様々な喘ぎ声を上げ、体をよがらせるほどに、その痴態は周囲の面々がカメラに記録しているのだ。
記録といえば、是非とも撮っておきたいものがある。
男は一度愛撫をやめて、後ろに立った仲間に合図を送った。
「開脚だ」
ルアンを拘束している台は可動電動式である。操作さえ行えば背もたれや四つのアームが角度を変え、駆動音を立てながらに分娩台のポーズを作り出す。
M字開脚がそこにはあった。
両腕は下へと下げる形となって、胴体はいささか持ち上がり、下半身をより目立たせたルアンと男は向き合う。
「撮ってやれ」
仲間へと指示すると、周囲で視姦に徹していたうちの一人が手を伸ばし、胴の横から忍ばせた手によって、ルアンの性器を指で開いた。
さらに別の仲間が股へ迫って、これみよがしにカメラを向けて撮影する。
パシャ! パシャ! パシャ! パシャ!
さしものルアンも顔から火を噴きそうになっていた。
「どんな気分だ?」
指の力でぱっくりと開かれた肉貝は美しい赤みを晒し、それを撮るためのカメラが大きな音声を鳴らしている。ルアンはアソコを撮られる恥ずかしさに苛まれ、苦悶と言っても良いほどの歪んだ表情で耳まで赤らめ、とうとう首から上には染まっていない部分などなくなっていた。
そこへまた、別の仲間が咄嗟に腕を伸ばして――パシャッ、と、ベストな表情を撮影する。
そのモニター部分には頬がぷるぷると震えるほどに力んだ表情が収まっている。撮った仲間は当然のようにカメラを裏返し、モニター部分をルアンへ見せつけ、これが今のお前の表情だと教えていた。
パシャ! パシャ! パシャ! パシャ!
アソコへの連写が続いているその中で、彼女は赤面しきった自分の表情を目の当たりにしている。
――私はこんなにも歪んだ顔を?
と、いかにも驚いていそうに目を丸め、動揺したように瞳を揺らし、しばし固まった末にルアンはぷいっと顔を逸らして、写真を見ないように努めていた。
「ねえ、ところでさ」
そんな時、上がって来るのは一人の女の声だった。
「あたしも楽しみたいんだけど?」
ルアンを囲む幾人もの顔ぶれには一人だけ、女性が混ざっているのであった。