前の話 目次 次の話




 妙に顔が赤い。
 校内テラスのテーブルに席を取り、今日も二人一緒に弁当を食べている和也なのだが、その視線はもっぱら頬の赤らみに向かっていた。
「うん? どうしたの?」
 当の本人は、そんな和也のことを逆に不思議がってきている。
「いいや、何でもないけど。なんかあった?」
「何かって?」
 あずさは首を傾げていた。
「いや、なんでもない。気にしないでくれ」
「ふーん? ヘンなの」
 何かを納得していない、訝しんでくる目を少しのあいだ向けられるが、次の瞬間には弁当の卵焼きを箸で持ち上げ、それを頬張り始めていた。
 結局、気にしすぎなのだろう。
 そもそも、何をそんなに気にすることがあるのかと、和也自身にもよくわからない。優という存在は、あずさを取られるかもしれないような、差し迫った危機感を抱くべき相手などではない。
 あいつはモテないだろう。
 と、軽んじる意識がない言ったら、正直なところ嘘になるが。
 それを抜きにしても、あずさの優に対する眼差しは、姉が弟を可愛がるそのものなのだ。そんなことをいちいち気にしているようでは、もしも自分の恋人が兄か弟持ちの相手で、ブラコンの気質があったとしたら、不要なところでやきもきすることも増えるだろう。
 実際、世の中には近親相姦などどれだけあるか。
 少なくとも、一般的な感覚ではないはずであり、そしてあずさの優の距離感では、まさに近親相姦の性癖でもない限りあり得ない。それだけ近しい身内としての感覚が出来上がっている。心配など無意味であると、わかってはいるものの、何故だか少しは気になるのだ。
 本当に、少しは、なのだが。
 気にかかる頻度はそこそこで、先ほどの授業前だって、あずさと優が同じタイミングでいなかったので、少しは胸がざわついたのだ。
(ま、そういうのも、これから減るだろう)
 和也としては、そのような予想を立てていた。
 今日の教室での様子を見る分に、優には無事に友達が出来ている。休み時間中にも、何やら話はしていたので、もう問題なく学校生活を送っているわけなのだ。
 あとはいざとなったら相談できる相手として、自分がいると告げておけば、義理は果たしたことになるだろう。
 あずさが優の面倒を見る理由も、だんだんとなくなっていくわけだ。
 気にかかる機会も、だから減っていく。
 それが和也の予想なのだった。
「ああ、ところで」
 和也はふと思い出す。
「ん?」
「今日、うちいけるんだけど」
 場所が場所なので、直接的には言わないが、今日は両親不在であり、家が空くという意味だ。誘いさえ出来ればそれ以上のことは口にしないが、和也があずさに求めているのは、つまりそういうことである。
「あー……」
 しかし、あずさは申し訳なさそうな顔をしていた。
「都合でも悪いか?」
 こんなことはなかなかない。
 が、皆無というわけでもない。
 あずさには女子同士の関係もあり、いくら彼氏だからといって、和也の相手だけをしてもらうわけにもいかない。それに加えて、女子には体調の良い日と悪い日があり、セックスに向かないタイミングというものもある。
 都合が悪いのなら、仕方がない。
「ごめんね。ちょっと……」
 あずさは微妙に言葉を濁す。
(うん?)
 それが和也には、何かを誤魔化す態度に見えたが、少し首を傾げたくらいで、わざわざ追求などしなかった。自分に対して、特別な隠し事などあるはずはなく、あえて問い詰め白状させてみたところで、どこそこへ買い物に行きたいだの、何かごく普通の予定が出て来て終わりに違いない。
 だから和也は、追求という発想しらしなかった。
 裏で起こっていることになど、まるで想像が及んでいないのだった。

     *

 少し時間を遡る。
 体育倉庫でのセックスを済ませた後、優はそこで昼食を食べた。せっかくの弁当を家で食べるのはどこか寂しく、かつ時間が微妙に余っていたので、さっさと食べてしまえば平気だろうと、あずさを隣にした状態で弁当の箸を進めた。
 食べ終わった後、デザートに母乳をお願いした。
「しょうがない子だ」
 などと、呆れた顔をされながらも、優は胸を出してもらい、乳首に吸いつき味わった。出て来る汁の味を舌に広げて、甘えた気分に浸っていると、やがて再び肉棒は元気になり、穿き直した短パンがテント張りに膨らんでいく。
「ママ……」
「うん?」
「……出したい」
「はいはい」
 子供のためならしょうがないようにして、あずさは手コキをしてくれた。乳房に吸いついている一方で、右手では肉棒を握ってもらう。搾乳手コキというシチュエーションは、優にとってはアダルトイラストでしか見たことのない、いわば創作上の世界観だった。
 正座のあずさに頭を乗せ、見上げることとなった下乳を、顔に近づけてもらっている。優自身も少しは頭を持ち上げて、どうにか乳首に吸いつきつつ、その上で肉棒をしごいてもらっていた。
「ちゅぅ……ちゅぅ…………」
 吸いつく音を立てていると、あずさの息遣いは再び乱れる。
「んぅ……んぁ…………」
「ちゅっ、ちゅぱ」
「あぁ……優…………」
「ちゅぱっ、ちゅぱっ、ちゅぱっ」
「可愛いね……本当に赤ちゃんみたい……」
 慈しむような視線が向けられる。
「ママ……」
 母性に包み込まれているような、安心感でならない心境に深く浸って、優は味覚と肉棒の二点に意識を集中する。吸い上げることで味わう母乳と、右手が軽やかに上下してくる手コキの手つきは、どちらも天国のように心地良い。
 きっと、あずさの手コキは上手なのだ。
 ほどよい加減で握り締め、優にとって丁度良い速度でしごいてくる。
「ねえ、今日はおうち、どうなの?」
 なんと、あずさの方から尋ねてきた。
 いつもは優から、今日は家が空いているなど、そういったことをしどろもどろに口にしていたが、あずさが自分から予定を確かめようとしている。その事実に胸が弾んで、幸いにも両親不在、妹もどこかに遊びに行くとかだったと思い出す。
「平気! 大丈夫!」
 がっつく勢いでそう答える。
「そーお? なら、帰ったらまたしましょうね?」
「本当?」
「うん。今日ね、平気な日だから。ゴムもなくって大丈夫だよ」
 実に優しく、子供を寝かしつけようとする母親のように、艶めかしい言葉を口にしていた。
「ママ……!」
 体の芯から喜びが溢れて来た。熱っぽいものが急速に満ち溢れ、全身が熱くなっていく感覚と共に、心臓は早鐘のように激しく鼓動していた。
 もう辛抱たまらない。
 色っぽく射精感が込み上がり、出そうなことを告げる暇もなく、あっ、と思った時にはもう白濁が弾けていた。精液は跳ね上がり、あずさは少し驚いた顔をしてから、すぐさま呆れたように言い出すのだ。
「あらら、ティッシュはある?」
「……うん」
「汚れちゃったね。拭いてあげるからね?」
「う、うん……」
 ティッシュの場所を伝えると、すぐさま取りだし拭き取り始める。何枚ものティッシュに吸い取られ、拭き取ろうとしてくる指先の感触を、優は肉棒やその周りの皮膚によって感じ取る。
「時間は……。あ、良かった。まだちょっと余裕があるね」
 思い出したように焦りかけ、しかし優のスマートフォンを点灯させ、時間の表示だけを確かめた時、すぐさま安心の顔をしていた。
 そのまま清掃を続行して、いつしか優は仰向けとなっていた。
 マットの上に寝そべりながら、体操着のシャツを少しだけ持ち上げつつ、下半身は脱ぎきった状態で、大の字に手足を広げていた。汚れを見つけて拭き取るために、股に顔を近づけ、観察をしてくるあずさの視線は、どことなくくすぐったいものだった。
「まったく、服が汚れなくてよかったよ」
 責めているようで、本気の非難というわけでもない。
 せいぜい、茶化してくる程度の言い方で、軽いジョブを打たれて優は微妙な顔をする。
「……ごめん」
「いいからいいから、じっとしててね」
 あずさの拭き取ってくる手つきは、ヘソの近くまで擦ってきた。腹にかかっていた滴まで取り除くと、今度は逆に下の方へと、玉袋を覗き込もうと、顔を股に潜り込ませる。まるで自動販売機やタンスの下など、低い位置の隙間でも見ようとするように、マットに頬を近づけた体勢で、四つん這いにほど近い形で尻を高らかにしていた。
 やがて、次の瞬間である。
「はむっ」
「あぁ…………!」
 あずさは口まで使い始めた。
 それも、睾丸への奉仕である。
「んっ、んむぅ……れろ、れろぉ…………」
 唇の内側に飲み込んで、唇の力によって揉みしだき、そして舌を使って舐め回す。睾丸からの快楽に、背筋を駆け抜ける電流で全身がぞくりと震えた。
「ちゅぱっ、ちゅぱっ」
 もう片方の玉袋にも、同じ奉仕が行われる。
「れろぉぉぉ……」
 さらには竿を舐め上げられ、舌によって拭き取られた。
 精液のぬかるみが取れる代わりに、唾液こそが表皮にへばりついていくのであった。

     *

 それから、放課後を過ぎてのこと。
 優といえば、早退のために早めに家に戻った後、一応はきちんと病院で診てもらい、せいぜい軽い捻挫として湿布の処方を受け取っていた。それを使うだけは使っておきつつ、あとはゲームでもやって過ごしているうち、学校終了の時間が来る頃には、スマートフォンにメッセージが届いていた。
『今から行くね』
 きっと、下校は和也と一緒である。
「彼氏は向こうだもんなぁ……」
 なんてことに思いを馳せ、決して恋愛感情を勝ち取っているわけではないことの寂しさに浸って過ごす。やがてインターフォンが鳴った時、飛びつく勢いで迎え入れ、あずさを家に上げるのだった。
(今は……こういう時間だけは……)
 和也には秘密にしての、二人きりの瞬間だけは、それでもあずさは自分のものだ。
 そんな優越感を抱いていると、ふふん、とニッコリ笑うあずさによって、何故だか優は風呂場へと導かれる。
「まずはシャワーから」
 脱衣所に入るなり、あずさはセーラー服を脱ぎ始める。
「う、うん」
 優も脱ぎ始め、お互いに裸になっていく。
 あずさの脱衣に目がいって、優はやたらに様子を窺っていた。セーラー服のスカーフを外し、フロントジッパーを下ろして前をはだけて、袖の中から腕を引き出す。純白のブラジャーを曝け出し、次はスカートを脱いで下着姿に、そして背中に両手を回す一連の姿をぼーっと、何かに魅入られたように観察していた。
 脱いでいく姿は、とても魅力的に感じた。
 その内側にある肌は、もう何度も見てしまっているというのに、どうして脱ぐという行為に目がいくのか。きっと、裸を守るべき防具が失われ、無防備になっていく瞬間への、何かのフェチシズムが優の中で働いているのだ。
「それじゃあ、入ろうか」
「うん」
 腕を掴まれ、導かれるままに優は風呂場に入っていく。
 まるで小さな子供と母親だ。
 あずさは子供を風呂に入れてやるつもりになりきって、こうして優の面倒を見ているのだ。どことなくウキウキと、楽しそうにして見える顔でシャワーを取り、湯加減を確かめながら優の身体にかけてくるところに、あずさの昔からの気質を思い出す。
 そういえば、幼稚園の頃にジュースをこぼし、着替えの面倒を見られてしまったことがある。さすがに遠い記憶のため、鮮明な映像としては蘇っては来ないのだが、年齢を考えると、親にしてもらった世話をそのまま人にしてみたくなったのではないかと思う。
 そして、その手の気質はあずさの中で今でも活き活きと働いてる。
 湯船にお湯まで張り始め、その一方であずさは自身の乳房に泡を塗る。メロンサイズの大きな大きな果実を自らの手で揉みしだき、表面を泡だくにしたところで、なんと乳房をスポンジ代わりにして、優の体を洗い始めた。
「はーい。座ってね」
 と、座らされ、まずは胸や腹部に向けて、あずさは乳房を押しつけてくる。
「あぁ……ママ…………」
「ふふっ、じっとしててね」
 あずさの身体が上下する。
 床で正座をした姿勢から、腰を上げ下げすることで、優の身体に対して乳房を上下スライドさせている。身体に向かって押し潰され、半球ドームが平らに変形したものが、そんな上下運動に合わせてぬめらかに動いている。
 前側をひとしきりやった時、後ろに回って背中にも、同じように乳房を押しつける。
「ママ……」
 優は完全にうっとりとしていた。
 本当に心地良かった。
 柔らかな感触に皮膚が癒やされ、細胞の一つ一つが溶かされていく。泡を活性油とした滑りもあり、表面をスムーズに滑り動く乳房の感触に、肉棒はみるみるうちに固くなり、射精への欲求も膨らんでいた。
 体が泡をまとっていく。
 腕すら乳房で洗うため、真横にしゃがんで挟み込む。二の腕が乳圧に押し潰され、肩から手首にかけての上下運動が行われる。もう片方の腕に対しても、あずさの身体もろとも動いての奉仕によって、だんだんと白い泡を帯びていた。
 さすがに胸ではやりにくい部分には、両手を伸ばしてきたものの、そうやって全身を洗われていくくすぐったさと、目一杯に甘えられる嬉しさに、優は大いに高揚していた。
「はーい。最後はここですよー」
 甘やかすような猫なで声で、あずさは股のあいだに入り込む。
 肉棒を胸で挟んで、泡だくのままにしごき始めた。ボディーソープをたっぷりと泡立てて、大きく膨らませた泡の固まりをいくつもいくつも、半球ドームの表面や優自身の身体に付着させ、そんな泡の数々を巻き込みながら、パイズリは行われた。
 にゅるっ、にゅるっ、と乳房は動く。
「あぁ……ママぁ…………」
 うっとりと、優は浸る。
「ふふっ、可愛い優」
「ママ……」
 パイズリに励むあずさの身体は、腰を浮かせる形で上下に動く。全身を使った動作によって、乳房の狭間に肉棒を抜き差しさせているのだが、持ち上がった胸から抜け出た竿が、また隙間に収まる瞬間の刺激といったらない。
 あずさが腰を上昇させる時、毎回のようにして、谷間に亀頭を突き立てた形となっているのだ。すると、乳房の位置がまた下がり、隙間に収まっていく際には、泡をたっぷりと纏った滑りよい刺激が亀頭を責める。
 そうして乳圧の中に収まって、谷間から亀頭が飛び出すと、また乳房は持ち上がる。
 乳房による慰めは、とうとう射精感を極限まで高めていき、亀頭の先から精液を弾き飛ばしていた。
「あっ」
 急に飛び出す白濁に、あずさは軽く驚いた顔をしながら、顎や鎖骨にかかったものをにこやかに指で拭い取る。
「もー。だから、出す時は言わないと駄目でしょ?」
「ごめん……」
「ま、いいよいいよ。流してあげるね」
 再びシャワーを手にとって、あずさは優の身体から泡を洗い流していく。
 そして、あずさ自身も体を洗い、お互いの身体を清めたところで、二人は一緒に湯船に浸かった。一人なら十分に広くても、二人では窮屈に感じる湯船の中で、密着し合う温かさを全身で味わって、優はその幸福感に浸っていた。
 あずさの背中が、胸や腹に密着している。
 一度出しただけでは萎えきらない、まだまだ固い肉棒も、尻にそのまま当たっている。優は両手を回して乳を持ち上げると、静かで軽やかな手つきによって揉みしだいた。
 ちゃぷっ、ちゃぷっ。
 と、水面の弾ける水音が響く。
 乳房がお湯に沈むだけ、深く浸かっているあずさの胸を、優が下から持ち上げる。下乳に指を絡めて揉む手つきで、あずさの乳首が水面で見え隠れを繰り返し、その際にちゃぷちゃぷと、水は鳴っているのであった。
「んぅ……んぅぅ…………」
 あずさが感じている。
 息遣いの変化は、もちろん耳に伝わってくるのだが、こうして密着している以上は、肺の動きも皮膚に伝わる。もしかしたら、耳栓か何かで聴覚を封じていても、今なら触覚だけであずさの興奮を察することができたのかもしれない。
「ねえ、優」
 あずさは言う。
「シたいでしょ」
 その言葉に、優は確信した。
「……うん。したい」
 今、下の方に手をやれば、アソコには愛液の気配が滲み出ている。それを確かめるべくして右手をやり、股のあいだへ差し込んだ時、やはり指にはぬかるみの感触が伝わって来た。
「……しよ?」
 あずさがおもむろに前を向く。
「うんっ」
 優はすぐさま、その場で挿入を試みた。
 今日は安全日で、ゴムがなくても平気だと、体育倉庫の中で聞いた言葉を思い出し、生の感触を是非とも味わってみたいとばかりにワレメを狙う。押し倒すかのように脚を開かせ、亀頭を数センチほど差し込むと、優はそのまま一気に貫いた。
「んぅぅぅ…………!」
 そして、あずさは大きく喘いだ。
「ママ……ママ……!」
 夢中になって腰を振る。
 肉棒をまんべんなく包み込む天国のような快感に、優はたちまち興奮しきって、腰を活発化させていた。無我夢中になってピストンを行いながら、抱き返してくるあずさに向かって、ひたすらに腰を振っていた。
「あっ、あぁ……あぁぁ……!」
 あずさが喘ぐ。
 その色艶のかかった表情をもっと見て、色っぽい声をもっと聞こうと、優は懸命になって膣内を抉り抜く。腰振りの勢いが水面から飛沫を上げて、びちゃびちゃと大きな水音を鳴らしていた。腰が何度も繰り返し、水面を内側から破り続けていた。
「ママぁ……もう……もう……!」
 射精感が込み上がる。
 その限界近い感覚は、ゴム付きでする時に比べて明らかに早かった。
「うん、いいよ……優……!」
「ママぁ……!」
 優は腰を深く押し込み、根元まで差し込んだ状態で肉棒を脈打たせる。膣内に撒き散らし、少しでも欲望を発散したことで、初めて冷静になったように見つめ合っていた。
 お互いに、肩で息をしていた。
 しかし、その全力疾走直後のような、息切れめいた呼吸にも関わらず、二人の体にはまだ元気があり余っている。
 じっと、見つめ合っていた。
 熱に浮かされ、欲望にとろけた瞳で、ただただ無言で見つめ合い、二人一緒に余韻に浸り合っているのであった。



 
 
 

コメント一覧

    コメント投稿

    CAPTCHA