三人揃って、露店街に立っていた。
「え!?」
そして、急に現れた三人組を前にしたことで、店主がぎょっとしていた。
指輪を嵌めた途端に裸になり、そのまま代金を払わずに消えたこともそうだが、こんな形で戻って来た上、しかも未だに裸でいることへの驚きが、その表情には嫌というほど浮かんでいる。
しかも、見れば奇妙な衣装に替わっている。
紐でしかないショーツ、紐でしかないブラジャーに、ちょっとしたアクセサリーのかかった卑猥な衣装は、いっそ全裸よりもいやらしい。
ミーシャは反射的に畝とアソコを隠していた。
裸を見られて恥ずかしいのは当然でも、今の心境はそれだけでは済まされない。裸体の上に珍妙な衣装が重なっているので、こんなにもおかしくてマニアックな姿など、余計に見られたくないのである。
周囲の注目も集まっていた。
「なんだありゃ……」
「なんか急に現れたぞ」
「どういう魔法だ?」
「いや、それよりあの格好の方だろ……」
周りのざわめく声で、ミーシャは気づく。
いくら指輪のせいで飛ばされて来ようとも、人からすれば裸の少女が急に現れて見えるだろう。それも、こんな露店街の中だ。露出狂の変態が現れて見えかねないことに気づいて、ミーシャは絶望さえ抱いていた。
「ちがう……私、そんな……」
好きでここに現れたわけではない。
好きでこんな格好をしているわけでもない。
しかし、事情を知らない人にはどう見えるか。そこに想像が及ぶことで、恥辱感は急速に広がっていた。
「いやぁ……!」
胸とアソコを隠してしゃがみ込む。
「と、とりあえずっ」
「ああ!」
銀髪少年と金髪少年は機転を利かせ、身を盾にミーシャに寄り添う。
囲むといっても、二人きりでは周囲の視線を防ぎきれないが、ともかく自分達の身体を壁にして塞ごうと、身を寄せ合ってミーシャの後ろに控えていた。
「……なんだか、よくわからないんだけど。君達、一体どういうわけなんだい?」
そこでようやく、店主は当然の疑問を口にした。
「それに、指輪も……」
他にも色々と言いたいことがある風にしていながら、しかし店主がひとまず指摘するのは指輪であった。
「あの……私……」
「ええっと、だね。ひとまず、代金を払いに来たのかな? いや、お金も大事だけど、指輪を嵌めた瞬間から服が消えたように思うんだよね」
「そ、そう……! 指輪のせい」
ミーシャは事情を説明した。
これがとんだ呪いの指輪であり、有象無象の骨董品に紛れて市場に流れていたことと、その影響を受けてまともに服を着ることができなくなったこと。契約解除の条件を満たさない限り、決して外せないことも伝えると、さしもの店主も神妙な面持ちとなっていた。
「うちの商品のせいでそうなったなら、まあ代金のことはいいとしよう。それよりも、契約解除の方が問題だね。そのせいで、こんな場所にそんな格好で現れることになるなんて……」
店主の視線がミーシャを向く。
周囲から刺さる視線も、たった二人の少年だけでは塞ぎきれずに、ミーシャに対する奇異の眼差しが集まっている。
衆人環視の中で羞恥に震え、ミーシャは小さく縮こまっていた。
『立ってみんなに見てもらえ』
「でも……」
『さあ、立て。二人も、どくんだ』
逆らえば、どんなペナルティを発生させるかもわからない。
少年二人は躊躇いながら横にどき、自分達を壁とした封鎖を取りやめる。ミーシャに殺到する視線の量は一気に増え、この露店街にはざわめきが広がっていた。
ミーシャは立とうとした。
恥部に視線を浴びるのは嫌だったが、ペナルティで今より酷い目にも遭いたくない。
だが、振り向くことすらできなかった。
今は店の品台に目を向けて、衆人環視の存在から視線を背けているのだが、振り向けば自分を視姦する人々の存在で視界が埋まり、ますます恥ずかしくなってしまう。現実を見たくないかのように、体の方が振り向くことを拒否していた。
人々には背中だけを向けてしゃがみ込み、せめて肌の見える面積だけは最小限に抑え続けていたかった。
そして、そんな反射的な躊躇いさえも、指輪は命令無視と見做してしまう。
『逆らったな。ペナルティを与える』
「待って! 私はちゃんと……!」
『もう遅い』
その瞬間、ミーシャは立った。
だが、それはミーシャ自身の意思によるものではない。指輪から流れる魔力が身体を駆け巡り、肉体を内側から操作されていた。手足や胴に見えない芯を通されて、思い通りに操られる感覚が確かにあった。
『またオナニーでもしてもらおうか』
そして、ミーシャは浮遊した。
指輪の魔力で宙に浮かされ、ポーズまで操作されることにより、ミーシャは大衆にM字開脚を披露していた。
「やぁ……!」
あまりのことに、ミーシャは咄嗟にアソコを隠そうとする。
しかし、身体操作を受けている今、そうしようとする反応こそあっても、実際にそのように身体が動くことはない。指輪の思い通りのポーズに固定され、ミーシャは顔を横に逸らすことさえできなかった。
両手が勝手に動く。
ミーシャ自身の意思とは関係無しに、まずは左手の指がV字に開き、ワレメの中身を衆目に晒してしまう。
「ど、どういうことだ?」
「変態ショーか何かか?」
「よくわかんねーけど、見てもいいってことだろ?」
大衆にとって、この一連の流れは理解できない事態である。急に現れ、急に宙へ浮かんで性器の中身を晒すなど、理解できる行動のはずがない。そして、それら全てが指輪のせいで起きていることであるのも、無関係の人間にはわかりようのない話だ。
「お嬢ちゃん。遠慮無く見学させてもらうぜ?」
一人の男が迫って来る。
「おっしゃ、俺もだ」
「僕も僕も」
オロオロしたり、困惑してばかりの大衆から、何人かの男達がぞろぞろと、ミーシャの性器を望み通り視姦しに来た。
人からすれば、今のミーシャは露出狂にしか見えない。
違う、そんなんじゃない。
そうではない、見ないで欲しいと、ミーシャは目で必死に訴える。
『これより、これ以上の者に事情を伝えることは禁止とする』
それはミーシャや少年二人、既に知ってしまった店主など、限られた者同士だけに発せられる<思念通信>だった。
そんな――と、悲痛な思いがミーシャに浮かぶ。
『伝えた場合、ペナルティを与える』
事情をわかってもらう道さえ断たれ、人から見たミーシャはあくまで変態であり続けることになる。
じぃぃぃぃ…………。
三人もの、名も知らぬ男の視線がアソコの中に突き刺さる。
脇の二人の少年と後ろの店主は、ミーシャがそうして視姦されている光景をただ見ているしかない。彼ら三人は事情をわかっている以上、契約解除のことも考えれば、止めるに止められない。
ミーシャは必死に羞恥を堪えていた。
桃色の肉ヒダに注がれ続ける視線によって、粘膜が徐々に愛液を滲ませる。それは指輪による感度操作だが、もちろん他人にわかることではない。
「なんか濡れてきてるな」
「なあ、アンタって何でこんなことしてんだ?」
「誰かに脅されでもしてんの?」
揃ってミーシャの顔を見上げて尋ねてくるが、正直に答えることはできない。
『露出願望を成就するためと答えろ』
「やぁ……」
反射的な拒絶の意思が、またも口を突いて出て来てしまう。
『ふむ、ペナルティだ』
「……っ!」
一気に感度が上がった。
その瞬間、ちょうど良く吹いてくる風に肌を撫でられ、アソコの中身も大気に擦られ、たったそれだけのことが気持ち良かった。
「んぅぅ……!」
愛液がじわりと増える。
「マジマジ?」
「興奮度アップじゃん?」
「え、やっぱ露出狂? 好きでやってる感じ?」
『肯定しろ』
「……そ、そう。好きで、やってる」
頭の中身がねじ切れそうだった。
恥辱感の膨らみで頭を内側から圧迫され、本当に中身がどうにかなりそうだった。
「へぇぇ?」
「じゃあ何? 付き添いの少年はガードみたいな?」
「護衛をつけてまで露出願望を満たそうってか?」
露出を肯定したせいで、銀髪少年や金髪少年の存在は、三人の男の中でそのように解釈され、ミーシャに対する目つきも変わる。元からいやらしい目で見てきていたが、彼らの中から他の可能性は消えてしまったのだ。
誰かに脅され、無理矢理やらされている。
指輪に言わされてとはいえ、ミーシャ自身の口からその可能性を潰してしまい、他者から見たミーシャ・ネクロンは、もう本当に変態露出狂でしかなくなってしまっていた。
「うわっ! クリすっげ!」
「その紐みてーなパンツも意味ねーじゃん!」
「アナルも丸見えだぁ!」
男達は言葉によって辱める。
「うぅ……!」
ミーシャはそれに苛まれた。
紐状の下着が開ききった割れ目にかかっている。突起して膨らむことで、内側から紐を押し退け、ゆうに一センチの大きさにまで達していた。
「ってか、それ何?」
「エロアイテム?」
「チンポの代わりかなー?」
ミーシャのアソコには、指輪が出現させたディルドが入ったままになっている。そんなディルドもまた、紐を下から押し上げているのだ。
そして、その下には肛門が丸見えになっている。
脚を左右に開ききり、柔軟性の許す限り限界まで開帳しきった股からは、そのせいか尻の割れ目まで広がって、皺の窄まりが見えているのだ。Tバックの紐が微妙に隠しつつ、しかし鉛筆よりも細い紐で隠れる面積など、本当にたかが知れていた。
『ディルドオナニーをしろ。魔力でピストン状に動く。振動させることも可能だ』
「うっ、うぅ……くぅ…………」
ミーシャは猛烈な恥辱を顔に浮かべた。
「エロアイテムって言ったか?」
「アソコに物を入れてるってことか?」
膣に物を入れていることが大声で暴露され、それが周囲にも伝わっているのだ。アソコに異物の入った状態で、こんな人の大勢いる場所に現れるなど、あの子は変態露出狂ではないかとヒソヒソと噂し合うざわめきが広がって、その空気が伝わって来る。
変態、頭がおかしい、どうかしている。
ミーシャに対する視線の数々は、理解不能なものに対する奇異のものが増えていき、せっかくの裸を見ておこうとする男も徐々に数を増やしてくる。あからさまに近づいて来たのは三人だけだったところから、さらに人は増えていき、見る間に七人にまでなっていた。
その誰もが遠慮無い視姦を行う。
好きで露出しているはずなのだから、遠慮するべき理由が何もない。
こんな状況でオナニーなど、もう恥ずかしさで死にそうである。
『やるんだ』
しかし、ペナルティも怖かった。
ここまでの目に遭わされて、その上でペナルティとなれば、一体どんな地獄の展開が待っているかもわからなかった。
ミーシャはディルドに魔力を込める。
ディルドはそのように作られた魔法道具で、魔力さえ込めればコツがわかった。少し意識してみれば、ピストン状に動かし膣に出入りさせるのは、本当に簡単なことだった。
「んぅ……んぁあっ、んはぁ……あぁぁ…………!」
すぐにミーシャは喘ぎ始めた。
「ま、マジかよ……」
「魔力で動かしてるのか?」
「オナニーしてるってこと!?」
「公開オナニー!?」
「お前、マジで変態だな!」
「普段どんだけエロいんだよ!」
男達は興奮していた。
違う、違う!
好きでしているわけじゃない!
悲痛な叫びが顔中に滲み出て、もはやそう書いてあるも同然に、ミーシャの表情はわかりやすいものとなっていた。
しかし、それを真に受ける男はいない。
わざわざ裸で現れて、周りに人を集めてこんなことをする以上、この子は本物の変態に間違いない。わかりやすいはずの顔を見たところで、一度思い込んだ男達には読み取れず、ミーシャのことをもう鑑賞物としてしか見做していない。
嬉々とした眼差しが広がっていた。
「どんだけ汁出てんだ?」
「だらだらじゃねーか!」
そんな嬉しそうな声の通りに、ミーシャのアソコは多量の愛液を滲ませて、ポタポタと水滴まで落とし続ける。
しかも、ミーシャはすぐに絶頂していた。
「………………っ!」
急にビクっと体が弾け、アソコから噴水が舞っていた。
「うおっ」
「あぶねぇ!」
その潮吹きに、前にいた男ほど驚いていた。
「ってかイったのか?」
「間違いねーよ」
「絶頂しやがった」
「どこまで変態なんだよ」
今の絶頂は変態度をより裏付ける証拠のように捉え始める。
『やめるな。まだ続けろ』
そんな……もう許して……地獄の拷問に耐えかねているような、羞恥に歪みきった表情で、目尻に涙まで浮かべながらも、ミーシャはオナニーを続けていた。
くちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅり、
ディルドの出入りが水音を鳴らす。
手で触れることなく、魔法によって動かしているため、まるでディルド自体が意思を持つかのように見えるだろう。紐を内側から押し上げて、奥を貫く際はその押し上がった紐が引っ込んでいる。
紐ショーツがピストンに合わせて伸び縮みを繰り返し、地面に垂れる水滴の量はしだいに増えつつあった。
「んぁぁぁ……!」
首を仰け反らせ、またしても絶頂する。
その潮吹きに、男達は再び咄嗟の反応を示し、顔や身体を少しばかり引っ込めていた。
そして、二度目の絶頂を迎えて間もなくだ。
「あぁぁぁぁぁ…………!」
脚がビクビクと痙攣しながら、微妙な開閉を繰り返し、続け様の潮まで周囲に撒き散らす。
「二回連続か?」
「すげぇ、そんなに気持ちいいのかよ」
「お嬢ちゃーん? みんなに見てもらうオナニーは楽しいですかー?」
「よかったなぁ? こんなありえねぇ変態願望を満たせてよぉ」
身体操作でポーズを固定されてさえいなければ、それら言葉の数々に対して、ミーシャは必死に首を振っていたところだ。違うのだと、本当はやむにやまれぬ理由があるのだと、わかって欲しくてたまらなかった。
『次にイク時は、大きな声で「イク」と叫びながらイケ』
その命令に、ミーシャの顔には絶望が浮かんだ。
そこまで……。
そんなにまで、恥ずかしいことをしろというのか。
羞恥を伴う命令に対して、まるで死を強要されたかのような暗い面持ちを浮かべ、しかしその絶望は、可愛らしくも真っ赤に染まりきっていた。
そして、ミーシャは絶頂を見返る。
「い、イク……! イクぅ……!」
腰が痙攣して、愛液が弾け飛ぶ。
地面の石畳には、水滴を執拗にバラ撒き続けた染みが広がり、さらにはアソコから糸まで引いていた。水滴が垂れる際、その粘性から長々と糸が伸び、それが風にぷらぷらと揺れた挙げ句にぷちりと切れて、その水滴分の染みがまた増える。
もはやミーシャの真下には、水が染み込むことで円形まで出来上がっていた。
綺麗に製図したわけではない、放射状の潮吹きが何度も重なり続けることで、たまたま円に近づいた歪な図形は、そこからメスの香りを漂わせる。
「イクぅぅぅぅ…………!」
また、そこに水分が足されていた。
潮吹きが成す一瞬の雨により、石畳の表面はもうそれ以上の愛液を吸収できない。なおもその部分を濡らそうものなら、水溜まりが作られ始めるはずである。
「イっ、イク! またイク!」
早速、水滴が足されていた。
濡れきった石畳の表面に、さらに降り注いだ雨により、凝視して細かく観察しないと発見できないような、本当に微妙な水溜まりがそこには出来た。
テーブルに数滴だけの水を垂らして作る小さな小さな円形程度の、水溜まりと呼ぶには微妙かもしれない、鉛筆の尻よりも小さな円は、まだまだ数を増やし続ける。
「んあぁぁイクゥゥゥゥ!」
ミーシャは何度も、何度も何度もイキながら、真下に水滴を降らせていた。
小さな円形が数を増やし、円形同士がくっつき合い、いつしか本当に水溜まりらしい水溜まりが完成しそうな勢いだった。
そして、その次の瞬間である。
ジョォォォォォォォォ…………。
ミーシャは失禁していた。
絶頂の連続で何かが緩み、なかったはずの尿意が急に溢れて、知らず知らずのうちに放尿していた。
「ま、マジか……」
「おいおいおいおい」
皆、呆気に取られていた。
確かに異常なほどに絶頂を繰り返し、一体あと何回イったら気が済むのかと思った者も少なくない。
だが、まさか失禁とは、近くに集まる七人も、遠巻きの野次馬に徹している人々も、さすがに想像していなかった。
円はみるみるうちに広がっていく。
イクたびに濡れていた地面の、地道な染みの広がり方に対して、放尿はいっそ呆気ないほどに面積を広げていく。
その尿が周りの靴に達しかけ、七人の男達は思わず後ずさる。
滴り落ちる黄金液が石畳の上に弾けて、愛液の香りを尿の香りへと書き換えていく。
ミーシャは気絶していた。
幸か不幸か、自分は大勢の人々の前で放尿しているとは、少なくとも今この場で知ることはせずに済んでいた。
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