前作から続く3作目。
やはり子供に支配され続けている唯華は、オシッコを我慢するよう命じられ・・・・・・。
第1話 奴隷でしかない、かつての主将第2話 オシッコ我慢デート第3話 放尿と、そして個室へ第4話 飲食店にて第5話 公園への放尿我慢と・・・第6話 そして唯華のアパートで
珍しいものでも見るような、それも人を笑いものにした視線が向けられる。変わり者に対しての、可哀想なものを見る目であったり、悪ふざけがすぎる者に対して、眉を顰める顔であったり、様々な種類の視線が投げかけられる。
だが、目立ちすぎるほど目立っているわけではない。
服装はいたって普通だ。
女子大生の一般的なファッションに身を包み、一見して何らの問題もない格好なので、すれ違う全員が気づいてくるわけではないことが、唯華には救いであった。
志波姫唯華は駅へ行く。
家から町へ、そして駅構内へと進む最中の、人混みの中を進んでいるうち、しかし気づく人には気づかれる。そうやってたまに感じる視線もさることながら、声まで聞こえることがある。
「え? 何あれ……」
「なんかのギャグ?」
女子高生の二人組とすれ違った時、背後から聞こえて来たのはそんな声だった。
「さっきの何? せっかくの美人がさー」
「うわっ、マジでもったいねー」
別の大学に通うのだろう、男子大学生の二人組とすれ違えば、そんな大声が聞こえて来た。
「……きも」
反射的な小声がすぐ隣から聞こえて来た。
そのたびに、唯華の心には一本ずつトゲが刺さって、心が痛くなってくる。
ホームで電車を待ち、やって来た電車に乗り、そしてつり革を掴んでいると、正面に座るサラリーマンがふとした拍子に唯華を見上げる。
う、うわぁ……と、あからさまに引いていた。
何気なく上げた視線の先に、たまたまそれがあることで、ドン引きした顔をしていた。
その反応にまた、心に刺さったトゲの本数が一本増える。
電車を降りて、駅を出て、大学へ向かう最中の、道端ですれ違う人々の反応も、やはり心の痛むものばかりである。声が聞こえることはなくとも、引いた顔、驚く顔、呆れた顔など、様々な表情が向いてくる。
さらにはこんな人までいた。
「ぷふっ……す、すみません…………」
唯華のそれに気づくなり噴き出して、しかし通行人を笑ってしまった気まずさから、小声で謝りながら、そそくさと通りすがっていく者までいた。
大学へ着いた時には、奇異の眼差しはより一層のものとなる。
「え? なんで?」
「どういうこと?」
「芸人? 実は芸人目指してる?」
「罰ゲームとか?」
ヒソヒソと影で話すばかりでなく、直接聞きに来る人達まで現れて、その質問に唯華はこう通すこととなる。
「単なるファッション、かな」
我ながら、どうかしているとは思いながら、唯華はそう答えるのだ。
「えっ、いやいやいや」
「どういうファッション?」
「なんかのコスプレとか?」
唯華は鼻輪をかけているのだ。
牛が鼻にかけているようなリングを、唯華も鼻の内側に、クリップのように合わせ目を閉じてかけている。人間の鼻に合わせて、指輪ほどの大きさのリングを垂らし、それが家を出てから今の今まで、周囲の視線を集めていた。
小さなリングだ。
そう目立つわけではないので、みんながみんなすれ違い様に気づくわけではない。ヒソヒソと噂されたり、奇異の視線を向けてきたのは、無数にいる通行人の、人口から言うなら一応ほんの一部ではあるものの、しかし唯華としては十分に、恥ずかしい思いを繰り返した。
そして、唯華は思い知ったのだ。
自分がいかに健太の奴隷に過ぎず、もはや王様と使用人ほどに格差が開いているのかを、鼻輪という儀式を通じて実感している。
それに何度も裸を見せ、処女まで奪われた唯華だというのに、まだ羞恥心が残されている。みっともない、格好の悪い部分を見られることでの、屈辱やら気恥ずかしさがあることで、自分にはまだプライドらしきものが残っているのがわかると同時に、こうも思う。
こうして鼻輪をぶらさげて、みっともない姿で出歩くことにさえ、何も感じなくなってしまったら、いよいよ人として終わりなのではないか。
その終わり具合がエスカレートすればするほど、露出狂のように裸で出歩くどころの話でなくなっていく。もっと変態チックな趣向を凝らした上で、例えば尻からバイブを生やして歩いてなお、平気でいられるようになってしまうのではないか。
比喩では済まず、本当に終わった人間になる未来が、もしや自分にはあるのではないかと、かなり切実な不安すら抱いていた。
自分は一体、どこまで堕ちた人間になっていくのか、その怖さを感じているのが今の唯華というわけだ。
*
志波姫唯華という人間は、まさか初めから終わりかけていたかと言えば、もちろんそんなはずはない。
きっかけは高校時代、インターハイも終わった三年生の、部活を引退した後の時期に遡る。
『弟にバドミントンを教えて欲しい』
後輩からもらった連絡から、自分の運命がこうまで狂うなどとは、さしもの唯華も想像すらしなかった。
あれこそ、全ての分岐点だ。
もしも気が向かないといった理由で断ったり、あるいは後輩の方から『すみません! ご迷惑でしたよね!』と、きっぱりと取り下げていたのなら、今の唯華はなかっただろう。
その弟とやらに会い、遥か年下の可愛い少年にバドミントンを教え始めて、そこから全ての歯車は狂ったのだ。
健太という当時小学生の子供なんかに、まさか脅迫された挙げ句に押し負けて、従ってしまうとは、本当に情けないことこの上ない。
だが、もはや取り返しはつかないのだ。
もう唯華の心には、すっかり奴隷根性が染みついて、健太に従うことは当たり前と化している。
大学が終わった帰り、唯華は健太の家に直行していた。
その一軒家に着いた時、唯華はインターフォンを押しもせず、勝手知ったる家のドアノブを直接握る。当たり前のように靴を脱ぎ、玄関から家の中へと上がり始めていた。
こうも疑問もなく上がり込めるほど、唯華は繰り返しここに通わされていた。
上がる際には決まりがある。
健太の部屋へ行く前に、唯華はまず先に服を脱ぐ。私服をたくし上げていき、今日のスカートも脱ぎ捨てて、下着すら手放す全裸となって、はじめて健太の部屋へ向かうのだ。
両親共働きだというこの家庭の、この時間なら問題がないことは知っている。もし普段と予定が異なるなら、唯華の元には必ず連絡が来ることにもなっている。
唯華はいつものように部屋へ向かい、丸裸で健太のドアをノックする。
「お待たせしました。健太様」
自分は召使いか何かだろうか。
などと我ながら思いつつ、そして健太の部屋に入ったところで、まだ小学校も卒業していない、しかし以前よりも背の伸びた少年の、すっかり女の裸を見慣れた笑顔を前にして、今日も遊びは始まるのだ。
ご主人様である健太の、玩具を使った楽しい遊びが、これから始まる。
「なあ、そのだっさい輪っかはどうだった?」
健太はわざとらしく、だっさいと強調しながら、意地の悪いニヤニヤとした表情で尋ねてくる。
「色んな目で見られました」
「例えば?」
「すれ違う時、噴き出してから小声で謝る人。小声でキモイと言ってきた人。わかりやすく二度見してきた人」
唯華はパっと思い出せる通行人の反応を口から並べ、健太はそれを聞くことで、実にご機嫌そうに頷いていた。椅子を唯華へ向けながら、自分こそが偉いものとして振る舞うべく、足など組んで気取っていた。
今日の最初の遊びは、報告だった。
健太の命令で、今日一日鼻に装着していたリングについて、通行人や友達の反応について延々語る。その報告を聞けば聞くほど嬉しそうにする様子を見て、ご主人様の機嫌の良さに、唯華は安心感すら覚えるのだ。
ご主人様が喜んでくれてよかった。
不満も何もなさそうでホッとした。
大事な人の喜ぶ顔を拝めて嬉しい気持ちと、いつ不満を言い出すかもわからない目上の相手から、何も小言を言われずに済んで安心する気持ちが入り交じっていた。
そんな自分自身の気持ちから、唯華はつくづく思う。
(すっかり奴隷だな。私……)
元々は脅迫によって言うことを聞かされて、その後も数多くの屈辱的な命令を聞かされてきた唯華にとって、憎みこそすれ親しみを感じる相手ではないはずなのだ。
一刻も早く一方的な関係は解消するべきなのに、そうしようと思う気持ちはもはや湧かず、ずるずると引き延ばそうとする自分がいる。
性癖がすっかり捻れ、健太の奴隷でいることに、悦びを覚えている自分がいる。
そうでもなければ、処女すら奪ってきた相手に、未だに仕え続けているなどありえない。
唯華は延々と報告を行った。
駅構内や電車の中で起こった周囲の反応、大学のクラスメイトの反応から、帰り道の通行人の反応さえも報告して、聞けば聞くほど健太は鼻息を荒くして喜んでいる。
「いいじゃんいいじゃん。あ、もうさ。聞いてるうちに、もう硬くなってきちゃった」
興奮で上擦った声で言い、健太はおもむろに足を広げて、顎で命じてくる挙動によって、何かの要求をしてきていた。
言葉はない。
だが、奴隷根性の染みついている唯華には、それだけで要求の内容はわかってしまう。
「かしこまりました。健太様」
お仕えする使用人でしかない返事をしてから、唯華は健太の膝元に付き従い、その手でズボンを脱がせ始める。トランクスすら下げていき、年相応なのであろう可愛らしいサイズのそれに唇を近づけていた。
「ちゅっぶぅ――ちゅむっ、じゅずぅ…………」
唯華は奉仕を開始する。
口に含んでみることで、従属感のようなものを感じながらに、頭を前後に動かしていた。
「ふっじゅぅ――じゅるぅ――――」
「すっげー気持ちいいよー」
健太の右手が頭に乗る。
その指に撫でられたかと思いきや、しばらくするとポンポンと叩いてくる手つきに変わる。
人を小馬鹿にしたものだった。
下に置かれて、無様に扱われる感覚に浸れば浸るほど、唯華は下腹部を疼かせて、興奮を覚えつつあるのであった。
「じゅぅ……じゅむっ、ずっじゅぅ――」
「もっと頑張れよ。そうしたら、ご褒美を飲ませてやるんだからさ」
「はい、健太様――ふじゅぅ……じゅぅ……ずむぅ……」
「いいね。やる気出て来た?」
「じゅぅ――じゅっ――じゅっ――じゅっ――じゅっ――」
ご褒美と聞いた途端、これから飲まされるものがより良いもののように思えてくる。染みついてしまった奴隷根性が、それを有り難いものと思わせている。
「ふじゅぅ……ずっ、ずむぅ――ずむぅ――――」
それだけに活発だった。
ご主人様にご満足頂きつつ、自分もご褒美を貰うという、ギブアンドテイクに辿り着くため、唇を引き締めながら、舌と唾液を活用している。
「ふっじゅぅ――――じゅじゅぅ――――」
見上げれば、健太の満足そうにしている視線が唯華へと向けられている。健太から見た唯華の顔、口に肉棒の収まった絵を脳裏に浮かべ、太ももをさりげなく擦り合わせる。
「じゅぅ――じゅむぅ――――」
奥まで飲む時、先端に舌先を当て、つついたりくすぐるように刺激することがある。
「れろ……れろ…………」
吐き出して、亀頭を舐め込むこともある。
「れろぉぉ……れろぉぉ…………」
と、周りの竿を丹念に舐め上げて、舌先によって唾液を塗りつけることもある。
「ふじゅじゅぅ――――」
こうして、たまにやり方を変え、バリエーションを意識しながら奉仕しているうちに、唯華は予兆を感じ取る。
「へへっ」
きっと、もうすぐだ。
そう予感が告げてから、数十秒が経った所で、肉棒が口内でビクンと跳ねる。上顎を内側から叩き上げ、その跳ね上がる瞬間に、喉奥へ白濁を撒き散らす。
ドクゥ――ビュルゥ――ドク、ドク――
舌にも青臭い味が広がる。
唯華は直ちに唇に力を込めて、その締め付けの中から一滴たりともこぼさないようにと意識する。竿が全てを出し切って、それ以上の放出がなくなるまでを慎重に待ってから、唯華は頭を後退させた。
舌の根の周りに白濁の水溜まりを作り、その味を如実に感じながら、唯華は肉棒を口内から出し切っていた。唇をきゅっと引き締めているために、吐き出す最後の一瞬は、亀頭へのキスのようになっていた。
そして、唇と亀頭のあいだに少しの糸を引きつつも、唯華はまだ少しも精液を飲まず、口に含めたままでいた。
「見せてみなよ」
そう言われると、予想していたのだ。
(はい。健太様)
喋りにくいため、返事は心の中でして、唯華は少しばかり上向きに、口を開いて中身を見せる。口内に溜まった白濁を見ることで、満足そうに頷く健太の前で、唯華はコクコクと喉を鳴らすのだ。
嚥下すると、食道から胃袋へと、ねっとりとした固まりの流れ落ちていく感触がわかる。
これがやがて消化され、栄養として唯華の体に取り込まれる。健太のエキスを吸収したことを思うと、何かぞくりとするような、やはり興奮に見舞われた。
飲み干した直後、まだ味の余韻を残した口を開いて、空になった口内を見せることにより、きちんと飲みきったことを健太にアピールするのであった。
「んじゃ、掃除も頼むよ」
「はい。健太様」
唯華は改めて肉棒に顔を近づけ、竿や亀頭に残ったぬかるみを舐め取っていく。舌先を拭き掃除の道具に見立て、時には唇で吸いつくことで取り除き、しだいしだいに綺麗にしていく。
「れろっ……れろ、れろぉ……ふちゅぅ……」
精液の痕跡を残すことなく、唾液だけによって濡れた状態を作り出すのは、そんなお掃除を始めて数分後のことだった。
健太は始終、唯華のことを見下ろしていた。
奴隷が忠実に付き従い、言う通り舐め取っていく姿を見ることで、勝ち誇ったようにニヤニヤしていた。こうやって従わせ、思い通りに唯華のことを操るのが、精神的にも大きな快楽なのだろう。
それは従う唯華にとっても――。
奴隷扱いされる喜びという、捻れた性癖が芽生えたせいで、こんなことがギブアンドテイクとして成立してしまう。おかげで健太との関係から抜け出せず、どうやって関係を解消するかという、その試行錯誤を唯華はそもそも放棄してしまっていた。
「よく頑張ったじゃん?」
健太が頭を撫でて来る。
「ありがとうございます。健太様」
「で、そういえばさ。面白い薬を見つけて、注文してみたんだけど、飲んでみてくれないかな」
健太は引き出しを開け、その中身を取り出して、一つの包装箱を唯華に見せる。
「それは……一体…………」
パッケージも成分表も、全て英語で書かれていた。
成績優秀な唯華だから、英語だろうと読み取れて、それがどういった薬であるかを想像できる。
しかし、そんなものがありえるのだろうか。
母乳が出るようになる薬。
それが果たして、本当に――。
「よーく調べたから、害はないと思うよ。うん」
さしもの健太も、何も毒を飲ませたいとは思っていないだろう。
「ですが……」
未知の薬を見れば、それは大丈夫なのだろうかと、不安になるのは自然な気持ちなのだった。
「いいからいいから、飲んでみろって。あ、水がいるか。さっきの精液を水代わりにすればよかったな。っていうか、もう一回咥えてくれれば済む話か」
健太の中では、唯華がその薬を飲むということで、もう話が決まってしまっている。
そう来られると、精神的にも奴隷になりきっている唯華には、もう拒むことができなかった。
唯華は再び、ペニスを頬張る。
生温かく、熱気に満ちたものへの奉仕をすることで、水代わりの精液を出してもらい、唯華は薬を飲むのであった。
その日、志波姫唯華は高校時代の制服を着て、待ち合わせの場所に立っていた。
もちろん、健太のリクエストだ。
ワイシャツにスカートという格好は、高校当時は何とも思わずに着ていたものだが、卒業して大学生になってから着てみれば、今更若さを気取っている気分になる。
気取るといっても、まだ二十歳にもなっていない唯華だが、早いうちからさばを読まされている気になるのだ。
立っているのは、健太の通う学校の近くであった。
やがて放課後の時間を迎えてか、ランドセルを背負った下校児童の姿を見かけるようになったところで、唯華に少年の声はかかってきた。
「お待たせ。お姉ちゃん」
外での設定。
外での二人は、ご主人様と奴隷ではなく、表向きには姉弟ということになっている。あくまで表向きの設定に過ぎないところがミソで、周りにバレない部分では、健太が可愛い弟を演じる最中にも、遊びはもう始まっている。
ブィィィィィ…………。
健太の声がかかった直後だ。
ショーツの内側に仕込んでいた卵形の機器は、早速のように信号を受け取って、振動を開始していた。リモコン式のピンクローターを、ご主人様の要望通りに入れてきているのだった。
「んっ、んふぁ……い、行こうか。健太……んぅ…………」
その刺激を感じつつ、唯華は健太と並び歩いて、繁華街へと向かっていく。歩き方はぎこちなく、妙に腰が引け気味になりそうなのを、唯華はどうにか普通に振る舞おうとしているのだった。
今日の予定はデートである。
もっとも、健太と行うデートとは、ご主人様が玩具で遊び歩く時間に過ぎない。
表面的にはごくありふれた過ごし方を想定している。ショッピングモールに内装された店を見て回り、アイスクリームを買うなり、たこ焼きを買ってみるなりして、ベンチに座って一緒に食べる。
そこに健太の思う遊びが入り込むのだ。
唯華の仕込みは、ローターだけではない。
利尿剤も飲んできている。
いつ尿意が強まって、トイレを我慢できなくなるかもわからない。予測のつかない不安を抱えての行動で、しかもローターが止まる気配もないので、唯華の心は落ち着かない。
既にアソコが気持ちいいこともあり、今にも太ももを擦り合わせたり、股に手を忍ばせそうな自分がいる。傍から見れば、まだ尿意のない今の時点で、もう十分にオシッコを我慢して見えるのかもしれない。
そわそわして見える唯華と、無邪気に姉を慕ってしか見えない健太で、目的のビルへと入っていく。
ショッピングモールに辿り着き、予定通りに色んな店を見て回る時間は始まるが、そのあたりでしだいに尿意を感じ始めて、だから唯華はさらに少しだけ落ち着きを失っていた。
まだ、大丈夫だ。
何もたった数分後に限界を迎えるほどではないと思うが、そろそろトイレには行っておきたい。先のことを考えるなら、早めに済ませておくのが安全という具合に至っている。
そんな時、トイレの札が目に飛び込む。
女子トイレを示す赤い札に、今すぐそこへ飛び込みたい思いに駆られるものの、しかし健太が袖を引っ張る。
「ねえ、あっち行ってみようよ」
ワイシャツの腕を掴まれ、引っ張られ、そちらへ行かざるを得なくなり、唯華はトイレを恋しく思いながらも、店の中へと入るのだった。
指輪やキーホルダーにネックレスなど、アクセサリーが数多く扱われた店の中には、パワーストーンの展示もされている。小銭で買えるような価格帯から、数千円といったあたりまでの、気楽に求めやすい値段を中心に取り揃えた店らしい。
お土産屋さんのようなものである。
剣にドラゴンの巻きついたキーホルダーなども、釘にぶら下げる形でいくつも展示されており、健太はそれに微妙に反応を示していた。
「い、色々……あるみたい、だね……」
それを唯華は、あまり落ち着いて楽しめない。
興味の有る無しという問題ではない。
ローターによる刺激と、だんだんと強まっていく尿意で、太ももをきゅっと締め付けたり、股に手をやり、押さえようと意識する頻度は、明らかに増えている。
さすがにそろそろ、トイレに行きたい。
それにローターの振動にやられ続けているせいで、ふとした拍子に漏れてしまわないかも不安になる。最初のうちは良かったが、尿意が強まれば強まるほど、それに応じて振動の不安もまた大きくなる。
「んっくぅ…………」
乱れた呼吸が目立ちそうなので、たまに手で口を押さえたり、唇を引き結んで堪えたりといったことを繰り返す。
「お姉ちゃん。どうしたの?」
理由をわかっている立場から、健太は実に無邪気に尋ねてくるのであった。
「な、なんでも……」
「具合悪い? もう帰る?」
実に素晴らしい演技である。
健太の眼差しと声音は、姉を慕ってやまない弟が、心配して気遣おうとしている様子にしか見えないだろう。本性をわかっている唯華だから、腹の内側を読めてはいるが、傍から見れば一体どれだけ純粋に見えるだろう。
「だ、大丈夫…………」
無理のある苦笑で唯華は答えた。
もし帰りたいと言い出せば、お仕置きとしてローターの振動を『強』にされるか、道中のどこにもトイレのない道を歩かされ、結局は我慢させられ続けるか。
奴隷としてやってきた唯華なので、健太の思考が読めてきている。このローターの振動も『弱』であり、まだ上の段階を温存しているのだ。
そして、それも悪くないと思ってしまう自分がいる。
尿意が強まる一方なのに、それでいてトイレが遠のくように歩かされ、漏らしてしまい、そのお仕置きを受けるのも興奮する。などと、実に変態チックな発想が脳裏浮かんで仕方がない。
「本当に?」
「平気だって、平気平気……」
引き攣った笑顔でそう答える。
「本当は?」
だが、健太は大きな声で追求してくるのだ。
周りの客や店員にも聞こえるだけの、本当に大きな声で言ってくるのだ。
「え、えっと…………」
健太の思考がさらに読めてきた。
だが、それはさすがに恥ずかしい。
健太と二人きりの状況では、裸などとっくに見せ慣れてしまっているが、唯華の中から全ての羞恥心が消えているわけではない。
こんな人前で、男の人が聞いている場所でなど、言い出せるわけがない。
レジにいる店員は男性なら、他に商品を見て回っている客も、男子中学生や男子高校生ばかりである。やけに男の多いタイミングで、そんな気恥ずかしい真似は出来ない。
いや、性別など関係があるだろうか。
周囲に人がいる時点で、既にそれは恥ずかしい。
「お姉ちゃん? 正直に言って? 無理しちゃダメだよ?」
健太は文脈さえ含ませてきた。
姉は以前も無理をして、体調不良を隠していたことがある。そんなストーリーを背景に設定して、また同じ無茶をしてはいないかと心配する。
健太がやっているのは、そういう演技であった。
しかも、わかっているのだ。
唯華の観察力なら、そういう文脈を宿した演技を感じ取り、さらにその意図まで察してしまえる。そこまでを織り込み済みに、健太は純粋さを演じながらに言葉選びを工夫している。
「む、無理とかじゃ……」
「ええ? でもお姉ちゃん……」
健太はますます心配そうな顔をしてくる。
年齢を考えると、末恐ろしい腹芸と計算力だ。
ブィィィィィ――
ローターの刺激が強まる。
「……っ!」
唯華は出そうになった声を咄嗟に抑え、右手で口を塞いだ上で、さらに左手をスカートに押しつける。内股となって太ももを締め上げて、腰をくの字にした反応に、周囲のぎょっとした視線が集まっていた。
「……お姉ちゃん?」
深刻そうな顔をしてくる健太の、しかし右手がポケットの中に入っている。そこでローターのスイッチを切り替え、振動を強めたことは明らかだった。
「だいじょう……ぶ…………」
快楽を堪え、喘がないように気をつけながら、しかも尿意まで我慢して喋るから、どうしても歯切れが悪くなる。
「やっぱり、具合悪いんじゃ……」
「えっとね。そうじゃなくて……」
「じゃなくて?」
顔に心配を浮かべたままに、健太は首を傾げている。
そして唯華自身、健太の狙いに自ら近づき、健太の思い通りの恥をかこうとしていた。
「あの……ね…………」
言いにくい。
こんな歳にもなって、ずっと年下の健太を相手に言いにくい。二人きりの状態で惨めな芸をやるのは今更でも、一般人の視線がある中で、そんな風に駄目な姉になりきる恥ずかしさといったらない。
だが、だからこそ……。
そう考えてしまう自分がいて、唯華は健太の目論見に沿おうとしてしまっている。
「……うん?」
「と、トイレ…………」
まず唯華は小声で言う。
それでは聞こえないからと、聞き返されることをわかっていながら、最初は本当に小声であった。
「え?」
案の定、聞き返される。
「だ、だから……トイレ…………」
「ごめん、聞こえないよ」
声量は上げたつもりだったが、まだ聞き返される。
ならばもう、恥を覚悟して、もっと大きな声を出さなければ、この状況は続くのだろう。
やるしかない。
これから惨めな思いをする覚悟の上で、唯華は息を吸い上げて、大きく声を張るのであった。
「ちょ、ちょっとトイレに行きたくて」
我ながら、随分と上擦った声が出たものだった。
そして、次の瞬間である。
「ええ!? さっき行けばよかったのに!?」
健太は大袈裟に驚いていた。
「お姉ちゃん?! なんでさっき行かなかったの!? さっきトイレあったよね!?」
かなりの、大声だった。
「え、えっと……」
顔がみるみるうちに赤くなる。
周囲の視線がかなり痛い。
くすくすと人を笑ったり、いかにも珍しがってくるような気配が伝わってくる。
「どうして漏れそうになるまで我慢してるの?」
「それは……その……」
本当に最悪だった。
最悪だが、こんな形で興奮している、変態にもほどのある自分がいた。
周囲はきっと思うだろう。
しっかりしていなければならない年齢で、どうしてまともにトイレも行かず、漏れそうになるまで我慢したのか。それを弟に指摘され、何も言い返せずにいるのか。
信じられないほど駄目な姉と、それを介護する弟という関係が、周囲に対して出来上がる。
「ほらほら、急いで! 早くしないと、お姉ちゃんまたお漏らししちゃうよ!?」
トドメを刺された。
慌てた風にしながらさりげなく、しかし間違いなくわざと、健太はその〝また〟という二文字を加えていた。
「え? また?」
「またって言ってた?」
周りにいた男子中学生の、驚いたように友達同士で顔を見合わせている場面がそこにはあった。
あの男子中学生の中では、唯華はこの歳でお漏らしをしたことのある人間とされた。それを弟に怒られて、さらに今まさにトイレへ引っ張られようとしている、駄目にもほどのある姉とまで見做されて、恥どころの話ではない。
人権すら失った気持ちだ。
健太の前ではもはや今更だが、周囲の一般人とのあいだにすら、唯華の人権が消えた気がした。
「いくつよあの人……」
「高校?」
嘘だよな、何かの間違いだよな。
と、そんなニュアンスをひしひしと感じさせてくる。
「ほら、行くよ!」
そして、とうとう健太に腕を引かれて、唯華は先ほど見かけたトイレの方へと連れて行かれる。
ところで、そのトイレは曲がり角を曲がった向こうの、店先よりも人通りの少ない位置にある。今ならちょうど、出入り口の周には唯華や健太しかおらず、だからだろうか。
「こっちこっち!」
健太は迷わず、唯華のことを男子トイレに引っ張り込む。
「そっちは……!」
唯華は戦慄した。
中に人がいないかの確認もせず、そのまま連れて行かれれば、誰に鉢合わせしないとも限らない。その恐怖もさることながら、ここで男子トイレということは、つまり健太の目論見は、男性の小便器を唯華に使わせることではないかと思ったのだ。
幸い、中には誰もいなかった。
未使用の個室は必ずドアが開いており、使用中にのみ内側から鍵がかかるので、運良く無人であることが窺える。
もちろん、わかっていたわけではないだろう。
「よかったねー? お姉ちゃん」
健太は初めて本性を表に出し、その笑顔には存分に邪悪さを滲ませていた。
もしここに人がいたなら、その相手は一体どんな顔をしていたことか。その場合のストーリーも、健太の中には用意されていたのだろう。
「じゃあ、お姉ちゃん? わかるね?」
健太は圧をかけてくる。
「う、うん……」
唯華はそれに逆らえない。
というのも、強まり続ける尿意のために、今から女子トイレに移動する時間を惜しく感じる状況なのだ。もちろん奴隷根性のこともあり、ご主人様の意向に刃向かえず、唯華はまずショーツを少しだけ下げ、愛液に濡れたピンクローターを取り出した。
「預かっておくよ。ぐっしょぐそのそれ」
健太が手を伸ばしてくるので、ローターは健太に託す。
そして唯華は、ショーツを膝の位置まで下げ、スカートを大胆にたくし上げた上、がに股となって腰を突き出し、放尿を開始するのであった。
ジョォォォォォ――――
黄色いものが勢いよく放出され、雫を跳ね返してくる勢いで、小便器の壁にぶつかっている。
「結構出るねー?」
健太はそれを横から覗き見ていた。
放尿を見られているのも、ここが男子トイレである事実も、たまらない恥辱感を煽ってくる。そのあまりに顔は歪んで、唯華の頬は火照りきっているのだった。
「でさ、いつ人が来るかわっかんないねー? ひょっとして、出し切る前に男の人が現れちゃったりして」
それを期待している風に、実に興奮しきった嬉しそうな声で、健太は唯華のことを煽ってくる。
唯華は想像してしまった。
中年なり男子学生なりが現れて、唯華がこんなところで、こんな風に放尿している場面を見たら、一体どれほど驚いた顔をすることか。
常識人が衝撃に打ちのめされるか、変質者がニヤニヤしながら人の放尿を見学でもしてくるか。
それに健太の台詞も想像できた。
もし途中で人がやって来た場合、健太はきっとこんな風に言うだろう。
「お姉ちゃん? まったく、いくら間に合わないからって、女子トイレはすぐ隣だったのに!」
といったところか。
いずれにしても、唯華にとっては歓迎できない事態になる。
大真面目に説教を始め、くどくどと常識について説いてくる人物でも来ようものなら、一体どれほど耳が痛くなり、精神をやられることになるだろう。
ジョォォォォ――――
だから早めに出し切って、そして速やかに男子トイレから脱出したいのだが、尿はなかなか止まらない。
ジョォォォ……ジョロ……ジョロォォ――――
やっとのことで緩み始め、雫の跳ね返る勢いも弱まりつつあるのだが、放尿はなおも止まらない。
ジョォォォォ………………。
ようやく、威力は衰え始める。
尿道口から小便器の中の壁へと、直線状に真っ直ぐに伸びていたのが、徐々にぐにゃりと、勢いが緩むにつれて下へ下へと、最後にはチョロチョロと何発かが少量ずつ飛び出たところで、やっと唯華の放尿は終わるのだった。
これでトイレから出られる。
きっと利尿剤の効果も切れたはずだと思った時、健太は何かに気づいたようにピクっと頭を反応させ、後ろを振り向き、急にトイレを出て行った。
「え?」
置いていかれたのかと思った直後、即座に戻って来る健太の、実に嬉しそうな顔がそこにはあった。
健太がここまで喜んでいる。
悪巧みでも浮かんだようにニヤニヤとした表情には、悪い予感しかしなかった。
「あの……。もしやまた、何か……」
「人が来るよ」
「……っ!」
聞くに唯華はビクっとする。
「個室しか逃げ場はないね」
そう言って健太はすぐに唯華の腕を掴んで、唯華のことを個室の中に引っ張り込む。連れ込まれるがままに入っていき、内側から鍵のかかった中に閉じこもって、その数秒後には男の声が聞こえてくるのであった。
「さっきの高校生? やばくね?」
「オシッコ女子高生ね」
「漏らしたことあるってマジかな」
「しかも話的には、無理に我慢したままどっか外でって感じじゃなかった?」
「ありえる? やばくね?」
「あれさ。マジに弟がお姉さんを介護してる感じなのかな?」
戸の向こう側にいる二人の少年は、よりにもよって先ほどの、店の中にいた男子中学生である。
制服のおかげで高校生に見られているが、実年齢より若く見られたことを喜んでいる場合ではない。
本人達がここにいるとも気づかずに、こうして話題にしていることで、自分が人から一体どう見えていたのかが痛感できて、心にはグサグサと何本ものトゲが食い込んで来る。
介護……。
冗談でも何でもなく、本当に介護が必要な存在だと思われているのだろうか。
「ま、だとしたら弟も苦労するよなー」
「実際、それって健常者でありえる?」
「健常者があれだった方がもっとやばいでしょ」
そこで尿は途切れたのだろうか。
会話が止まり、しばらくすると蛇口で手を洗う際の水音が聞こえてくる。
それから、次に聞こえる声は実に小さく、そしてみるみるうちに聞こえなくなっていったので、ようやく二人がどこかへ行ったとわかり、唯華はぐったりと肩から力を抜き、その脱力で壁に寄りかかっているのであった。
とんだ思いを味わった。
今日はもうたくさんだと、唯華としては思っているのだが、見れば健太の方はまだ遊び足りていないらしい。
「んじゃ、せっかくの個室だし?」
健太の手が伸びてくる。
ワイシャツに絡みつき、ボタンを外そうとしてくる指先に、しかし唯華は逆らうことが出来ずに固まって、されるがままとなるのであった。
*
ワイシャツのボタンが全て外れる。
それからの唯華は、ワイシャツを左右に広げた後、しかし脱ぎはしないまま、内側でブラジャーのホックを外す。緩めた下着を持ち上げ乳房を出し、その今ではすっかり黒い乳首に指先での愛撫を受けるのだった。
「んっ、んぅ……んっ、んぁ……」
また人が来ないとも限らない。
唯華はその刺激にやられながらも、右手で軽く口を押さえ、必要以上の声は出さないように気をつけていた。
じんじんする。
健太は乳房に熱中し始めて、静かに胸を揉んでいる。軽やかに指を踊らせ、柔らかに扱うタッチは、もはやその年齢ではありえない技巧に達している。
あるいは逆に、唯華が感じやすくなっているだけなのか。
甘い痺れが蓄積して、その電流が皮膚や乳肉を内側から温める。焼き切るというには大袈裟な、しかしそれに近しい感覚が強まるにつれ、じんじんしてくるわけだった。
乳首が硬く突起する。
健太の指は改めて乳首に集中して、人差し指を使った上下の愛撫が始まった。指を上下にやり続けることにより、乳首をひらすら上下させての刺激であった。
「んっ、んぅ…………」
抑えていなければ、いつ声が出るかもわからない。
それにただ気持ちいいだけではなく、妙な感覚が膨らんでいた。乳房の中に何かの袋が存在して、どんどん中身が溜まり始めて、破裂にでも近づくような感覚だ。
その時になって、唯華は思い出す。
健太に先日飲まされた、母乳が出るようになるという薬の、その効果が本当だとすれば、今まさにそれが出そうになっているわけなのか。
乳首の先から、それらしい雫が本当にぷっくりと膨らんでいた。
「お? 本当に出た」
感動の眼差しで、健太はぐっと顔を近づけて、まじまじと眺めた挙げ句におもむろに吸いついた。
「ちゅぅぅ――――」
唇で先っぽを呑み込まれ、歯や舌が触れてくる刺激にますます強い快楽が走った時だ。
トピュッ、
と、母乳は飛び出た。
健太の口内へ向かって、白濁の汁は撒き散らされる。健太はその途端に少しだけ目を丸め、それからチュゥチュゥと吸い上げる音を立て、母乳を飲み始めるのであった。
(健太が赤ちゃんみたいになるなんて)
母性がくすぐられた。
本当に母乳が出て来た驚きもさることながら、これまで散々に自分のことを辱め、玩具扱いしてきた子が、今はオッパイに甘えている。
赤ん坊のように吸いついて、母乳を飲もうとしてくる年下に、唯華はごくりと生唾を飲み、恐る恐るゆっくりと手を近づけ、その頭を撫で始める。
何を可愛がっているのだろう。
散々な扱いばかりを受けているのに、どうして健太を可愛がる必要があるのかと、頭ではわかっていても、やはり可愛く見えてしまう。
胸がきゅっと引き締まり、もっと飲ませてやりたい思いすら湧いてくる始末である。
「ちゅぅ……ちゅぱっ、ちゅぱ……」
もう片方の乳房にも健太は吸いつく。
「んっ、んぅ…………」
喘げば周りに聞こえかねない。
いつ人がやって来て、無関係の人に悟られかねない場所であるかを忘れないようにしながらも、唯華はひたすら健太の頭を撫でる。
「ちゅむぅ……ちゅぶ……」
どちらの乳房もしゃぶられていた。
片方の乳首をしばらくのあいだ吸われた後で、もう片方にも吸いつかれ、唾液と母乳の混じった汁が、先っぽに光沢をまとわりつかせる。
乳首がひとしきり唾液を浴びたところで、健太はおもむろにポケットの中を探った。
コンドームだった。
健太がそれの包装を破き、自らの肉棒に装着し始めているのを見て、唯華は静かに背中を向ける。求められている体位を悟り、壁に両手を突いて尻を差し出すのだった。
すると尻に手が置かれる。
少しのあいだスカートの上から撫で回され、そのスカートがすぐに捲り上げられていく。ショーツをあらわにされた直後には、下着も膝まで下げられて、ワレメには亀頭が触れてきていた。
ずにゅぅぅ――と、先っぽからだんだんと、唯華の中へと沈んでくる。
「んぅ……!」
ピストンが始まると、唯華は危うく声を出しかけていた。
それをギリギリで抑え込み、右手で口を塞ぎ直して、これから迫る快楽に供えるのだった。
ずん! ずん! ずん!
と、勢い込めて、健太の腰振りは行われる。
弓なりに引いた腰から、鋭い矢でも放たれるようにして、一気に奥まで貫かれる。健太の年相応のサイズであれ、硬いものが膣壁に擦れることでの快感は大きなものだ。
「……っ! ……っ!」
唯華は必死に声を噛み殺す。
そうでなければ、もう大きな声が出てしまう。
「へへっ、我慢強いねぇ?」
背筋のぞくりとするような、意地悪な悪魔の声は、唯華の興奮をさらに高める。
(――っ! は、激しい!)
尻にぶつかってくる腰に身体を揺らされて、唯華は微妙に前後しながら、荒ぶる腰使いの快感を味わった。
唯華がどんなに声を抑え、喘がないようにしていても、健太の方はお構い無しだ。どれだけ喘がれても構わない勢いで、一切の加減無しにパンパンと打ち鳴らされて、もはや近くに人がいたなら、声の我慢が意味を成さない。
きっと尻を打ち鳴らす音だけで、個室の中で起こっていることに気づかれる。
(んぅぅ――気持ちいい――い、イキそう……!)
唯華は自分の腕を噛んでいた。
いつしか右腕を壁に押しつけ、ワイシャツの部分を噛み締めて、声を抑えているのであった。
(んぅぅぅ……! んっ、んぅぅぅ!)
みるみるうちに快楽はせり上がる。
やがて弾けそうだと思った時、その数十秒後にはビクビクと胴体が震えていた。潮が噴き出て、それが唯華自身の内股に何滴かかかっていた。
直後である。
チョロロロロロロ………………。
ごく少量だったのは、不幸中の幸いなのか。
先ほどの放尿で、てっきり全てを出し切ったと思い込んでいた唯華から、あと少しだけの尿は出て来ていた。それが床に小さな水溜まりを作り、コインサイズより少し大きな水溜まりを見下ろすことで、ひどく恥をかいた気持ちになっていた。
「あーあー。すぐ後ろに便器があったのに」
ぺちん!
と、一発叩いてくるのは、もちろんお仕置きなのだろう。
「すみません……健太様……」
ぺちん! ぺちん!
健太はお構い無しにスパンキングを繰り返す。
その音も、もちろん外に聞こえかねないものだ。
だが幸い、あれから唯華達が入っているあいだには、もう誰も入って来る気配はなかった。
朝七時に開店するその店は、時間帯のために実に閑散としていた。二人で入店した途端、席はご自由にと言われ、特定のテーブルに案内されることもなかった。
健太はベンチ型の座席へ進む。
本来なら、四人あたりで使うべきテーブル席に、しかし今は自分達だけだから、迷わず向かっているのであった。
健太がその席を選んだ理由は読めている。贅沢な貸し切り気分を味わいたいわけではなく、ベンチ型の座席なら、隣同士で座れるという方がずっと大きい。
唯華の服装は、今日も高校時代のワイシャツとスカートで、首にはリボンを通している。
そして、ノーブラだった。
健太の指示でブラジャーは着けておらず、なので黒ずんでいる乳首は透けやすい。かつての桃色ならば、まだしも見えにくかったとは思うのだが、こうも変色した今では、街中を歩く時には胸を気にせずにはいられなかった。
「おねーちゃん」
甘えん坊の顔をして、隣からくっついてくる健太は、隙を見計らうようにワイシャツの上から揉んでくる。
「んっ……」
すぐに声が出そうになり、唯華は軽く口を押さえた。
横から伸びる手によって、片方ずつを順番に揉まれることで、乳首があっさりと突起していく。硬い豆がワイシャツを内側から押し上げて、胸が余計に目立ったような不安に唯華は駆られた。
透ける上にこれでは、胸の状態を人に気づかれやすい。
店員が通りかかってくる時、ドキリとする唯華であった。健太が咄嗟に手を引っ込め、何事もないように振る舞うことはわかっていたが、胸に視線が向いてこないかが心配だった。
それに不安なのは乳首のことだけではない。
いや、一応は乳首のうちか。
唯華はあれから、母乳の出る薬を改めて飲まされており、その効果でいつまた汁が出ないかと気になって仕方がない。刺激を受ければ受けるほど、分泌の瞬間は迫って来て、今にワイシャツが母乳で濡れはしないかと不安であった。
利尿剤もまた飲まされている。
ここでのデートでも、健太はまた唯華の膀胱を狙っている。ショッピングモールの時のようにして、何かしらの恥をかかせようとしているはずだ。
注文が決まったことで店員を呼び出して、楽しみそうに軽食を頼む健太だが、ドリンクバーを二人分にした上で、しかも利尿効果のあるコーヒーを持って来たのは、もちろんわざとなのだろう。
意図的にコーヒーを持って来たのだ。
大好きなお姉ちゃんのために。
「はーい。どうぞ」
コーヒーカップをテーブルに置く瞬間の、唇の端っこを唯華は見逃していなかった。悪魔が楽しい意地悪を思いついている時の、何か目論見のある顔に間違いなかった。
「ありがとねー?」
機嫌良く受け取ってみせる唯華だが、内心では不安になっているのは言うまでもない。
利尿剤の効果がいつ出てくるかもわからないのに、利尿効果のあるコーヒー――。
唯華はそれを少しずつ口にしながら、肩や肘の触れ合う距離感でゆっくり過ごす。
その最中、近くを通り抜けていく店員に、他に入って来た老夫婦の客あたりは、微笑ましいものを見守る眼差しを向けてきていた。
周囲からすれば、弟が姉に懐き、甘えているようにしか見えないことが実感できる。
それでいて、いざとなれば駄目で仕方のない姉として扱われる。きちんとトイレに行かないせいで、漏れそうなピンチになるような、どうしようもない子として、唯華こそが面倒を見てもらう立場のようにされてしまう。
今回もその瞬間は来るのだろうか。
ドキドキとするような、警戒心が湧くような、どちらともつかない気持ちで過ごす中、今のところの健太がしてくるのは、コーヒー以外には乳揉みくらいだ。
たまにワイシャツに手を伸ばし、揉んだり乳首を狙ったりしてくる以外に、これといって特別なことはしてこない。
それもあくまで、今のところの話に過ぎない。
必ず他の何かも考えている。
「そろそろ出ちゃう?」
意地の悪い囁き声が耳へと届く。
「……た、たぶん」
揉まれ続けて、刺激の溜まってきた乳房は、今にも弾けそうにじんじんしている。それだけ快楽の膨れたところへ、健太の指は乳首に集中してくるのであった。
「ふくぅ……んぅっ、んぅ…………」
唯華は咄嗟に人差し指を折り曲げて、その関節を噛んでいた。声を抑える努力をしなければ、今にも喘いでしまいそうな自分がいた。
「んぅ…………」
やがて、母乳は出てしまう。
汗がだんだんと滲み出て、それがゆっくり染みつくように、ワイシャツと乳首の触れ合う部分が濡れていく。水気が染み広がっていくことで、ピンポイントに透けたワイシャツから、黒い乳首が見えてきていた。
自らの胸元を確認することで、その目立ちようが大いに気にかかり、唯華は頬を染めつつあった。
どれだけ健太の視線に慣れていようと、他の無関係な誰かからの視線を浴びるのは、また話が違うのだ。
「ねえ、ボタン外してよ」
「こ、ここで?」
「口答えするの?」
「いえ……わかりました……」
いくら人が少ないとはいえ、店員の行き来が皆無なわけではない。先ほどの老夫婦はどこか遠くの席に行ったようだが、いつまた新しい客が入って来て、このテーブルの近くを通り過ぎるかもわからない。
果ては近くの席に座る可能性だってある。
不安が大きい中で、唯華は上から一つ、また一つとボタンを外し、胸を出し切るわけではないが、左右に開けば露出の度合いが過ぎる程度には胸元をチラつかせた。
「でさ、そこからコーヒーにミルク入れてみたら?」
その発想に唯華は驚く。
よく思いつくものだと、いっそ感心してしまうが、それを本当にやるとなると、やはり周囲の様子が気になって仕方がない。唯華は周りに視線を走らせ、そっとワイシャツの片側をはだけていった。
健太はそれを嬉しそうに眺めてくる。
その視線を浴びながら、唯華はテーブルに身体をくっつけて、乳首をコーヒーカップのポイントに合わせると、自らの指で愛撫する。
快楽が溜まったところで、指でつまんで搾り出し、数滴ほどの母乳がぽたりぽたりと、コーヒーに波紋を広げる。ブラックに砂糖を入れたのみだったコーヒーは、少しばかりの白により、ほんの少しだけ変色の気配を見せるが、量が足りずに黒色を維持している。
だがもう何滴か搾り出していくうちに、申し訳程度には色が変わった。
「いいよ? そのくらいで勘弁してやろうじゃないか」
健太様からのお許しを得て、唯華は胸をしまいつつ、テーブルから身体を離していく。
「で、ちゃんと飲むよね」
圧がかかってきた。
「そう……だね、うん」
自分で自分の母乳を飲むなど妙な話だが、ニヤニヤしながら圧をかけてくる健太の顔に、ご主人様の意向には逆らえず、唯華はそれを口にする。
味に大した変化はなかった。
だが利尿剤の入った体で水分を摂り、それがコーヒーであることで、徐々に尿意を感じ始める。
(まずい……)
少しでもトイレに意識がいった途端、尿意は急速に強まっていた。ジェットコースターの勢いで、膀胱がみるみるうちに膨らむ焦りに、唯華は許しを乞う眼差しを健太に向けていた。
自分の意思でトイレに行くのでなく、まず真っ先に健太の許可を求めてしまっていた。
「ん? なになに?」
そして健太は嬉しそうに聞き返してくる。
「ね、ねえ……このままじゃ…………」
「なにかなー? このままじゃ、なにがどうなるのかなぁ? 教えてくれないと、わからないなー?」
わかっているのは明白だ。
人のトイレを我慢した姿が面白くてたまらずに、楽しんでいることが丸わかりだ。
「トイレ――こ、このままだと……ここで…………!」
尿意の強まる勢いに、もはや太ももをぎゅっと引き締め、股を固く閉ざしていなければ、我慢のしようがなくなっていた。いつ漏れるとも知れない危機感に、両手でアソコを押さえる真似までして、唯華は前屈みになっていた。
「うん? 漏れちゃう?」
「も、漏れる――漏れるから……」
「ここで?」
「こ、ここで――漏らします……。このままでは、ここで漏らして、お店の人に迷惑をかけてしまいます……健太様……」
だから、どうかトイレに行かせて下さい。
唯華が健太に向けるのは、そうやって揺るしを求める眼差しだった。
「よろしい。では共にトイレへ参ろうではないか」
晴れて王様から許可を貰い、健太が席を立つのに続き、唯華もまた立ち上がる。
だがこの頃には、それさえ不安になっていた。
立ったり座ったり、さらには歩いたりするだけで、それが尿意に対する刺激となって、そのまま漏らしてしまわないかと、ひどい危機感に囚われる。
きちんとトイレに行かなければ、放尿するわけにはいかないのに、肝心のトイレまでの移動が不安で仕方ない。
結果、随分とみっともない歩き方になってしまった。
太ももを引き締めながら、両手でアソコまで押さえての、何を我慢しているかが丸わかりの状態で、トイレに向かって小刻みに進んで行く。
腰もくの字に曲がっていた。
歩幅が小さくなってしまうので、ペンギンのよちよち歩きにいくらか似ていたかもしれない。
その最中に店員の目が向いてきて、視線をかなり痛く感じた。
*
立ちションを命じられた。
座ってするための便座に対し、狙いを定めて用を足すよう言われた唯華は、トイレに到着してもなお、ちっとも安心していない。
むしろ、ここからが本番だ。
大慌てでショーツを脱ぎ、大慌てでスカートをたくし上げ、がに股で腰を突き出していた。
「あ……!」
そして、盛大に狙いを外した。
「ぶふっ!」
健太が隣で噴き出していた。
「あっ、うぅ……!」
唯華は直ちに位置を直して、便座の中の水面に黄色いアーチを落とすのだが、床をびちゃびちゃに汚してしまった情け無さで仕方がない。
大学生にもなって、トイレもきちんと使えずに、こうも汚してしまうなど、恥ずかしいにもほどがある。
この体勢もそうだ。
男が小便器の前に立つのを真似したように、しかしペニスの角度で狙いをつけることができないために、腰を前へと突き出している。がに股でこんな体勢を取ることの、格好の悪さといったらなく、これさえ恥ずかしさの一部であった。
ジョロロロロロロロ――――。
しばしのあいだ、放尿が水面を打ち鳴らしての音は続いて、だんだんとアーチの勢いは緩み始める。
やっとのことで尿は止まって、あとは汚してしまった部分を拭くだけとなるのだが、それがまた惨めなものだ。
これが自分一人の話なら、一人で勝手に惨めな思いをするだけで、誰かにこれを知られることもない。失敗談を胸に秘め、決して明かすことなく済ませることができたどころか、そもそも利尿剤で自分を追い詰めること自体をしていない。
だがここには、健太という立派な目撃者がいるのである。
「あーあー。ちゃーんと拭いておかないと」
そう健太に言われ、小学生が見ている前で、自分の小便を拭き取ることの、なんとみっともないことか。その惨めさに打ちのめされ、死にたいような、いっそ殺して欲しいような気になりながら、紙越しに汚れた手を蛇口で洗う。
健太と二人きりの状態では、どうせいつも惨めである。健太に見られること自体には慣れきっている。とはいえ人前で公共施設を尿で汚しての、見られたくないものを見られてしまった感覚は、やはりどうしてもあるのであった。
「唯華ちゃーん
掃除を済ませて、次の瞬間に健太が見せびらかしてくるものは、コンドームの包装だった。
これみよがしに破いて中身を取り出し、装着を始めているので、唯華は大人しく便座に両手を突き、尻を差し出しているのであった。
背後から差し込まれ、肉棒が根元まで収まると、腰もそのまま尻に触れてくる。
そして、ピストンは始まった。
ドアの向こうに、いつ別の利用者が現れて、唯華達が出てくるのを待ち始めるかもわからない、その不安と焦燥を抱えながらのセックスで、唯華は息を乱して前後に揺れる。
尻をパンパンと打ち鳴らされ、快楽に息を荒くすればするほどに、手で口を塞がなければ、いつ喘ぎ声が出てしまわないかと不安になった。
左手だけを便座に突いて、唯華はいつしか右手でぴったりと閉ざしていた。
「んっ、んぅ――んっ、んっ、んぅ――んぅ――――」
たちまち快楽が膨らんだ。
「んぅぅ……!」
乾いた膣にある水分は、ゴムの表面にあったローション状のぬかるみだけだったのに、すぐにでも愛液は分泌され、みるみるうちに滑りは良くなっているのであった。
「んっ、んぅ――んっ――んっ――んっ――んっ――」
店のトイレだ。
他にも使う人がいるかもしれない場所だ。
いくら他の客が少なく、老夫婦ぐらいしか見かけていない中とはいえ、長時間の占拠は良くないと、唯華の中の常識が訴えかけてくる。
だがその常識も、ピストンが続けば続くだけ、快楽の中に埋もれて沈んでいく。
「んっふぁ――んっ――んっ――!」
声を抑えて、中の様子を外に伝えないようにすることだけが、唯華の中に残された理性であった。
「んぅぅ……んっ、んぅ……!」
セックスをすること自体には、快楽のあまりに疑問を抱いている場合ではなくなって、それよりも絶頂の気配が迫っていることの方ばかりを唯華は意識している。
「んぅ――んっ、んぅ……!」
そして限界が迫った時、唯華は無意識のうちに尻を押しつけ、肉棒を根元まで咥えながらに腰を震わせていた。
「んぅぅぅぅ…………!」
ビクビクと左右に揺らし、噴き出る愛液で内股を汚した直後、コンドームが精液で膨らんでいるのことに感触で気づくのだった。
利尿剤や母乳剤の使用はその後も続いた。
唯華にオシッコを我慢させるのは、健太の中でマイブームになっているようで、たびたび飲まされ、我慢させられ、限界の近づいた唯華の姿を楽しむようになっていた。
今日の唯華も、その趣向に沿って遊ばれている。
ブィィィィィ――――。
ローターの刺激を受けながら、唯華は目的地に向かって歩き、そして健太は数メートルほど後ろから、今は赤の他人のフリをして歩いている。
日の沈み始める時間帯。
昼の明るさから夕暮れの赤焼けへと、空はしだいに移り変わっていく下で、唯華は車道を隣にして、ガードレールの内側を歩いている。
左手にあるコンビニや書店など、いくつかの店を通り過ぎていきながら、設定された目的地へ向かっている。
ひゅぅ、
と、風が吹く。
そのささやかな風に前髪を揺らされて、スカートがほんの少しだけはためいた時、股の中まで入り込んだ空気の流れに、かなりの心許なさを唯華な感じた。
今の唯華はノーパンノーブラなのである。
だからワイシャツ越しに黒ずんだ乳首が透け、微妙に見えそうになっているのに、通行人が気づきはしないかと不安になる。すれ違うたびすれ違うたび、その目が胸に向いてこないかと、密かに緊張を繰り返している。
加えてノーパンだ。
利尿剤の効果が出て、尿意が徐々に現れ始めている中で、しかも下着を穿いていない。膣内で震えるローターから、尿道口に直接刺激が伝わる状態で、さらには風にも性器を撫でられる。
こうまで大きな不安を抱えて歩いていると、それが顔や挙動から滲み出てのことなのか、通行人は必ずといっていいほど唯華のことを気にかけている。
――なんだコイツ。
――どうかしたのか?
――体調不良か?
声をかけてくるわけではない、様子のおかしい他人に少し視線がいくだけの、それ以上でもそれ以下でもない通行人の顔は、唯華にいくらでも向けられている。
悪循環だった。
何事もないように、堂々と歩いていれば、必要以上の注目を浴びることはない。
しかし、どうしても内股気味になる上に、胸に気づかれはしないかも不安になって、視線はどうしても引き寄せる。少しでも引き寄せてしまうから余計に気になり、ますます大きな不安や緊張を胸に抱え、さらにもう少しだけ挙動不審になっていく。
その悪循環に伴って、利尿剤の効果で尿意も徐々に強まっていき、股にきゅっと力を入れていなければ、こんな道端で漏らしてしまわないかと不安になる。
だから唯華は早足になった。
焦り気味に、少しばかりの急ぎ足で、目的地に設定された公園へと向かっていく。
その時だった。
ガードレール沿いの道のりから、信号にぶつかったのだ。赤信号で立ち止まり、青になるまで待たなくてはならない中で、後ろの健太がポケットでスイッチを切り替えたのだろう。
ブィィィィィ!
きっと『強』だった。
何かに打たれたように腰を引っ込め、即座にくの字になった唯華は、出そうになった声すら咄嗟に抑え、右手で口を塞いでいるのだった。
始末の悪いことに、横断歩道の向こうには、一人の中年が立っていた。目立ったせいか注目を浴び、じろじろとした視線が唯華へ向けられているのであった。
(まずいね……)
緊張感はさらに高まる。
強まり続ける尿意に対し、止まることのないローターの刺激のせいで、もう決壊は近づいている。それを全力で抑え込み、内股をいくらでも硬直させている状態で、なおも完全には抑えきれずに、スカートの内側には雫が生まれた。
尿道口の表面に、玉の汗でも出て来るように、ぷっくりと膨らむ丸い雫は、そしてぽたりと路面へ落ちる。
「……っ!」
たった一滴でも漏らしてしまい、唯華は顔を赤らめる。
そこで信号は青になった。
唯華は左手を下腹部に添え、スカートを押さえておきたいような、腰もくの字にした滑稽な歩き方で、歩幅も小さくしながら慎重に進んでいた。
そうでなければ、ローターのことも危うい。
愛液が滲み出て、卵形の器具がつるっと外へ滑り出てしまわないかと、そういう別の不安すら抱えている。
一歩ずつ慎重に、しかし信号の切り替わりを気にして、遅すぎることもないように歩いていく。
そんな唯華に向かって、中年もまた向かい側から進んで来る。通行人同士ですれ違う、その瞬間に向けて二人の距離は縮んでいき、やがて中年がすぐ近くを横切る瞬間だった。
「漏れそうなのか?」
小声であった。独り言だった。
しかし、その小さな声は、唯華の胸に確かに刺さり、深々と食い込んでいるのであった。
(気づかれた……!)
こんな状態で歩いていれば、様子のおかしさなど一目瞭然に決まっているが、それにしても声まで聞いてしまったのだ。気づかれたことが明確になることで、唯華の頬はさらに強く赤らんでいた。
(やだ……最悪……)
唯華は俯き、恥じ入りながら横断歩道を渡りきる。
その時また、股からはぽたりと一滴、黄色い雫を垂らしてしまい、それは路面に染み込んでいく。またも外で漏らした恥ずかしさに顔を歪めた。
こうなったら、早く健太の命令を済ませてしまいたい。
唯華はこの状況でも許す限りの、ギリギリの早足で公園へ向かっていた。早く歩き過ぎれば漏れそうで、かといって遅すぎれば膀胱が限界を迎えてしまう。
その兼ね合いから、どうにか許される範囲の限界速度を意識しているが、かなりの綱渡りと言えた。
遅すぎず、速すぎもしない、バランスの中で歩くのは、実に焦燥を煽るものである。尿意は容赦なく強まるので、本当はもっと速く進むべきだと頭では思うのに、試しに速度を上げると一気に漏れる恐怖が膨らむ。
どうしても、中途半端なスピードを維持してしまう。
それでは危機感の方が煽られて、今にも膀胱が爆発しそうな焦りがあるのに、その爆発の恐怖は下手にスピードを上げることで余計に強まる。
速度を上げたくても上げられない。
もどかしさの中で、ようやく目的地の公園が見えてきて、そして幸いにも誰もいない。ここで健太は何を命じて、唯華に何をやらせたいと思っているのかまでは聞いていないが、人に見られる確率が少ないなら、それに越したことはないのであった。
「じゃあ、これにしてみて?」
健太が後ろから追いついてくる。
唯華に見せつけてくるものは、空のペットボトルであった。
「――そ、その中に?」
こうしているあいだにも、限界は今なお迫り続けて、またも雫が生まれている。ぽたりと一滴、今度は地面の上に垂れ落ちて、染み込んでいるのであった。
ペットボトルを見せられて、真っ先に想像するのは、尿道口の部分に口を宛がう方法だ。
だが、健太が想像しているのは、それとは少し違うらしい。
「ただペットボトルにするんじゃないんだよね。これを地面に置いて、狙いを定めてやるんだよ」
「そんな……さすがに……」
放尿の着弾地点を正確にして、ペットボトルの口の中へと綺麗に注ぐ。
そんな芸当、できるわけがない。
そして、できっこないことを要求して、後でお仕置きをしてくるまでが、健太の想像しているプレイなのだろう。
とにかく、理だと思う唯華なのだが、健太のニヤニヤとした顔さえ見れば、有無を言わせるつもりはないことが嫌でもわかり、それ以上の口答えはできないのだった。
「わ、わかりました。健太様」
唯華の立場では、どうあれそう答えるしかない。
「じゃあ、あっちの砂場でやろっか」
健太が指すのは、よりにもよって公園の中央だ。
滑り台や公衆トイレなら、まだしも物陰で目立たないように出来るのに、砂場で立ってするのでは、通行人が来れば一発でバレてしまう。
「スリルがあっていいじゃん?」
健太は唯華の返事も聞かず、さっさと砂場へ進んだ挙げ句、柔らかい砂の中へとペットボトルを突き刺している。
唯華は腹を括った。
というより、括らざるを得なかった。
こうなったら、一秒でも早く尿を出し切ることで、人に目撃される確率を減らすしかない。
唯華はペットボトルを跨いだ上で、軽くスカートを持ち上げて、がに股となって深々と腰を沈める。随分と格好の悪いポーズを取ったものだと思いながら、それを健太に見られる分には、もう慣れきってしまっている。
問題はこれが公園の中心、野外の風の中だということだ。
慣れた健太の視線はともかく、誰に見られるかもわからない焦燥感と、野外という状況の恥ずかしさで、唯華は顔を歪めているのだった。
ニヤニヤと楽しみそうにしている健太の前で、唯華は我慢の力を緩め、観念したような顔で放尿を開始する。
ジョロッ、
緩めるといっても、威力を出し過ぎないように、最初は気を遣っていた。そうでなければ、足場が悪く、まともに固定されていないペットボトルなど、水圧で簡単に倒してしまいそうである。
そして案の定、狙いは外れた。
最初の放出はペットボトルの横へと吸い込まれ、砂場を汚すのみに留まっていた。
そもそも、最初から正確に狙うのは諦めていた。
ジョロッ、ジョロロ――。
蛇口を開け閉めするように、何度かの放尿を繰り返す。二度目の放出も砂へと吸われ、次の放出はペットボトルの方に当たって、さらにもう一回試した時だ。
ジョロロロロ…………。
ようやく、口周りに当たっていた。
まだ数ミリは外れた狙いを調整して、やっとのことで位置を掴んだ唯華は、ペットボトルを満たそうと意識しながら、そのまま放尿をするのであった。
ジョォォォォォォォォォ――――――。
だが、威力を抑えるように意識していた。
その出力で狙いを調整したのなら、勢いよく放出した瞬間、たちまち狙いは逸れてしまう。抑え気味の放尿でなければ、口の中を正確に狙うことなど出来なかった。
そして正確に口に当て、だんだんと容器の中身を満たしていても、なお黄色い跳弾が周囲を徐々に汚している。口の内側で弾けた飛沫は、小雨よりも細かな粒となって四散して、砂場の中に吸収され続けていた。
「あーあー。みんなの場所を汚しちゃってさー」
健太の言葉攻めは、唯華にとって大きな辱めとなった。
その通りだ。
子供が使う砂場だというのに、女子大学生がそれを汚してしまっている。その汚し具合だけでも抑えるには、きちんと狙いを合わせきるしかない。
「ほーら、記念に撮っておいてやるよ」
健太はデジタルカメラまで構えていた。
「うっ、そんな…………」
野外で放尿している唯華の姿が撮られている。
舐め回すようにカメラの角度を変えながら、楽しげに撮影している健太の様子を見ることで、足元から顔にかけてをきっちり映し、場所さえも特定できる形で撮っているのがわかる
そんな映像をネットに上げられ拡散されれば、一体どんなことになるだろう。
既にいくらでも弱みを握られている状態で、さらに追加の弱みが増やされている。
ジョォォォォォ………………。
尿はまだ止まらない。
早く全てを出し切って、この状況から解放されたいが、膀胱にはまだまだ量が残っている。
早く、早く――。
ジョォォォォォ…………。
もう少し、あと少し。
残りは半分以下にまではなっているはずだった・
ジョォォォォォォ…………・
そこから、さらに減っていく。
それに応じてペットボトルの中身は溜まっていき、半分は超えたあたりだろうか。
ジョロ……ジョッ、ジョォ…………。
唯華の尿は途切れ途切れになった。
そして、ついに最後まで出し切って、試練が終わった安心感に、一気に肩から力が抜ける。
これで済んだ。
これで解放される。
そう、思っていた。
「後ろ後ろ」
だが健太が嬉しそうにそう言うので、その瞬間に唯華の中で、一気に嫌な予感が膨らんだ。
まさか、まさか――。
振り向いた時、そこには壮絶な顔をした男児がいた。
六歳か、七歳か、そのあたりだろうか。
そんな年齢の男児が、一体いつどの時から立っていたのか。砂場で放尿している大人の女性に、ひどくショックを受けたような、衝撃でならない顔をしていた。
その年頃の男児からしてみれば、高校の制服を着ている唯華のことも、十分に大人に見えるだろう。自分の幼い頃、高校生と社会人の区別はどれくらいあっただろうか。
大人が信じられない真似をしている。
自分でもしないようなことを、大人がやっている。
男児はきっと、それに対する強い衝撃を受け、目を大きく丸めきっているのであった。
「あ…………」
衝撃を受けたのは唯華も同じだ。
何か言い訳をしようかと、口を開きかけはするものの、一体何をどう言えばいいというのか。何らの言葉も思い浮かばず、唯華はただただ、その場で呆然としているだけだった。
「このお姉ちゃんはね?」
そんな唯華の隣をすり抜けて、健太は男児に向かって言う。
「この歳にもなって、お漏らしをしちゃうんだ。向こうにトイレがあるのに、どうしても我慢できないから、砂場なんかでオシッコをしちゃったんだよ」
と、言って聞かせていた。
「じゃないと、道路とかでするかもしれないから」
利尿剤を飲まされて、我慢を強要されたという理由があるとはいえ、なまじ嘘とは言い切れない。
きっと男児は信じてしまっていた。
健太の口から、利尿剤のことまで出て来るはずもなく、男児の中での唯華は、信じられない場所でお漏らしをする女性となって、記憶の中に焼き付いてしまったに違いない。
「さあ、お姉ちゃん。お仕置きの時間だよ」
健太は本当に嬉しそうに、笑顔を輝かせているのであった。
「どんなお仕置きだと思う? お尻ペンペンだよ?」
一体、その男児の中での唯華は、本当にどんなイメージになっているだろう。姉弟と思われつつ、こんなにも年下の子にお尻を叩かれ、躾をされる場面を具体的に思い浮かべているのだろうかと思ったら、何とも言えない恥辱感が胸に沸き立ち、どうしようもなくなってくるのであった。
高校時代は寮生活だった唯華は今、それなりに良いアパート
で暮らしている。
もしも順当に恋人を作り、異性と仲を深めていたなら、あるいは男を連れ込んでいたかもしれないが、今日の唯華が実際に部屋に招いているのは健太であった。
こんなこと、人に知れたらどうなるだろう。
成人男性が女児を連れ込む場面となれば、誰もが怪しむことだろうが、女子大生が小さな少年を、というのも、きっと同じく怪しまれる。
そしてまさか、唯華こそが元々は被害者で、健太の方が脅迫犯であろうとは、普通は想像しないだろう。
きっと健太の脳裏には、もしもの時は自分こそが被害者として逃げ切るストーリーがありそうだと、唯華はそんな想像をしているのだった。
「いい部屋だねー」
上がり込んできた健太は、唯華の部屋を楽しげに見回して、それからすぐに言うのであった。
「じゃあ、昨日のお仕置きといこうか」
その言葉一つで、男児に目撃されてしまった衝撃を思い出す。
「……はい。健太様」
お尻ペンペンである。
引き続きワイシャツにリボンを通し、スカートを穿いた姿でいる唯華は、健太の立てる片膝の上へと腹を乗せ、四つん這いのような形となって、叩かれるための体勢を取っていた。
スカートが持ち上がる。
「ちゃんとノーパンじゃん? 偉い偉い」
どうせやることをやるのだから、穿いている必要はないと、事前の連絡で言われていた。
健太はノーパンを趣味にしつつあるわけなのか。
言いつけを守れて偉い偉いと、小さい子でも褒めるように、健太は尻に手を置いて、たっぷりと撫で回してくる。そうやって皮膚を撫でられ、刺激されることが気持ち良く、唯華は軽く下腹部を疼かせていた。
その手がすっと離れた時、唯華は若干身構える。
――来る。
ペチン!
健太の手に、尻たぶが打ち鳴らされた。
ペチ――ペチ――ペチ――と、繰り返し当たって来る手の平で、軽い痺れが蓄積していく。こうして扱われることに興奮して、下腹部もまたヒクヒクと疼き続ける。
叩かれているのは中央だった。
割れ目の上に手の平が当たっての、肛門に直接衝撃の来るような位置が叩かれていた。
ペチッ――ペチ――ペチンッ、ペチン――――
このお仕置きは、一体どのくらい続くのか。時間も回数も、きっと健太は決めていない。だから唯華にはわかりようもなく、いつ終わるかもわからない平手打ちを、ただただ延々と堪えているのであった。
ペチッ、ペチ! ペチン!
今頃、皮膚が少しは赤らんでいる。
利尿剤、健太に強要されたプレイ。
本当の意味で自分が悪いわけではないと、頭の中ではわかっているのに、こうしてお仕置きされていることで、どんどん情けない気持ちになってくる。
まるで自分は確かにお漏らしをする駄目な子で、健太の手でお尻を叩かれても仕方のない人間であるような、あらぬ錯覚に囚われそうだ。
あるいは唯華は、そのように自分で自分を騙しているのかもしれない。
ペチン! ペチン!
性癖が捻れてきて、健太から受ける扱いに、興奮するようになっているのだ。
だから唯華自身、自分はそんな悪い子であるような、ロールプレイをしているのだろう。
「ねえ、ちゃんと反省してる?」
「し、してます……きちんと、してます……!」
「自分がどうして叩かれてるかわかる?」
「お漏らしを……するから……」
「そうだよね? 大学生にもなって、オシッコを漏らしたりするからだよね?」
今までの体験が唯華の心に降りかかる。
ショッピングモールの時、男子中学生の二人組から聞こえた声も、唯華の中で真実になり始めている。利尿剤のことなど頭から消えていき、惨めだった思いだけが蘇っての、顔には恥辱感が滲み出ていた。
「悪い子だ。志波姫唯華はとっても悪い子だ」
健太が嬉しそうに繰り返す。
ペチペチと、尻にはいつまでも平手打ちが繰り返され、今頃は赤い手形が出来上がり始めているかもしれない。
それだけ叩かれ、やっとスパンキングの時間は終わる。
「じゃあ、ベッド行こうか」
いよいよだった。
ここから先が、健太の本当に楽しみにしている時間なのだった。
*
「んっ、あっ、あぁ……!」
ベッドへ横たわり、さっそく始まる健太の愛撫に、唯華は甘く息を乱していた。
「なんでもう濡れてるの?」
「それは……あっ、あぁ…………!」
「なんで?」
「健太様に……た、叩いて……頂いたから……!」
「叩かれて濡れたんだ。変態だね」
言葉攻めを受けることで、ますます興奮している唯華は、しかし既に数分前からアソコを濡らし、いつ挿入されても構わない状態に達していた。
お尻を叩かれているだけで、十分に興奮したのだ。
そして、仰向けでスカートを捲られて、ワレメに指を置かれた時の、満を持しての刺激といったらなく、唯華は髪を振り乱し、汗すら滲ませながら喘いでいるわけだった。
「あーあー。指がいっぱい濡れちゃったよ」
健太は自分の指を眺める。
そのすっかり愛液にまぶされた指を使い、もっと楽しい愛撫をしようと、健太が次に狙うのは乳房であった。
「ボタン、取って」
言われてすぐに、健太様のために乳房を出す。
ワイシャツを左右に広げた途端、健太の指はすぐさま乳首に絡みつき、ねっとりと愛撫してくるのであった。
「んぁ……!」
乳首に、乳輪に、愛液が塗り込まれる。
「んっ、んぅ……んぅぅ…………」
乳房にもたちまち快楽は満ち溢れ、乳首を大胆に硬くしていった。早くも極限まで高度を上げ、感じやすくなってしまった乳首からは、激しい刺激が飛び交って、乳房の神経が快楽電流に焼かれるかのようだった。
「あっ、んぅ……んっんくぁ……あっ、ふぁ…………!」
ただ気持ちいいだけではない。
やはり母乳の出る薬は飲んでおり、その効果で乳房から、それは飛び出ようとしていた。見えない何かが膨らんで、皮膚から弾けようとしている感覚が大きくなり、やがてはトピュっと軽く噴き出していた。
「わーお」
白っぽいものが出た途端、健太は嬉しそうに乳房へ吸いつく。
「ちゅぅぅぅ…………」
「んぅぅ……!」
母乳を飲もうとしてくる唇の、チューチューと吸引の力をかけてくる刺激に、唯華はさらに乱れていった。
「んぁ……あぁぁ……け、健太…………!」
胸に吸いつかれていると、どうしても母性を刺激され、健太のことを可愛がりたくなってくる。その頭へ手が伸びて、可愛い子を癒やさんばかりに、撫で始めている自分がいる。
健太も内心、それが気に入ってのことなのか。
どんな文句を言うでもなく、黙ってもう片方の乳房にも吸いついていた。
「ちゅっ、ちゅぱ……ちゅぱ…………」
「あっ、あぁ……」
「ちゅぱっ、ちゅぱっ、ちゅぱっ」
吸いつく力で乳房が軽く伸ばされて、その直後に起こる唇の脱力で、先っぽが解放されると同時に、ちゅぱっと音は聞こえてくる。
乳首が口に含まれている状態で、またもや先っぽはジンジンと、熱っぽく中身を弾き飛ばして、今度は健太の口内へと母乳を出しているのであった。
「ちゅぅ……ちゅぅ…………」
健太はまだ吸っている。
だから唯華も、頭を撫でて可愛がる。
「れろ……れろ……」
少しだけ顔は離れて、しかし乳首に舌が絡みつく。乳輪もなぞられて、その快感にうっとり目を細めていると、やがて健太はシャツとズボンを脱ぎ始める。
そろそろ、挿入というわけだ。
唯華は静かに脚を広げて、健太もまたゴムの装着を行って、お互いの性器が触れ合う。
ワレメを開き、内部へと侵入してくる肉棒を、唯華は気持ち良く受け止めていた。
*
すぐにピストンは始まった。
ぐちゅっ――ぐちゅ――――と、肉棒の出入りが愛液をかき混ぜて、突き捏ねもしていることで、粘液の水っぽい音が聞こえてくる。
「んぁっ、あん! あぁん!」
だがそれ以上に、唯華自身の喘ぎ声が大きかった。
「あっ、あっ――あっ――――」
声が水音など掻き消していた。
「んっ、やっ、あっ、やぁ……!」
一心不乱に髪を振り乱し、よがる勢いに任せてシーツを掴む。両手にぐっと握力を込め、唯華の顔の両側では、敷き布団からシーツは高く持ち上がる。
「んぁっあ! あっ、あぁ――――!」
脚も暴れた。
貫かれるたび、唯華は脚を弾ませていた。太ももの開閉じみたビクビクとした反応もさることながら、膝の先では何度も空中にキックをかましていた。
「はぁ……はぁ――!」
そんな唯華に対して息を荒げて、健太は興奮に負かせて一心不乱に腰を振る。
激しい出入りが愛液を泡立てていた。
ぐちゅり、ぐちゅりと、喘ぎ声の中に掻き消され、唯華と健太のどちらの耳に届くこともない、しかし確実に鳴ってはいる音が続くにつれて、捏ねられた愛液が白っぽく固まっていく。
「んぅ――いっ、やぁ……!」
結合部から見え隠れする竿の、コンドームの表面には、白く泡立ったものが付着していた。
「あっふぁ……あふぅ……!」
そして股の周囲を見てみれば、アソコから伝い流れた愛液がシーツに染みて、お漏らしのように広がりつつある。まだまだ小さな円に過ぎないものの、この絡み合う時間が続けば続くだけ、面積は広がるはずだ。
「んぅぅぅ――んっ、んぅぅ…………!」
その時、唯華の喘ぐトーンが上がる。
「よし!」
それに気づいた健太は、このままイカせてやろうと気合いを込めて、ストロークをさらに大胆なものにしていた。持ちうる腹筋や背筋であり得るだけの、極限までのピストンを披露しようと、健太は体力の限りを尽くし始めていた。
「あっ、あぁ――あぁ――あぁぁ――あぁぁぁ――――!」
髪を振り乱す動きは激しくなり、まだ絶頂もしないうちから、胴体が浮き沈みを繰り返す。数ミリか数センチの隙間を作る背中は、絶えずシーツへ叩きつけられ続けていた。
「んぁっ、あっ、もう――もう……!」
やがて、その瞬間は訪れる。
「やっ、あぁ! くぅぅぅぅぅ…………!」
胴体が浮いていた。
綺麗なアーチとなって、鳩尾が宙へと突き出されていた。
「出る……!」
健太もまた、射精していた。
たっぷりと吐き出される精液で、コンドームを大きく膨らませる。それを咄嗟に引き抜いた時、不意にゴムが外れたせいで、膣が半分以上を飲み込んだまま、桃色のリングはだらっとワレメから垂れ下がっているのであった。
「はぁ……はぁ……気持ち……良かった…………」
うわごとのように呟く唯華の中から、そのリングが指につままれ、ゆっくりと引き抜かれる。
たっぷりと精液を溜め込んだものが片結びにされ、胸の上へと置かれると、唯華はその熱気をゴム越しに感じ取る。
「まだだよ?」
肩を上下させながらも、健太は次のゴムを用意していた。
「……うん」
唯華は期待混じりの顔でそれを迎える。
もう完全に、求めてしまっていた。
もし仮に、ここで健太がお預けを宣言したら、どうかお情けを、などと言い出しても、今の唯華ならおかしくなかった。
健太が挿入準備を済ませるのに合わせ、唯華もまた脚を開いて迎え入れ、再び激しく絡み合う。いくらでも濡れているアソコには、肉棒は実にスムーズに、あっさりと入り込んでいた。
「ちゅぅ……」
キスすらしていた。
人の感じた顔を見るためか、前のめりに上半身が倒れて来た時、唯華はその後頭部へ衝動的に両手を回し、自分へ向けて引き寄せていた。
半ば力ずくのように、しかし健太の方に抵抗があったわけでもなく、二人は唇を貪り合う。
「!」
最初は驚きに目を丸めた健太だが、すぐにそのまま大口を開けて頬張っていた。
「んっ、じゅぅ――――」
唯華の方も大きく口を開いた上で、健太の蹂躙を受け止めようと、口内という名の領地を開放している。舌を自ら差し出して、絡め合わせてくれと言わんばかりの、アピールさえしているのだった。
「ふじゅ……ふじゅ……」
唾液の糸を何度も引かせ、上下の口で絡み合う。
そしてまた、次の絶頂が迫った時、健太は先ほどのように一心不乱に、唯華も大声で喘ぎ散らして、お互いに果てるのだった。
「――――っ!」
顔だけを見るのなら、激痛でも走ったような険しい顔で、しかし快楽に震えた唯華は、ぐったりと大の字に手足を伸ばす。
そこから肉棒が引き抜かれ、今度はゴムもきちんと外へ排出されると、その数秒後のことだった。
完全に緩みきっていた。
押さえ込む力が失われ、溜まったものが出て行くしかない状態に、無意識のうちになりきっていた。
ジョボボボボボボボ――――――。
唯華はオシッコを漏らしていた。
ぐったりと倒れ込んでいるままに、黄色いものが天に向かって飛び出していた。量も威力も限られた放尿は、そう高くはならないうちに、Uターンのように下降して、その着弾地点であるシーツに染み込んでいく。
既に愛液で十分に濡れ、数センチは円の広がっていた場所は、より決定的なお漏らしとなった。愛液ではなく、尿によって染みが広がる形によって、本当に紛れもないお漏らしの痕跡が出来上がっていくのであった。
「……へえ?」
それを見た健太はほくそ笑む。☆
急に小便が出て来た時は軽く驚き、咄嗟に身をかわしていたものの、シーツに広がるものを見ることで、その脳裏には面白いアイディアを浮かべていた。
「写真、撮ろうか」
と、健太が告げる。
そう言われた唯華には、健太の思惑を即座に掴むことは出来ずにいた。
…………
……
数日後、健太は満足そうにノートパソコンの画面を眺め、金持ちの優雅な一時を気取って頷いていた。
一枚の写真を表示しているのだ。
画面いっぱい、でかでかと、良いカメラを使っているので拡大も自由なそれを鑑賞して、すっかり気分に浸っている。
コーヒーカップを持ち上げて、よもや芸術鑑賞すら気取って眺めているのだ。
その写真が唯華のものなのは、まず間違いない。
ただし、単に裸を撮ったり、ごく普通にお漏らしの瞬間を捉えたわけではない。
もっと、趣というものを考えて撮った写真がそこにはある。
お漏らしシーツと唯華のツーショットだ。
物干し竿にお漏らしのシーツを干してもらい、ぐっしょりと濡れた部分を横にして、全裸の唯華にピースをやらせたのだ。
「そろそろオムツがいるかもねぇ?」
そんな写真を満足げに眺めながら口にして、脳裏に浮かべている光景は、唯華をますます幼児扱いするものだった。
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