前の話 目次




 さてさて、大河は診察用のベッドに上がり、仰向けになっていきます。
 アソコには両手が置かれ、男達は性器も陰毛もまだ一瞬たりとも見ていません。
 しかし、隠していられる時間も、そろそろ終わりを告げようとしています。
「…………さっさと、済ませなさいよ」
 気が済むまで調べればいいでしょ、変態――と、まあそういう感じの気持ちがひしひしと伝わってきます。
「では手をどかして、足を広げて下さい。性器検査を開始します」
「…………」
 大河、無言で両手をどかしました。
 もう諦めの境地でしょうか。
 初々しくて可愛いワレメを曝け出し、そのまま脚をM字にしていき、これでもう性器はあけっぴろげです。しかも、そんな大河の周りを男という男が取り囲み、みんなで裸を観察なんてしちゃっています。
「では診ていきましょうか」
 おっと、調べるのは中年エロ医師みたいです。
「あんたなの……?」
「何かいいました?」
「ふん。別に」
 大河、ぷいっと顔を逸らします。
「調べますからね? この可愛くて綺麗なアソコを」
 医療用のビニール手袋を装着して、さあ性器検査の開始です。まずは外観を眺め回して、皮膚の具合やら、陰毛の生え具合やら、色々と観察していますね。生えかけの薄らとした毛をつまんで、ちょっと引っ張ってみたりなんてしています。
「ふむふむ」
 何がふむふむなのか、医師達にしかわかりません。
 で、大河は落ち着きがありません。非常にそわそわしています。なんたって、開脚した股のすぐ前から、じっくりと観察されているわけですからね。しきりに顔を動かして、右を向いたり左を向いたり、じっとしていられません。
「さぁて、中身はどうですかね?」
 ついに指でくぱぁっと、開いちゃいました。
「うっ、うぅぅぅ――――」
 ぎゅぅぅって、思いっきり目まで瞑りながら恥ずかしがってます。
 おお、凄い。なんという恥じらいっぷり。
「綺麗な桃色ですねぇ? 粘膜の輝きがよくわかりますよ」
 中年エロ医師、肉ヒダの見た目を実況します。
「ほうほう。血色は問題無し――おっと、処女膜を発見しました。星形のような形状ですね」
 処女膜というのは、実際に膜で穴が閉じているわけでなく、何やらヒダみたいのがあるってわけなんですが、それで星形っぽい形になってるんですね。中年エロ医師はそんな大河の処女膜について、とても詳しく解説します。
 それを周りがメモに取っているので、書き込みの音すら今の大河にとって恥辱でしょう。
 クリトリスがどのくらいの大きさなのか、尿道口はどんな感じか。
 もうわかることは全て口にしていて、その解説の言葉が大河をこれでもかというほど悶絶させています。
 しかも性器検査だけに留まりません。
「あ、次は四つん這いになって下さい?」
「四つん這いって……」
 もう嫌な予感しかしないでしょうね。
「お尻の穴を診ますから」
「やだ……」
「嫌じゃないんです。それとも、今更になって拒否するなら、結局は他の誰かにお鉢が回るんですよ?」
「そ、そんなの駄目……」
 やっぱり、祐作をこれと同じ目に遭わせることなんて、とても考えられないみたいです。
 健気にも姿勢を変え、大河は四つん這いとなりました。
 顔から炎を巻き上げる勢いで、激しく恥じらっていらっしゃいますね。顔中が強張って、頬とか唇が全部くしゃくしゃな感じなのが、もう何と言っていいやら。
 さて、お尻が高らかになりましたね。
 大河さーん? 肛門丸見えですよー?
 さてさて、中年エロ医師はそんな皺の窄まりをじーっと観察して、ニヤニヤしながら鼻息を荒げています。
「とても綺麗な穴ですねぇ?」
「な……!」
「皺の本数は? 三、四、五、六――」
「はっ!? えっ、なにそれ! なんで? 意味わかんないわ! 何よ皺の本数って!」
 悶絶ものですね。
 お尻の穴って、自分では見えないじゃないですか。
 そんなところを観察されて、皺まで数えられているなんて、一体どれだけ恥ずかしいことでしょう。
「七、八、九……」
 カウントが続きます。
「くっ、うぅぅ…………!」
 顔中に力が入っています。
 顔の筋肉全てが強張りきっています。歪むだけ歪んでいます。
「十、十一、十二本!」
 中年エロ医師、カウントを完了しました。
 十二本、十二本だそうですよ?
 さて、もちろんこれは紙に書かれて、記録されちゃっているわけですが、大河さんの今のご気分はいかがでしょう。この場に降臨して、マイクを向けてインタビューなんてしちゃってみたいくらいですね。
「ではギョウ虫検査っと」
 おおっと、容赦がありません。
 ご存じでしょうか?
 ギョウ虫検査ってものに使用するあのセロファン。寄生虫検査の一種で、肛門に付着した卵の有無でギョウ虫がいるかいないかを調べようってものなんですが、それを人の手でやってもらうだなんて、なんたる屈辱でしょう。
「うぅぅぅぅ……!」
 肛門をセロファン越しにぐりぐりされて、目を思いっきり瞑ってますね。まぶたの筋力でありうる限り、極限までの力が籠もっています。それだけの力が入っているんですから、表情の歪みようったらありません。
 ねえねえ、大河さーん?
 今のお気持ちはどうですか?
 さてさて、ここで中年エロ医師さん。指を一旦離しますが、肛門にセロファンがくっついたまま、しばらく放置します。放置といっても一分かそこいらですが、わざわざ体をどかして、他のみんなにも見えるようにしてあげています。
 これは親切ですね。
 セロファンのくっついた肛門をみんなが見ます。
 もう視姦しちゃい生ます。
 で、時間が経ったらぺりって剥がすんですが、終わった頃には大河は涙目になっていました。いやぁ、あるいは本当に泣き出しちゃっても、おかしくないかもしれませんね。

     *

 さらには尿検査が待っていました。

 ジョォォォォォォ…………。

 はい、もう出しちゃってます。
 都合良く尿意があった大河ですが、もちろんトイレで紙コップに、なんて生易しい状況で放尿しているわけではありません。
 そう、みんなの見ている前です。
 人前でオシッコしてます。
 テーブルに尻を乗せて、背筋は伸ばして脚はM字に、みんなに股が見えやすいポーズを取った上で、アソコには尿瓶の口を当ててもらっています。中年エロ医師が持つガラスの瓶の中へと、黄金水がみるみるうちに溜まっているわけですね。
 ははっ、いい姿です。
 大河さーん? どうして顔を隠してるんですかぁ?
 説明しましょう。
 今の大河は両手で顔を覆い隠して、そりゃもう必死こいて表情を隠しています。恥ずかしがってる顔付きだけでも、ってわけですかね。しかし、ペチャパイもアソコも丸出しで、オシッコまで出していて、それで顔だけは隠そうなんてお笑い種ですよ。
 手の平の内側では、顔が滅茶苦茶に歪んでいるのは言うまでもありません。

 ジョロロロロロロ…………。

 なんて音を立てながら、顔中の全ての筋肉が強張ってます。力む余りにプルプル震えて、眉間には深い皺が出来ているし、頬はピクピクと痙攣するかのようになっていて、歯を食い縛る力も、もう物凄いことになっています。一体何を噛み砕くつもりでしょう。
 で、そのオシッコもやがては途切れ、ワレメに滴だけが残るわけですね。
 すると、どうなると思いますか?

「はーい。大河さん? 拭き拭きしましょうねぇ?」

 なんと、アソコを拭き始めました。
 中年エロ医師が大河のアソコを丁寧に拭いています。尿道口に残った微妙な滴を拭き取って、清潔にしているのです。こんなトイレの世話なんて、生後数ヶ月だとか、幼稚園の頃とか、普通はそのあたりで終わるじゃないですか。
 それを高校生にもなってしてもらうなんて、本当にどんな気分でしょう。
 もう死にたくてたまらないんじゃないですか?
 しかも、拭き終わったところで、ですよ?

「では最後の検査といきましょう」

 最後! 最後と来ました!
 まだ終わっていないんです!
 では最後の計測は何かというと、乳首のサイズを測ります。乳輪の直径を測ります。性器のワレメの長さ、お尻の割れ目の長さ、クリトリスの大きさ、膣口の直径、大陰唇、小陰唇、尿道口など、それはもう色んなところを測ります。
 ノギスっていう計測器具を体中のいたるところに当てられるんです。
 定規だって当てられるんです。
 で、中年エロ医師がその都度大きな声を出すんです。

 乳輪の直径! 肛門の直径!
 アソコの大きさ!

 拷問ですか? そういう拷問ですか?
 中年エロ医師さん、もはやあなたは拷問官です!

 もう死にたい、もう消えたい。
 そんな思いで溢れきって、やっと検査が終わった後も、大河はずっとずっと引きずりました。何日経っても、ふとした拍子に思い出しちゃったりして、それで竜児が八つ当たりをされたりなんてするわけですね。
 検査で取ったデータですが、もちろん保存されます。
 逢坂大河の身長やスリーサイズに、肛門の皺の数から何まで全てくまなく、資料として永久に保存され続けちゃいます。
 ま、そんなわけで検査は終わったわけですが、大河は一体どのくらい先まで引きずるのか。
 ええ、それは誰にもわかりません。
 もしかしたら、数年経ってですら、思い出して「ぬがー!」っと叫び、頭を抱えて真っ赤になってのたうち回ったりとかするかもしれません。



 
 
 

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