後編
最初のうちは仰向けに倒されて、胸や太もも、アソコを中心として撫で回された。人が抵抗できずにいるのをいいことに、メイド服の上から乳房は揉まれ、アソコの穴にも指が出入りしてくるのだ。
「あっ、あぁぁ……!」
しかも、気持ちいい。
感じたくもない状況で、しかし体は反応する。
衣服の下では乳首が硬く敏感に、膣口へのピストンが続くうち、クリトリスも突起して、太ももに手の平が這うことさえも気持ちいい。
「あっ、あっ、あっ、あっ……!」
出入りを繰り返す指は、汁気に合わせて徐々に活発となっていき、ペースが上がる分だけ喘ぎも激しいものとなる。
「あっんぅ……! んあっんあっ、あっ、あぁ……!」
下腹部でまた何か膨らむような、見えないものの膨張を感じた時、その数秒後にはビクっと腹部が跳ね上がる。背中がアーチとなって浮こうとするように、胴が持ち上がると同時に、今度は潮すら吹きながら、カゼマルは絶頂を果たすのだった。
滴は周囲に飛び散って、男達の衣服にも付着している。
「へへへっ」
「随分とまあ、気持ち良かったみたいだなぁ?」
だが、そんなことには頓着せず、カゼマルに快楽を与えたことこそ喜んでいる。
「…………ご満足ですか」
薄らと敵意を抱いた目で、カゼマルは自分のことを覗き込む顔の数々に視線を走らせる。こんな状況になってですら、まだ任務のことが頭にあり、目が自然と情報を掻き集めていた。
男達の顔を覚えようとしていた。
もちろん、貴族の男の顔や声、立ち振る舞いも――。
「ふむ、そのノーマルなプレイもいいが……」
ふとした拍子に、貴族の男の声がかかってくる。
その瞬間、男達は一斉にピクっと反応して、それぞれ少しばかり振り向きながら、貴族の男の言葉に耳を傾ける。
「そろそろ、私の見たいものを見せて欲しいね」
自ら参加するのでなく、手下達に犯させて、その光景を楽しむことこそ、貴族の男の性癖なのか。
途端、カゼマルの身体は逞しい腕によって持ち上げられ、力尽くで体勢を変えるようにして、顔が椅子の上へと乗せられていた。
カゼマルにかかっている厚めの板は、椅子の上にしっかり立ち、まるでベッドや台に上半身だけを乗せての四つん這いのような、尻を突き出した形となっていた。
左手のすぐ近くに背もたれはある。
顔の方には、一人の男がニヤニヤと回り込み、頬を優しく撫でる手つきで、人の表情を覗き込んでいた。
「お前のアナルで感じる顔を見てやる」
「いい趣味ですね」
スカートが捲られる。
ディルド入りの尻があらわとなり、少しばかり赤らむカゼマルから、そのディルドが引き抜かれる。
これまでずっと、眠っている時から入っていたものが抜け出たことで、それはそれで逆に違和感があるような、皮膚に感じる寂しさが肛門や腸に広がる。
また新しい道具でも使うのか、何なのかと思っていた時、すぐに聞こえる金属音にカゼマルは戦慄した。
「もしかして……」
カチャカチャと、ごく僅かに聞こえる小さな音は、ベルトを外そうとするものに他ならない。後ろで起きる出来事は、カゼマルには音としてしか伝わらないが、真後ろの男はすぐにチャックを下ろしてズボンを脱ぎ、トランクスの中身まで剥き出しにしているのだった。
「汚いですよ。後ろは」
もちろん、かといって本来の穴に挿入されても困る。
ただこれから起こることへの拒否感から、本当はどうにかしてその展開を阻止したい思いから、口を突いて出てくる言葉がそれなのだった。
「構わん」
挿入する側からしてみれば、カゼマル本人は知らずとも、腸内洗浄は済んでいる。便の欠片もない、比較的清潔な状態の中へ入れることに、ここにいる男達は何の抵抗感も抱いていない。
「……そうですか」
カゼマルは身構える思いで覚悟を決める。
抵抗ができない以上、起きると決まった出来事は受け止めて、何とか耐えきることくらいしか、他に選択肢などないのだった。
肛門に切っ先が触れる。
前の穴ですら、膣口以上の太さが来れば、少しは抵抗が働くはずだ。穴の幅に見合わない、太いものでは入りにくい、自然な抵抗が発生するはずだとカゼマルは思っていた。
ところが、それは起きない。
挿入しようとしてくる力がかかり、先端が少しでも穴に埋まった時、カゼマルの肛門はみるみるうちに広がって、あまりにもあっさりと、その肉棒を飲み込んでいた。
「え……!」
驚いた瞬間には、もう根元まで収まって、さらにピストンすら始まっていた。
「あっ、あぁ! あっあっあっあぁ――!」
そして、ディルドの振動とは比べものにならない、もっと大きな快楽に翻弄され、カゼマルはたちまち喘ぎ声を吐き散らし、大胆なグラインドによって揺らされていた。
津波の勢いで、背骨を伝って襲ってくる。
今こうして入っている肉棒は、先ほどのディルドよりも細く、長さも短くなっている。サイズに劣るものなのだが、大きさなど関係無しに、そのピストンはカゼマルに多大な刺激をもたらしていた。
「あっがっ、あぁ……!」
頭の中身が快楽に洗い流される。
奔流に満たされて、他の何もなくなりそうな激しさによがり、カゼマルはひたすら喘ぎ続けるだけの存在とかしていた。
「あぁあぁ! あっ! あぁ! あっ、あぁぁ!」
また何かが登り詰め、弾けそうな予感がする。
既に二回も絶頂していれば、三回目が迫っていることなどすぐに悟って、カゼマルはその危機感に煽られる。このままでは危ないような、回避すべきものが近づいて来ているのに、身動きの取れない歯がゆさに、ぐっと歯を食い縛る。
だがその力んだ顎も、迸る快楽電流によって力を抜かれ、すぐに開き直していた。
「あっ! あっ! あっ! あん!」
声を抑えられすらしない。
そして――。
「あっくぁ――――――――」
また、イっていた。
今度は腰から脚にかけてがビクビクと痙攣して、震えた末に滴を撒き散らす。ちょっとした潮として噴き出た滴は、両膝の内側に散乱していた。
「あっ、はぁ……んはぁ……あっ、んぅ…………」
カゼマルは顔を歪める。
イカされてしまった悔しさもさることながら、イカせたら終わりのように引き抜かれ、肉棒が取り除かれても、なおも気持ちいい感じがする。
今までピストンの続いていた余韻から、何の刺激もないのに皮膚が勝手に快楽を分泌するように、淡い気持ち良さが微弱ながらに続いている。
「休む暇はないよ?」
貴族の男が言う。
すると、その通り次の男が後ろに立ち、同じくベルトを外してズボンも脱ぎ、トランクスの中身を解き放つ。それをカゼマルとしては耳だけで感じ取り、次の挿入に合わせて身構える。
「んじゃ、二番目はもらうぜ?」
きっと代わる代わるに犯されて、尻の穴には全員の肉棒が収まることになるのだろう。
ずにゅぅぅ――と、二本目の肉棒が入ってきた時、それは先ほどよりもずっと太く、しかし長さで言えば短かった。
当然、形状には個人差があることだろう。
その太さや長さにまつわる差異を、カゼマルは肛門から感じ取っているのであった。
「くっ、んぅ!」
ピストンが始まると、その快楽にまた喘ぐ。
「くあっ、あん! あぁん! あっ、あふぁっ、ひっ、いやっあっ、んぅぅ――やっ、あぁ――――」
腰振りによって、尻がパンパンと打ち鳴らされた、
一定のリズムを刻まんばかりに、パン、パン、パン、と、規則的に音は続いて、カゼマルの喘ぎのいつしかそれに合わせたものとなっていく。
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ――」
だがそのリズムも、いつまでも一定のものではない。
「あっ! あっあぁ! あぁ――」
しだいにペースが上がったかと思いきや、たちまち激しいものへと切り替わり、カゼマルはその激しさに翻弄された。
「あぐっ、ぐあっあっ、あぁ――あぁぁ――――!」
男のピストンは長らく続く。
実に数分以上にわたって身体を揺さぶられ、その勢いでもって前後に揺らされ続けることになるのだが、当然やがては果てる瞬間がやってくる。
「あぁぁぁぁぁぁ――――――!」
また、絶頂した。
仰け反るように胸を浮き上げ、やはりビクビクと震えた時、カゼマルは自分の背中に精液がかかっていることに気づかなかった。
既に汁気を吸った痕跡を残した上に、さらに再び振りまかれ、散らかる精液の滴が吸水によって姿を消しつつ、そこには確かな水分の染みを作り上げていた。
三人目の挿入が始まると、カゼマルはまた大きく喘ぐ。
「あっ! あっあん!」
どちらかと言えば細長い、最初の男よりも奥まで届く肉棒に貫かれ、その出入りが生み出す摩擦は、肛門の皺の部分に快感を生み出している。
アソコから滴り溢れ、分泌量を増す一方の愛液は、やがて糸すら引いていた。
「あぁっ、あん! あん! あん! あん!」
突かれる衝撃に揺られ、垂れ下がった糸はぷらぷらと、やや激しく前後する。
「あぁっ、んぅぅぅぅ――――!」
またイっていた。
体中を強張らせ、縮まるように痙攣して、しかしピストンは止まらない。カゼマルがイこうがお構い無しに続けられ、その絶頂から大きく遅れて射精に至る。
また背中に振り撒かれ、染み込むものがいよいよ皮膚に到達して、カゼマルはその温度を感じ取る。
(これ以上……イカされたら…………)
一体、いつまでこんなことが続くのか。
あと何人残っているのか。
「んっくぅぅ――んぅぅ……!」
カゼマルはまた喘ぐ。
「あっいや! あっ、やぁっ!」
今度は先ほどと同等の長さに加え、太さも兼ねたものに抉られる。そのストロークで貫く時、丸く大きく広がっている肛門は、内側へ向かってよれ込んで、引いていく時には逆に皺が引きずり出されんばかりとなる。
このピストンによっても、カゼマルは絶頂に近づいていた。
(ま、また――また……!)
イクことに対して戦慄を始めていた。
あとどれほど続くかもわからない、延々と体を嬲られ続ける地獄で過ごすばかりか、絶頂すら刻み込まれる。そのたびに頭が真っ白になり、体の中で電流が弾ける感覚に、いつまで耐えていられるか、カゼマルは不安を抱いていた。
「んっくぁあああああ…………!」
またイった。
床へ俯き、前髪を垂らしていたカゼマルは、その激しい刺激に合わせて前を向き、持ち上がった顔で大きな口を開けながら、床に潮を噴射していた。
そしてまた、射精さえ終われば交代となり、次の肉棒が入ってくる。その時の男によってもイカされて、さらにまた次の男が挿入してくる。
一人ずつ順番に交代してくる男達の、一人の肉棒につき必ず一度はイカされていた。
「あっぐあっ――あぁぁぁ――――!」
また体中がビクっと震え、アソコからの糸が伸びてはぷらぷら揺れる。その勢いですぐに床まで到達して、少しのあいだ細い糸の柱として存在を維持しながら、やがて急に縮れたように消失する。
「なあ、次は誰だった?」
「俺だろ俺」
「おいおい、僕はまだか?」
「こんだけいるんだ。我慢しろ」
カゼマルは軽く青ざめていた。
一体、いつになったら最後まで終わるのか。一人当たり何分など、決めているわけでも計算をしているわけでもなく、本人達にすらわからないのだ。
「あっ、あぁぁぁ………………!」
次の肉棒が入ってから、そして絶頂するまで、今度はそう時間はかからなかった。
ものの数秒でイった上、しかし男の方は何も出していないから、イこうが喘ごうがお構い無しにピストンは続けられ、背中を汚され交代となる。
「あっぐぅああぁぁ――――!」
一体、何回イったのか。
だんだん、わからなくなってくる。
「こ、これ以上……ひぐぅ……!」
もう勘弁して欲しい。
しかし、情け容赦なく次の挿入が行われ、またピストンが始まってはイカされる。
「んっおあっ、あぁぁぁぁ――――――!」
これだけ散々、頭が真っ白になり、体中も痺れたカゼマルは、疲弊感も抱えながら懇願の目を浮かべ始める。
「もう……許し――ひっあっ、あっ、あっ、あぁ……!」
完全に弱り切っていた。
いつまでイカされ続けるかもわからない、延々と続く快楽という名の地獄で、このピストンでもやはりまた絶頂し、そのまた次でも、さらに次でも、カゼマルの恥部は噴射を繰り返す。
その一回ごとにまた、カゼマルはどんどん弱り続けた。
いつまで続くのか、いつになったら解放されるのか。
もう、もう……。
そんな思いばかりが膨らむようになり、やがてようやく、最後の一人の挿入が行われた。
「さあ、私で最後だ」
貴族の男であった。
今までの誰よりも大きなものが肛門を押し広げ、カゼマルの中で動き始める。
「あっがぁ! あぁっ、ひっ、んぅ!」
最後の最後まで、激しい快楽に襲われていた。
「あっ! あっ! あっ! あっ!」
長大な逸物が抉り抜き、脳天まで届かんばかりの稲妻がその一回ごとに駆け抜ける。背骨を綺麗に貫通したかと思いきや、その痺れは指先にまで至っており、カゼマルはもはや気持ち良さのあまりに泣きそうだった。
涙目になっていた。
「これはとても素晴らしいアナルだ! なんて使い心地の良い一品か! これは一級品が手に入った!」
貴族の男は嬉々として腰を振り、カゼマルをやはり絶頂へ連れて行く。
「あっがっ、くはぁ――あぁぁぁぁ――――――」
その絶頂に合わせたように、貴族の男は逸物を根元まで収めたままに、腰を軽く震わせる。今までの男は誰もが背中を汚してきたが、この貴族の男だけは、直腸の中に直接振り撒いているのであった。
肉棒が引き抜かれる。
その一瞬だけぽっかりと、大きな直径の穴を晒した肛門は、括約筋によって直ちに閉じ合わさり、皺の窄まった形へと戻っていく。
トロっと、そこから白濁の一筋が流れ落ちた。
まるで肛門から出て来た体液であるように、粘つきある大きな滴は下へ下へと、アソコへと伝っていき、ちょうど出来上がっていた愛液の滴と合流する。
滴と滴が合体して、より大きな滴になるや否や、下へ向かって糸を引き始めるのであった。
つーっと、長く伸びていく。
その白く濁った糸の柱は、アソコと床をしばし繋ぎ続けることとなる。
貴族の男は、それを愛でるような眼差しで観察して、ニヤニヤとご機嫌そうに微笑んでいた。